芦ノ湖一周は無理?初心者向けサイクリングコース完全ガイド【箱根の絶景を安全に楽しむ方法】

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芦ノ湖は神奈川県箱根町に位置する美しいカルデラ湖で、標高724メートルの高原にあります。多くのサイクリング愛好者が「芦ノ湖を自転車で一周してみたい」と憧れを抱きますが、実際にはいくつかの重要な制約があります。芦ノ湖周辺でのサイクリングは、完全な一周ではなく東岸を中心としたコースが主流となっており、初心者でも安全に楽しめる魅力的なルートが整備されています。四季折々の美しい景色、富士山の絶景、充実した観光スポット、そして電動アシスト自転車のレンタルサービスなど、初心者にとって理想的なサイクリング環境が整っているのが芦ノ湖の特徴です。本記事では、初心者の方が安全で楽しい芦ノ湖サイクリングを実現するための実践的な情報を詳しく解説いたします。

目次

Q1:芦ノ湖は自転車で一周できるの?初心者が知っておくべき現実とは?

芦ノ湖の完全一周は、残念ながら自転車では困難というのが現実です。この重要な事実を理解することが、芦ノ湖サイクリングを楽しむための第一歩となります。

芦ノ湖西岸は歩行者専用の遊歩道(正式名称:芦ノ湖西岸歩道)となっており、自転車の通行は完全に禁止されています。この西岸ルートは未舗装路で、倒木や橋のかかっていない小川、石と木の根が飛び出した険しい道のりが続いており、マウンテンバイクを含むすべての自転車での走行は不可能です。

2024年の実体験レポートでも「芦ノ湖はチャリで一周走れる湖ではない」と結論づけられており、特に立岩付近では「石と木の根が飛び出ていて、もはやチャリとか押し歩くのだけで精一杯」という状況が報告されています。かなりの部分で押し歩きと担ぎが必要となり、初心者には現実的ではありません。

しかし、これは芦ノ湖でのサイクリングが楽しめないという意味では全くありません。東岸を中心としたサイクリングコースや周辺エリアを含めた魅力的なルートが数多く存在し、初心者でも十分に楽しむことができます。

芦ノ湖東岸は舗装された山道を走ることができ、距離約10キロメートル、所要時間1-2時間(休憩含む)の初心者向けコースとなっています。路面状況も良好で、時間帯によって表情を変える富士山を眺めたり、森林浴をしながら走ったりと、非日常体験を味わうことができます。比較的平坦な道のりが多く、多少のアップダウンはありますが、電動アシスト自転車を利用すれば体力に不安のある方でも安心して楽しめます。

芦ノ湖でのサイクリングは「一周」という概念にとらわれず、東岸の美しいコースと周辺の観光スポットを組み合わせることで、十分に満足度の高いサイクリング体験を実現できるのです。

Q2:芦ノ湖周辺で初心者におすすめのサイクリングコースはどこ?

初心者の方には、以下の3つのコースを特におすすめします。それぞれ難易度と楽しみ方が異なるため、体力や経験に応じて選択できます。

【基本的な東岸周遊コース】
このコースは芦ノ湖サイクリングの入門編として最適です。箱根町園地駐車場を起点に、芦ノ湖東岸遊歩道を北上して桃源台へ向かい、仙石原サイクリングロードを経由して仙石原湿原を訪れ、再び桃源台から芦ノ湖東岸遊歩道を南下して出発地点に戻るルートです。

全長約20キロメートル、累積標高差約300メートル、高低差約40メートルという初心者にやさしい設定となっており、箱根ビジターセンターを拠点にするとマップなども入手できるため非常に便利です。湖面と富士山の絶景を楽しみながら、四季折々の美しい自然を身近に感じることができます。

【箱根九頭龍の森セラピーロード経由コース】
箱根九頭龍の森セラピーロードや湖畔の箱根神社通りから国道1号線を経由するコースは、自然の癒しと歴史的なスポットの両方を楽しめる初心者向けルートです。箱根神社の赤い鳥居や神聖な雰囲気を味わいながら、比較的平坦な道のりでサイクリングを楽しむことができます。

このコースの魅力は、サイクリングだけでなく文化的な体験も同時に味わえる点です。箱根神社での参拝や御朱印の購入、歴史ある杉並木の散策など、サイクリング以外の楽しみも豊富に用意されています。

【仙石原~芦ノ湖絶景コース】
仙石原エリアから芦ノ湖へ向かうコースは、高原の景色に癒される絶景サイクリングコースとして人気があります。広大な草原地帯から徐々に湖へと向かう変化に富んだ景色を楽しむことができ、特に秋のススキの時期(10月中旬から11月上旬)は息をのむような美しさです。

このコースは比較的平坦な湿原地帯を走るため、体力に不安のある初心者でも安心してチャレンジできます。仙石原湿原は自然を満喫できるエリアで、写真撮影スポットとしても非常に人気が高く、SNS映えする絶景写真を撮影することができます。

どのコースを選ぶ場合も、電動アシスト自転車の利用を強くおすすめします。箱根の坂道でも楽に走行でき、疲労を軽減しながら景色を楽しむことに集中できるため、初心者にとって理想的な選択となります。

Q3:初心者が芦ノ湖サイクリングを楽しむために必要な準備と持ち物は?

芦ノ湖サイクリングを安全で快適に楽しむためには、事前の準備が成功の鍵となります。山間部という特殊な環境を考慮した準備が必要です。

【必須の安全装備】
まず最も重要なのは安全装備です。ヘルメットは法律上の義務ではありませんが、安全のため強く推奨されます。フロントライト(白か淡黄色、10m先が確認できる明るさ)、リアライト(テールライト)、ベル(自転車に装着義務)は法律で定められた必須装備です。

サイクリング対応スポーツサングラスは目の保護と快適性確保のために重要で、特に夏季は日差しが強いため必須アイテムとなります。手袋は長時間の握りによる手の疲労軽減に効果的で、反射材が使われたウェアは夕方・夜間走行時の安全性を大幅に向上させます。

【パンク修理用具】
サイクリングで最も重要な持ち物はパンク修理用の工具セットです。山間部でパンクが発生した場合、修理できないと帰宅困難になる可能性があります。パンク修理キット、携帯用空気入れ、タイヤレバー、予備チューブは必ず携帯しましょう。これらの使い方を事前に練習しておくことも重要です。

【補給・栄養関連】
サイクリングは意外とカロリーを消費するため、十分な補給を準備しましょう。バータイプのお菓子やようかん、エネルギーバーなどの補給食、十分な量の水分(ドリンクボトル2本程度)、塩分補給用のスポーツドリンクを用意します。山間部では脱水症状になりやすいため、のどが渇く前に定期的な水分補給を心がけることが重要です。

【服装とウェア】
動きやすいスポーツウェア、気温差対策用ウィンドブレーカー、雨具(山間部は天候が変わりやすいため)、運動靴またはサイクリングシューズを準備します。動きやすいパンツスタイルが基本で、スカートやワンピースは不向きです。ひらひらしているものやワイド過ぎるデザインは、車輪に巻き込まれる危険があるため避けましょう。

【荷物運搬と便利アイテム】
荷物は必要最小限にまとめ、軽くコンパクトにすることが重要です。車体に取り付ける方がバランス良く、操縦性に影響が少なくなります。サドルバッグまたはフレームバッグ、ウェストポーチ、防水性のある収納袋を活用しましょう。

その他の便利アイテムとして、携帯電話(緊急時連絡用・地図アプリ)、現金(レンタル料金や食事代)、カメラ(絶景スポットでの撮影用)、日焼け止め、タオル、簡単な応急処置キットを準備すると安心です。

【レンタサイクル利用時の準備】
レンタサイクルを利用する場合は、事前に営業時間と料金を確認しましょう。基本的に9:00~17:00で営業していますが、12月から3月中旬までの冬季期間はレンタルを休止している施設が多いです。電動アシスト付き自転車が主流で、1時間500円から1日1,000円程度が相場となっています。

Q4:芦ノ湖サイクリング中におすすめの休憩スポットとグルメ情報は?

サイクリング中の休憩は安全性と楽しさの両面で重要な要素です。芦ノ湖周辺には魅力的な休憩スポットとグルメが豊富に揃っています。

【特色ある休憩スポット】
Bakery & Table 箱根は、芦ノ湖を一望できる2階のカフェスペースが魅力的で、1階で購入したパンをドリンクとともに楽しめます。最大の特徴は足湯テラスで、芦ノ湖温泉の足湯に浸かりながら、パンやドリンク、ソフトクリームを味わえる貴重なスポットです。おすすめは「米粉のカレードーナツ」(440円)や芦ノ湖の景色を再現した「芦ノ湖フロート」(890円)で、サイクリングで疲れた足を足湯で癒しながら休憩できます。

cafe KOMON 湖紋は、芦ノ湖の箱根町港から徒歩1分という好立地にあり、一面ガラス張りの店内が開放感を演出します。テラス席からは芦ノ湖や海賊船、天気が良ければ富士山も望める絶景カフェで、サイクリングの休憩に最適です。

サロン・ド・テ ロザージュは、元箱根港から「山のホテル」に向かう途中、芦ノ湖に浮かぶようにして佇むカフェです。「ロザージュ伝統のあつあつりんごパイ -バニラアイス添え-」(1,800円)が特に人気で、サイクリングでの疲労回復に甘いスイーツは効果的です。

【地元グルメと本格的な食事】
網元おおばでは、芦ノ湖でとれた新鮮なワカサギを味わえます。「やまゆりセット」(1,900円)や「わかさぎ御膳」(2,200円)で、芦ノ湖の新鮮な湖水魚を堪能できます。地元の食材を活かした料理で、サイクリング後のしっかりとした食事におすすめです。

桃源台ビューレストランは、箱根ロープウェイや箱根海賊船などの交通の便が良い桃源台駅舎内に位置し、芦ノ湖を行き交う海賊船の景色を楽しみながら炭火で焼き上げた本格的なグリル料理を味わえます。「ご当地牛の炭火焼きステーキ」(2,750円)は、サイクリングで消費したカロリーを補うのに最適です。

【軽食とテイクアウト】
腸詰屋 芦ノ湖店では、4種類のソーセージから選べる「焼きソーセージサンド」が食べ歩きに人気で、サイクリング中のタンパク質補給に最適です。手軽に食べられるため、長距離サイクリング中の補給食として重宝します。

箱根チーズテラスは、日本初のカップ入りチーズケーキ専門店で、南箱根産の新鮮な牛乳と高級なクリームチーズをオリジナルの配合でブレンドした「チーズソフトクリーム」がおすすめです。サイクリング中の糖分補給にも効果的で、疲労回復に役立ちます。

【エネルギー管理のポイント】
長距離サイクリングでは適切なエネルギー管理が重要です。出発前に軽い朝食またはエネルギーバー、走行1時間毎に水分補給(200-300ml)、走行2時間毎に軽食(バナナ、エネルギーバーなど)、休憩時にしっかりとした食事というタイミングを意識しましょう。

急激な血糖値の上昇・下降を避けるため、小分けにして継続的にエネルギーを摂取することが大切です。カフェでの休憩時は、甘いものだけでなく炭水化物とタンパク質のバランスを考慮した食事を選ぶことで、持続的なエネルギー供給が可能になります。

Q5:芦ノ湖サイクリングのベストシーズンと季節別の楽しみ方は?

芦ノ湖のサイクリングは四季を通じて異なる魅力があり、それぞれの季節に応じた楽しみ方と準備が重要です。

【春(3月~5月):桜と温暖な気候】
春は芦ノ湖サイクリングの最も人気の高いシーズンです。桜の開花時期には湖畔の桜並木が美しく、サイクリングしながらお花見を楽しむことができます。気温も穏やかで、サイクリングには最適な季節となります。

ただし、朝晩は冷え込むことがあるため、調節しやすい服装を心がけましょう。花粉症対策(マスク、目薬)や桜の開花情報の事前確認も重要です。この時期は観光客も多いため、早朝のサイクリングがおすすめです。

【夏(6月~8月):涼しい高原の避暑地】
標高が高いため、平地より涼しく快適にサイクリングを楽しむことができます。芦ノ湖の標高724メートルという立地により、真夏でも比較的過ごしやすい環境が保たれています。

しかし、日差しが強くなるため、肌を露出しない長袖のドライメッシュシャツがおすすめです。強力な日焼け止め(SPF50+推奨)、サングラス、冷却タオル、熱中症対策用品、虫除けスプレーなどの準備が必須となります。水分補給はのどが渇く前に定期的に行い、電解質も同時に補給できるスポーツドリンクが効果的です。

【秋(9月~11月):最高のサイクリングシーズン】
秋は最もサイクリングに適した季節です。動かして温まった体に涼しい秋風が当たって、気持ちよくサイクリングを楽しむことができます。特に仙石原のススキが見頃を迎える10月中旬から11月上旬は絶景です。

紅葉も美しく、カメラを持参することを強くおすすめします。この時期は写真撮影の絶好のタイミングで、SNS映えする絶景写真を撮影できます。紅葉情報の事前確認、日没時間の短縮を考慮したスケジュール、温度調節しやすい重ね着の準備が重要です。

【冬(12月~2月):上級者向けの特別体験】
多くのレンタサイクル施設が休業するため、マイバイクでの利用が中心となります。雪景色の芦ノ湖は幻想的で、他の季節では味わえない特別な体験ができます。

しかし、路面凍結の可能性もあるため、十分な準備と注意が必要です。防寒具(手袋、ネックウォーマー)、路面凍結対策、短縮された日照時間への対応が必須となります。この季節のサイクリングは上級者向けで、初心者にはおすすめできません。

【季節別のおすすめ撮影スポット】
春は桜と湖面のコントラスト、夏は青空と緑豊かな森林、秋は紅葉とススキの草原、冬は雪化粧した富士山と芦ノ湖という、それぞれ異なる絶景を楽しむことができます。

特に箱根神社の赤い鳥居は四季を通じて人気の撮影スポットで、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。サロン・ド・テ ロザージュからの湖面の眺めや、仙石原湿原からの富士山の眺望も、季節によって全く違った美しさを演出します。

【ベストタイミングの選び方】
初心者には春と秋を特におすすめします。気候が安定しており、レンタサイクルサービスも充実し、観光施設も通常営業しているため、安心してサイクリングを楽しむことができます。写真撮影を重視する方は秋、お花見を楽しみたい方は春がベストシーズンとなります。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 晩秋の紅葉サイクリングおすすめ5選|色づく風景を駆け抜けよう | sagasu より:

    […] コースは多様ですが、芦ノ湖を拠点にするのがおすすめ。湖畔の道は比較的平坦な区間もありますが、少し脇道に入れば本格的な登りが始まります。体力に自信のない方は、芦ノ湖東岸のサイクリングロードをのんびり走るだけでも十分に楽しめます。ただし、湖を自転車で完全に一周することはできないため注意が必要です。 […]

晩秋の紅葉サイクリングおすすめ5選|色づく風景を駆け抜けよう | sagasu へ返信する コメントをキャンセル

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