高松の香東川自転車道と春日川を組み合わせたサイクリングコース

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香川県高松市を流れる香東川沿いに整備されたサイクリングコースは、香東川自転車道と呼ばれ、市街地から塩江温泉郷までの約22キロを結んでいます。すぐ東側を流れる春日川の周辺にも走りやすい道が続いており、屋島を望みながらペダルを漕げるコースとして知られています。香東川で山と渓谷の景色を、春日川で海に近い開放的な景色を楽しめるため、この2本の川を組み合わせれば高松の自然を丸ごと味わう1日が組み立てられます。高松空港からのアクセスが良く、レンタサイクルやシェアサイクルも揃っているため、県外から輪行で訪れるサイクリストにも走りやすい土地です。この記事では香東川自転車道のルートや距離、沿線の見どころ、春日川エリアとの組み合わせ方、走る時期や注意点まで、実際に計画を立てる際に必要な情報をまとめました。

目次

香東川自転車道の総延長は21kmから27.3kmまで資料で差がある

香東川自転車道の正式名称は香川県道269号塩江香川高松自転車道線です。香川県が管理する自転車道のひとつで、香東川の堤防沿いにほぼ全線が整備されており、自転車と歩行者専用の道路になっています。昭和55年、西暦でいう1980年の時点ですでに全線が開通していて、香川県内の自転車道の中でも歴史は古い部類に入ります。

総延長は資料によって21.0キロから約24キロ、あるいは27.3キロと数字が異なります。これは起点と終点の取り方や、周辺道路との接続部分をどこまで自転車道として数えるかによって差が出るためです。実際に走る際は、片道おおむね20キロ台前半から半ばというイメージで計画しておくと現実に近いでしょう。高低差が比較的少ないルートで、ロードバイク初心者からベテランまで幅広く楽しめる中級者向けコースとして紹介されています。半日あれば往復できる距離感です。

コースは塩江町の観月橋東詰から栗林公園北側の中新町交差点までを結ぶ

香東川自転車道の起点は、塩江町の観月橋東詰、県道43号線との交差点付近です。ここから香東川の右岸と左岸の堤防沿いを北へ向かって走ります。途中、萩寺として知られる最明寺の近くを通過し、高松空港のすぐ横を抜けていきます。空港の滑走路沿いを自転車で走り抜けられるのは、この自転車道ならではの体験です。

さらに川沿いを北上すると、香川県の名勝である栗林公園のすぐ北側、中新町交差点付近が終点、あるいは起点となります。ここまで来れば高松市街地の中心部まではわずかな距離です。JR高松駅や、ことでん琴平線の栗林公園駅からもアクセスしやすく、輪行袋を使って電車で移動し、途中からサイクリングを開始したり終了したりすることもできます。

コース全体を通じて、香東川の穏やかな流れと川沿いの田園風景、そして塩江側では山と川が織りなす渓谷の景色を楽しめます。塩江町エリアは高松の奥座敷とも呼ばれる温泉地で、山間部特有の渓谷美が魅力です。街なかの喧騒から離れて、水の音を聞きながらペダルを漕げるのが、このコースの大きな魅力といえます。

萩寺として知られる最明寺には10数種約200株のハギが植えられている

香東川自転車道の沿線には、寄り道してでも訪れたい名所がいくつかあります。そのひとつが萩寺の愛称で親しまれる最明寺です。伝承によれば701年に行基菩薩が薬師如来像を彫り、本尊として安置したとされ、塩江の山あいに囲まれた静かな山寺として知られています。

境内には宮城野萩、紅萩、姫萩、駒止萩、通天萩など10数種類、約200株のハギが植えられており、四国を代表するハギの名所です。見頃は9月中旬頃で、この時期には萩まつりも開かれ、おはぎや抹茶のお接待が振る舞われることもあります。本堂、大師堂、護摩堂、観音堂、ミニ四国88ヶ所、修行の滝など境内の見どころも多く、香東川自転車道を走る途中に季節の花を眺めながら小休止するのにちょうどよいスポットです。

栗林公園は特別名勝の庭園でミシュランガイドで3つ星に紹介されている

香東川自転車道の高松市街地側の終点、あるいは起点の付近には、国の特別名勝に指定された日本庭園、栗林公園があります。栗林公園は特別名勝に指定された文化財庭園の中で最大の広さを誇る回遊式大名庭園で、高松藩の歴代藩主が長い年月をかけて築き上げたものです。

江戸時代に花開いた池泉回遊式の様式で、6つの池と13の築山を巧みに配置し、一歩歩くごとに景観が移り変わる一歩一景の魅力を持っています。松の美しさに定評があるほか、モミジによる新緑や紅葉、ウメやサクラ、ツツジ、ハナショウブ、ハスなど四季折々の花も楽しめ、ミシュラングリーンガイドジャポンでは3つ星で紹介されるなど国内外から高い評価を受けています。香東川自転車道を走り終えたあと、少し足を延ばして栗林公園を散策すれば、サイクリングと庭園観光を一日で味わう贅沢なプランになるでしょう。

香東川親水ゾーンは約1キロの区間に吊り橋と四阿を備えた休憩スポット

塩江町エリアには香東川親水ゾーンと呼ばれる整備された親水空間があります。ここは約1キロにわたる多目的道路で、香東川に沿って吊り橋や四阿といった休憩施設が設けられています。川のせせらぎや周囲の緑を間近に感じながら一息つける場所で、サイクリングの休憩ポイントとしても向いています。長距離を走ったあとにこうした親水空間で小休止を挟めば、無理なく塩江温泉郷までの道のりを楽しめます。

香東川親水ゾーンや多目的広場を過ぎたあたりからは、塩江の名刹である最明寺へ続く道があり、この参道沿いには駐車場も設けられています。車で塩江エリアまでアクセスし、そこからサイクリングをスタートするプランを考えている場合は、こうした駐車スペースの存在も覚えておくと計画が立てやすくなります。

春日川の指定延長は約15.1キロで屋島西町付近で新川に合流する

香東川と並んで高松市を代表する川のひとつが春日川です。春日川は新川水系に属する河川で、高松市西植田町に源を発し、高松の低地部を新川とほぼ並行するように北へ流れ、屋島西町付近の河口近くで新川に合流します。指定延長は約15.1キロ、流域面積は約62.9平方キロメートルです。

香東川が高松市街地の西側を流れるのに対し、春日川は市街地と屋島のあいだを流れる川で、川幅も比較的広く取られているのが特徴です。川沿いを走ると屋島の台地状の地形が間近に見え、瀬戸内海に浮かぶ島々を思わせる屋島の姿を眺めながらサイクリングを楽しめます。香東川エリアが山と川の渓谷美を楽しむコースなら、春日川エリアは屋島を望む開放的な景観が魅力です。

春日川の川市は毎年5月に木太町の河川敷で開かれる恒例行事

春日川の下流、木太町付近の河川敷では、毎年5月に春日川の川市と呼ばれる恒例行事が開かれます。もともとは川に卒塔婆を流して供養する流れ灌頂の風習や、植木や農具の販売市に由来するもので、初夏の風物詩として地域に親しまれてきました。サイクリングの時期をこの川市の開催時期に合わせれば、地域の文化に触れながら走るという楽しみ方もできます。

海側の1日目49.8kmと川側の2日目37.3kmを組む1泊2日プランがある

高松市は海、山、川がコンパクトにまとまった立地で、これらを組み合わせた1泊2日のサイクリングコースが観光情報として紹介されています。1日目は、高松空港を出発して庵治半島方面を経由し、高松市街まで走る約49.8キロのコースです。庵治半島は瀬戸内海と大小の島々が織りなす多島美が魅力のエリアで、県道36号を使って半島をぐるりと周回できます。海沿いの景色を楽しみながら高松市街地へと向かい、屋島を周回する県道150号線を組み込めば、源平合戦の史跡をたどりながら瀬戸内海の眺望も楽しめるルートになります。屋島のふもとから春日川方面へ抜けるルートを取れば、海のエリアから川のエリアへとスムーズに移動することも可能です。

2日目は、高松市街から香東川沿いを経由して塩江温泉郷を通り、再び高松空港へ戻る約37.3キロのコースです。前半で紹介した香東川自転車道をほぼそのままなぞる形になり、川沿いの穏やかな景観と塩江エリアの渓谷美、そして温泉地ならではの旅情を味わえます。走り終えたあとは塩江温泉郷の温泉施設で疲れを癒やし、旅の締めくくりにすることもできます。1日目に海、2日目に山と川を配置することで、高松の自然の多様性を効率よく体感できるプランになっています。日程に余裕がない場合は、香東川自転車道の往復、片道約22キロ往復約44キロだけを1日で楽しむプランでも満足度の高いサイクリングになります。

塩江温泉は1300年の歴史を持つ硫黄泉・放射能泉の古湯

香東川自転車道のゴール地点、あるいは折り返し地点として多くのサイクリストが目指すのが塩江温泉郷です。塩江温泉は1300年という歴史を誇る古湯で、伝承によれば名僧の行基が掘り当てたとされ、その後は弘法大師空海によって広められたと伝わっています。開湯当初から湯治場として親しまれてきた歴史ある温泉地で、泉質は硫黄泉と放射能泉に分類されています。体の芯からじんわりと温まる硫黄泉ならではの柔らかな肌触りが特徴とされ、長く走ったあとの疲労回復に向いた温泉です。

塩江温泉郷のほぼ中央には道の駅しおのえがあり、休憩や地元の特産品の買い物にも便利です。道の駅の川向かいには日帰り入浴施設の行基の湯があるため、サイクリング後にそのまま立ち寄って汗を流すこともできます。周辺には市立塩江美術館や、ブナの原生林が広がる大滝山、内場池といった自然と文化のスポットも点在しており、時間に余裕があれば自転車を降りて散策するのもおすすめです。季節ごとに桜まつり、ホタルまつり、温泉まつり、紅葉まつりといった催しも開かれ、夏には清流である香東川の上流域でホタルが飛び交う様子を見られることもある、自然の豊かなエリアです。

屋島一周コースは周長約10kmで讃岐東照宮とも呼ばれる屋島神社がある

春日川エリアと組み合わせて楽しみたいのが、屋島を一周するサイクリングコースです。屋島は高松市内から東へおよそ5キロ走れば到達できる、瀬戸内海に突き出た台地状の半島です。陸続きになった半島の外周を道路がぐるりと取り囲んでいるため、周回コースとして走りやすいのが特徴です。交通量が少なく走りやすい道が続き、程よいアップダウンを楽しみながら、周長およそ10キロ程度で瀬戸内海の多島美を眺めるサイクリングができます。

屋島には、1804年に高松藩主の手によって造営が始まり1815年に完成した屋島神社があり、別名讃岐東照宮とも呼ばれる由緒ある神社です。源平合戦の史跡としても知られる屋島は、歴史をたどりながら走るコースとしても人気があります。屋島から北へ足を延ばせば庵治半島にもつながり、瀬戸内海の島々を望む多島美を楽しむ県道36号のルートへと接続します。春日川沿いを経由して屋島方面へ向かえば、川エリアと海エリアをシームレスにつなぐサイクリングルートを組み立てられます。

屋島一周コースの途中でうどん店に立ち寄るプランも楽しめる

香川県といえば讃岐うどんの本場であり、サイクリングとうどん巡りを組み合わせるのも高松ならではの楽しみ方です。屋島周辺や高松市内中心部には、自転車で気軽に立ち寄れるうどん店が数多く点在しており、屋島一周コースの途中でうどん店に立ち寄る観光ルートも紹介されています。人気店は平日でも行列ができることがあるため、午前中の早い時間帯に訪れるのがおすすめです。香東川自転車道や春日川エリアを走ったあとに、高松市内でレンタサイクルを返却しつつうどん店を巡るプランを組めば、香川のサイクリングをより満喫できます。

香東川自転車道は瀬戸内エリア全体を結ぶSetouchi Véloの一区間でもある

香東川自転車道や屋島、庵治半島のコースは、瀬戸内エリア全体で展開されている広域サイクリングプロジェクトSetouchi Véloの一部としても位置づけられています。Setouchi Véloは瀬戸内地域に点在する多様なサイクリングルートをひとつにつなぎ、瀬戸内エリアを世界に誇るサイクリング推奨エリアとして発信していくプロジェクトです。香川県内には海岸線ルートをはじめ複数のルートが設定されており、信号が少なく走りやすい海沿いのルートから丘陵地帯、山間部までバラエティに富んだ区間がコンパクトにまとまっています。温暖で降水量が少なく、平坦な地形に緩やかな坂道が織り交ざる走りやすい気候と地形も、香川のサイクリングが評価される理由のひとつです。金刀比羅宮や善通寺、瀬戸大橋、島々のアートといった観光資源も自転車で巡ることができ、香東川自転車道や春日川エリアのサイクリングも、こうした広域ネットワークの中の一区間として楽しめます。

高松空港から自転車道の起点までは約6km、空港通り駅からは約10km

香東川自転車道へのアクセスは、高松空港が起点として便利です。空港から香東川自転車道の起点付近までは概ね6キロ程度とされており、自転車を輪行して空港に到着し、そのままサイクリングをスタートできる立地です。鉄道を利用する場合は、ことでん琴平線の空港通り駅が最寄り駅となり、そこから自転車道までは約10キロ程度の距離です。

高松空港には自転車利用者向けの設備として、自転車ラックや工具、空気入れ、更衣室などが用意されており、サイクリストにとって利用しやすい空港として知られています。ただし、施設は改修などにより一時的に利用できない時期もあるため、事前に最新の運用状況を確認しておくと安心です。

HELLO CYCLINGは2018年11月から高松市内で展開されている

レンタサイクルを利用したい場合、2018年11月からスタートしたシェアサイクルサービスのHELLO CYCLINGが高松市内に複数のステーションを展開しており、空港からの短距離移動や市街地観光との組み合わせに向いています。本格的なロードバイクやクロスバイクでじっくり走りたい場合は、高松駅周辺の専門店でスポーツタイプの自転車をレンタルするのがおすすめです。高松市自体もレンタサイクル事業を行っており、市街地観光と組み合わせた手軽な利用に適しています。塩江エリアでも、塩江温泉鉄道の廃線跡をたどるレンタサイクルコースが用意されているなど、地域独自の楽しみ方も広がっています。

桜の季節と5月の川市の時期が走りやすいタイミングになる

香東川沿いには桜の名所として知られる区間もあり、春先には川沿いの景観が華やぐシーズンになります。桜の時期に合わせてのんびりと川沿いを走れば、渓谷美と花の彩りを同時に楽しめるでしょう。桜の時期以外でも、初夏の新緑、秋の澄んだ空気の中でのサイクリングなど、季節ごとに異なる表情を楽しめるのがこのエリアの魅力です。

春日川エリアでは、前述の通り5月に川市が開かれることもあり、この時期に合わせて訪れれば地域の伝統行事に触れられます。屋島方面と組み合わせて走る場合は、瀬戸内海特有の穏やかな気候を活かして、真夏の炎天下を避けた春や秋のシーズンが走りやすい時期としておすすめです。

増水後の路面と空港周辺の進入禁止区域には特に注意が必要

自転車と歩行者の専用道とはいえ、香東川自転車道は堤防上の道であるため、地点によっては歩行者や地域住民の生活道路としても利用されています。スピードを出しすぎず、周囲の安全に配慮しながら走ることが大切です。河川沿いの道であるため、大雨や台風などのあとには路面状況が変化している可能性もあります。増水後は倒木や堆積物が残っていることもあるため、天候や増水情報を事前に確認してから出発してください。

塩江町エリアは高松市街地に比べて山間部にあたるため、標高差や気温差にも注意が必要です。市街地では暑くても山間部では涼しく感じられることもあり、羽織るものを一枚用意しておくと安心です。コース終盤の塩江側は本格的な山岳区間ではないものの、緩やかな上り基調になる区間もあるため、体力配分を考えながら走行してください。

高松空港周辺は滑走路に近い区間もあるため、飛行機の離着陸を間近で見られる楽しみがある一方で、周辺の交通ルールや進入禁止区域には十分注意してください。案内表示に従い、安全なルートを選んで走行することが大切です。

香東川と春日川を組み合わせれば海山川がそろう高松ならではの旅になる

香東川自転車道は、高松市街地と山あいの塩江温泉郷を結ぶ、香川県を代表するサイクリングロードです。川沿いの穏やかな景観、渓谷美、桜の名所、そして親水ゾーンでの休憩スポットなど、初心者からベテランまで楽しめる要素が詰まっています。市街地と屋島の間を流れる春日川は、屋島の景観を望みながら走れる別の魅力を持つエリアで、川市などの地域行事とあわせて楽しむこともできます。

高松空港からのアクセスの良さ、レンタサイクルやシェアサイクルの充実、そして海、山、川がコンパクトに揃った地理的な特性を活かせば、日帰りはもちろん1泊2日でも満足度の高いサイクリング旅を組み立てられます。香東川自転車道を軸に、庵治半島や屋島、そして春日川エリアを組み合わせて、高松ならではのサイクリング体験を計画してみてください。走る季節やルートの組み合わせ次第で、何度訪れても違った表情を見せてくれるのが、このエリアの魅力です。

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