都会の喧騒から離れて自然の中で思いっきり深呼吸したい。そんな時におすすめなのが兵庫県の隠れた絶景スポット「つくはら湖」でのサイクリングです。神戸市北区と西区にまたがるこの地域には、「神出山田自転車道」と呼ばれる全長約20kmの専用サイクリングコースが整備されています。田園風景や山々に囲まれた雄大な自然の中を走るサイクリングコースは、初心者からベテランまで幅広いサイクリストに人気を集めています。
特に注目したいのは、コースの大半が歩行者と自転車の専用道路になっていること。車の往来を気にせず安心して走行できるため、家族連れでも楽しめる点が大きな魅力です。また、コース途中には休憩所やトイレも設置されており、無理なく自分のペースで走ることができます。
都心からわずか数十分でアクセスできるにもかかわらず、豊かな自然と開放感あふれる景色が広がる「つくはら湖サイクリングコース」。四季折々の風景を楽しみながら、爽やかな風を感じるサイクリング体験は、日常の疲れを癒やし、心身をリフレッシュさせてくれることでしょう。

つくはら湖周辺のサイクリングコースの特徴と魅力は?
つくはら湖周辺のサイクリングコースとして有名な「神出山田自転車道」は、神戸市北区山田町から西区神出町を結ぶ約19.3kmの専用サイクリングロードです。2019年にリニューアルオープンし、より快適に走行できるようになりました。このコースの最大の特徴は、都心に近いにもかかわらず、まるで別世界のような自然の景色を楽しめる点です。
コースは大きく分けて東西二つの起点から進むことができ、それぞれに異なる魅力があります。西側の「老ノ口休憩所」や「兵庫楽農生活センター」からスタートする場合、前半は比較的平坦で田園風景を楽しみながらのんびり走行できます。最後の方で階段を使って峠を越え、つくはら湖に向かうルートとなっています。
一方、東側の「つくはらサイクリングターミナル」からスタートすると、まず「BE KOBEモニュメント」で写真撮影を楽しんだ後、最初は峠を下る爽快なコースを楽しめます。ただし、中間地点以降は長い上り坂が待ち受けているため、体力に自信がある方向けのルートとも言えるでしょう。
コース全体の魅力としては、何と言っても豊かな自然環境の中でのサイクリング体験です。田園風景や山間部、ため池など、様々な景観を一度に楽しむことができます。特に春には桜並木が美しく、秋には紅葉が楽しめるなど、季節ごとに異なる景色が広がります。
また、コース上には「BE KOBEモニュメント」など、SNS映えするフォトスポットも設置されています。つくはら湖に架かる「つくはら大橋」からの眺めは特に絶景で、湖面に映る周囲の山々の風景は息をのむ美しさです。
さらに、コースの大部分が自動車の通行しない専用道路であるため、交通の危険を気にせず、安心して走行できる点も大きな魅力です。初心者やファミリーでも楽しめる環境が整っているため、サイクリング初挑戦の方にもおすすめです。
初心者でも安心してつくはら湖をサイクリングするためのポイントは?
つくはら湖周辺のサイクリングは初心者でも十分楽しめますが、より安全で快適な体験のためにいくつかのポイントを押さえておきましょう。
まず、初めてのサイクリングならばコース選びが重要です。神出山田自転車道では、西側の「老ノ口休憩所」または「兵庫楽農生活センター」からスタートするのがおすすめです。このルートでは、前半は比較的平坦な道を走るため、体力を温存しながら景色を楽しむことができます。全長約20kmのコースですが、のんびり走っても1時間半程度で走破できる比較的お手軽な距離です。
次に重要なのは、適切な準備です。サイクリングに適した服装としては、動きやすい服と汗を吸収するウェアが基本です。夏場は熱中症対策として帽子や日焼け止めも忘れずに。雨の日や風の強い日は避け、天気の良い日を選ぶことも快適なサイクリングの秘訣です。
また、自転車に乗る前には必ず点検を行いましょう。タイヤの空気圧やブレーキの効き具合をチェックし、異常がないことを確認します。レンタサイクルを利用する場合も、乗車前に基本的な点検をすることをおすすめします。
水分補給も非常に重要です。コース上には自動販売機のある休憩所もありますが、数は限られているため、十分な水分を持参しましょう。また、エネルギー補給のための軽食やチョコレート、バナナなどを用意しておくと安心です。
さらに、コース途中には階段があり、自転車を押して上る箇所もあります。特に西側からスタートした場合、コース後半に高低差約85mの階段が約1kmにわたって続く区間があります。このような場所では無理をせず、ゆっくりと自転車を押して進みましょう。
休憩のタイミングも大切です。コース上には「老ノ口休憩所」「宮が谷池休憩所」「五百蔵休憩所」「福住休憩所」「栄休憩所」「つくはら湖展望台」「つくはら大橋休憩所」「つくはらサイクリングターミナル」など、複数の休憩所が設置されています。無理をせず適度に休憩を取りながら進むことで、より長く楽しめます。
最後に、交通ルールの遵守も忘れずに。専用道路といえども歩行者も利用する場所があります。スピードの出し過ぎには十分注意し、歩行者や他の自転車に配慮した走行を心がけましょう。
つくはら湖サイクリングで立ち寄るべきおすすめスポットは?
つくはら湖周辺のサイクリングでは、美しい自然景観だけでなく、立ち寄りたい魅力的なスポットがたくさんあります。サイクリングの合間に休憩や観光を楽しめば、より充実した一日を過ごせるでしょう。
まず外せないのが「BE KOBEモニュメント」です。つくはら大橋休憩所内に設置されたこのモニュメントは、メリケンパーク、ポーアイしおさい公園に続く神戸市内3つ目のモニュメントで、「自然からの贈物」をコンセプトにデザインされています。白御影石のステージ上に天然杉で造られたモニュメントは、周囲の里山の風景に見事に溶け込んでいます。自転車を立てかけられるバイクスタンドも用意されているので、愛車と一緒に記念撮影するのがおすすめです。
「つくはら湖展望台」も必見のスポットです。湖を一望できる展望台からは、対岸の「呑吐ダム」を眺めることができます。晴れた日には湖面に映る青空と山々の景色が絶景で、写真撮影にも最適です。休憩スペースや自動販売機も設置されているので、ひと息つくのにぴったりの場所です。
グルメスポットとしては、コース周辺にいくつかのカフェやレストランがあります。「音の葉カフェ」は栄駅からすぐの場所にあり、ゆったりとした空間で名物のプリンやチーズケーキ、香り高いコーヒーを楽しめます。サイクリストに嬉しいのが、マイボトルを持参すればコーヒーを入れてくれるサービス。景色のいい場所で飲めるように配慮してくれる心遣いが人気です。
本格的な食事を望むなら、「日曜舎」がおすすめです。古材とアンティーク家具を基調にした隠れ家的レストランで、和洋食からデザートまで様々なメニューが揃っています。旬の素材を使った丁寧な料理は、サイクリングで疲れた体に染み渡る美味しさです。
また、西側スタート地点近くの「兵庫楽農生活センター」も見逃せません。カフェや収穫体験などが楽しめる施設で、地元の新鮮な農産物に触れることができます。自転車道からそのまま上がっていけるアクセスの良さも魅力です。
歴史に興味がある方は、つくはら湖畔にある「大歳神社」に立ち寄るのもおすすめ。境内からはつくはら湖を見渡せるスポットもあります。また、サイクリングターミナル北側には丹生山に繋がる登山道「義経道」の入口もあり、少し足を延ばして散策するのも良いでしょう。
これらのスポットを効率よく回れば、サイクリングの楽しさだけでなく、観光や食事も充実した一日を過ごすことができます。
つくはら湖周辺サイクリングに適した季節と服装は?
つくはら湖周辺のサイクリングは四季を通じて楽しめますが、特に春と秋がおすすめです。それぞれの季節の魅力と適切な服装について見ていきましょう。
春(3月下旬~5月)は、つくはら湖周辺のサイクリングに最も適した季節の一つです。この時期は気温が15℃~25℃程度と過ごしやすく、明石川沿いでは桜並木が美しく咲き誇ります。新緑の季節でもあり、山々の鮮やかな緑を眺めながらのサイクリングは格別です。服装としては、長袖シャツの上に薄手のジャケットやウインドブレーカーを羽織るのがおすすめ。気温の変化に対応できるよう、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが理想的です。朝晩は冷え込むこともあるので、手袋や軽めのネックウォーマーがあると便利でしょう。
夏(6月~8月)は、早朝や夕方の比較的涼しい時間帯を選んでサイクリングするのがおすすめです。この時期は30℃を超える暑い日も多いため、熱中症対策が必須となります。吸汗速乾性のあるサイクルジャージやTシャツ、UVカット機能のある長袖シャツなどが適しています。帽子や日焼け止め、サングラスも忘れずに。また、こまめな水分補給ができるよう、十分な飲み物を持参しましょう。夏ならではの魅力としては、つくはら湖の涼しげな湖面や周囲の緑が濃く鮮やかになる点が挙げられます。
秋(9月~11月)も、つくはら湖サイクリングに最適な季節です。気温が落ち着き、湿度も低くなるため、長時間のサイクリングも快適に楽しめます。特に10月下旬から11月にかけては紅葉の季節となり、湖畔や山々が赤や黄色に色づく様子は圧巻です。服装は春と同様に重ね着スタイルが基本。朝晩の冷え込みに備えて、薄手のダウンやフリースなども持参すると安心です。風を通しにくい素材のウインドブレーカーがあると、下り坂での体温低下を防げます。
冬(12月~2月)は、晴れた日を選んでサイクリングを楽しみましょう。気温が低く、特に朝晩は冷え込みますが、日中の陽だまりは心地よいものです。冬ならではの澄んだ空気と遠くまで見渡せる視界の良さが魅力です。服装は保温性を重視し、ヒートテック等の保温インナー、厚手の長袖シャツ、ウィンドブレーカーやサイクルジャケット、手袋、ネックウォーマー、イヤーウォーマーなどで寒さ対策をしっかりと。特に手足の防寒は重要です。日が短いため、早めにスタートして日没前に終えるプランを立てましょう。
季節を問わず、サイクリングには動きやすくクッション性のあるサイクルパンツや、ジーンズよりも動きやすいストレッチ素材のパンツが適しています。靴は滑りにくいものを選び、長時間の走行を考慮すると、専用のサイクルシューズやスニーカーが快適です。
また、雨天時のサイクリングは路面が滑りやすくなり危険なため、避けた方が無難です。天気予報をしっかりチェックして、晴れた日を選ぶようにしましょう。
つくはら湖サイクリングコースへのアクセス方法と駐車場情報は?
つくはら湖サイクリングコースを楽しむためには、アクセス方法をきちんと把握しておくことが大切です。電車と車、それぞれの場合のアクセス方法と、自転車をレンタルする方法、そして駐車場情報についてご紹介します。
電車でのアクセス 公共交通機関を利用する場合、神戸市営地下鉄の「三宮駅」から約11分で「谷上駅」に到着します。ここが神戸電鉄の始発駅となっており、神戸電鉄の各駅からサイクリングコースへアクセスすることができます。特に、神戸電鉄粟生線の「押部谷駅」や「緑が丘駅」などが比較的サイクリングコースに近い駅です。
駅からサイクリングコースまでは少し距離がありますので、駅近くでレンタサイクルを借りるか、折りたたみ自転車を電車に持ち込むという方法もあります。神戸電鉄では折りたたみ自転車の持ち込みが可能ですが、ルールを守って利用しましょう。
車でのアクセス 自家用車を利用する場合、主に2つのアクセスポイントがあります。
- 東側からのアクセス:「つくはらサイクリングターミナル」が主な入口となります。山陽自動車道の「三木東IC」から約15分程度でアクセスできます。土日祝日のみ駐車場が利用可能で、約20台分のスペースがあります。
- 西側からのアクセス:「兵庫楽農生活センター」の駐車場を利用する方法があります。こちらは山陽自動車道の「明石西IC」から約15分程度でアクセスできます。駐車場は比較的広めで、センターの営業日(水曜・年末年始を除く)に利用可能です。
どちらの駐車場を利用する場合も、特に休日は混雑することがありますので、早めの時間に到着することをおすすめします。
レンタサイクル情報 つくはら湖周辺では、期間限定でシェアサイクルサービスが実施されています。例年、春と秋に行われているこのサービスでは、スポーツ仕様の自転車がレンタル可能です。貸出・返却は「つくはらサイクリングターミナル」「Cup 〜sweets&coffee〜」などの拠点で行え、どの拠点で返却してもOKという便利なシステムです。
利用には予約が必要なケースが多いので、神戸市公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。また、レンタル料金や利用可能時間なども事前にチェックしておきましょう。
周辺施設情報 サイクリングの前後に便利な周辺施設としては、コース上やコース近くにいくつかのコンビニエンスストアがあります。「ファミリーマート神出老ノ口」や「ローソン神戸山田町中店」などが主なものです。食料や飲料の補給、また緊急時のトイレ利用などに便利です。
また、サイクリング後に汗を流したい方には、谷上駅方面にある「銀河の湯」などのスーパー銭湯もおすすめです。疲れた体を温泉で癒やせば、充実した一日の締めくくりになるでしょう。
つくはら湖サイクリングコースは中間地点で折り返すこともできるため、自分の体力や時間に合わせてコース設定ができます。東西の端で折り返す約20kmコースや、全区間を往復する約40kmコースなど、様々な楽しみ方ができるのも魅力の一つです。
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