サイクリングイベントと聞いて、多くの人が想像するのはタイムとの戦いや、激しい坂道への挑戦ではないでしょうか。しかし、茨城県で開催される「いばらきK1ライド」は、そうした一般的なサイクリングイベントとは一線を画す、まったく新しいコンセプトのイベントです。このイベントの最大の魅力は、競技性よりも「美食」にあります。霞ヶ浦という日本第二の湖を舞台に、参加者は豊かな茨城の食文化を自転車で巡りながら堪能できるのです。2025年大会では、ロングライド126キロメートルのコースに6つのエイドステーションが設置され、各地域が誇る特産品や補給食が参加者を待ち受けています。美しい湖畔の景色を眺めながら、土浦のカレーパンから始まり、焼き芋のポタージュに至るまで、茨城の食の宝庫を味わい尽くす贅沢な体験は、まさに「走るグルメツアー」と呼ぶにふさわしいものです。このイベントが「いばらきK1ライド 2025」であり、霞ヶ浦のエイドステーションで提供される補給食こそが、サイクリストたちの記憶に深く刻まれる理由なのです。

いばらきK1ライドが特別な理由
茨城県で開催されるいばらきK1ライドは、単なるサイクリングイベントではありません。このイベントの核心は、「食の宝庫いばらき」を再発見することにあります。タイムを競うレースとは異なり、参加者が茨城県の美味しい食べ物で満足し、地域の食文化を文字通り「たべつくす」ことが最大の目的となっているのです。
2024年10月から12月にかけて開催された茨城アフターデスティネーションキャンペーンに合わせて企画されたこのイベントは、茨城県が誇る豊かな食文化を、サイクリングというアクティビティを通じて全身で体験するための特別なプラットフォームとして機能しています。参加者からは「美味しい物を食べながら走るってとっても楽しい」という声が多数寄せられ、その評価は年々高まっています。
このイベントの成功は、茨城県が持つ「食」という魅力的なコンテンツと、日本を代表するサイクリング拠点というインフラが戦略的に融合した結果です。霞ヶ浦という雄大な自然環境と、整備されたサイクリングロード、そして各地域が誇る特産品が一体となって、他のイベントでは味わえない独特の体験を生み出しているのです。
2025年大会のコース設定
いばらきK1ライド 2025では、参加者のレベルや目的に合わせて、多彩なコース設定が用意されています。イベントの中心となるのは、日本で2番目に大きな湖である霞ヶ浦を一周する「ロングライド126キロメートル」です。このコースは定員1,000名と最も多く、霞ヶ浦の雄大な景色を満喫しながら、各所に設置されたエイドステーションを巡ることができます。2025年9月1日からの通常申込では、3名参加で33,000円といったお得なプランも用意されており、友人やグループでの参加にも適しています。
すべてのサイクリストがロングライドを目指すわけではありません。より気軽に食と景色を楽しみたい参加者のために、「ミドルライド94キロメートル」も設定されており、定員は530名となっています。さらにユニークなのは、サイクリングと霞ヶ浦のクルージングを組み合わせた「ハーフライド57キロメートル+サイクルーズ」や「サイクルーズ+ハーフライド55キロメートル」といったコースで、それぞれ定員は35名です。初心者や家族連れには「ビギナーライド40から50キロメートル」が用意されており、定員は100名となっています。
このように合計5つの多様なコース設定により、競技志向のベテランサイクリストから、グルメを楽しみたいライト層、そして家族連れまで、幅広い層が茨城の食文化を体験できる仕組みが整っているのです。
スタート地点プレイアトレ土浦
いばらきK1ライド 2025の全ての旅は、JR土浦駅直結の「プレイアトレ土浦」から始まります。この施設は単なる駅ビルではなく、サイクリストにとって特別な意味を持つ場所です。館内への自転車の持ち込みが許可されており、フロアを自転車を押して歩けるという、まさにサイクリストのための聖地と呼ぶべき施設なのです。
館内には、サイクルショップ「ル・サイク」やレンタサイクルが楽しめる施設、そしてサイクリングホテル「星野リゾートBEB5土浦」までが集積しています。茨城の名産品が揃うショップも充実しており、スタート前から参加者の期待を高める役割を果たしています。この充実した拠点から、参加者たちは霞ヶ浦という美食の舞台へと漕ぎ出していくのです。
プレイアトレ土浦は、単にイベントの集合場所というだけでなく、茨城県のサイクリング文化を象徴する施設として、地域に根付いた存在となっています。訪れるサイクリストたちは、ここで最後の準備を整え、仲間との交流を深めながら、これから始まる美食の旅への期待を膨らませることができます。
霞ヶ浦という舞台の魅力と試練
いばらきK1ライドの補給食が参加者の記憶に強く残る理由を理解するには、舞台となる霞ヶ浦の特徴を知る必要があります。霞ヶ浦は日本で2番目に大きな湖であり、その広大さは初めて訪れる人を圧倒します。多くのサイクリストが「もはや湖ではなく海のようだ」と表現するほどで、目の前に広がる水平線と遮るもののない空は、非日常的なライド体験の始まりを告げてくれます。
霞ヶ浦を周回するコースは、ナショナルサイクルルートにも選定されている「つくば霞ヶ浦りんりんロード」として整備されています。このコースの最大の魅力は、その卓越した走りやすさにあります。路面は非常によく整備され、驚くほどきれいな状態が保たれています。コースの大部分が湖岸のサイクリングロードで、どこまでもフラットな道が続くのです。
実際、霞ヶ浦西浦一周の場合、獲得標高は171メートル、距離は138キロメートルというスペックが示す通り、コースプロファイル上は上り坂がほとんどありません。この特徴は、長距離ライドにおいて初心者からベテランまでを惹きつける重要な要素となっています。しかし、霞ヶ浦はサイクリストに楽な道だけを提供するわけではありません。
風との戦い
霞ヶ浦を走る上で最大の試練となるのが「風」です。完璧にフラットな地形であるがゆえに、湖沿いには風を遮るものが一切ありません。湖を渡る風は、時としてサイクリストの強敵として立ちはだかります。特に向かい風は、スポーツ自転車のようにスピードが出る乗り物ほど真正面から影響を受けるため、速度を出すのが困難になります。
強い向かい風の中では、まるで上り坂を走っているような感覚に陥り、体力を著しく消耗することになります。2024年のK1ライド参加者の中には、イベント終了後にトレーニング施設で「枯渇していますね」と指摘された人もいたそうです。これは、平坦なコースであるにもかかわらず、風との戦いがいかにライダーのエネルギーを消耗させるかを物語っています。
ただし、試練だけではありません。霞ヶ浦総合公園の象徴であるオランダ型風車や、ライド中に常に遠方に見え隠れする茨城の象徴である筑波山の姿は、視覚的な喜びを与え、風と戦うサイクリストの疲労を癒してくれます。この「フラットだが過酷」という霞ヶ浦のユニークな特性こそが、K1ライドの核心的な体験をデザインしているのです。
風によって急激に失われるカロリーとミネラル、それらを渇望する身体の状態は、エイドステーションで提供される補給食の味を、日常で食べる時とは比較にならないほど美味しく感じさせる完璧な調味料として機能します。この過酷な環境があるからこそ、エイドステーションは単なるおもてなしを超えて、サイクリストにとって文字通りの生命線となり、そこで味わう一品一品が強烈な美食体験として記憶に刻まれるのです。
エイドステーション巡礼の旅
ここからは、いばらきK1ライド 2025のロングライド126キロメートルコースに設置が予定されている6つのエイドステーションを、それぞれの補給食とともに詳しく見ていきましょう。2024年大会で提供された実績のある補給食を基に、2025年大会での美食体験を予測していきます。
スタート前の土浦市
スタート地点はプレイアトレ土浦です。2024年、土浦市は「カレーコロッケ」と「カレーパン」を提供しました。なぜ土浦でカレーなのかと疑問に思う方もいるかもしれません。その歴史は1929年、昭和4年に遡ります。ドイツの飛行船「ツェッペリン号」が世界一周の途中で土浦に寄港した際、乗組員に土浦の食材を使ったカレーが振る舞われたという歴史的エピソードがあるのです。
そして、土浦市は茨城県が生産量日本一を誇るレンコンの一大産地でもあります。この二つの要素が結びつき、平成16年である2004年から「つちうらカリー物語」というまちづくりが始まりました。スパイシーなカレーパンと、レンコンのシャキシャキとした食感がアクセントのコロッケは、126キロメートルの旅に向けた完璧な着火剤となってくれるでしょう。
エイドステーション1:美浦村週末カフェ
最初のエイドステーションは「美浦村週末カフェ」に設置される予定です。ここは霞ヶ浦湖畔沿いにあり、土日のみオープンするカフェで、多くのサイクリストや釣り人が訪れるオアシスとなっています。2024年、美浦村は「いちご」と「米サイダー」を提供しました。
霞ヶ浦周辺の豊かな農業地帯を象徴する、フレッシュないちごの酸味と糖分、そして米どころならではの米サイダーの優しい甘さと炭酸が、走り始めたばかりの身体と乾いた喉を潤してくれます。美浦村を含む霞ヶ浦北浦は、シラウオ(白魚)の産地としても知られています。かつて汽水湖だった霞ヶ浦が、常陸川水門の設置によって淡水湖となった後も、その環境変化に順応して生き続けてきた生命力の強い魚であり、この地域の食文化の奥深さを象徴しています。
エイドステーション2:稲敷市の和田公園
2番目のエイドステーションは稲敷市の「和田公園」が予定地となっています。2024年、稲敷市は「おにぎり」を提供しました。これぞサイクリング補給食の基本であり、至高の一品と言えるでしょう。霞ヶ浦を干拓した広大な水田地帯で育まれた米の力を、シンプルに塩で味わうことができます。
向かい風との戦いが本格化するこの段階で、汗で失われた塩分と、最も効率的なエネルギー源である炭水化物を同時に補給できるおにぎりは、最も合理的で力強い補給食と言えます。日本人にとって馴染み深く、消化も良いおにぎりは、長時間のライドにおいて身体に優しく、確実なエネルギー補給を可能にしてくれる存在です。
エイドステーション3:行方市の天王崎公園
3番目のエイドステーションは、景勝地として名高い行方市の「天王崎公園」が予定されています。ここは霞ヶ浦にせり出した地形が特徴で、湖岸の風景を一望でき、特に霞ヶ浦周辺で一番の夕日のビューポイントとして知られています。2024年、行方市は「いばらキッスのいちごグミ」を提供しました。
いばらキッスは、茨城県のオリジナル苺ブランドです。濃厚な甘みと適度な酸味が特徴のこの苺を、ライド中でも携帯しやすく、エネルギーに変換しやすいグミに加工した一品となっています。天王崎公園から遠方に望む筑波山の絶景を眺めながら、この甘酸っぱいグミで糖分を補給する時間は、この上なく贅沢なひとときとなるでしょう。付近には「虹の塔」が目印の「霞ヶ浦ふれあいランド」もあり、行方市の観光拠点エリアとなっています。
エイドステーション4:潮来市の高須崎公園
4番目のエイドステーションは、水郷として知られる潮来市の「高須崎公園」エリアが予定地です。2024年、潮来市は「飲むヨーグルト」を提供しました。潮来市には、もう一つの注目すべき特産品として「まこもたけ」があります。特に「まこものパウンドケーキ」は、道の駅いたこのオリジナル商品で、本来は廃棄されるまこもたけの若葉を粉末に加工して使用しているユニークな商品です。
まこもには食物繊維、ビタミンB群、カルシウム、鉄などが豊富に含まれています。その風味は抹茶風味で食べやすく、少し渋めだがバニラと相まって意外と美味しいと評価されています。ライド中盤、疲労の蓄積が始まる頃に、このヘルシーなパウンドケーキと飲むヨーグルトの組み合わせが登場すれば、理想的な栄養補給となることでしょう。
エイドステーション5:鹿嶋市・神栖市エリアの大井戸湖岸公園
5番目のエイドステーションは、霞ヶ浦の東端に位置する「大井戸湖岸公園」が予定地となっています。このエリアは鹿島灘にも近く、鹿嶋市と神栖市の境界付近にあたります。2024年、鹿嶋市は「たこめしおにぎり」を提供しました。エイドステーション2の稲敷市がシンプルな塩むすびなら、こちらは鹿島灘のタコの旨味が米一粒一粒に染み込んだごちそう系おにぎりと言えます。
同じく2024年、神栖市は「カミスココくんサブレ」を提供しました。市のマスコットキャラクターをあしらった可愛らしいサブレは、ライド終盤に差し掛かり、肉体的にも精神的にも疲労困憊となったサイクリストの心を癒し、確実な糖分を供給してくれるでしょう。
エイドステーション6:かすみがうら市のかすみキッチン
そして、長い旅路の最後を締めくくるエイドステーションの予定地は、サイクリストのオアシスとして全国的に名高い「かすみキッチン」です。かすみキッチンは、かすみがうら市交流センター内にあるカフェレストランで、廃校になった小学校の備品をリノベーションして使ったおしゃれな空間が広がっています。ここは地産地消とヘルシーをコンセプトにしており、サイクリストに嬉しいメニューが並んでいます。
2024年、かすみがうら市は「お芋屋さんの焼きいも丸ごとポタージュ」を提供しました。これこそが、K1ライドの美食体験を象徴する究極の一品と言えるでしょう。このポタージュは、地元の人気店「お芋屋さんのお店 サンパタータ」が、安全な土壌づくりから自社一貫管理のもと、霞ヶ浦周辺の大地で大切に栽培したサツマイモ「紅はるか」の熟成焼き芋を、丸ごと使用して作られています。
最大の驚きは、砂糖を一切加えていないことです。熟成メロン以上とも称される紅はるか本来の糖度だけで、あの濃厚な甘さを実現しているのです。100キロメートル以上を走り、霞ヶ浦の冷たい風にさらされ、エネルギーが枯渇しかけた身体に、この熱々で濃厚な「飲む焼き芋」が染み渡る瞬間を想像してみてください。これはもはや補給食ではなく、126キロメートルを戦い抜いたサイクリストにのみ与えられる、最高のご褒美なのです。
広域から集まるゲスト補給食
いばらきK1ライドの魅力は、エイドステーションが設置される霞ヶ浦沿岸の市町村だけで完結しない点にあります。2024年の実績を見ると、コースから離れた内陸の市町村からも、選りすぐりの名産品がゲスト補給食として集結しています。これは、K1ライドが単なる霞ヶ浦一周イベントではなく、オール茨城のショーケースとして機能していることを示しています。
石岡市の獅子最中
石岡市からは「獅子最中」が提供されました。関東三大祭の一つとも称される「石岡のおまつり」の象徴である獅子をモチーフにした縁起の良い最中です。これを作るのは、昭和初期創業のパン・和洋菓子の老舗「池田屋菓子舗」で、こげ茶の皮には風味の良い粒あん、白皮には上品な白あんがたっぷり入っています。歴史と伝統を感じさせる確かな甘さが、疲れた体に染み渡ります。
桜川市の山桜はちみつとうまかべすいとん
桜川市からは、山桜から採れる希少な「山桜はちみつ」が提供されました。天然のエネルギー源として、そのまま味わうのか、クラッカーなどに添えられるのか、提供方法にも期待が高まります。桜川市の真壁町には、もう一つの名物として郷土料理「うまかべすいとん」があります。これは地元の小麦を使ったすいとんと、地元産の野菜を特徴とするB級グルメで、その味はあっさりしているだけでなく旨味もあると評されています。もし補給食として温かいすいとんが提供されれば、エイドステーション6のポタージュと並ぶ、ライド終盤の強力な回復アイテムとなるでしょう。
阿見町のれんこんせんべい
土浦市と並ぶレンコンの産地である阿見町からは「れんこんせんべい」が提供されました。パリパリとした軽快な食感と、ほのかなレンコンの風味、そして汗で失われた塩分を補給する適度な塩気が特徴です。甘い補給食が続く中での、完璧なアクセントとして機能します。
小美玉市のプロテインバーとふんわりバー
K1ライドの補給食ラインナップの懐の深さを示すのが、小美玉市の「ささみプロテインバー」と「豆乳とカカオのふんわりバー」です。伝統的な名産品だけでなく、こうした現代的かつ機能的な補給食が用意されている点は注目に値します。ロングライドで酷使し、消耗する筋肉を修復するためのタンパク質を、ライド中に補給できるのは非常に合理的であり、主催者のサイクリストに対する深い理解が感じられます。
つくば市のかりんとう饅頭
筑波山の麓、つくば市からは、和菓子の定番「かりんとう饅頭」がエントリーしました。外側はカリッと香ばしく揚げられ、中はしっとりとした餡が詰まっています。その食感のコントラストと濃厚な甘さは、エネルギー切れ寸前のサイクリストを救う、即効性の高いエネルギー源として絶大な信頼を置ける一品です。
補給食の役割と重要性
長距離サイクリングにおいて、補給食は単なる楽しみではなく、完走するための必須要素です。霞ヶ浦の風と戦いながら126キロメートルを走破するには、適切なタイミングで適切な栄養を補給する必要があります。いばらきK1ライドのエイドステーションは、約20キロメートルごとに設置されており、サイクリストが枯渇する前に次の補給ポイントに到達できるよう計算されています。
補給食の内容も、科学的に理にかなった構成となっています。ライド序盤ではフレッシュな果物や炭酸飲料で水分とミネラルを補給し、中盤ではおにぎりやパウンドケーキで持続的なエネルギー源となる炭水化物を摂取します。そして終盤では、即効性のある糖分を含むグミやサブレ、最後には温かいポタージュで疲れた身体を癒すという流れになっています。
さらに、プロテインバーのような機能性食品が含まれているのも、現代のスポーツ栄養学の知見を取り入れた結果と言えます。長時間の運動による筋肉の損傷を最小限に抑え、回復を促進するために、タンパク質の補給は非常に重要なのです。
いばらきK1ライド2025への参加方法
いばらきK1ライド 2025への参加を希望する方は、2025年9月1日月曜日から始まる通常申込に注目してください。ロングライド126キロメートルは定員1,000名、ミドルライド94キロメートルは定員530名、各サイクルーズコースは定員35名ずつ、ビギナーライドは定員100名となっています。人気のイベントのため、早めの申込が推奨されます。
3名参加で33,000円といった団体割引プランも用意されているため、友人やサイクリング仲間と一緒に参加するのもおすすめです。一人あたり1,000円お得になるこのプランは、グループでの思い出作りにも最適でしょう。
参加にあたっては、自転車の整備状況を事前に確認し、長距離ライドに耐えられる状態にしておくことが重要です。また、プレイアトレ土浦にはレンタサイクルの施設もあるため、自転車を持っていない方や、遠方から参加する方でも安心して参加できます。
霞ヶ浦周辺の観光スポット
いばらきK1ライドに参加するなら、ライド当日だけでなく、前後の日程で霞ヶ浦周辺の観光スポットを訪れることもおすすめです。霞ヶ浦総合公園のオランダ型風車は、霞ヶ浦のシンボル的存在であり、写真撮影スポットとしても人気があります。公園内には遊歩道やレストランもあり、ゆっくりと湖畔の景色を楽しむことができます。
行方市の霞ヶ浦ふれあいランドには、虹の塔という展望台があり、霞ヶ浦を一望できます。晴れた日には筑波山も遠くに望むことができ、霞ヶ浦の雄大さを実感できる場所です。水族館や科学館なども併設されており、家族連れでも楽しめる施設となっています。
潮来市は水郷として知られ、江戸時代から続く水運の歴史を持つ地域です。6月には「あやめまつり」が開催され、約500種類100万株のあやめが咲き誇る光景は圧巻です。水郷の風情を感じながら、ろ舟に乗って水路を巡る体験も人気があります。
地域振興と食文化の継承
いばらきK1ライドは、単なるスポーツイベントではなく、地域振興と食文化の継承という重要な役割も担っています。各市町村が自慢の特産品をエイドステーションで提供することで、参加者は茨城県内の様々な食文化に触れることができます。これは、普段は知られていない地域の名産品を広く知ってもらう絶好の機会となっています。
実際、K1ライドに参加した後、気に入った補給食を求めて道の駅や直売所を訪れるサイクリストも多いそうです。イベントをきっかけに、茨城県の食材や特産品のファンが増えることは、地域経済にとっても大きなプラスとなります。
また、若い世代に地域の食文化を伝える機会としても機能しています。まこものパウンドケーキのように、本来廃棄される部分を活用した商品開発など、持続可能な食文化の創造にもつながっているのです。
サイクリングと健康
いばらきK1ライドのようなサイクリングイベントは、健康増進の観点からも非常に有益です。サイクリングは有酸素運動として優れており、心肺機能の向上や脂肪燃焼効果が期待できます。特に126キロメートルという長距離を完走することは、大きな達成感をもたらし、自信にもつながります。
膝や腰への負担が比較的少ないサイクリングは、幅広い年齢層が楽しめる運動です。霞ヶ浦のようなフラットなコースであれば、初心者でも挑戦しやすく、自分のペースで走ることができます。ただし、長時間のライドになるため、日頃からある程度の運動習慣を持ち、事前にトレーニングを積んでおくことが推奨されます。
また、サイクリングは精神的な健康にも良い影響を与えます。広大な霞ヶ浦の景色を眺めながら走ることで、日常のストレスから解放され、心身ともにリフレッシュできるでしょう。仲間と一緒に走ることで、コミュニケーションの機会も生まれ、社会的なつながりも深まります。
環境に優しい移動手段としての自転車
自転車は環境に優しい移動手段としても注目されています。いばらきK1ライドのようなサイクリングイベントは、自転車の魅力を広く伝え、日常生活での自転車利用を促進する役割も果たしています。茨城県が整備を進めているつくば霞ヶ浦りんりんロードは、ナショナルサイクルルートとして、日本を代表するサイクリングインフラとなっています。
こうした整備されたサイクリングロードがあることで、通勤や通学、買い物など、日常的に自転車を利用しやすい環境が整います。自動車の利用を減らし、自転車での移動を増やすことは、二酸化炭素の排出削減にもつながり、地球環境の保護にも貢献します。
茨城県では、サイクリングを核とした観光振興と環境保全の両立を目指しており、いばらきK1ライドはその象徴的なイベントと言えるでしょう。参加者一人ひとりが、自転車という環境に優しい移動手段の素晴らしさを実感し、それを日常生活に活かしていくことが期待されています。
まとめ
いばらきK1ライド 2025は、霞ヶ浦という雄大な自然環境の中で、茨城県の豊かな食文化を自転車で巡りながら体験できる、他に類を見ないイベントです。126キロメートルという距離は決して楽ではありませんが、フラットなコースと定期的に設置されたエイドステーションにより、多くのサイクリストが完走を目指すことができます。
土浦のカレーパンに始まり、美浦村のいちご、稲敷市のおにぎり、行方市のグミ、潮来市のヨーグルト、鹿嶋市のたこめし、そして最後のかすみがうら市の焼き芋ポタージュまで、各地域が誇る特産品を味わいながら走る体験は、まさに走るグルメツアーと呼ぶにふさわしいものです。石岡市の獅子最中や桜川市の山桜はちみつ、阿見町のれんこんせんべいなど、コース外の市町村からのゲスト補給食も、茨城の食の多様性を物語っています。
風との戦いによって疲れた身体に、温かいポタージュや甘いお菓子、塩気のあるおにぎりが染み渡る瞬間は、日常では味わえない特別な美食体験となるでしょう。これは、過酷な環境と美味しい食べ物が織りなす、いばらきK1ライドならではの魅力なのです。
2025年9月1日から始まる通常申込に向けて、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。友人やグループでの参加もお得なプランが用意されており、思い出作りにも最適です。霞ヶ浦の風の中で、茨城の食の宝庫を味わい尽くす、究極の美食サイクリングがあなたを待っています。









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