サイクリング屋久島2026は、世界自然遺産の島・屋久島を舞台に2026年2月22日に開催されるサイクリングイベントです。屋久島一周ロングコースは約100kmの距離と獲得標高約1,500mを誇る本大会の目玉種目であり、エントリーは2026年1月31日まで受け付けています。この記事では、サイクリング屋久島2026の屋久島一周ロングコースについて、エントリー方法から参加費、コースの詳細攻略法、アクセス手段、宿泊戦略、必要な装備まで、参加を検討しているサイクリストに向けて徹底的に解説します。

サイクリング屋久島2026とは
サイクリング屋久島2026は、鹿児島県屋久島で開催される第13回目のサイクリングイベントです。本大会は単なるスポーツ競技にとどまらず、ユネスコエコパークにも登録されている屋久島の圧倒的な自然環境と島独自の文化を五感で体感する「エコライド」としての側面を持っています。2026年大会では前日の「屋久島ヒルクライム2026」との連日開催が予定されており、2月21日(土)にヒルクライム、2月22日(日)にサイクリング屋久島が行われます。屋久島ヒルクライムは白谷雲水峡を目指す全長約8kmのコースで、標高差約600mを一気に駆け上がる競技性の高い種目となっています。
サイクリング屋久島には複数の種目が設定されています。島を一周する「100kmサイクリング(ロングコース)」のほか、ショートコースの「50kmサイクリング」、ファミリー向けの「20kmサイクリング」があり、参加者の体力や目的に応じた選択が可能です。なかでも屋久島一周ロングコースは、屋久島の魅力を最も凝縮した種目として多くのサイクリストから注目を集めています。
エントリー期間と申し込み方法
サイクリング屋久島2026のエントリー期間は、当初の締め切りから大幅に延長され、2026年1月31日(土)まで申し込みが可能となっています。この延長措置は、年度末のスケジュール調整が難しい社会人サイクリストにとって非常に有利な条件です。直前まで天候や体調、仕事の都合を見極められるため、離島イベントへの参加ハードルが大きく下がっています。申し込みはスポーツエントリーを通じて行います。
エントリー期間の延長は、参加を迷っているサイクリストにとって朗報といえます。屋久島は天候が急変しやすい地域であり、フェリーや航空機の欠航リスクも考慮する必要があるため、ギリギリまで状況を見極められることは大きなメリットです。ただし、人気イベントであることから、宿泊施設やレンタサイクルの予約は早めに済ませておくことが推奨されます。
参加費と料金体系
参加費は一般エントリーと島民エントリーで区分されています。一般参加者の場合、100kmサイクリング(ロングコース)は12,000円、屋久島ヒルクライムは7,000円に設定されています。両方のイベントに参加する健脚なサイクリストのために「セット割」も用意されており、両日参加で16,000円と割安になります。この価格設定には、エイドステーションでの補給食提供、保険料、大会運営にかかる諸経費が含まれています。
小学生料金も設定されていますが、100kmコースへの参加には保護者の同伴や同意が必要となるなど、安全管理面での規定が厳格に定められています。家族での参加を検討している場合は、事前に規定を確認しておくことが重要です。
エントリー後のキャンセルや返金については、一般的なスポーツイベント同様、自己都合による返金は不可とされるケースがほとんどです。天候による開催中止のリスクに備え、旅行保険やキャンセル保険への加入など、参加者自身によるリスクヘッジも準備の一環として検討してください。
屋久島一周ロングコースの概要
屋久島一周ロングコースは、総距離約100km、獲得標高約1,500m前後という、極めてタフなコースです。GPSデータによってはそれ以上を記録することもあります。平坦な道はほとんどなく、常にアップダウンを繰り返す「脚削り」のレイアウトが特徴であり、数字上のスペック以上に過酷なコースとして知られています。2026年大会は反時計回りに進むコース設定となっています。
スタート・ゴール地点は南部の「尾之間(おのあいだ)」地区に設定されており、午前7時30分に「すこやかふれあいセンター」を一斉にスタートします。2月の朝7時はまだ日が昇ったばかりで薄暗く、気温も低いため、ウィンドブレーカーなどの防寒具を着た状態でのスタートとなります。受付は5時30分から始まるため、早朝の行動が求められます。
コース詳細:序盤から安房区間
尾之間から安房までの東海岸ルートは、比較的アップダウンが緩やかで、ウォーミングアップに適した区間です。原(はる)、麦生(むぎお)といった集落を抜けながら北上します。この区間は生活道路であり交通量も比較的多いため、集団走行時のマナーとしてキープレフトや声掛けが重要になります。
約19km地点の安房(あんぼう)には最初のエイドステーションが設置されます。序盤のエイドステーションでは水分補給程度に留め、体を温存することが戦略となります。まだ先は長いため、無駄にエネルギーを消費しないペース配分を心がけてください。
コース詳細:安房から宮之浦、一湊区間
安房を過ぎ、屋久島空港の横を通過して宮之浦へ至る区間は、海岸線の開放的な景色が楽しめます。しかし、風の影響を強く受けるエリアでもあり、北西の季節風が強い場合は向かい風または横風に苦しめられる可能性があります。風対策としてエアロポジションを意識したり、集団で風よけを交代したりする走り方が有効です。
宮之浦(約34km地点)を通過すると、コースは本格的に牙を剥き始めます。一湊(いっそう)周辺からは長い登り坂が登場し、山岳エリアへのアプローチとなります。一湊の坂は、まだ体力がある前半戦とはいえ、無駄な力を使わず軽いギアで回すことが後半への布石となります。ここで無理をすると、最大の難所である西部林道でのペースダウンに直結するため、冷静なペース管理が求められます。
コース詳細:永田から西部林道へ
約54km地点の永田(ながた)エイドステーションは、コースの中間地点であり、昼食やしっかりとした補給を行う重要なポイントです。カレーライスやおにぎり弁当など、固形物が提供されることが通例であり、長丁場を乗り切るためのエネルギー源として活用してください。
永田を過ぎると、いよいよ本大会のハイライトであり最大の難所、「西部林道(せいぶりんどう)」へと突入します。西部林道は、海岸線から山頂部まで連続して世界自然遺産に登録されている地域を貫く、日本でも稀有な道路です。ここから約20km弱の間、自動販売機もトイレも民家も一切ありません。携帯電話の電波も圏外になる区間が多く、完全に自然の中に孤立する体験となります。
西部林道の攻略ポイント
西部林道には標高差約250mを一気に登る区間が含まれており、最大勾配は10%を超えます。道幅は車1台分ほどに狭まり、路面には苔や落ち葉、落石が見られることもあります。特に雨天時はスリップのリスクが高まるため、登りでのトラクションコントロール、下りでの慎重なブレーキングが求められます。
このエリアはヤクザル(屋久島固有のサル)とヤクシカ(固有のシカ)の楽園です。彼らは人を恐れず、道路上で毛づくろいをしていることが多々あります。大会ルールとして「動物優先」が徹底されており、動物が道を塞いでいる場合は彼らが退くのを静かに待つか、ゆっくりと迂回する必要があります。大声を出したり、餌を与えたりすることは厳禁です。
鬱蒼とした照葉樹林のトンネルは美しい反面、展望が効かず、終わりの見えないアップダウンが続くため、精神的に追い詰められるサイクリストも少なくありません。カーブミラーの番号などを目安に、淡々とペダルを回し続ける忍耐力が試されます。補給食は永田で十分に確保しておき、西部林道内ではこまめにエネルギーを摂取することが完走への鍵となります。
コース詳細:大川の滝から栗生、ゴールへ
西部林道を登り切り、屋久島灯台への分岐点を過ぎると、南西部の海岸線へ向けて長いダウンヒルが始まります。スピードが出やすい区間ですが、ブラインドカーブが多く、対向車や路面のグレーチング(排水溝の蓋)には細心の注意が必要です。
下りきった先には、日本の滝百選にも選ばれている落差88mの「大川(おおこ)の滝」が待っています。この豪快な瀑布は、疲弊した心身をリフレッシュさせる絶好のスポットです。時間に余裕があれば、少し立ち止まって景観を楽しむのもよいでしょう。
約80km地点の栗生(くりお)エイドステーションで最後の補給を受けた後、ゴールまでの残り約20kmが最後の試練となります。地図上では海岸線を進むように見えますが、実際には中間(なかま)集落や湯泊(ゆどまり)周辺で、断崖の上を行くようなアップダウンが容赦なく繰り返されます。「あとは平坦でゴールだ」という期待は裏切られ、多くの参加者がここで脚を攣らせたり、ペースダウンを余儀なくされます。この区間は「最後の壁」と呼ばれており、精神力で乗り越えた先に尾之間のフィニッシュゲートが待っています。
屋久島へのアクセス方法:航空機利用
屋久島へのアクセスは、自転車という特殊な手荷物を伴う場合、非常に複雑です。空路でのアクセスは、鹿児島空港、福岡空港、伊丹空港からの直行便(JAC:日本エアコミューター)が利用可能です。所要時間は短く、体力を温存できることが最大のメリットです。
しかし、就航している機材はATRなどのプロペラ機が中心であり、貨物室の容量に厳格な制限があります。自転車を輪行袋に収納しても、サイズや重量、当日の他の乗客の荷物量によっては搭載を断られる可能性があります。特にハードケースのような大型の梱包材は敬遠される傾向にあります。
空路を選択する場合は、事前に航空会社へ自転車積載の予約または確認を入れることが必須です。万が一搭載不可となった場合に備え、宅配便(サイクリングヤマト便やシクロエクスプレス等)で事前に宿へ送っておく方法が最も確実で推奨される手段です。
屋久島へのアクセス方法:高速船の利用
鹿児島本港南埠頭から宮之浦港または安房港へ、約2時間から3時間で結ぶ高速船トッピー・ロケットは、便数が多く利用しやすい手段です。しかし、自転車の持ち込みには厳しい制限があります。自転車は必ず輪行袋に収納する必要があり、そのままの持ち込みは不可です。
手荷物料金として1,000円〜1,500円程度(サイズによる)が必要となるほか、船内の荷物置き場スペースには限りがあります。予約時に「自転車持ち込み」の旨を伝えておかなければ、当日乗船拒否に遭うリスクもあります。特にイベント前後は多くのサイクリストが殺到するため、自転車積載枠が埋まるのが早いことに留意してください。3辺の和が規定を超える(115cm以上など)大型荷物として扱われるため、折りたたみ自転車以外は事前の確認が不可欠です。
屋久島へのアクセス方法:フェリー屋久島2の活用
時間的余裕があるならば、最も推奨されるのが「フェリー屋久島2」の利用です。鹿児島本港を朝8時30分に出港し、宮之浦港に12時30分に到着するこのフェリーは、4時間の船旅となりますが、自転車輸送において圧倒的なアドバンテージがあります。
最大の利点は、自転車を輪行袋に入れず、そのまま車両甲板に積み込める点です(別途自転車航送運賃が必要)。分解・組み立ての手間が省けるだけでなく、輸送中の破損リスクも大幅に低減されます。輪行袋に入れて手荷物として船室に持ち込むことも可能で、その場合はさらに安価(受託手荷物料金のみ)で済みます。船内にはうどんコーナーや売店、休憩スペースも充実しており、レース前の休息や参加者同士の交流の場としても機能します。
宿泊拠点の選び方
2026年大会のロジスティクスにおいて最も重要なのが、スタート・ゴール地点が南部の「尾之間」地区に設定されている点です。従来の宮之浦スタートとは異なり、多くの飲食店や土産物店が集まる宮之浦地区から尾之間までは車で約40分〜50分を要します。大会当日の朝、5時30分からの受付に間に合わせるためには、宮之浦宿泊の場合は4時台の起床と移動が求められます。
ベストな選択は「尾之間地区」または近隣の「安房地区」「麦生地区」「原地区」への宿泊です。尾之間には、リゾートホテルである「samana hotel Yakushima(旧JRホテル屋久島)」や「屋久島いわさきホテル」があり、ゴール直後に温泉で汗を流せる極上の環境が整っています。民宿やコテージも点在しており、予算に合わせた選択が可能です。スタート地点まで自走数分圏内に宿を確保できれば、朝の睡眠時間を確保でき、パフォーマンス向上に直結します。
宮之浦地区に宿泊する場合は、大会事務局が用意する送迎バスの有無や時刻、あるいはレンタカーの手配が必須となります。早朝の移動は体力を消耗するため、可能な限りスタート地点近くでの宿泊を推奨します。
2月の屋久島の気象条件と対策
「ひと月に35日雨が降る」と言われる屋久島において、雨対策はオプションではなく必須条件です。特に2月は冬季であり、南国のイメージとは裏腹に厳しい寒さが待ち受けています。
2月の屋久島の平地気温は10℃〜15℃程度ですが、雨天時や風速によっては体感気温が一桁台まで低下します。特に西部林道などの標高が高いエリアでは気温がさらに低くなり、濡れた体で風を受けると低体温症のリスクすらあります。山頂付近では積雪が見られる季節であり、その冷気が山おろしとなって吹き付けることもあります。
「濡れることを前提とした防寒」が鉄則です。コンビニのカッパのような簡易的なものではなく、透湿防水素材(ゴアテックス等)を使用した自転車専用のレインジャケットを強く推奨します。これは雨を防ぐだけでなく、下り坂での強力なウィンドブレーカーとしても機能します。
必須装備とウェアリング
ベースレイヤーには、汗や雨で濡れても保温性を失わないメリノウール製や高機能化学繊維のインナーが必須です。綿素材は汗冷えの原因となり命取りになるため絶対に避けてください。
末端の保護も重要です。指先がかじかむとブレーキ操作ができなくなるため、防風・防水のフルフィンガーグローブが必要です。シューズカバーも必須アイテムであり、足先が濡れて冷えるとペダリング効率が著しく低下します。サドルバッグやジャージのポケットに、予備の薄手の手袋やネックウォーマーを入れておくと、状況悪化時に役立ちます。
機材面では、グリップ力の高いタイヤを選び、空気圧を晴天時より0.5〜1気圧程度下げることで、濡れた路面や苔むした林道での接地面積を増やし、スリップを防ぐテクニックが有効です。長い下りに備え、ブレーキシューやパッドの残量も必ず確認してください。リムブレーキ車の場合は、雨天用のシューに交換することをお勧めします。
昼間のイベントですが、トンネルや薄暗い林道走行のため、前後ライトの装着と点灯が必須です。特に後方からの視認性を高めるテールライトは、自身の安全を守る命綱となります。
レンタサイクルとE-bikeの活用
機材輸送のハードルが高い屋久島では、現地でのレンタサイクル利用も賢い選択肢です。「YOU SHOP 南国」や「Lotus Cycle」などの専門店では、整備されたロードバイクやクロスバイクに加え、近年需要が高まっているE-bike(電動アシストスポーツ自転車)のレンタルも行っています。
特にE-bikeの威力は絶大です。獲得標高1,500mという過酷なコースも、E-bikeのアシストがあれば体力を温存しながら景色を楽しむ余裕が生まれます。「ヤクイチ」完走のハードルを劇的に下げるツールとして、初心者や体力に不安がある参加者には強く推奨されます。
ただし、大会当日は予約が殺到するため、エントリーと同時にレンタサイクルの予約を完了させる必要があります。料金は車種によりますが、E-bikeの場合1日5,000円〜9,000円程度、ロードバイクで4,000円〜6,000円程度が相場です。
エイドステーションで味わう屋久島グルメ
サイクリング屋久島の楽しみの一つは、エイドステーションで振る舞われる地元の味覚です。2月は屋久島特産の柑橘「タンカン」の収穫最盛期であり、糖度が高くジューシーな果肉は疲れた体にビタミンCとクエン酸を急速チャージしてくれます。エイドステーションにはカットされたタンカンが山盛りにされることが多く、まさに「食べるスポーツドリンク」として参加者を癒やします。
「ふくれ菓子」も提供される定番メニューです。黒糖を使用した鹿児島の郷土菓子で、蒸しパンのような食感が特徴です。炭水化物を効率よく摂取でき、優しい甘さが精神的な疲労も癒やしてくれます。中間地点の永田エイドステーション等では、カレーライスやおにぎり弁当など、しっかりとした固形物が提供されることが通例であり、長丁場を乗り切るためのエネルギー源となります(内容は年によって変更の可能性があります)。
アフターライドで楽しむ屋久島の食文化
ゴール後や前泊・後泊の夜には、屋久島の食文化を堪能してください。「首折れサバ」は、屋久島近海で獲れたゴマサバを漁獲直後に首を折って血抜きし、鮮度を保ったまま市場に出すブランド魚です。プリプリとした弾力ある食感は刺身で食べるのが最高であり、安房や宮之浦の居酒屋(「潮騒」「若大将」「やしま」など)で味わうことができます。
「トビウオ(あご)」は日本一の水揚げ量を誇る屋久島のシンボル的食材です。姿揚げにすれば頭からヒレまで香ばしく食べられ、カルシウム補給にも最適です。すり身を揚げた「つけあげ」も絶品です。芋焼酎「三岳(みたけ)」は名水百選の島が育んだ銘酒であり、島内では比較的安価で手に入りやすく、お湯割りで冷えた体を温めるのが冬の屋久島スタイルです。
サイクリング屋久島2026に参加する意義
サイクリング屋久島2026の屋久島一周ロングコースは、数字上のスペック以上に過酷で、そしてドラマチックなコースです。雨に打たれ、果てしない坂道に心を折られそうになりながらも、ふと見上げれば樹齢数千年の森が広がり、横を見れば野生のシカが静かにこちらを見つめている、そんな非日常の連続がペダルを漕ぐ足を前へと進ませます。
完走した先に待っているのは、単なる達成感だけではありません。それは、人間もまた自然の一部であるという原始的な感覚の回復です。世界自然遺産の森に見守られ、黒潮の風に吹かれた記憶は、サイクリストとしてのキャリアの中でも特別な輝きを放つものになるでしょう。
エントリー締め切りは2026年1月31日です。準備期間はまだ残されています。フェリーの予約、宿の手配、そして雨対策の装備を整え、万全の状態で2月の屋久島へ挑んでください。そこには、想像を超える100kmが待っています。









コメント