土器川自転車道は全長37.2キロ、丸亀城からこんぴらさんへ

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香川県丸亀市には、土器川沿いを南下する「土器川自転車道」というサイクリングロードがあります。正式名称は香川県道270号丸亀琴平観音寺自転車道線で、丸亀市を起点に、まんのう町、琴平町、三豊市を経由して観音寺市まで至る全長37.2キロメートルの自転車・歩行者専用道路です。丸亀城やこんぴらさんこと金刀比羅宮、銭形砂絵といった香川県を代表する観光地を一本の道でつなぐルートとして、サイクリング初心者からロードバイク愛好者まで幅広く親しまれています。

この記事では、丸亀城の石垣や讃岐富士、こんぴらさんの参道、銭形砂絵といった見どころの詳細に加えて、丸亀駅周辺のレンタサイクルの料金や、実際にどう走ればよいかというモデルコース、走行時に気をつけたい点まで順を追って紹介します。香川旅行の計画を立てている人にとって、コース選びの参考になれば幸いです。

目次

丸亀城を起点に観音寺市まで続く全長37.2キロメートルの自転車道

土器川自転車道は、丸亀城のふもとから土器川沿いに南下し、途中で象頭山の中腹に鎮座する金刀比羅宮の門前町・琴平を経由して、三豊市を抜け、観音寺市の琴弾公園に至る、半円を描くようなルート取りになっています。区間としては丸亀市土器町から観音寺市観音寺町までとされており、香川県が誇る大規模自転車道のひとつに数えられています。

道のほとんどは土器川の堤防沿い、あるいは川に近い一般道と共用の区間を組み合わせた構成です。田園風景や川面の景色を眺めながら走ることができ、全体として起伏が少ないため、体力に自信がない人でも無理なく走破しやすいコースといえます。日帰りサイクリングだけでなく、観光と組み合わせたプランにも向いているでしょう。

ルートは丸亀城、飯野山、こんぴらさん、銭形砂絵を一本の道でつなぐ

起点となる丸亀市側は、JR予讃線の丸亀駅から1キロメートルほどの距離にあり、鉄道でのアクセスは良好です。本州方面からは新幹線で岡山まで移動し、そこから特急しおかぜを利用すれば、乗り換えを含めても短時間で丸亀駅まで到達できます。終点にあたる観音寺市側も、JR予讃線の観音寺駅から1.5キロメートルほどの場所に位置しており、どちらの方向からアクセスしても比較的移動しやすい設計です。

区間最寄り駅駅からの距離
起点(丸亀市)JR予讃線 丸亀駅約1キロメートル
終点(観音寺市)JR予讃線 観音寺駅約1.5キロメートル

丸亀城からスタートし、讃岐富士と呼ばれる飯野山を横目に見ながら進み、琴平の金毘羅山を経由して観音寺へ抜ける流れは、香川県の代表的な景観を一度に楽しめる贅沢なコースです。

丸亀城の石垣は総高60メートルで現存する城郭のなかで日本一の高さ

コースの起点付近にそびえる丸亀城は、江戸時代初期に築かれた平山城で、現存十二天守のひとつに数えられる貴重な城郭建築です。天守そのものは三層三階というコンパクトな造りですが、高く積み上げられた石垣の上に建つことで、見上げたときの存在感は非常に大きくなっています。内部には木造建築の構造がそのまま保存されており、柱や梁の組み方から当時の建築技術や職人の工夫をうかがい知ることができます。

丸亀城最大の特徴は石垣です。山麓の大手門付近から本丸へと積み重なる石垣の総高は60メートルを超え、現存する城郭のなかでも日本一の高さを誇るとされています。最も高い部分は約20メートルにも達し、外側から見上げるだけでも圧倒的な迫力を感じられます。石垣は打ち込みハギや切り込みハギといった加工度の高い技法を主体としながら、野面積みや算木積みなど複数の技法が一箇所に混在している点も見どころで、石垣愛好家からも高く評価されているスポットです。

JR丸亀駅から徒歩約10分というアクセスの良さも魅力で、サイクリングの起点として自転車を借りる場所からも近い立地にあります。まずは丸亀城の石垣と天守をじっくり眺めてから、サイクリングコースへ繰り出すプランがおすすめです。

天守を完成させたのは山崎家治の跡を継いだ京極高和

丸亀城の築城は1597年、慶長2年にさかのぼります。讃岐国高松藩の初代藩主となった生駒親正と、その子である生駒一正の親子によって、高松城の支城として築かれたのが始まりとされています。しかし1615年に一国一城令が発布されると、生駒氏は本城である高松城を残す形をとり、丸亀城は一度廃城となりました。

その後、1643年、寛永20年に山崎家治が幕府の許可を得て再築に着手します。ただし家治は完成を見ることなく世を去り、後を継いだ京極高和の時代になって、現在に残る天守が完成しました。以来、明治維新に至るまで、丸亀城の城主は代々京極氏が世襲することになります。こうした歴史的な経緯を知ったうえで石垣や天守を眺めると、単なる観光地としてだけでなく、時代を超えて受け継がれてきた城郭の重みをより深く感じ取れるはずです。

讃岐富士こと飯野山は標高422メートル、讃岐平野を見渡す撮影スポット

土器川沿いを走っていると、正面から横合いにかけて美しい円錐形の山容が見えてきます。これが「讃岐富士」の愛称で親しまれる飯野山です。標高422メートルとそれほど高い山ではありませんが、讃岐平野のほぼ中央に位置し、裾野から山頂まで整った円錐形をしているため、遠くからでもひと目でそれとわかる特徴的なシルエットを持っています。丸亀市や坂出市の住民にとっては古くから親しまれてきた地元の山で、香川県を象徴する風景のひとつとしても知られています。

サイクリングロードから望む飯野山は、季節や時間帯によって表情を変え、朝の澄んだ空気のなかでは特にくっきりとした稜線を楽しめます。写真撮影のスポットとしても人気が高く、土器川沿いを走るサイクリストの多くが、この讃岐富士を背景にした一枚を撮影しています。時間と体力に余裕があれば、飯野山自体も手軽に登れる山として知られており、初心者や子供連れでも比較的挑戦しやすい登山コースが整備されています。サイクリングの合間に立ち寄り、山頂からの讃岐平野の眺望を楽しんでみるのもよいでしょう。

こんぴらさんの参道は785段、奥社まで足を延ばすと1368段続く

土器川自転車道を南下していくと、琴平町エリアに差し掛かります。ここにあるのが、全国的に「さぬきこんぴらさん」の愛称で知られる金刀比羅宮です。象頭山の中腹に鎮座するこの神社は、古来より海の神様として、また五穀豊穣、大漁祈願、商売繁盛など幅広いご利益をもたらす神様として、全国各地から篤い信仰を集めてきました。

金刀比羅宮の代名詞といえるのが、長い石段の参道です。参道口から御本宮までは785段、さらに奥社まで足を延ばすと1368段にもおよぶ石段が続きます。参拝には相応の体力が必要になりますが、道中には旧跡や文化財が点在しており、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。裏参道では春には桜、初夏にはつつじ、秋には紅葉と、四季を通じて美しい景観を楽しめます。

境内には貴重な文化財も多く収蔵されています。平安時代に制作されたと伝わる重要文化財の仏像「十一面観音立像」や、和歌の名人たちを描いた「三十六歌仙額」など、金刀比羅宮の歴史を物語る宝物を見ることができます。

JR土讃線や琴電琴平駅から参道入口までは徒歩30分程度とされています。自転車で訪れる場合は、参道の入口付近まで自転車を進め、そこから徒歩で石段を上ることになります。長い石段を上りきった先に広がる讃岐平野の絶景は、サイクリングの疲れを忘れさせてくれるご褒美といえるでしょう。車で訪れる参拝客のために参道沿いには私営駐車場も整備されており、相場は500円程度とされています。

旧金毘羅大芝居は天保6年建造、現存する日本最古の芝居小屋

参道の途中にある旧金毘羅大芝居、通称金丸座は、天保6年、西暦1835年に建てられた日本最古の芝居小屋で、国の重要文化財に指定されています。現在でも歌舞伎公演が行われることがあり、古き良き芝居小屋の雰囲気を今に伝えています。長い石段の参拝だけでなく、こうした歴史的建造物を巡るのも、琴平エリアならではの楽しみ方です。

銭形砂絵は東西122メートル、寛永通宝を模した巨大な地上絵

コースの終点に近い観音寺市には、名勝・琴弾公園があり、そのなかに日本を代表する巨大な地上絵「銭形砂絵」があります。正式には寛永通宝を模した砂絵で、東西約122メートル、南北約90メートル、周囲は約345メートルにもおよぶ壮大なスケールを誇ります。伝承によれば、江戸時代に藩主を歓迎するために一夜で作り上げられたと伝えられており、現在も地元有志の手によって美しい形が保たれ続けています。

この砂絵の見どころは、琴弾山の山頂に設けられた銭形展望台からの眺めです。展望台から見下ろすと、白砂に描かれた見事な円形の砂絵をひと目で捉えることができ、その完成された造形美に驚かされます。一方、地上から間近で眺めると、想像以上のスケールの大きさを実感でき、展望台からの眺めとはまた違った迫力を楽しめます。銭形砂絵を見た人は健康で長生きし、お金に不自由しないと言い伝えられており、近年では金運スポットとしても人気を集めています。

展望台からの眺めと日没後22時までのライトアップ

夜になると日没から22時までライトアップが実施され、昼間の雄大な景観とは異なる幻想的な夜景を楽しめます。日中のサイクリングの締めくくりとして、日没後のライトアップまで滞在するプランを組むのもおすすめです。

展望台までは、琴弾公園内のドライブウェイを使えば車で山頂近くまで上ることができ、徒歩の場合は公園内の遊歩道を使って上ることになり、片道の目安はおよそ15分とされています。公園全体には5万本ともいわれる黒松が群生しており、日本の白砂青松百選にも選ばれるほどの美しい松林の景観が広がっています。園内には八幡宮や、四国八十八箇所の札所である観音寺、神恵寺なども点在しており、砂絵見学だけでなく、公園全体をゆっくり散策する価値も十分にあります。アクセスとしては、高松自動車道の大野原インターチェンジから車でおよそ12分、約6キロメートル、さぬき豊中インターチェンジからはおよそ15分、約8キロメートル、JR観音寺駅からはタクシーでおよそ5分、約2キロメートルとされています。

丸亀駅前のレンタサイクルは電動アシスト自転車が6時間500円

土器川自転車道を走破するにあたり、自分の自転車を持ち込まなくても、丸亀駅周辺で手軽にレンタサイクルを利用できる点は大きな魅力です。丸亀駅前南口から徒歩1分ほどの駐輪場では、レンタサイクルの貸し出しが行われています。

自転車の種類6時間まで終日利用
普通自転車200円300円
電動アシスト自転車500円700円

土器川自転車道のように距離のあるコースを走る際には、電動アシストタイプを選ぶと体力的な負担を大きく減らせます。丸亀のレンタサイクルは、瀬戸内海に浮かぶ島々への観光にも活用されており、貸出所から丸亀港までは自転車でおよそ5分程度とされています。午前中は土器川自転車道で丸亀城から琴平方面をサイクリングし、午後は港から島へ渡るといった、自転車を軸にした多彩な旅程を組み立てることも可能でしょう。

レンタサイクルを利用する場合は、営業時間や返却場所の制約があるため、片道での長距離走行を計画する際には、返却可能な場所や乗り捨てサービスの有無を事前に確認しておくことが望ましいといえます。特に観音寺方面まで足を延ばす場合、丸亀駅前に自転車を返却する必要があるのか、それとも別の場所での返却が可能なのかによって、当日の行程の組み方は大きく変わってきます。

丸亀城からこんぴらさん、銭形砂絵まで巡る日帰りモデルコース

土器川自転車道を存分に楽しむためのモデルコースとしては、まず丸亀駅でレンタサイクルを借り、徒歩10分ほどの丸亀城へ立ち寄って、日本一の高さを誇る石垣と現存天守を見学するところから始めるとよいでしょう。丸亀城を出発したら、土器川沿いのサイクリングロードへ合流し、南へ向かって走り出します。

しばらく走ると、正面や側方に讃岐富士こと飯野山の美しい円錐形のシルエットが見えてきます。この区間は写真撮影スポットとしても人気が高く、田園風景と讃岐富士を組み合わせた一枚を撮るのにちょうどよいタイミングです。

さらに南下し、まんのう町を経て琴平エリアに入ると、こんぴらさんの参道入口周辺に到着します。ここで自転車を止め、785段、さらに足を延ばすなら1368段の石段に挑戦し、金刀比羅宮への参拝を楽しむとよいでしょう。長い石段は決して楽ではありませんが、御本宮からの眺望や境内の文化財、参道沿いの門前町の雰囲気は、香川旅行のハイライトのひとつです。参拝後は門前町で讃岐うどんなどの名物グルメを味わい、体力を回復させてから再びコースに戻るのがおすすめです。

琴平から三豊市を経由して観音寺方面へ向かう後半区間は、前半に比べて距離もあり、体力配分に注意が必要です。電動アシスト自転車を利用している場合はバッテリー残量にも気を配りたいところです。観音寺市に入り、終点となる琴弾公園に到着したら、銭形砂絵を展望台と地上の両方から眺め、公園内の松林や札所をゆっくり散策する時間を確保しましょう。日没が近い時間帯まで滞在できれば、ライトアップされた幻想的な砂絵も楽しめます。

全区間を一日で走破するプランのほか、丸亀から琴平までの区間だけを楽しむ半日プラン、逆に琴平から観音寺までの後半区間だけを楽しむプランなど、体力や時間に応じてコースを分割して楽しむことも十分可能です。家族連れや自転車に不慣れな人は、無理に全区間を目指すのではなく、見どころを絞った短めのコース設定にすることで、より快適にサイクリングを楽しめるでしょう。

走行時の注意点は堤防沿いの日差し対策と一般道との交差部分

土器川自転車道は自転車・歩行者専用区間が中心となっていますが、区間によっては一般道と共用になっている部分も含まれます。地図やコース案内をよく確認し、車道と自転車道が交差する箇所では十分に安全確認を行いながら走行することが大切です。堤防沿いのルートは日差しを遮るものが少ない区間もあるため、季節によっては熱中症対策として水分補給をこまめに行い、帽子や日焼け止めなどの対策をしておくとよいでしょう。

全長37.2キロメートルという距離は、平坦な道が多いとはいえ、往復すればかなりの走行距離になります。特に初めてこのコースに挑戦する場合は無理をせず、こんぴらさんまでの片道、あるいは観音寺までの片道など、区切りのよい地点をゴールに設定し、帰りは電車やバスなどの公共交通機関を利用する行程を検討するのもひとつの方法です。レンタサイクルを利用する場合は返却時間や返却場所の制約があるため、事前に営業時間や利用規約を確認したうえで、余裕を持った行程を組むことをおすすめします。

こんぴらさんの参道や琴弾公園の展望台へ向かう遊歩道は、自転車での走行ができない区間もあるため、自転車を安全な場所に停め、施錠したうえで徒歩で移動する必要があります。観光地であるため人通りも多く、駐輪の際にはマナーを守り、他の来訪者の通行の妨げにならない場所を選ぶよう心がけたいところです。

コース周辺には満濃池と父母ヶ浜という寄り道スポットがある

コース中盤のまんのう町を通過する際、少し寄り道をすれば「満濃池」を訪れることができます。満濃池は日本最大級の農業用ため池で、その貯水量はオリンピックプールおよそ6,160杯分に相当する1540万立方メートルにおよびます。今からおよそ1200年前、弘法大師空海が改修を手がけたと伝わる池で、水の圧力を分散させるアーチ型の堤や、水位が一定以上にならないよう余分な水を下流に逃がす余水吐きという仕組みは、現在も現役で使われ続けています。池のほとりには四国で唯一の国営公園が広がっており、年間を通じて季節の花々が楽しめるほか、冬場にはイルミネーションで園内が彩られます。土器川自転車道の本線からは少し外れますが、歴史的な土木遺産と美しい自然を同時に楽しめる貴重なスポットとして、時間に余裕があれば立ち寄ってみる価値はあるでしょう。

こんぴらさんからさらに西へ足を延ばせる位置にある三豊市には、近年SNSで人気を集めている「父母ヶ浜」があります。約1キロメートルにおよぶロングビーチで、潮が引いた干潮時、特に夕暮れどきには波打ち際の水面が鏡のようになり、南米ボリビアのウユニ塩湖を思わせる幻想的な光景が広がることで知られています。2018年にはじゃらんの夕日絶景ランキングで全国1位に選ばれ、日本の夕陽百選にも数えられるほどの絶景スポットです。土器川自転車道の本線からはやや離れているため、日帰りで全区間を走破するプランに組み込むのは難しいものの、宿泊を伴う旅程であれば、サイクリングの翌日に足を延ばして夕日を眺めるプランを検討してみてもよいでしょう。

沿道で味わえる讃岐うどんと丸亀名物の骨付鳥

香川県といえば讃岐うどんの本場で、土器川自転車道の沿線にも数多くの名店が点在しています。丸亀エリアでは、釜玉うどんで知られる老舗の人気店があり、昔ながらの技で打たれた素朴な麺と卵の組み合わせが評判となっています。讃岐もち豚を使った肉うどんが看板メニューの店や、地元で長年愛され続けているセルフスタイルの老舗店など、丸亀駅から丸亀城周辺にかけてはうどん巡りに適した店が集まっています。

こんぴらさんの門前町である琴平エリアにも有名店が点在しており、長い石段を上り下りして疲れた体に、出来立てのコシの強い讃岐うどんは何よりのご褒美になります。丸亀市には、走行距離25キロメートルを超えるロングコースのほか、こんぴら参りの雰囲気を味わいながらカフェや和菓子屋を巡るコースなど、うどんやスイーツを楽しみながら走れるサイクリングコースも用意されており、土器川自転車道と組み合わせて楽しむこともできます。長距離を走るサイクリングだからこそ、道中でのうどん休憩は体力の回復だけでなく、旅の満足度を大きく高めてくれる要素といえるでしょう。

丸亀といえば讃岐うどんのイメージが強いものの、もうひとつの名物料理として「骨付鳥」があります。骨付鳥は、鶏の骨付きもも肉をオーブン釜などでじっくり焼き上げた料理で、全国的にも珍しい調理法として知られています。しっかりとした噛みごたえと深い味わいが特徴の「おやどり」と、柔らかく食べやすい「ひなどり」の2種類が定番で、好みに応じて選べるのも楽しみのひとつです。丸亀市発祥のご当地グルメとして半世紀以上の歴史を持ち、現在では市内に専門店が数多く存在します。サイクリングで体を動かした後、がっつりとした骨付鳥で栄養補給をするのも、丸亀ならではの楽しみ方でしょう。

丸亀うちわは金比羅参りの土産物として江戸時代に生まれた伝統工芸品

丸亀を語るうえで欠かせない特産品が「丸亀うちわ」です。丸亀うちわの歴史は江戸時代初期にまでさかのぼり、金比羅参り、つまり現在のこんぴらさん参拝の土産物として作られ始めたのがきっかけとされています。その後、丸亀藩が下級武士の内職として製作を奨励したこともあり、地場産業として大きく発展していきました。現在では年間約8300万本という生産量を誇り、全国シェアのおよそ90パーセントを占めるまでになっています。その伝統と技術の高さが評価され、平成9年5月には国の伝統的工芸品にも指定されました。丸亀市内にはうちわ関連の資料館や販売店もあり、こんぴらさん参拝とセットで丸亀うちわの歴史に触れてみるのもおもしろいでしょう。土器川自転車道は、丸亀うちわの起源となったこんぴら参りの道筋とも重なっており、江戸時代の旅人が歩いた参詣路を、現代ではサイクリングという形で辿っていると考えると、旅情がより深まります。

サイクリングに向く季節は雨の少ない春と秋

土器川自転車道を含む香川県のサイクリングエリアは、瀬戸内海式気候に恵まれており、一年を通じて雨の日が少なく、比較的穏やかな気候が続くことで知られています。梅雨にあたる6月中頃から7月初めや、台風シーズンなど特別な天候の時期を除けば、年間を通してサイクリングを楽しみやすい地域です。冬場についても雪が降ったり積もったりすることはほとんどなく、瀬戸内海沿岸特有の温暖な気候によって、他の地域に比べて冬でも走りやすい環境が整っています。

特におすすめの季節を挙げるとすれば、春と秋です。春は桜の季節にあたり、こんぴらさんの裏参道など沿道の随所で花を楽しめるうえ、気温も走行に適した心地よさがあります。秋は紅葉が美しく、日差しも夏ほど厳しくないため、長距離を走る土器川自転車道のようなコースには特に向いている時期です。夏場に走る場合は、日差しを遮る場所が少ない堤防沿いの区間もあるため、早朝や夕方など気温が比較的落ち着いた時間帯を選んで走行するのが賢明でしょう。

香川県には土器川自転車道のほかにも、瀬戸内海の多島美を楽しめる屋島周辺のサイクリングコースや、現代アートの島として知られる直島を巡るコースなど、多彩なサイクリングルートが整備されています。広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約70キロメートルのしまなみ海道ほどの知名度はまだ高くないものの、香川県のサイクリングコースは、瀬戸内海の穏やかな気候というしまなみ海道と共通する魅力に加え、丸亀城やこんぴらさんといった歴史的な観光地を組み合わせて楽しめる点で、独自の存在感を放っています。しまなみ海道の橋を渡る爽快感とはまた違った、川沿いの穏やかな風景と歴史散策を組み合わせた旅を求める人にとって、土器川自転車道は魅力的な選択肢のひとつになるはずです。

丸亀城から銭形砂絵まで、歴史と絶景を一日で巡れるコース

土器川自転車道は、丸亀市の丸亀城を起点に、讃岐富士こと飯野山を眺めながら土器川沿いを走り、こんぴらさんとして親しまれる金刀比羅宮の門前町・琴平を経由して、観音寺市の銭形砂絵がある琴弾公園まで至る、全長37.2キロメートルの大規模自転車道です。高低差が少なく走りやすいコース設計でありながら、香川県を代表する観光名所を数多く巡ることができる点が最大の魅力で、サイクリング愛好者はもちろん、観光目的で香川県を訪れる人にもおすすめできるルートです。

丸亀駅周辺では手頃な料金でレンタサイクルを利用できるため、遠方から訪れる旅行者でも気軽にサイクリングを楽しめます。全区間を走破する本格的なチャレンジから、見どころを絞った半日プランまで、体力や興味に応じて柔軟にコースを組み立てられる点も、このサイクリングロードの懐の深さといえます。丸亀城の壮大な石垣、讃岐富士の美しいシルエット、こんぴらさんの荘厳な石段参道、そして銭形砂絵の幻想的な景観と、盛りだくさんの見どころを自転車で巡る旅は、香川県の魅力を存分に味わえる特別な体験になるでしょう。

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