神奈川県の三浦半島を一周する「ミウライチ」は、サイクリストの間で人気を集めている魅力的なコースです。約79キロメートルという比較的手頃な距離でありながら、海沿いの絶景ポイントや歴史的な観光スポット、新鮮な海の幸を楽しめるグルメスポットなど、見どころが豊富に詰まっています。
このコースの特徴は、初心者からベテランまで幅広いレベルのサイクリストが楽しめる点にあります。コース全体を通じて大きな起伏は少なく、全体の獲得標高は約707メートルと比較的抑えめです。また、JRや京急の駅が点在しているため、体力や時間に応じてコースを柔軟にアレンジできることも魅力の一つです。
三浦半島の東側は横須賀の街並みや東京湾の眺望、西側は相模湾に沈む夕日など、変化に富んだ景観を楽しめます。また、「自転車半島宣言」の一環として設置された8箇所の「マイルストーン」は、記念撮影スポットとしても人気を集めています。さらに、途中で立ち寄れる観音崎灯台や三笠公園、城ヶ島など、歴史と文化を感じられるスポットも充実しており、単なるサイクリングにとどまらない豊かな体験を提供してくれるコースとなっています。

三浦半島一周(ミウライチ)の基本情報と特徴を教えてください。
三浦半島一周サイクリングコースは、神奈川県の三浦半島を取り囲む約79.5キロメートルの周回コースです。この魅力的なコースについて、基本的な情報から特徴まで詳しく解説していきます。
まず、コースの基本データとして、総距離79.5キロメートル、獲得標高707メートルとなっています。平均速度を時速15キロメートルと想定した場合、休憩を含まず約5時間20分程度での走破が目安となります。このコースは2024年現在、ナショナルサイクルルートの一部にも指定されており、その重要性が公的にも認められています。
コースの特筆すべき特徴として、東京や神奈川からのアクセスの良さが挙げられます。JR横須賀線や京急線の駅が複数あり、輪行での参加が容易です。特にJR逗子駅は、この駅始発の電車が多く、グリーン車での帰路も快適に過ごせるため、人気の出発地点となっています。また、車でのアクセスの場合は、八景島シーパラダイス駐車場や海の公園駐車場など、大規模な駐車場を備えた施設も複数あり、仲間との待ち合わせにも便利です。
走行環境に関して、このコースは海岸線を中心に走る設計となっており、景観の素晴らしさが最大の魅力です。特に馬堀海岸沿いには1.5キロメートルにわたる直線コースがあり、ヤシの木が立ち並ぶ南国的な雰囲気を楽しめます。また、東京湾側では米軍基地や自衛隊の艦船を間近に見ることができ、独特の景観を楽しめます。
一方で、注意点として交通量の多い区間があることも把握しておく必要があります。特に横須賀市街地と半島西側のエリアは交通量が多く、特に74キロメートル地点からの葉山市街地は道幅が狭く、路線バスも頻繁に通行します。安全面を考慮する場合は、葉山警察署で右折する内陸ルートを選択することも推奨されています。
また、このコースには複数のトンネルが存在します。特に交通量の多い区間でのトンネル走行となるため、前照灯と尾灯の装備は必須です。初心者の方は、トンネルの多い区間を避けるためのショートカットルートの利用も検討するとよいでしょう。
補給面では、コース全体を通じてコンビニエンスストアや自動販売機、飲食店が充実しています。特に三崎港周辺は、マグロを中心とした新鮮な海鮮料理を楽しめる店舗が多く、サイクリングの休憩ポイントとして最適です。また、「うらりマルシェ」などの施設では、地元の新鮮な海産物や野菜を購入することもできます。
緊急時の対応として、半島の東側には多くの駅があり、トラブル時の離脱が容易です。一方で西側には鉄道が通っていないため、最低限のパンク修理キットなどの携行が推奨されています。自転車専門店も点在していますが、万が一の事態に備えた準備は重要です。
三浦半島一周コースで立ち寄るべき観光スポットとグルメポイントを教えてください。
三浦半島一周コースには、魅力的な観光スポットと絶品グルメポイントが数多く点在しています。時間の許す限り立ち寄ることで、サイクリングの楽しみがさらに広がります。特に注目すべき場所をエリアごとに紹介していきます。
まず、横須賀エリアの代表的なスポットとして三笠公園があります。ここでは1904年に竣工した戦艦「三笠」を間近で見学することができ、艦内も公開されています(入館料:大人600円)。公園内には東条英機を模したサイクルスタンドも設置されており、記念撮影スポットとして人気です。また、公園からは東京湾に浮かぶ「猿島」を望むことができ、横須賀らしい歴史的な雰囲気を味わえます。
横須賀の名物グルメとして、海軍カレーとネイビーバーガーは外せません。特に「汐入駅」「横須賀中央駅」周辺には、これらを提供する店舗が集中しています。また、横須賀ポートマーケットには、人気のネイビーバーガー店「ハニービー」や、三浦で有名なプリン専門店「マーロウ」、海鮮丼の店など、バラエティ豊かな飲食店が集まっています。
観音崎エリアでは、観音崎灯台が見どころです。この灯台は日本初の洋式灯台として建てられた初代の流れを汲む3代目で、1925年に建設されました。また、灯台周辺にはマイルストーンが設置されており、記念撮影スポットとしても人気です。その下にあるたたら浜は、美しい海岸として知られています。
三浦市街エリアの中心である三崎港は、日本有数のマグロの水揚げ量を誇る港町です。ここにあるうらりマルシェは、新鮮な三浦野菜とマグロの産直センターを中心とした複合施設で、マグロコロッケやマグロとろ角煮串などの軽食も楽しめます。周辺には本格的な海鮮丼の有名店も多く、コースのちょうど中間地点にあたることから、昼食スポットとして最適です。
城ヶ島方面に足を延ばすと、城ヶ島公園や安房埼灯台など、さらに多くの観光スポットが楽しめます。城ヶ島の商店街には新鮮な海鮮料理を提供する店が立ち並び、マグロやイカを使った郷土料理を堪能できます。
長井エリアでは、長井海の手公園(ソレイユの丘)が見どころです。この施設は入園料が無料で、高さ15メートルの大型アスレチックや全長300メートルのジップライン、観覧車などのアクティビティが充実しています。また、春には菜の花、秋にはコスモスなど、季節の花々も楽しめます。ここにもマイルストーン「マグロと大根」が設置されており、写真スポットとなっています。
葉山エリアに入ると、秋谷の立石という名勝地があります。ここは「かながわの景勝50選」に選ばれており、江戸時代の浮世絵師・歌川広重も描いた景勝地です。海から突き出た岩と松の生えた「梵天の鼻」、美しい海岸線が特徴で、晴れた日には富士山も望めます。近くにはプリン専門店「マーロウ」のレストラン店舗もあり、食事とスイーツを楽しむことができます。
これらの観光スポットを効率よく巡るためには、事前に立ち寄り場所を計画しておくことをおすすめします。また、人気店は混雑する可能性があるため、特に昼食時の待ち時間を考慮した行程作りが重要です。
三浦半島一周コースは季節によってどのような特徴や注意点がありますか?
三浦半島一周コースは、季節ごとに異なる魅力と注意点があります。各季節の特徴を理解することで、より安全で楽しいサイクリングを実現できます。それぞれの季節における特徴と対策について詳しく解説していきます。
春季(3月~5月)は、三浦半島一周サイクリングに最も適した季節の一つです。気温が穏やかで、走行には快適な環境となります。特に走水水源地公園では桜の名所として知られ、満開時期には絶景のサイクリングが楽しめます。また、三浦海岸では菜の花が咲き誇り、黄色い花畑と青い海のコントラストが美しい景観を作り出します。ただし、この時期は観光シーズンと重なるため、特に週末は観光客で賑わう場所が多くなります。横須賀・三浦の観光スポット周辺は混雑が予想されるため、早朝スタートを心がけることをおすすめします。
夏季(6月~8月)は、海水浴シーズンと重なり、観音崎や三浦海岸などの海水浴場周辺は特に混雑します。この時期は気温と湿度が高くなるため、熱中症対策が重要です。特に横須賀市街地や半島西側の交通量の多いエリアでは、アスファルトからの照り返しも強く、体力の消耗が激しくなります。補給ポイントでの十分な水分・塩分補給と、こまめな休憩を取ることが必要です。また、夏場は突然のスコールにも注意が必要です。天気予報をこまめにチェックし、雨具の携行は必須です。
秋季(9月~11月)は、暑さも和らぎ、サイクリングには最適な季節となります。長井海の手公園(ソレイユの丘)ではコスモスが咲き誇り、写真スポットとして人気です。この時期は台風シーズンと重なるため、特に海沿いのコースでは強風に注意が必要です。また、日没時間が徐々に早まっていくため、スタート時間の調整が重要です。特にトンネルの多い区間は、日が暮れてからの走行は危険度が増すため、余裕を持った行程計画が必要です。
冬季(12月~2月)は、晴れた日は空気が澄んで、富士山や伊豆大島などの眺望が特に素晴らしい季節です。秋谷の立石からの景色は、冬季の澄んだ空気の下で最高の写真スポットとなります。しかし、この時期は強い北西風(空っ風)が吹くことが多く、特に半島西側の海沿いコースでは横風の影響を受けやすくなります。防寒対策は必須で、特にウインドブレーカーや手袋、ネックウォーマーなどの防風機能のある装備が重要です。また、日没が早いため、走行時間は実質的に短くなります。ライトの装備と、日没を考慮したコース設定が必要です。
季節を問わず共通の注意点として、以下の準備が推奨されます:
- パンク修理キットや簡単な工具の携行は必須です。特に半島西側には鉄道が通っていないため、トラブル時の備えが重要です。
- 前照灯と尾灯は、トンネル走行が多いコースのため、昼間でも必ず装備する必要があります。
- 休憩・補給ポイントは事前に確認し、特に混雑が予想される観光シーズンは待ち時間も考慮した計画を立てることが重要です。
- コンビニエンスストアや飲食店の営業時間は、季節や曜日によって変動することがあるため、事前確認が必要です。
- 緊急時の避難場所や最寄りの駅、自転車店の位置は、事前にチェックしておくことをおすすめします。
三浦半島一周コースを初心者が走る場合、どのような点に気をつければよいですか?
三浦半島一周コースは、適切な計画と準備があれば初心者でも十分に楽しめるコースです。ここでは、初心者の方が安全かつ快適に走るためのポイントについて、詳しく解説していきます。
まず、スタート地点の選択が重要です。初心者の方には、JR逗子駅や京急逗子・葉山駅からのスタートがおすすめです。この区間から始めると、最初は比較的交通量の少ない区間を走ることができ、徐々にペースをつかむことができます。また、これらの駅は当駅始発の電車が多く、帰りのグリーン車の利用も便利です。逆に、横須賀駅周辺からのスタートは、すぐに交通量の多い区間に入るため、初心者には少々ハードルが高くなります。
走行方向の選択も重要なポイントです。一般的に時計回りのコースが推奨されます。その理由は、交通量の多い横須賀市街地区間を早い時間帯に通過できることと、午後になって疲れてきた頃に比較的走りやすい区間に入れることです。また、西日を受けにくい利点もあります。ただし、これは目安であり、その日の天候や風向きによって判断を変えることも検討してください。
コース選択のポイントとして、初心者の方は以下のようなショートカットルートの活用を検討してください:
- 観音崎・浦賀エリアのショートカット:三春町四丁目交差点で右折するルートを選ぶと、約3キロメートルの距離短縮が可能です。ただし、観光スポットは素通りとなります。
- 三浦海岸交差点での選択:内陸ルートを選択すると約5キロメートルの短縮が可能です。海沿いの景色は犠牲になりますが、体力的な負担は軽減されます。
- 葉山エリアでの選択:74キロメートル地点の葉山警察署で右折するルートを選ぶと、交通量の多い狭い道を避けることができます。距離も約800メートル短縮できます。
休憩ポイントの設定も初心者には特に重要です。以下のような休憩計画を立てることをおすすめします:
- 最初の休憩:横須賀エリア(スタートから約10キロメートル)
- 三笠公園での写真撮影と小休憩
- トイレと自動販売機が利用可能
- 第二の休憩:観音崎エリア(スタートから約20キロメートル)
- 観音崎灯台周辺でのマイルストーン撮影
- 公共トイレと休憩施設が充実
- 昼食休憩:三崎港エリア(スタートから約40キロメートル)
- うらりマルシェでの昼食
- 十分な休憩時間の確保が重要
- 最後の休憩:長井海の手公園(ソレイユの丘)(スタートから約60キロメートル)
- 残り距離の確認と体力チェック
- 必要に応じてコース短縮の判断
装備と持ち物については、以下のものを必ず携行してください:
- パンク修理キット(特に半島西側では必須)
- 前照灯・尾灯(トンネル走行用)
- 携帯用空気入れ
- 補給食と水分
- 防寒着(ウインドブレーカー)
- モバイルバッテリー
- 健康保険証
- 現金(交通系ICカードも併せて)
最後に、緊急時の対応として、以下の点を事前に確認しておくことをおすすめします:
- コース上の主要な駅の位置
- 自転車店の場所と営業時間
- 緊急時の避難場所
- タクシー会社の電話番号
- 最寄りの医療機関
これらの準備と心構えがあれば、初心者でも三浦半島一周を十分に楽しむことができます。無理のない計画を立て、景色や観光を楽しみながら、安全に走行することを心がけてください。
三浦半島一周コースにある「マイルストーン」と写真スポットについて教えてください。
三浦半島には、サイクリストの記念撮影スポットとして「マイルストーン」と呼ばれる8つのモニュメントが設置されています。これは三浦半島に属する4市1町が連携して行った「自転車半島宣言」の一環として設置されたものです。また、マイルストーン以外にも魅力的な撮影ポイントが数多く存在します。
マイルストーンの設置場所と特徴を順に紹介します:
- 「黒船」(観音崎)
- 設置場所:観音崎灯台付近
- 特徴:ペリー来航にちなんだデザイン
- 撮影ポイント:背景に東京湾を入れることができます
- 近くには公共トイレと自販機があり、休憩にも適しています
- 「水仙」(野比海岸)
- 設置場所:野比海岸沿い
- 特徴:地域の花をモチーフにしたデザイン
- 撮影ポイント:海岸線と一緒に撮影可能
- 冬季は実際の水仙と一緒に撮影できます
- 「マグロと大根」(宮川公園)
- 設置場所:風車のある宮川公園内
- 特徴:三浦の特産品をモチーフにしたユニークなデザイン
- 撮影ポイント:大きな風車と一緒に撮影できます
- 展望が良く、伊豆大島も見えます
- 「タカアシガニ」(荒崎公園)
- 設置場所:荒崎公園内
- 特徴:相模湾の深海に生息する生物をモチーフ
- 撮影ポイント:荒々しい岩場をバックに撮影可能
- クリートカバーの携行を推奨(砂利道あり)
- 「ツツジ」(湘南国際村)
- 設置場所:湘南国際村グリーンパーク
- 特徴:地域の植生をイメージしたデザイン
- 撮影ポイント:春には実際のツツジと共に撮影可能
- メインコースから外れますが、ヒルクライム好きは要チェック
- 「ヨット」(長者ヶ崎)
- 設置場所:長者ヶ崎海岸
- 特徴:マリンスポーツをイメージしたデザイン
- 撮影ポイント:芝崎海岸方面の絶景と一緒に撮影可能
- 夕暮れ時の撮影がおすすめ
- 「海」(逗子マリーナ)
- 設置場所:逗子マリーナ内
- 特徴:波をモチーフにしたデザイン
- 撮影ポイント:ヨットハーバーを背景に撮影可能
- アクセスには一工夫必要です
- 「家族とビーチ」(由比ガ浜)
- 設置場所:由比ガ浜駐車場
- 特徴:海水浴をテーマにしたデザイン
- 撮影ポイント:江の島を背景に入れることができます
- 夏季は海水浴客で賑わいます
その他の推奨撮影スポット:
- 馬堀海岸遊歩道
- ヤシの木が立ち並ぶ南国的な景観
- 約1.5キロメートルの直線コースが印象的
- 遊歩道内は自転車降車が必要です
- 秋谷の立石
- かながわの景勝50選に選出された名所
- 空気の澄んだ日には富士山も望めます
- 夕暮れ時の撮影が特におすすめ
- 三笠公園
- 戦艦三笠をバックに撮影可能
- 東条英機を模したサイクルスタンドあり
- 猿島を望む写真も人気
- 城ヶ島大橋
- 橋からの眺望が素晴らしい
- 朝焼けや夕焼けの時間帯がおすすめ
- 強風時は注意が必要
撮影時の注意点:
- 交通の妨げにならない場所での撮影を心がけましょう
- 私有地への無断立ち入りは避けましょう
- 混雑時は周囲への配慮を忘れずに
- 自転車は決められた場所に駐輪しましょう
全てのマイルストーンを巡るには、メインコースから若干の寄り道が必要になりますが、それぞれの場所で異なる三浦半島の魅力を感じることができます。時間に余裕がある場合は、ぜひ全ポイントを巡ってみることをおすすめします。









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