門司港エリアは、明治から大正時代の歴史的建造物が美しく保存された「リアル・テーマパーク」として、九州有数の観光地となっています。車での移動には一方通行や狭い路地が多く駐車場探しに苦労することもあるため、自転車を利用した観光が特に効率的で快適です。門司港レトロ地区は起伏がほとんどなく、サイクリング初心者から上級者まで楽しめる環境が整っています。レンタサイクルから本格的なロングライドまで、様々なスタイルでサイクリングを満喫できる門司港の魅力を、安全なルールやマナーと合わせて詳しくご紹介します。点在する歴史的建造物やフォトスポット、絶品グルメを自転車で効率よく巡りながら、関門海峡の絶景も堪能できる特別な体験が待っています。

門司港でレンタサイクルを借りるにはどこがおすすめ?料金や車種について知りたい
門司港でのサイクリングには、JR門司港駅からアクセス抜群の「ジョイント門司港」が最もおすすめです。北九州市門司区東港町6-66に位置し、4月~10月は10:00~18:00、11月~3月は10:00~17:00まで営業しています。年末年始(12月30日~1月3日)以外は無休で、現金・PayPay・関門PAYでの支払いが可能です。
電動アシスト自転車が充実しており、2024年3月に導入された新車両(1,000円/日、20インチ/8.0Ah、50台)は、バッテリー容量が大幅に増強されているため長距離走行も安心です。既存の電動アシスト付自転車(800円/日、20インチ/6.5Ah、25台)もあり、予算に応じて選択できます。
ファミリー向けには3人乗り電動アシスト付自転車(1,200円/日、26インチ、3台)が用意されており、前部席に1~3歳、後部席に2~5歳のお子様を乗せることができます。お子様用ヘルメットも個数限定で無料提供されているため、家族でのサイクリングも安全に楽しめます。
話題の電動キックボード(1,000円/1時間、6台)も2024年2月からレンタル開始されており、16歳以上なら免許証不要で利用可能です。ただし門司港エリア限定での利用となり、渡船への乗船はできません。
その他、2人乗り自転車(タンデム車両、1,600円/日)や子ども用自転車(800円/日)も完備されており、目的や年齢に合わせて最適な車両を選択できます。レンタル時には関門エリアの案内や交通マナーの説明を受け、オリジナルのサイクリングマップももらえるため、初めての方でも安心してスタートできます。
門司港レトロ地区を自転車で巡る際の必見スポットとモデルコースは?
門司港レトロ散策コースは約10km、所要時間2~4時間の初心者にも優しいコースで、明治から大正にかけて建てられた歴史的建造物を効率よく巡ることができます。
スタート地点のJR門司港駅は、2019年3月に創建当時の姿に復原された国の重要文化財で、九州の鉄道の起点「0哩標」や戦時中のエピソードを持つ「帰り水」「幸運の手水鉢」など、歴史的な見どころが満載です。
九州鉄道記念館では明治時代の客車展示や運転シミュレーター、ミニ鉄道公園で鉄道の歴史を体感できます。旧門司三井倶楽部は大正10年建設の三井物産迎賓館で、アインシュタイン博士が宿泊した部屋を再現した記念室が見どころです。
旧大阪商船は八角形の塔とオレンジ色のタイルが特徴的で、北九州出身のイラストレーターわたせせいぞう氏のギャラリーも併設されています。旧門司税関では関門海峡を一望できる展望室やフルーツパーラーで休憩も可能です。
ブルーウィングもじは全長約108mの日本最大級の歩行者専用跳ね橋で、「恋人の聖地」に認定されています。1日6回の跳ね上がりタイムは必見ですが、自転車で通行する際は降りて押して渡る必要があります。
和布刈神社(めかりじんじゃ)は約1800年の歴史を持つ九州最北端の神社で、関門海峡を望む鳥居とパノラマビューが絶景です。「ふく(フグ)」にちなんだ可愛らしいおみくじも人気で、SNS映えする写真撮影スポットとしても注目されています。
コース途中では、門司港レトロ駐車場の壁にあるハートの印「カンモンハート」を探して記念撮影するのもおすすめです。各スポット間の距離は短く、ゆっくりと写真撮影や見学を楽しみながら巡ることができます。
門司港から下関・角島までのロングライドコースの魅力と注意点は?
約145km、所要時間約5時間の上級者向けロングライドコースは、関門海峡の絶景から山口県の美しい海岸線まで、変化に富んだ景色を楽しめる本格的なサイクリングルートです。
まず門司港から下関へは、関門トンネル人道(自転車持ち込み20円、6:00~22:00開通)または関門汽船(自転車持ち込み片道260円、約5分)で渡ります。関門トンネル人道は全長780mの海底トンネルで、トンネル内は自転車を押して歩く必要がありますが、福岡県と山口県の珍しい海底県境を体験できます。
下関では壇ノ浦古戦場跡で源平最後の合戦の歴史に触れ、雄大な関門大橋を背景に記念撮影が可能です。厚島展望公園では響灘の水平線を眼下に一望でき、絶好の休憩ポイントとなります。
角島への道中ではZero Cafeがサイクリストに人気で、土井ヶ浜を一望できるテラスでロードレーサー用のサイクルスタンドも完備されています。福徳稲荷神社の千本鳥居は碧い海と朱色の鳥居の美しいコントラストが絶景です。
角島大橋は無料で渡れる一般道としては日本屈指の1,780mの長さを誇り、青く美しい海を眺めながら海風を感じるサイクリングは格別です。角島灯台は明治9年初点灯の日本海側初の洋式灯台で、らせん階段を上って踊り場まで昇ることができます。
注意点として、このコースは獲得標高も高く体力を要するため、十分な水分補給と休憩が必要です。特に関門橋周辺や角島大橋では強風が吹くことがあるため、安全運転を心がけてください。また、距離が長いため、電動アシスト自転車でもバッテリー残量の管理が重要になります。
門司港周辺でサイクリングする際の交通ルールと安全対策について教えて
門司港周辺でのサイクリングでは、2024年11月から施行された新しい自転車ルールを含む「自転車安全利用五則」を守ることが重要です。
最も重要なルールは、自転車は軽車両として車道の左側通行が原則であることです。歩道走行は「自転車及び歩行者専用」標識がある場合や、13歳未満・70歳以上・体の不自由な方の場合のみ許可されており、歩道では歩行者優先で徐行する必要があります。違反すると3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
2024年11月からの新ルールとして、携帯電話等の使用に関する罰則が強化されました。スマートフォンを手に持ち通話したり画面を注視したりしながら運転すると6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金、事故などの危険を生じさせた場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
飲酒運転の罰則も大幅に強化され、酒酔い運転では5年以下の懲役または100万円以下の罰金、酒気帯び運転では3年以下の懲役または50万円以下の罰金となりました。
交差点での安全確保も重要で、信号のある交差点での右折は車線数に関わらず必ず「2段階右折」を行います。一時停止標識では停止線手前で完全停止し、左右の安全確認を徹底してください。
ヘルメット着用は2023年4月から全年齢で努力義務化されており、レンタサイクル利用時も着用を強く推奨します。夜間やトンネルでは必ずライトを点灯し、大音量でのヘッドホン・イヤホン使用は禁止されています。
自転車保険の加入は2020年10月から義務化されているため、万が一の事故に備えて必ず加入してください。また、危険行為を3年以内に2回繰り返すと自転車運転者講習(3時間、手数料6,000円)の受講命令が出される制度もあります。
門司港サイクリング中に立ち寄れるグルメスポットや休憩施設はどこ?
門司港エリアは名物の焼きカレーを提供するお店が20店以上あり、サイクリング中のエネルギー補給に最適です。「伽哩本舗 門司港レトロ店」では自家製ブイヨンとブラウンルーを合わせた深みのある焼きカレーや、新ご当地グルメの「港町ブイヤベース」が楽しめます。
「旧門司三井倶楽部」のレストランでは、歴史的建造物の中で焼きカレーやふぐ料理を味わえる特別な体験ができます。「梅月」は1948年創業の老舗甘味処で、テイクアウト専門の「抹茶小倉ソフトクリーム」が人気です。
門司港レトロ海峡プラザにはレストラン街が充実しており、オルゴールミュージアムや赤煉瓦ガラス美術館での文化体験と合わせて楽しめます。関門海峡ミュージアムにもカフェや売店があり、休憩に最適です。
サイクリストに優しい施設として、「旧大連航路上屋」ではサイクルスタンド・シャワー室(有料、要予約)・飲料補給が利用でき、本格的なサイクリング後のリフレッシュが可能です。
下関方面では「元祖瓦そば たかせ 川棚本館」で山口県名物の瓦そばを体験でき、角島への道中の「Zero Cafe」は土井ヶ浜を一望できるテラスでロードレーサー用サイクルスタンドを完備しています。
角島エリアでは「granvista角島」で角島沖の新鮮な魚介料理を味わい、テラスの「幸せのモニュメント」で記念撮影も楽しめます。「角島プリン」(テイクアウト専門)や「角島ジェラートポポロ」でのスイーツも、サイクリングの疲れを癒してくれます。
北九州市内のサイクルスタンド設置店には、グランピング平尾台、そば茶屋 青空みあん、若松田中農園、平尾台テラス、mont-bell小倉店、照葉スパリゾート門司店、ベーカリーさくらいなどがあり、安心して自転車を停めて休憩できます。これらの施設を活用することで、安全で快適なサイクリングを満喫できます。
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