隠岐ジオパークをe-bikeで巡る島前サイクリング完全ガイド

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島根県沖に浮かぶ隠岐諸島のうち、中ノ島、西ノ島、知夫里島の三島は、まとめて島前と呼ばれ、2013年にユネスコ世界ジオパークとして認定された地域です。この島前三島を自転車で巡る旅は、電動アシスト付きのe-bikeを使えば起伏の多い火山島の地形でも無理なく走破でき、断崖絶壁や神社、湧水など島ごとに違う景観を楽しめます。信号がほとんどない開放的な道を走りながら、2.5億年前の地層や600万年前のカルデラ地形といった地球の歴史を肌で感じられる点が、このサイクリングの一番の魅力といえます。中ノ島は歴史散策向きの平坦なコース、西ノ島は断崖絶壁を望む本格コース、知夫里島は静かな秘境ルートというように、島ごとに走りごたえも見どころもはっきり分かれているため、体力や好みに合わせて選べるのも実用的なポイントです。今回は、島前三島のサイクリングコースの詳細から内航船を使った移動方法、宿泊やグルメの情報まで、旅の計画に役立つ内容をまとめました。

目次

隠岐ジオパークは2.5億年前の地層と600万年前のカルデラでできている

隠岐ユネスコ世界ジオパークは、島根半島の北40キロメートルから80キロメートルほど沖合に点在する4つの有人島と多数の無人島からなり、陸域と沿岸1キロメートルの海域を合わせた673.5平方キロメートルが対象範囲です。ジオパークとは、地質学的に貴重、あるいは美しい地質遺産を保護しながら教育や観光に活かす自然公園を指します。隠岐に残る地層は約2.5億年前に形成されたもので、日本列島を構成する地質帯の中でも最も古く、大陸側の地質が唯一残る飛騨隠岐帯の代表的な岩石を見ることができます。約600万年前に形成された島前カルデラも、地形が現在まで残っているカルデラとしては国内でかなり古い部類に入ります。中ノ島、西ノ島、知夫里島の三島は、もともと一つの巨大な火山だったものが、カルデラの外輪山の一部として海面上に残った姿だと考えられており、島前の内海はカルデラの中心部にあたるそうです。隠岐はかつてユーラシア大陸の一部でしたが、プレート運動で切り離され、海底からの火山噴火で火山島が形成されました。最終氷期にあたる約2万年前には海面が現在より130メートルほど低く、隠岐は一時的に島根半島と陸続きになっていたこともわかっています。そこから縄文時代にかけての海面上昇によって、約1万年前に今のような離島の姿になりました。

島前三島の移動は内航船「フェリーどうぜん」と「いそかぜ」が主役

本土から島前へは、七類港や境港から隠岐汽船のフェリーや高速船で渡ります。西郷港(島後)を経由するルートと、島前の各港に直接向かうルートがあるため、事前に時刻表を確認しておくと迷いません。島前三島の間を移動する際に頼りになるのが島前内航船です。車と人を運ぶフェリーどうぜんと、人だけを運ぶ高速船いそかぜの2種類が運航しており、地元では海の上を走る公共バスのような存在になっています。運賃は片道で大人300円、小人100円と手頃で、乗船後に係員が集金にまわってくるスタイルなので小銭を用意しておくと安心です。時刻表は年度ごとに更新されるため、隠岐観光株式会社や各町村の観光協会のウェブサイトで最新のPDFを確認しておくと予定が立てやすくなります。この内航船を使えば、1日で複数の島を移動しながらサイクリングを楽しむ行程も組めます。

サイクリングはe-bikeが標準、海士町のレンタルは3時間1,000円から

島前三島にはそれぞれレンタサイクルの拠点があり、坂道の多い地形に対応するため電動アシスト付きのスポーツバイク、いわゆるe-bikeのレンタルが急速に充実しています。隠岐は火山島特有のアップダウンが多い地形のため、通常の自転車よりe-bikeの利用が勧められています。料金の目安は、海士町(中ノ島)の場合で3時間まで1,000円、6時間まで1,800円、24時間で3,000円程度です。西ノ島町や知夫村でも同様に電動アシスト付きのレンタサイクルが用意されており、観光協会の窓口やウェブ予約サイトから事前予約できるところが多くなっています。夏場の観光シーズンは台数が限られるため、早めの予約が安心です。隠岐諸島全体に共通する魅力として、信号機がほとんど存在しない点が挙げられます。車通りも少なく、島を一周する道路の多くは海岸線や高台の牧草地を通る開放的なルートになっているため、初心者からベテランまでそれぞれのペースで走れます。

三島のコースは距離と獲得標高がはっきり違う

中ノ島、西ノ島、知夫里島の三つのコースは、しまね観光ナビが公開している情報によると、距離も獲得標高もそれぞれ異なります。以下の表に主な数値と見どころをまとめました。

島(町村)総距離獲得標高(上り)主な見どころ
中ノ島(海士町)14.7km143m隠岐神社、明屋海岸
西ノ島(西ノ島町)29.5km637m摩天崖、国賀海岸
知夫里島(知夫村)16.7km509m赤壁、赤ハゲ山展望台

難易度はいずれも中級ですが、獲得標高を見ると西ノ島が三島の中でもっとも走りごたえがあり、中ノ島がもっとも走りやすいコースだとわかります。知夫里島はちょうどその中間にあたる設定です。

中ノ島コースは隠岐神社と明屋海岸を結ぶ初心者向けルート

中ノ島は海士町が治める島で、島前三島の中でも最大の平野部を持ち、比較的アップダウンの少ない地形が特徴です。総距離14.7キロメートルというなだらかなコースは、サイクリング初心者や家族連れ、体力に自信のない方でも無理なく走れます。コースの見どころのひとつが隠岐神社です。鎌倉時代の承久の乱に敗れて隠岐に配流された後鳥羽上皇を祀る神社で、上皇の崩御から700年の節目にあたる1939年に建立されました。本殿には隠岐造りと呼ばれる伝統的な建築様式が用いられています。中ノ島は上皇が最期まで過ごした流刑の地として知られ、町内には上皇にまつわる資料館も整備されているため、サイクリングの合間に隠岐の歴史に触れられます。コースの終着点といえるのが明屋海岸です。島の女神が出産をしたという言い伝えが残る地で、切り立った大岩の屏風岩が印象的な景勝地になっています。岩の中央には空洞があり、遊歩道の特定のポイントから眺めるとハート型に見えることから、女性を中心に人気のフォトスポットです。海士町は「ないものはない」というキャッチフレーズを掲げ、キンニャモニャセンターなど地域の拠点施設を巡るサイクリングも人気があり、e-bikeで町内を3時間ほどまわるショートトリップも紹介されています。

西ノ島コースは摩天崖257メートルと国賀海岸が本番

西ノ島は島前三島の中でもっとも大きな面積を持ち、ダイナミックな海岸美で知られる島です。総距離29.5キロメートル、獲得標高は上り637メートルと、三島の中ではもっとも走りごたえのあるコースになっています。ある程度サイクリングに慣れた方や、e-bikeを活用しての挑戦がおすすめです。コース最大のハイライトは国賀海岸で、日本海の波の侵食作用によって形成された大断崖と奇岩が連なる、大自然の造形美を体感できるエリアです。その中心にそびえるのが摩天崖で、海面からの高さはおよそ257メートルに達し、ほぼ垂直に切り立つ姿は見応えがあります。断崖の上は一面の緑の草地になっており、牛や馬がのんびりと放牧されている牧歌的な風景が広がっていて、荒々しい断崖と真上でくつろぐ牛馬という組み合わせが西ノ島ならではの景観になっています。国賀海岸にはこのほかにも、アーチ状の岩が橋のようにかかる通天橋、長さ200メートルの天然トンネルである明暗の岩屋、玄武岩の岩肌を見せる鬼が城や金棒岩、龍宮城、乙姫御殿、観音岩、天上界など見応えのある奇岩が点在します。サイクリングコースでは、これらを望む赤尾展望所や、島前内海と日本海の両方を一望できる鬼舞展望所を巡ることができ、走るたびに違った角度から国賀海岸のスケールを実感できます。アップダウンが多く体力を要するコースですが、e-bikeのアシスト機能を使えば坂道の負担を減らしながら絶景ポイントを効率よくまわれます。

知夫里島コースは赤壁の断崖1キロと赤ハゲ山展望台を走る

知夫里島は島前三島の中でもっとも小さく人口も少ない島ですが、その分手つかずの自然が色濃く残っています。総距離16.7キロメートル、獲得標高509メートルというコース設定は、中ノ島よりアップダウンがあるものの西ノ島ほどの標高差ではなく、ちょうど中間にあたります。最大の見どころは、島の西海岸に約1キロメートルにわたって続く大断崖の赤壁です。日本海の波によって長い年月をかけて削られた赤褐色の岩肌は、時刻や光の当たり方によってさまざまな表情を見せ、特に夕暮れ時には紺碧の海と赤く染まる断崖が重なり合う景観をつくり出します。赤壁は島根のジオサイト100選にも選ばれた、隠岐ジオパークを象徴する地質景観のひとつです。サイクリングコースでは赤壁のほかに赤ハゲ山展望台を訪れることができ、島内でも見晴らしの良い高台から起伏に富んだ地形や周囲の海を一望できます。あわせて地元で人気のカフェ「のらり珈琲」や、島の氏神を祀る天佐志比古命神社(一宮)なども巡れるコース構成です。島根の名水100選に選ばれた河井の湧水もあり、休憩がてら清らかな水に触れられます。知夫里島にはおよそ2000匹のタヌキが生息しているとされ、日中でも姿を見かけることがあるそうです。レンタカーがなくても十分に楽しめるほどコンパクトな島なので、e-bikeとの相性が良い島だといえます。

三島を巡るなら中ノ島、西ノ島、知夫里島の順で連泊が組みやすい

島前三島はそれぞれ異なる魅力を持つため、可能であれば連泊してすべての島を巡るプランがおすすめです。初日に本土から西ノ島または中ノ島に入り、翌日以降に内航船で島を移動しながらそれぞれの島でサイクリングを楽しむ行程が組みやすくなっています。体力や経験に応じてコースを選ぶなら、初心者やサイクリング未経験者、家族連れには平坦な中ノ島コースが向いています。隠岐神社での歴史散策と明屋海岸の絶景を組み合わせられるため、無理なく隠岐の魅力を体感できます。しっかり走りたい方や圧倒的なスケールの景観を求める方には、摩天崖と国賀海岸を擁する西ノ島コースが一番のおすすめです。距離と標高差があるぶん、e-bikeのアシスト機能を積極的に使うと良いでしょう。静けさや秘境感、自然にじっくり向き合う旅を求める方には、赤壁と赤ハゲ山を巡る知夫里島コースが向いています。観光客も比較的少なく、島の暮らしのペースに合わせて走れるのが魅力です。

サイクリング当日は防風ウェアが必須、風の状況は現地で確認する

隠岐は日本海に浮かぶ島のため天候が変わりやすく、風が強い日もあります。レインウェアや防風性のあるウィンドブレーカーを一枚持っておくと安心です。断崖絶壁のエリアでは強風時に自転車の走行に注意が必要な場合もあるため、レンタサイクル店やビジターセンターで当日の風の状況を確認しておくとより安全に走れます。飲み物や日焼け対策も、島の売店の位置を事前に確認したうえで準備しておくと安心です。レンタサイクル、特にe-bikeは繁忙期に台数が限られるため、各島の観光協会やレンタサイクル窓口を通じて事前予約をしておくと安心です。内航船の時刻表は季節や年度によって変更されるため、出発前に最新版を確認し、乗り遅れた場合の代替便も頭に入れておくと余裕を持った行程が組めます。隠岐は信号がほとんどない開放的な道が続くぶん、対向車や他のサイクリストとの譲り合いを意識しながら、焦らず自分のペースで絶景を味わうことが島前サイクリングを楽しむコツになります。

ジオパーク認定は2013年、2018年の再審査では教育活動が評価された

隠岐が世界ジオパークに認定されたのは2013年のことです。ユネスコ世界ジオパークは一度認定されて終わりではなく、4年ごとに再認定審査を受ける仕組みになっています。隠岐は2018年1月に再認定を受けており、2017年7月に行われたユネスコ審査員による現地審査では、ジオパークガイドの育成や、隠岐の未来を担う子どもたちへの教育活動が高く評価されました。地質や地形の価値だけでなく、それを地域でどう伝え次の世代にどう受け継いでいくかという教育的な取り組みまで含めて評価される点が、世界ジオパークという仕組みの特徴です。サイクリングで各島を巡る際に見かける看板やビジターセンターの展示も、こうした教育普及活動の一環として整備されています。

走った後はサザエ、岩牡蠣、隠岐牛が島前グルメの定番

サイクリングで汗を流したあとの楽しみといえば、島前ならではの海の幸です。隠岐近海はきれいな水と豊富なプランクトンに恵まれていることから貝の王国とも呼ばれており、素潜り漁やかなぎ漁と呼ばれる伝統的な漁法で獲られるサザエは隠岐を代表する食材です。壺焼きや刺身はもちろん、サザエカレーや味噌汁など幅広い料理に使われており、レトルトタイプのサザエカレーはお土産としても人気があります。もうひとつの名物が岩牡蠣です。隠岐の澄んだ海で時間をかけて育てられた岩牡蠣は、ぷりぷりとした食感と濃厚な旨み、さわやかな磯の香りが特徴で、夏場を中心に多くの飲食店で味わえます。島で生まれ育った隠岐牛も見逃せない名物のひとつで、島内の飲食店でリーズナブルに提供されています。カニや白バイ貝など季節ごとに旬の海の幸が入れ替わるため、訪れる季節によって違う味覚を楽しめるのも魅力です。サイクリングの休憩ポイントとして、各島の港周辺や集落にある食堂やカフェを目的地に組み込むと、走る楽しみと食べる楽しみを両立させたプランを組みやすくなります。

後鳥羽上皇ゆかりの牛突きは約800年の歴史を持つ

中ノ島(海士町)のコースで訪れる隠岐神社の項でも触れたとおり、隠岐は鎌倉時代の承久の乱(1221年)に敗れた後鳥羽上皇が配流された地として知られています。この歴史は神社仏閣だけでなく、隠岐に伝わる伝統文化にも色濃く残っています。その代表例が隠岐の牛突きです。約800年の歴史を持つとされるこの闘牛文化は、都を追われて傷心の日々を送っていた後鳥羽上皇が、牧畑で角を突き合わせて戯れる子牛たちの姿を興味深く眺めていたことから、里人たちが上皇を慰めようと農耕用の雄牛を集めて闘わせたのが発祥と伝わっています。1978年には隠岐の牛突き習俗が文化庁の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されるなど、地域の重要な文化財として受け継がれています。サイクリングで島を巡りながらこうした逸話に思いを馳せると、絶景めぐりとは違った歴史の重みを感じる旅になるはずです。

宿泊は西ノ島がホテル中心、海士町はゲストハウス、知夫村は全室オーシャンビュー

島前三島をじっくりサイクリングで巡るなら、内航船の運航時間との兼ね合いもあり、各島に一泊ずつする行程が理想的です。三島にはそれぞれ特色ある宿泊施設が整っています。西ノ島町にはホテルや旅館、民宿など複数の宿泊施設があり、国賀海岸や摩天崖へのアクセスを考えると町の中心部周辺に宿を取ると翌朝のサイクリングがスムーズです。海士町(中ノ島)には1日1組限定の小さな宿や、古民家をリノベーションしたゲストハウスなど、島の暮らしに近い形で滞在できる施設が点在しており、隠岐神社周辺の集落を歩きながら地元の人との交流を楽しむ旅にも向いています。知夫村(知夫里島)には島に唯一のホテルがあり、赤壁や赤ハゲ山展望台まで車で約15分というアクセスの良さに加え、全室オーシャンビューが自慢です。サイクリングで疲れた体を、海を眺めながら休められます。いずれの島も宿泊施設の数はそれほど多くないため、特にゴールデンウィークや夏休みなどの繁忙期は、隠岐の島旅公式サイトの宿泊予約ページや大手旅行予約サイトを通じて早めに予約を確定させておくことを強くおすすめします。

摩天崖周辺のハイキングはサイクリングと組み合わせられる

隠岐ジオパークの魅力は自転車だけで味わい尽くせるものではありません。特に西ノ島の国賀海岸エリアは、環境省が管理する遊歩道が整備されており、摩天崖の上に広がる牧草地を歩く国賀海岸ハイキングコースが人気を集めています。サイクリングで訪れた展望所からさらに足を延ばし、断崖の上を実際に歩いてみることで、257メートルの高さから見下ろす日本海のスケール感をより一層体感できます。定期観光バスを使って国賀めぐりハイキングに参加するプランも用意されているため、e-bikeでの移動とハイキングを組み合わせれば、体力の消耗を抑えながら国賀海岸の魅力を隅々まで味わえます。同様に、知夫里島の赤壁周辺や中ノ島の明屋海岸周辺にも遊歩道や展望ポイントが整備されている場所があります。自転車で移動しながら要所要所で自転車を降りて歩く組み合わせは、隠岐ジオパークの複雑な地形や奇岩の造形美を自分の足で確かめられる楽しみ方です。

1日プランは中ノ島半日、西ノ島終日、知夫里島半日が目安

初めて島前を訪れる方向けに、各島でのサイクリングを1日単位で楽しむ場合のおおまかなプラン例を紹介します。船の発着時刻や体力に応じて調整してください。中ノ島(海士町)の場合、総距離14.7キロメートルとアップダウンが少ないため、レンタサイクル店で自転車を借りたあと、まず隠岐神社に立ち寄って後鳥羽上皇ゆかりの歴史に触れ、そこから海沿いの道を進んで明屋海岸を目指す構成が組みやすいコースです。平坦な道が多いぶん休憩を挟んでも半日から1日でまわりきることができ、午後の便で次の島へ移動する行程にも組み込みやすくなっています。西ノ島(西ノ島町)の場合、総距離29.5キロメートル、獲得標高差が600メートルを超える本格コースのため、朝早くにe-bikeを借り、赤尾展望所や鬼舞展望所を経由しながら摩天崖・国賀海岸エリアを目指す1日がかりのプランがおすすめです。摩天崖周辺は写真映えするポイントが多いため、時間に余裕を持たせると牧歌的な風景もゆっくり楽しめます。知夫里島(知夫村)の場合、総距離16.7キロメートル、獲得標高差500メートルほどのコースで、中ノ島と西ノ島の中間にあたる走りごたえです。港でe-bikeを借りたら、赤ハゲ山展望台で島全体を見渡したのち、西海岸沿いを走って赤壁を目指すルートが定番で、道中にのらり珈琲や天佐志比古命神社(一宮)、河井の湧水などの見どころを組み込めば、半日ほどで知夫里島らしいのんびりとした島時間を満喫できます。

島前三島は内航船でつながる一つの巨大なカルデラ

隠岐ユネスコ世界ジオパークの島前三島、中ノ島、西ノ島、知夫里島は、それぞれ異なる個性を持つサイクリングの舞台です。中ノ島では後鳥羽上皇ゆかりの隠岐神社と明屋海岸を、西ノ島では摩天崖と国賀海岸の奇岩群を、知夫里島では赤壁の絶景と豊かな自然を、e-bikeやレンタサイクルで自分のペースで巡れます。約2.5億年前の地層から600万年前のカルデラ地形まで、地球の歴史を肌で感じながら、信号のない離島ならではの開放的な道を走る体験は、隠岐でしか味わえない特別な時間になるはずです。島前三島は、それぞれの町村が単独で観光を完結させるのではなく、内航船という海のインフラを介してゆるやかにつながっているのが大きな特徴です。西ノ島町、海士町、知夫村という三つの自治体が、一つの巨大な火山とカルデラの上に成り立っているという地質学的なつながりを持ちながら、それぞれ独自の観光協会やレンタサイクル窓口、宿泊施設を運営しています。旅行者にとっては行政区分をまたいで移動している感覚がほとんどなく、一つの大きな島を海の道でつなぎながら旅しているような感覚を味わえます。カルデラの外輪山として生まれた三つの島を自分の足でペダルを漕いで巡ることで、地図の上ではわからない地形の連続性や、それぞれの島が持つ個性の違いを実感できるはずです。事前の予約と準備さえ整えておけば、初心者からベテランまで自分に合ったペースで楽しめる点が、島前三島サイクリングの魅力だといえます。

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