中海周遊サイクリングコースとは、鳥取県と島根県の県境にまたがる湖「中海」を1周する総距離約70キロメートルのサイクリングルートです。獲得標高は122メートルと非常に平坦で、初心者でも無理なく走破できる初級者向けコースとして親しまれています。本記事では、中海周遊サイクリングコースの全体像、各エリアの見どころ、ベストシーズン、レンタサイクル情報、走行時の注意点まで、これからチャレンジする方に必要な情報を網羅的にまとめました。ベタ踏み坂で有名な江島大橋、白砂青松の弓ヶ浜、牡丹の名所大根島、国宝松江城、世界的に評価される足立美術館など、山陰の魅力が凝縮されたコースの楽しみ方を、初めての方にもわかりやすく解説します。本記事の執筆基準日は2026年6月3日です。

中海周遊サイクリングコースとは|距離・難易度・特徴
中海周遊サイクリングコースとは、鳥取県米子市・境港市と島根県松江市・安来市にまたがる中海を一周する約70キロメートルのサイクリングルートです。2014年8月にコースが正式決定され、湖岸に沿った平坦な道がほとんどを占めるため、サイクリング初心者でも安心して走ることができます。
獲得標高は122メートルと非常に少なく、難易度は初級者向けとされています。ロードバイクだけでなく、クロスバイクや電動アシスト付き自転車(e-bike)でも快適に走行でき、適度な距離にコンビニや休憩スポットが点在しているのも初心者に優しいポイントです。
中海は、面積約9,200ヘクタールを誇る日本国内5番目の大きさの湖で、琵琶湖・霞ヶ浦・サロマ湖・猪苗代湖に次ぐ規模です。海水の約2分の1の塩分濃度を持つ汽水湖であり、淡水性・海水性の動植物が混在する豊かな生態系を形成しています。2005年11月8日には宍道湖とともにラムサール条約登録湿地として国際的に認定され、その自然的価値の高さが世界的にも認められました。
中海周遊サイクリングコースの基本情報とアクセス
中海周遊サイクリングコースの主なスタート・ゴール地点は、鳥取県米子市皆生温泉にある「米子市観光センター(コグステーション皆生)」です。住所は鳥取県米子市皆生温泉3丁目1-1で、受付開始は8時30分からとなっています。
皆生温泉は日本海に面した山陰屈指の温泉地で、サイクリングの前後に温泉で疲れを癒せるのが大きな魅力です。走り終えた後に湯に浸かってから帰路につくプランは、多くのサイクリストに支持されています。
島根県側からスタートしたい場合は、松江しんじ湖温泉駅近くの「ジャイアントストア松江」が便利です。営業時間は3月から11月が9時から19時、12月から2月が9時から18時で、定休日は火曜日となっています。予約はウェブで前々日の15時までに受付しており、平日限定で全車種10パーセント割引のキャンペーンが実施されることもあります。
コースは皆生温泉を出発し、弓ヶ浜半島の大規模自転車道を南下、境港市を経由して島根県松江市の大根島・江島エリアへ渡り、松江市内、安来市を通って再び米子市・皆生温泉へ戻るのが基本ルートです。
弓ヶ浜サイクリングコース区間の魅力
中海周遊コースの序盤を彩るのが「白砂青松の弓ヶ浜サイクリングコース」です。境港市の境夢みなとターミナルから米子市の日野川河口までの約15.8キロメートルにわたって整備された、鳥取県内屈指の絶景ルートです。
弓ヶ浜半島は弓のような形をした砂嘴で、白い砂浜と青い松林が織りなす美しい海岸線が続きます。傾斜はほとんどなく路面も整備されているため、初心者から上級者まで快適に走れます。このコースは2020年3月22日に全線開通しました。
コース終点付近には「ロマンチシスト像」が立つ小さな丘があり、大山を正面から望める絶景スポットとして知られています。大山は鳥取県の最高峰で標高1,729メートル、伯耆富士とも呼ばれる美しい成層火山です。晴れた日には日本海越しにそびえ立つ大山の雄大な姿を見ることができ、サイクリストに人気の撮影スポットになっています。
江島大橋(ベタ踏み坂)の絶景と楽しみ方
中海周遊サイクリングコース最大のハイライトのひとつが「江島大橋」、通称「ベタ踏み坂」です。島根県松江市八束町江島と鳥取県境港市渡町を結ぶ全長1,446メートルの橋で、最上部の高さは約45メートルに達します。
江島大橋はPCラーメン構造の橋としては日本最大級です。全国的に有名になったきっかけは、ある自動車メーカーのテレビコマーシャルでした。橋の勾配が望遠レンズで圧縮されて「壁のようにそそり立つ橋」として映し出されたことから、「ベタ踏み坂」の愛称で全国に知られるようになりました。
実際の最大勾配は6.1パーセントで、ロードバイクであれば十分に登れる斜度です。橋の中央部からは中海に浮かぶ大根島や、遠くは大山まで望むパノラマ展望が広がり、自転車で渡る価値は十分にあります。中海の穏やかな水面と周囲の緑、晴天時の大山の眺めは、サイクリングならではの楽しみ方と言えるでしょう。
大根島と由志園|牡丹の名所
江島大橋を渡った先に広がるのが、中海の島根県側に浮かぶ大根島(だいこんじま)です。約20万年前の火山活動によって形成された火山島で、東西約3キロメートル、南北約2キロメートルのコンパクトな島となっています。
大根島は日本一の牡丹の産地として全国に知られており、松江市の花でもある牡丹が代々丁寧に栽培されてきました。さらに朝鮮人参(高麗人参)の産地としても国内では数少ない一角を担っています。サイクリングでは島内の田園風景や牡丹畑を眺めながら走ることができます。
大根島内で必見のスポットが日本庭園「由志園(ゆうしえん)」です。約12,000坪(約4ヘクタール)の広大な敷地に池泉回遊式庭園や枯山水庭園が広がり、四季折々の花が彩りを添えます。
特に4月下旬から5月上旬の牡丹の時期には、色とりどりの牡丹が庭園一面に咲き誇ります。池に牡丹の花びらを浮かべた「牡丹の花の池」は、由志園を代表する幻想的な光景として観光客を魅了しています。春は牡丹・桜・藤、夏は睡蓮・花菖蒲、秋は紅葉・菊、冬は椿・蝋梅と、1年を通じて花を楽しめるのも特徴です。入園料は大人600円からで、隣接する直売所や地元食材を使ったレストランも休憩スポットに最適です。
松江市内コースの見どころ
中海周遊サイクリングコースの中盤では、「水の都」として知られる島根県松江市内を通過します。松江市には松江城や宍道湖をはじめ、歴史と文化を感じられる観光スポットが集まっています。
松江城は日本に現存する12天守のひとつで、2015年に国宝に指定されました。黒く塗られた松の板が外壁を覆う「板壁造り」の天守は独特の威厳ある佇まいを持ち、周囲の松江城山公園は桜の名所としても有名です。
松江市内には江戸時代の武家屋敷や商家が残る「塩見縄手」と呼ばれる町並みが続いており、サイクリングしながら歴史的景観を楽しめます。
松江を代表するグルメといえば、宍道湖・中海の豊富な水産資源を活かした「宍道湖七珍」です。シジミ・スズキ・コイ・ウナギ・ニゴイ・アマサギ・モロゲエビを用いた郷土料理で、市内の飲食店で味わうことができます。中海周辺には「なかうみスカイポート(松江市中海振興多目的施設)」もあり、休憩やイベント会場として利用されています。
安来市コースと足立美術館
コースの後半は島根県安来市内を通過します。安来市は「どじょうすくい」の発祥地として全国に知られ、地域固有の民謡「安来節」の踊りも今なお広く親しまれています。
安来市で特に有名なスポットが足立美術館です。横山大観の日本画コレクションで世界的に高い評価を受けており、5万坪を超える広大な日本庭園も大きな見どころとなっています。米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が行う日本庭園ランキングでは、2023年時点で22年以上連続して日本一に選出されました。サイクリングコースから少し足を延ばすだけで訪問でき、鑑賞後にコースへ戻ることもできます。
安来市内の中海岸では、穏やかな水面と葦原が続く景観が広がります。特に秋から冬にかけてはコハクチョウやガン・カモ類などの渡り鳥が多く飛来し、バードウォッチングを楽しむサイクリストもいます。中海では毎年75,000羽以上のガン・カモ類が飛来し、コハクチョウも1,000羽以上が渡来する日本有数の越冬地となっています。
中海周遊サイクリングコースのベストシーズン
中海周遊サイクリングコースを楽しむのに最も適した季節は、春(4月から5月)と秋(9月から11月)です。
春は気温が穏やかで、大根島の牡丹が見ごろを迎える4月下旬から5月上旬は特におすすめのタイミングです。3月下旬から4月上旬の桜の季節には、松江城周辺や弓ヶ浜沿いの桜並木も見事な景観を作り出します。
秋は紅葉の中をサイクリングする爽快感が格別で、足立美術館の庭園美もこの時期に一層映えます。夏の6月から8月は気温が高くなるため熱中症対策が必要ですが、早朝のサイクリングなら中海の霧や朝日が美しく、独特の景色を楽しめます。
冬の12月から2月は寒さが厳しく強風が吹く日もありますが、空気が澄んでいるため大山や島根半島の眺望が最も鮮明に楽しめる季節です。渡り鳥観察の絶好の時期でもあります。各シーズンの特徴をまとめると、以下の表のようになります。
| 季節 | 期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 春 | 4月〜5月 | 牡丹・桜が見ごろ。気温が穏やかで走りやすい |
| 夏 | 6月〜8月 | 早朝サイクリング向き。熱中症対策必須 |
| 秋 | 9月〜11月 | 紅葉と渡り鳥。気候がもっとも安定 |
| 冬 | 12月〜2月 | 大山の眺望が鮮明。バードウォッチング最適期 |
レンタサイクル情報と料金
中海周遊サイクリングコース沿いには複数のレンタサイクルステーションが整備されており、遠方からの旅行者も手ぶらで参加できます。
「コグステーション皆生(米子市観光センター)」は鳥取県米子市皆生温泉3丁目1-1に位置し、受付開始は8時30分からです。受付時間は4月から9月が9時から18時、10月から3月が9時から17時となっています。
「ジャイアントストア松江」は松江しんじ湖温泉駅近くにあり、ロードバイクやクロスバイク、電動アシスト付き自転車などスポーツバイクのレンタルが充実しています。営業時間は3月から11月が9時から19時、12月から2月が9時から18時で、定休日は火曜日です。予約はウェブで前々日の15時まで受付しており、平日限定で全車種10パーセント割引のキャンペーンが実施されることもあります。
そのほか松江観光協会でも松江しんじ湖温泉周辺のレンタサイクル情報を提供しており、境港市や安来市にもレンタサイクルスポットがある場合があります。最新情報は各施設または観光協会へ問い合わせることをおすすめします。
初心者や体力に自信がない方には、電動アシスト付き自転車(e-bike)のレンタルが特におすすめです。コースは平坦ですが、向かい風や長距離走行時にe-bikeのアシストがあると疲労を大きく軽減できます。
持ち物リストと事前準備
中海周遊サイクリングを快適に楽しむためには、適切な準備が欠かせません。必須アイテムと、あると便利なアイテムを整理しました。
| 区分 | アイテム | 用途・ポイント |
|---|---|---|
| 必須 | ヘルメット | 安全のため必ず着用 |
| 必須 | 飲料水(1リットル以上) | 脱水予防。コンビニ補給と併用 |
| 必須 | 補給食 | エネルギーバーやゼリーを携帯 |
| 必須 | スマートフォン | ナビアプリ・写真撮影 |
| 必須 | 輪行バッグ | 電車移動が必要な場合に備える |
| 必須 | パンク修理キット | コース上のトラブル対応 |
| 必須 | 雨具 | 山陰は天候が変わりやすい |
| 便利 | サイクルコンピューター | 走行距離・速度の確認 |
| 便利 | サドルバッグ | 荷物収納用 |
| 便利 | 日焼け止め | 弓ヶ浜の砂浜区間は日光が強い |
| 便利 | 虫よけスプレー | 春〜夏の葦原近くの走行時 |
ヘルメットは2023年4月から全国で着用が努力義務化されており、安全のためにも必ず着用しましょう。スマートフォンは現在地確認・トラブル時の連絡手段としても重要です。
走行時間の目安とコース分割プラン
中海周遊サイクリングコースの走行時間は、走行ペースと観光時間によって大きく変わります。目安としては、中海周遊フルコース(約70キロメートル)の場合、サイクリング中級者で4〜5時間、初心者や観光メインの場合で6〜8時間が目安です。
サブルートとして設定されている「中海北部周遊コース」は全長約21.2キロメートル、獲得標高約79メートルで、初心者なら1.5〜2時間、観光メインで2〜3時間ほどで走破できます。弓ヶ浜サイクリングコース区間(約15.8キロメートル)だけ走る場合は、初心者で1〜1.5時間、観光込みで2〜3時間が目安です。
1日でフルコースを走る場合は、朝8時から9時の早めの出発をおすすめします。各観光スポットでの滞在時間を考えると、余裕を持って7〜8時間程度の行程を見込んでおくと安心です。
1日で全コースを走破することにこだわらず、2日間に分けて楽しむプランも人気です。例えば1日目は皆生温泉から弓ヶ浜、境港、大根島を経由して松江市内に宿泊、2日目は松江から安来、米子を通って皆生温泉へ戻る行程なら、各地の観光をじっくり楽しめます。
周辺グルメ|エリア別おすすめ
中海周遊サイクリングコースの楽しみのひとつが、エリアごとに異なる山陰のグルメです。
弓ヶ浜・境港エリアでは、境港市の海産物が魅力です。新鮮なカニや魚介類を扱う直売店が多く、サイクリングの途中で立ち寄って味わうことができます。
大根島・江島エリアでは、由志園のレストランで地元食材を使った料理を楽しめます。島内の農産物直売所では、牡丹の花を使った商品や朝鮮人参を使った加工品なども販売されています。
松江エリアでは、宍道湖・中海の七珍料理(シジミ料理・白魚料理など)を提供する飲食店が多数あります。名物の「出雲そば」も各所で楽しめ、不昧公(松平不昧)が茶道を広めた歴史から、松江は全国有数の和菓子の産地としても知られています。
安来エリアでは、地元食材を活かした飲食店が点在しており、どじょうを使った郷土料理「どじょう料理」も安来の名物として親しまれています。サイクリングで消費したエネルギーを、地元グルメで補給できるのも中海周遊コースの魅力です。
境港・水木しげるロード観光
中海周遊サイクリングコースが通過する境港市は、漫画家・水木しげるの出身地として全国に知られています。境港駅前から水木しげる記念館まで約800メートル続く「水木しげるロード(妖怪ロード)」は、道の両側に178体の妖怪ブロンズ像が立ち並ぶ全国屈指のユニークな観光スポットです。
水木しげるロードは1993年に誕生しました。ゲゲゲの鬼太郎・ねこ娘・目玉おやじ・砂かけばばあなど、水木作品に登場するキャラクターのブロンズ像が次々と迎えてくれます。商店街の各店舗は妖怪にちなんだネーミングとコンセプトで土産品や料理を提供しており、ショッピング店舗が38店、飲食店が27店、さらに妖怪神社やお化け屋敷などのエンターテインメント施設も充実しています。
2024年4月にリニューアルオープンした「水木しげる記念館」は、水木作品の世界を映像や立体物を交えて知ることができる施設です。貴重な原画を約半年ごとに入れ替えて展示する企画展示室も設けられており、ファンはもちろん初めて水木作品に触れる方にも魅力的な内容となっています。
夜には50種類を超える妖怪の影絵が路上に映し出され、177体すべてのブロンズ像がライトアップされる幻想的な夜間演出も楽しめます。水木しげるロードの終点から1.5キロメートルほど進むと境港の漁港エリアに到達し、境台場公園・海とくらしの資料館・魚市場・水産物直売センターなどがあります。
走行時の注意事項とマナー
中海周遊サイクリングコースの多くの区間は一般道や生活道路を利用するため、安全走行と地域への配慮が欠かせません。
自転車は道路交通法上の「軽車両」であり、車道の左側を通行することが義務付けられています。一般道を走る際は一般車両や歩行者も通行しているため、左側一列走行を心がけ、急ブレーキや急ハンドルを避けて適切な車間距離を保つことが大切です。
中海周遊コースは地域住民の生活道路でもあります。沿道の方々の迷惑にならないよう、騒音を出さない、農地や私有地に立ち入らない、ゴミは持ち帰るなどのマナーを守りましょう。観光スポットへ立ち寄る際は近くのサイクルポケット(駐輪場)を利用し、自転車から離れる際は必ず錠をかけ、荷物を残さないようにしてください。
全長70キロメートルのコースを走る際は、こまめな水分補給と栄養補給が欠かせません。無理をせず、体調不良や自転車のトラブルが発生した場合はすぐに安全な場所で休憩しましょう。スマートフォンで現在地を確認しながら走ることで、万一の際も素早く状況を把握できます。
中海北部周遊コース|初心者向けサブルート
「中海周遊フルコース70キロメートルは少し長い」と感じる方には、サブルートの「中海北部周遊コース」がおすすめです。全長約21.2キロメートル、獲得標高約79メートルと手軽な設定で、コース全体に起伏が少なく、コンビニや休憩施設が複数配置されています。
女性や子どもでも気軽に楽しめる難易度で、サイクリング初心者の最初の一歩としても適しています。時間や体力に余裕がない場合はこのサブルートを選択し、まずは短距離で中海の雰囲気を体験してみるのも有効な選択肢です。
他のサイクリングコースとの組み合わせ
中海周遊サイクリングコースは、周辺の他のサイクリングルートと組み合わせて長距離ツーリングに発展させることも可能です。
セトウチ自転車道(Setouchi Vélo)は、瀬戸内海沿岸を中心に整備されたサイクリングネットワークで、中海・宍道湖エリアもその一部に組み込まれています。山陰から瀬戸内、しまなみ海道を経て四国までをつなぐ広域ルートの出発点としても、中海周遊コースは絶好のロケーションです。
また、宍道湖は中海と水路でつながっており、宍道湖周遊コースと組み合わせて2日間の行程を組むサイクリストも多くいます。中海周遊コースは、国が推進するアクティビティ推奨ルート「ジャパンエコトラック」の認定コースにも組み込まれており、鳥取エリアコース1-09として2014年度に認定されました。
島根県では松江市を拠点とした「出雲路センチュリーライド」というサイクリングイベントも開催されており、中海・宍道湖エリアを舞台とした大規模イベントとして自転車愛好家から高い支持を集めています。
初めて走る人へのアドバイス
中海周遊サイクリングコースは初心者向けとはいえ、全長約70キロメートルという距離は、サイクリングを初めて体験する方には少しハードに感じる場合があります。次のポイントを押さえることで、初めてでも快適に楽しめます。
まず、無理に1日で走破せず、2日間に分けるプランも積極的に検討しましょう。コースは全体的に平坦ですが、向かい風が強い日や体力が不安な方には、電動アシスト付き自転車(e-bike)のレンタルが強くおすすめです。ジャイアントストア松江などでは高性能なe-bikeを借りられます。
中海沿岸は春から夏にかけて海風が吹き渡り、特に午後は南西の風が強まる傾向があります。できれば午前中に長距離区間を走り終えるように計画すると、体力的にも楽になります。夏の炎天下を避けるため、早朝スタートも有効です。
コース全体を示す「中海周遊サイクリングコースマップ」は鳥取県の公式サイトで公開されており、印刷して持参するのが安心です。スマートフォンのナビアプリと併用すれば、迷子になる心配はほぼなくなります。コースは概ね湖岸に沿っているため、中海を左手に見ながら走れば大きく外れることはありません。
中海周遊サイクリングコースについてよくある疑問
中海周遊サイクリングコースを検討する際によく寄せられる疑問について、ここで整理します。
「初心者でも本当に走れますか」という質問は最も多いものですが、コースの獲得標高はわずか122メートルでほぼ平坦のため、初めての方でも電動アシスト自転車を活用すれば1日で走破可能です。短距離から試したい場合は、約21.2キロメートルの中海北部周遊コースから始めるのも良い選択です。
「どのくらいの時間がかかりますか」という疑問に対しては、中級者で4〜5時間、観光メインの初心者で6〜8時間が目安となります。途中で食事や観光を挟むことを前提に、余裕を持った行程を組むのがコツです。
「ベストシーズンはいつですか」については、牡丹が見ごろを迎える4月下旬から5月上旬、紅葉と渡り鳥が楽しめる秋(9月〜11月)が最もおすすめの時期です。空気の澄んだ冬は大山の眺望が抜群で、季節ごとに違った魅力を楽しめます。
「自転車を持っていなくても参加できますか」という点については、皆生温泉のコグステーション皆生や松江のジャイアントストア松江などでレンタサイクルが利用できるため、手ぶらでも問題ありません。
まとめ:中海周遊サイクリングコースで山陰の魅力を満喫
中海周遊サイクリングコースは、鳥取・島根両県にまたがる豊かな自然、歴史、文化、グルメが凝縮された山陰を代表するサイクリングルートです。全長約70キロメートルながら平坦なコースが続き、初心者から経験豊富なサイクリストまで幅広い層が楽しめます。
弓ヶ浜の白砂青松と大山展望、「ベタ踏み坂」こと江島大橋の絶景、牡丹の名所大根島と由志園の日本庭園美、歴史の町松江、どじょうすくい発祥の安来、ラムサール条約湿地の中海に集う豊かな鳥類相と、多くの見どころが1本のルートに凝縮されています。
レンタサイクルの拠点も充実しており、電動アシスト付き自転車を利用すれば体力に自信がない方でも無理なく1日で全コースを楽しめます。サイクリングを通じて、車では気づかない中海の美しさや地域の息吹を直接感じられるのが、中海周遊サイクリングコース最大の魅力です。山陰を訪れる際には、ぜひこのコースに挑戦して、自分のペースで山陰の自然と文化を味わってみてください。








