ふくしま浜通りサイクルルートは、福島県の浜通り地域を南北に縦断する延長約178キロメートルのサイクリングルートで、2026年3月23日に国土交通省から第3次ナショナルサイクルルートの候補として選定されました。指定が実現すれば東北地方初のナショナルサイクルルートとなり、2026年夏頃の正式指定が見込まれています。通称「浜サイ」と呼ばれるこのルートは、新地町から相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町を経て、いわき市までを結ぶ太平洋沿岸のコースです。単なるサイクリングコースにとどまらず、東日本大震災と原子力災害からの復興を体感できる「ホープツーリズム」の舞台としても国内外から注目を集めています。本記事では、ふくしま浜通りサイクルルートの全容、ナショナルサイクルルート指定への道のり、制度の概要、そして指定実現で期待される効果まで、最新の動向を踏まえて詳しく解説します。

ふくしま浜通りサイクルルートとは何か
ふくしま浜通りサイクルルートとは、福島県の浜通り地域を南北に貫く延長約178キロメートルのサイクリングルートのことです。通称は「浜サイ」と呼ばれ、北端は宮城県境に近い新地町のJR新地駅、南端はいわき市となっています。
このルートが他のサイクリングコースと一線を画す最大の特徴は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故によって甚大な被害を受けた地域を走り抜ける点にあります。沿道には震災遺構や復興関連施設が点在し、サイクリストはペダルを漕ぎながら復興の光と影を肌で感じることができます。こうした体験型観光は「ホープツーリズム」と呼ばれ、世界で類を見ない複合災害を経験した福島県だからこそ提供できる唯一無二のプログラムとして位置づけられています。
通過市町村は、新地町、相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、いわき市の合計10市町村にわたります。原発事故に伴う避難区域が設定された地域を含むこのルートは、復興の現場をリアルに体感できる場として、日本国内のみならず海外からの注目度も高まっています。
ナショナルサイクルルート指定への道のりと最新動向
ふくしま浜通りサイクルルートのナショナルサイクルルート指定に向けた取り組みは、2023年から本格的に始動しました。2023年7月下旬、楢葉町・広野町にまたがるJヴィレッジで「ふくしま浜通りサイクルルート推進協議会」の初会合が開催され、福島県をはじめ、浜通りおよび避難区域が設定された15市町村、自転車・観光・地域づくりに関わる約50の団体が参加しました。官民が一体となって指定実現に向けた具体的な検討が進められてきました。
その成果が結実したのが2026年3月23日の発表です。国土交通省は第3次ナショナルサイクルルートの候補として全国7カ所を選定し、ふくしま浜通りサイクルルートがその中に名を連ねました。福島民報デジタルは2026年3月23日付で「国交省のナショナルサイクルルート 浜通り指定有力 夏ごろ決定」と報じ、福島民友新聞社も翌24日に「浜通り候補に ナショナルサイクルルート、26年夏にも指定」と伝えています。さらに読売新聞は2026年3月29日付で「浜通りの自転車道、ナショナルサイクルルート候補に」と取り上げ、観光振興や復興発信の強化への期待が高まっていることを伝えました。
今後の流れとしては、国土交通省の有識者審査委員会による審査が行われ、現地視察を経て、2026年夏頃に正式指定が行われる見通しです。指定が実現すれば、東北地方初のナショナルサイクルルートという歴史的な快挙となります。
ナショナルサイクルルート制度とは何か
ナショナルサイクルルートとは、2019年(令和元年)に国土交通省が創設した「日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルート」を認定する制度のことです。自転車活用推進法(平成28年法律第113号)に基づき、サイクルツーリズムの推進を通じて新たな観光価値を創造し、地域の創生を図ることを目的としています。
制度創設の背景には、日本のサイクルツーリズムの国際競争力を高めたいという国の方針があります。欧米ではサイクリングを目的とした観光旅行が定着しており、専用インフラが整った自転車道は高い観光価値を持っています。日本でも質の高いサイクリングルートを国が認定し、情報発信することで、国内外のサイクリストを呼び込む取り組みが進められています。
ナショナルサイクルルートの指定要件
指定要件は主に5つの観点から設定されており、ルート設定・走行環境・受入環境・情報発信・取組体制のそれぞれで一定の水準を満たす必要があります。具体的には、島嶼部を除き100キロメートル以上の長さがあること、サイクリングに適した路面整備と標識設置がなされていること、20キロメートル程度の間隔で休憩施設が整備されていること、60キロメートル程度ごとに自転車を室内で保管できる宿泊施設があること、多言語対応の情報発信が行われていること、自治体や観光関係者などが連携した推進体制が構築されていることなどが求められています。
既存のナショナルサイクルルート指定一覧
2026年5月時点で、ナショナルサイクルルートとして指定されているのは以下の6ルートです。
| 指定時期 | ルート名称 | 所在地 |
|---|---|---|
| 第1次(2019年11月) | つくば霞ヶ浦りんりんロード | 茨城県 |
| 第1次(2019年11月) | ビワイチ | 滋賀県 |
| 第1次(2019年11月) | しまなみ海道サイクリングロード | 広島県・愛媛県 |
| 第2次(2021年5月) | トカプチ400 | 北海道 |
| 第2次(2021年5月) | 太平洋岸自転車道 | 千葉県・神奈川県・静岡県・愛知県・三重県・和歌山県 |
| 第2次(2021年5月) | 富山湾岸サイクリングコース | 富山県 |
いずれも日本を代表するサイクリングコースとして国内外から高い評価を受けていますが、現状では東北地方からの指定ルートは存在しません。ふくしま浜通りサイクルルートが指定されれば、東北初のナショナルサイクルルートとなり、地域の観光・経済振興にとって大きな意味を持つことになります。
ルートの3つのエリアと見どころ
ふくしま浜通りサイクルルートは、地理的・観光的特徴によって北エリア・中央エリア・南エリアの3つに大別されます。それぞれのエリアに異なる魅力があり、目的や日程に応じて区間を選んで楽しむこともできます。
北エリア(新地駅〜南相馬市付近)の魅力
北エリアのゲートウェイはJR新地駅で、首都圏から訪れる場合は常磐自動車道や新幹線を利用して仙台方面から入るルートが便利です。このエリア最大の見どころは、相馬市に位置する潟湖「松川浦」の美しい景観です。太平洋と松川浦を両側に望みながら走れる「大洲海岸」や「松川浦大橋」は、絶景スポットとして多くのサイクリストを魅了しています。松川浦は県立自然公園にも指定されており、春の松林と海のコントラストは特に写真映えすると評判です。
南相馬市に入ると、東日本大震災の被害を受けた地域を通りながら、復興が進む街並みを間近に見ることができます。南相馬市は原発事故の影響で設定された避難区域にかかる地域も抱えており、ルートからは復興工事が続く様子を確認できる場所もあります。
中央エリア(浪江町〜富岡町付近)はホープツーリズムの核心
中央エリアはホープツーリズムの核心部分とも言える区間で、東日本大震災・原子力災害の記憶を色濃く残す施設が集中しています。
双葉町には2020年9月に開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」があり、震災と原子力災害の記録と記憶を後世に伝える役割を担っています。国内外から多くの訪問者が訪れる、サイクリストにとっても必見のスポットです。また同町には「ふたばの杜(復興祈念公園)」も整備されており、震災の記憶を刻む場所として地域の人々の心の拠り所となっています。
浪江町には震災遺構として保存された「請戸小学校」があります。津波の被害を受けながらも建物が残された請戸小学校は、震災の凄まじさを今に伝える生きた証言者として機能しており、施設の周囲には請戸川河口が広がり、かつての漁港の面影も感じられる場所です。
富岡町は中央エリアのゲートウェイとして整備が進められ、町内のサイクル拠点は2025年10月頃の開所が予定されました。富岡町は震災前から夜ノ森の桜並木で知られる県内有数の桜の名所で、復興が進む中で桜並木の整備も徐々に進められています。春には美しい桜のトンネルをくぐりながらサイクリングを楽しめる場所として注目を集めています。
このエリアにはサッカー日本代表のトレーニング施設として知られる「Jヴィレッジ」(楢葉町・広野町)もあります。東日本大震災後は原発事故対応の拠点として使用されましたが、2019年に全面再開し、現在は多くのアスリートやスポーツ関係者が利用するスポーツ施設として活用されています。サイクルルートのランドマーク的存在でもあります。
南エリア(広野町〜いわき市)は首都圏からのアクセス良好
南エリアはいわき市を中心としたゾーンで、首都圏からのアクセスが最も良いエリアです。JRいわき駅と「いわき新舞子ハイツ」がゲートウェイとして設定されており、東京方面からの日帰りサイクリングも可能な距離感となっています。
いわき市内では「いわき七浜海道」という専用のサイクリングロードが整備されています。いわき七浜海道は、東日本大震災の復旧・復興事業によって整備された防潮堤等を活用した延長約53キロメートルのサイクリングルートで、白砂青松の美しい海岸線を楽しみながら走ることができます。防潮堤上を走れるルートとして国内でも珍しく、震災復興の象徴的なインフラとも言えるコースです。
いわき市には水族館「アクアマリンふくしま」や、古くから知られる温泉地「いわき湯本温泉」もあり、サイクリング後の観光や宿泊先として多くの選択肢があります。アクアマリンふくしまは震災後に復旧し、多くの家族連れや観光客が訪れる施設として復活しました。
サイクリスト向け受入環境はどこまで整っているか
ナショナルサイクルルート指定に向け、ルート沿線の受入環境整備が着実に進められてきました。受入環境はナショナルサイクルルートの指定要件の一つとして特に重視されており、サイクリストが安心・快適に走行できる環境づくりが地域全体で取り組まれています。
ゲートウェイ(拠点施設)は現在、JR新地駅(北エリア)、自転車販売店RABBIT&TURTLE(富岡町・中央エリア)、JRいわき駅(南エリア)、いわき新舞子ハイツ(南エリア)の4カ所が設置されています。ゲートウェイでは自転車の貸し出しや修理対応、荷物の預かりなど、サイクリストに必要なサービスが提供されています。
ゲートウェイ以外にも「サイクルオアシス」と呼ばれる休憩・補給施設がルート沿線に多数整備されています。サイクルオアシスでは、サイクルラックの設置、空気入れや工具の貸し出し、トイレの利用などのサービスが受けられます。富岡町内では富岡町観光案内所と富岡町文化交流センター学びの森がサイクルオアシスとして認定されています。
レンタサイクルサービスも充実しており、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車から電動アシスト付き自転車まで、幅広いラインナップが揃っています。浜通り各地の観光施設や道の駅などでレンタサイクルを利用できるため、自転車を持参しなくてもルートを楽しむことが可能です。
いわき市内のいわき七浜海道沿線には複数のサイクルステーションが整備されています。市内サイクルステーションNORERU?、新舞子サイクルステーション、浜風きららサイクルステーション、颯サイクル、道の駅よつくら港サイクルステーション、アクアマリンパークサイクルステーション、湯本駅前サイクルステーション、勿来の関サイクルステーションなど、様々なサービスを利用できます。
ナショナルサイクルルート指定実現で期待される効果
ふくしま浜通りサイクルルートがナショナルサイクルルートに指定された場合、複数の側面で大きな効果が期待されています。
第一に、国からの財政的な支援を受けやすくなる点が挙げられます。ルートの整備費用や情報発信のための予算確保が容易になり、より質の高い環境整備が進められることになります。
第二に、情報発信面での効果です。国土交通省の公式ウェブサイトやパンフレットにルートが掲載され、全国的・国際的な知名度が大幅に向上します。これにより国内外のサイクリストへの訴求力が高まり、より多くの人々が浜通りを訪れるきっかけになることが期待されています。
第三に、観光振興と交流人口の拡大が見込まれます。サイクリングを目的とした観光客は宿泊を伴う旅行をする傾向が強く、地域への経済効果が高いと言われています。サイクルツーリズムの国内市場規模は2021年時点の推計で年間1315億円とも言われており、その一部を浜通りに取り込むことができれば、地域経済への多大な貢献となります。
第四に、国際大会の誘致が容易になる点です。ナショナルサイクルルート指定ルートでは、国際基準のサイクリングイベントや大会の開催が促進されます。外国からの選手・関係者・観客が訪れることで、インバウンド観光の促進にもつながります。
第五に、復興発信の強化です。浜通りのサイクルルートがナショナルレベルで認知されることは、東日本大震災と原子力災害からの復興状況を国内外に発信する絶好の機会となります。「復興が進む浜通りを自転車で走る」という体験は、強いメッセージ性を持って国際社会に届けられます。
第六に、地域コミュニティの活性化が挙げられます。サイクリスト向けのサービス需要が高まることで、地域の事業者にとって新たなビジネスチャンスが生まれます。地元住民とサイクリストの交流が生まれることで、地域全体の活気にもつながることが期待されます。
浜通りの自然・文化・グルメの魅力
ふくしま浜通りサイクルルートの魅力は、震災遺構や復興施設だけではありません。浜通りには多様な自然景観や歴史・文化的な見どころが点在しています。
太平洋に面した海岸線は、場所によって様々な表情を見せます。松川浦のような穏やかなラグーン、いわき市の白砂青松の美しい砂浜、波が打ち寄せる岩場など、一口に「海岸線」と言っても多彩な景観が楽しめます。特に早朝に太平洋から昇る朝日は、自転車旅ならではの感動的な体験です。
海岸線だけでなく、内陸の里山にも豊かな自然が残っています。田んぼや畑が広がる農村風景や木々が生い茂る里山の道を走ることで、海とは異なる浜通りの一面を発見できます。
浜通りは海の幸が豊富で、新鮮な魚介類を楽しめる飲食店が多くあります。相馬市や南相馬市では新鮮な魚を使った料理が名物で、いわき市では「メヒカリ」「さんま」「うにめし」などの郷土料理が人気です。サイクリング中の補給食としても、地元の農産物を使った食品が沿線の道の駅や直売所で購入できます。
温泉地としては、いわき市の「いわき湯本温泉」が広く知られています。歴史は1000年以上とも言われる古湯で、全国でも有名な温泉地の一つです。サイクリングで疲れた体を癒すのに最適な場所であり、ルートの終着点として温泉を楽しむ旅程を組む人も少なくありません。
気候面でも浜通りは恵まれており、福島県内でも特に雪が少ない地域として知られています。年間を通じてサイクリングが可能な期間が長く、冬季でも一部路面凍結の恐れがある場所を除けば走行できることが多いため、オールシーズン対応のルートとして高い利便性を誇ります。
ホープツーリズムとふくしま浜通りサイクルルートの意義
ホープツーリズムとは、福島県が推進する独自の観光・教育プログラムで、東日本大震災と原子力災害の教訓から「希望」を見出し、持続可能な社会・地域づくりを探究・創造することを目的としています。一般的なスタディツアーとは異なり、単に被災地を見学するのではなく、復興に向けて挑戦し続ける人々の思いや、地域が抱える課題と可能性を学ぶことに重点が置かれています。
ふくしま浜通りサイクルルートは、このホープツーリズムをサイクリングという身体的な体験と組み合わせた、世界でも類を見ないユニークなルートです。自転車でゆっくりと走ることで、沿道の風景の変化、復興工事の現場、震災遺構、新しく生まれた施設などをリアルに感じることができます。バスや車で移動するツアーとは異なる、身体的な感覚を通じた深い体験が可能となっています。
2011年3月11日の東日本大震災から15年以上が経過した現在も、浜通りでは復興への歩みが続いています。一部の地域では帰還困難区域が残されており、復興の完了にはまだ時間がかかる状況です。しかし一方で、着実に生活が再建されている地域も増え、新しいビジネスや施設が生まれています。サイクリストはこのダイナミックな復興の現場を、自分の目と体で確かめながら走ることができます。
ツール・ド・ふくしまとの相乗効果
ふくしま浜通りサイクルルートの整備と並行して、浜通りを舞台にした大規模なサイクリングイベント「ツール・ド・ふくしま」も開催されています。このイベントは「ふくしま復興サイクルシリーズ」の中核となるレースで、一般社団法人みんぽうスポーツ・文化コミッションと福島民報社が主催しています。東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の被災地である浜通り等15市町村を舞台にしており、サイクルスポーツを通じて福島の現状を国内外に発信し、広域的な交流人口の拡大と地域振興を目的として誕生しました。
ツール・ド・ふくしまには複数のカテゴリーがあります。ロードレース部門では「ふくしま240」を筆頭に全6種目が設定されており、特に「ふくしま240」は国内の市民ロードレースとしては最長距離を誇る過酷なレースとして知られています。ロングライド部門では「浜街道ライド110(110km)」と「ホープライド50(50km)」の2種目が用意されており、初級から上級者まで幅広い参加者が楽しめる構成となっています。
2025年(令和7年)には「ツール・ド・ふくしま2025」が9月6・7日に開催され、次年度の大型大会に向けたプレ大会として位置づけられました。そして2026年の大会からは、世界最大の市民グランフォンドシリーズである「UCIグランフォンドワールドシリーズ」の公認大会となることが決定しており、世界各国からトップアマチュアサイクリストたちが浜通りを目指して集まる国際的なイベントへと発展する見込みです。
UCIグランフォンドワールドシリーズとは、国際自転車競技連合(UCI)が公認するグランフォンド(長距離市民レース)の世界シリーズで、各地の予選大会を経て世界選手権へ出場する権利が与えられます。このシリーズ大会が浜通りを舞台に開催されることは、地域の国際的な知名度向上や外国人サイクリストの誘客という点で極めて重要な意味を持ちます。ナショナルサイクルルート指定と合わせて、浜通りが世界的なサイクリングの聖地として認知されるための強力な後押しになることが期待されています。
今後の展望と指定までのスケジュール
2026年3月にナショナルサイクルルート候補として選定されたふくしま浜通りサイクルルートは、今後、国土交通省の有識者審査委員会による審査を経て、2026年夏頃に正式指定が行われる見通しです。審査では現地視察も実施される予定となっています。
指定に向けては、まだいくつかの整備課題が残されており、特に走行環境の整備(案内標識、路面整備など)や受入施設の充実については、急ピッチで作業が進められています。富岡町内のサイクル拠点は2025年10月頃の開所が予定され、中央エリアのゲートウェイとして体制強化の一環に位置づけられました。
また、国内外のサイクリストへの情報発信も強化される見通しで、多言語対応のウェブサイトや紙媒体の整備なども進められています。指定が実現した暁には、ふくしま浜通りサイクルルートは東北初のナショナルサイクルルートとして、日本のサイクルツーリズムを牽引する存在となることが期待されます。何より、復興が続く浜通りに多くのサイクリストが訪れることで、地域の人々の活力となり、復興の加速につながることが最大の目標です。
ふくしま浜通りサイクルルートについてよくある疑問
ふくしま浜通りサイクルルートを実際に走ってみたいと考える人から寄せられる疑問のうち、特に多いものについて整理しました。
ふくしま浜通りサイクルルートはいつナショナルサイクルルートに指定されるかという点については、2026年3月23日に国土交通省から第3次ナショナルサイクルルートの候補として選定され、2026年夏頃に正式指定が行われる見通しとなっています。有識者審査委員会による審査と現地視察を経て最終決定される予定です。
ルートの全長と起終点については、延長は約178キロメートルで、北端は新地町のJR新地駅、南端はいわき市となります。途中、相馬市・南相馬市・浪江町・双葉町・大熊町・富岡町・楢葉町・広野町を経由する太平洋沿岸のコースです。
レンタサイクルの利用については、浜通り各地の観光施設や道の駅、サイクルステーションなどでロードバイク、クロスバイク、電動アシスト付き自転車などを借りることができます。自転車を持参しなくてもルートを楽しめる環境が整っています。
走行に適した時期については、浜通りは福島県内でも特に雪が少ない地域として知られており、年間を通じてサイクリングが可能です。冬季も一部凍結箇所を除けば走行できることが多く、オールシーズン対応のルートとなっています。
東北初のナショナルサイクルルートとなる意義については、現状では東北地方からの指定ルートは存在せず、ふくしま浜通りサイクルルートが指定されれば東北初の指定ルートとなります。震災と原子力災害からの復興を象徴する存在として、観光振興と復興発信の両面で大きな役割を担うことが期待されています。
まとめ:ふくしま浜通りサイクルルートは復興と希望をつなぐ唯一無二の道
ふくしま浜通りサイクルルートは、単なるサイクリングコースを超えた意義を持つルートです。延長178キロメートルにわたって太平洋沿岸を駆け抜けながら、東日本大震災と原子力災害の記憶を学び、復興に挑む人々の姿に触れることができます。自転車という乗り物が持つ「ゆっくり、でも確実に前に進む」という特性と、浜通りの復興の歩みが重なり合う、世界でも類を見ない体験がここにはあります。
2026年3月23日にナショナルサイクルルートの候補として選定され、2026年夏頃に予定される正式指定は、このルートが日本を代表するサイクリングコースとして国際的に認知される大きな一歩となります。指定後は、国内外から多くのサイクリストが浜通りを訪れ、地域の活性化と復興発信の両面で大きな効果が期待されています。
サイクリングを愛する人はもちろん、震災と復興の現場を肌で感じたいという人にも、ふくしま浜通りサイクルルートはぜひ一度走ってほしいルートです。美しい海岸線と里山の風景、豊かな食文化、そして復興に向けて前を向く人々の姿が、訪れる人の心に深く刻まれることでしょう。








