サロマ湖のサイクリングコースは周囲90キロの一周ルート

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サロマ湖のサイクリングコースは、周囲およそ90キロメートルにおよぶ湖岸を一周できる、北海道オホーツク地方でも屈指のロングライドルートです。日本最大の汽水湖という広大な水辺を舞台に、オホーツク海とサロマ湖の両方を望む区間や、花畑を抜ける区間まで、変化に富んだ景色を楽しめます。この記事では、コースの距離感やハイライトとなるワッカ原生花園の走り方、レンタサイクルの料金、アクセス方法やベストシーズンまで、実際に走る前に押さえておきたい情報をまとめました。

目次

サロマ湖一周サイクリングの距離は周囲90キロメートル

サロマ湖は北見市、常呂郡佐呂間町、紋別郡湧別町の3つの市町にまたがる汽水湖で、面積は約152平方キロメートルにおよびます。これは琵琶湖、霞ヶ浦に次いで日本で3番目の広さで、汽水湖としては日本最大です。湖の周囲はおよそ90キロメートルあり、これを自転車で一周する場合、平坦な区間が多いとはいえ一日で走り切るには相応の体力が必要になります。

湖の南側や東側には穏やかな湖岸道路が続き、北側にはオホーツク海との間を隔てる細長い砂州が横たわっています。海を見ながら走る区間、湖面を見ながら走る区間、農村風景の中を走る区間と、コースの表情が次々に変わっていくのが、このルートの飽きさせないところです。オホーツク海側は風の影響を受けやすく、横風や向かい風に見舞われることもあるため、出発前には風速や風向きの予報を確認しておくと走りやすくなります。

体力や時間に余裕がない場合は、湖の一部区間だけを走ったり、車で拠点まで移動してから自転車を楽しんだりするスタイルも選べます。全区間を走破することにこだわらず、ワッカ原生花園やサロマ湖展望台など、見どころを絞って走るという計画の立て方も、このコースでは十分成立します。

サロマの名はアイヌ語の葦原に由来する

サロマという名前は、アイヌ語の「サロ・オマ・ペッ」(葦原にある川)に由来するとされ、大正4年にこの読みが「佐呂間」という漢字表記に転用されました。サロマ湖はもともとオホーツクの海の一部だった名残をとどめる海跡湖で、長い年月をかけて砂州が発達し、現在の汽水湖の姿になったと伝えられています。

海とつながる湖口の位置をめぐっては、かつて東岸側と西岸側の住民の間で意見の相違があったと言われており、紆余曲折を経て、現在は北見市常呂町側に人工的に開削された第二湖口を通じてオホーツク海とつながっています。サイクリング中に渡る砂州や橋には、こうした人と自然が関わり合ってきた歴史が刻まれています。

ワッカ原生花園の龍宮街道は東岸5キロメートルの絶景区間

サロマ湖サイクリングの中でも象徴的な存在となっているのが、ワッカ原生花園です。オホーツク海とサロマ湖を隔てる細長い砂州の上に広がる原生花園で、この砂州は網走国定公園の区域にも指定されています。幅は200メートルから700メートル、長さはおよそ20キロメートルにおよび、このうち東岸の約5キロメートルがサイクリングロードとして整備されており、龍宮街道という愛称で呼ばれています。

この名前は、かつてこの地を訪れた詩人で随筆家の大町桂月が、湖とオホーツク海を左右に見比べながら狭い砂州を行く様子を、人界を離れて竜宮に旅するようだと表現し、竜宮の通路と名付けたことに由来するとされています。龍宮街道を走ると、片側にオホーツク海の海原、もう片側にサロマ湖の湖面という、二つの異なる水辺の風景を同時に楽しめます。潮風を感じながら海側を眺め、視線を反対側に移せば穏やかな湖面が広がるという体験は、この地形ならではのものです。

花の見頃は5月から9月にかけて長く続きますが、最盛期は6月下旬から7月中旬です。この時期にはオレンジ色の大輪を咲かせるエゾスカシユリの群落や、ピンク色のハマナス、エゾゼンテイカ、ヒメオウギアヤメ、ムシャリンドウなどが次々に咲き競い、砂州全体が花畑のような景観に変わります。エゾスカシユリの群生規模はワッカ原生花園ならではのスケールとされており、この時期にしか見られない花景色を目当てに走るサイクリストも多くいます。秋になると、湖畔や湿地帯を紅色に染めるアッケシソウ(サンゴ草)が見られる場所もあり、季節ごとに違う表情を見せてくれます。

園内は自然保護の観点から一般車両の乗り入れが規制されているため、園内での移動は自転車か徒歩、混雑期にはシャトルバスに限られます。車両が入らない分、園内は静かで、自然の音や潮風の匂いを感じながらペダルを漕げるのが、通常の道路を走るサイクリングとはひと味違うところです。貴重な自生植物を傷めないよう、決められたルート以外には立ち入らないようにしましょう。

レンタサイクルは大人650円で一日乗り放題

ワッカ原生花園には拠点施設のワッカネイチャーセンターがあり、ここでレンタサイクルを利用できます。料金の目安は大人一人あたり650円程度で、自転車とヘルメットをセットで借りられ、一日乗り放題のプランが用意されています。自分の自転車を長距離輸送する必要がなく、手ぶらで訪れてもサイクリングを楽しめるのは、旅行者にとって大きなメリットです。

園内には複数のモデルコースが設定されています。代表的なのが、サロマ湖とオホーツク海の両方を一度に見渡せる絶景ポイントを目指す、所要時間約60分・距離約4.5キロメートルのコースです。ワッカネイチャーセンターを出発してオホーツク海側の海岸へ向かい、サロマ湖とオホーツク海をつなぐ第二湖口にかかる橋を渡って対岸へ進みます。橋の上からは、左右に広がる海と湖の対照的な景色を一望でき、写真撮影のために足を止めるサイクリストも少なくありません。

ネイチャーセンターから花園の奥にある湧水地点、通称ワッカの水までを往復するコースも人気です。こちらは往復でおよそ1時間20分から1時間50分程度かかりますが、距離としては手頃で、道中の花々や海景色をじっくり楽しめるため、家族連れやサイクリング初心者にもすすめやすいコースです。

サロマ湖展望台は標高376メートルの幌岩山に位置

サロマ湖サイクリングやドライブの定番スポットとして知られているのが、サロマ湖展望台です。サロマ湖沿岸のほぼ中央、標高376メートルの幌岩山の山頂付近に位置しており、サロマ湖の湖面を一望できる唯一の展望地点とされています。天候に恵まれれば、湖面が空を映し出し、湖とオホーツク海を隔てる砂州、さらにその先に連なるオホーツクの丘陵地帯や知床連山まで見渡せます。

長距離サイクリングの途中で立ち寄る休憩スポットとしても好条件で、達成感を味わいながら大パノラマを楽しめます。夕暮れ時にはサロマ湖の空と水面がオレンジ色から赤紫色へと変わっていく光景が見られ、この夕日を目当てに訪れる観光客も少なくありません。過去にはサロマ湖のサンセットを楽しむことをテーマにしたサイクリングイベントも開催されており、湖畔の夕景がどれだけ評価されているかがうかがえます。

キムアネップ岬の芝桜は春から初夏が見頃

サロマ湖畔に位置するキムアネップ岬も、サイクリングコースに組み込みたいスポットのひとつです。春から初夏にかけては、一面に咲き誇る芝桜が湖畔を彩り、多くの観光客やサイクリストが訪れます。ピンク色の花畑と、その先に広がるサロマ湖の湖面のコントラストは、この時期ならではの見どころです。

一周サイクリングのルート上に組み込むことで、単なる長距離走行にとどまらない、季節の彩りを感じる旅として楽しめます。花のシーズンに合わせて計画を立てると、より印象に残るサイクリング体験になるでしょう。

サロマ湖100kmウルトラマラソンは6月下旬にほぼ一周のコースを走る

サロマ湖畔では毎年6月下旬に、サロマ湖100kmウルトラマラソンというランニング大会が開催されています。100kmの部はサロマ湖をほぼ一周するようなコース設定になっていることで知られ、世界陸連および国際ウルトラランナーズ協会(IAU)公認の大会です。世界記録がこの大会から生まれたこともある、権威のある大会として知られています。

この事実からも、サロマ湖の外周がおよそ100キロ前後に達することがうかがえます。自転車で一周する場合にも、この距離感を目安にルートやペース配分を計画すると見通しが立てやすくなります。

オホーツクサイクリングルートは全長321キロメートル

女満別空港を起点に、オホーツク海沿岸の能取湖、網走湖、小清水原生花園といった名勝地や、石北峠、美幌峠、野上峠の三つの峠を含む、全長約321キロメートルのオホーツクサイクリングルートも整備されています。サロマ湖は、この広域サイクリングルートを構成する重要なエリアのひとつです。

毎年7月には、タイムを競わない参加型サイクリングイベントのオホサイが開催され、北見市、網走市、美幌町、小清水町、大空町といったオホーツク地域の魅力を満喫できるコースが用意されます。過去に実施されたサロマ湖サンセットルートは、1泊2日で女満別湖畔キャンプ場とネイパル北見を結ぶツーリング企画で、サロマ湖周辺が広域サイクリング観光の拠点として重視されていることが分かります。個人で一周ルートを計画する際にも、こうした公式サイクリングルートやイベントのコース情報は参考になります。

女満別空港からサロマ湖までは車で約70キロ2時間

サロマ湖への玄関口となるのは、道東の空の玄関口である女満別空港です。空港からサロマ湖方面へは、美幌バイパスを経由し、国道39号、国道333号、道道103号、道道961号と乗り継いで佐呂間町方面へ向かうルートが一般的で、道の駅サロマ湖までは約70キロメートル、車でおよそ2時間の道のりです。

湖畔にあるリゾート施設までのアクセスは、女満別空港からおよそ60キロメートル、車で約1時間5分程度という情報もあり、目的地によって多少の距離の差があります。自分の自転車を持ち込む場合は、空港からレンタカーやバスで輪行し、湖畔の拠点まで移動してからサイクリングを始めるプランを立てるとよいでしょう。交通手段と時間配分を事前に決めておくことが、余裕を持った旅につながります。

本州から自分の自転車を持ち込む場合は、飛行機輪行という方法もあります。自転車を分解して専用の輪行袋に収め、タイヤの空気を抜いてから隙間ができないよう梱包し、空港では大型荷物の受け渡しカウンターで預けるという流れが一般的です。航空会社によっては20キログラムまでの荷物を追加料金なしで預けられる場合もあり、遠方からでも愛用の自転車でサロマ湖一周に挑戦しやすくなっています。慣れないうちは梱包に時間がかかることもあるため、初めて飛行機輪行に挑戦する場合は、出発前に一度練習しておくと当日の手続きがスムーズになります。

サイクリングのベストシーズンは雪解けから秋にかけて

北海道オホーツク地方は冬季の積雪や路面凍結が厳しいため、サイクリングを楽しめる期間は限られています。雪解けが進む春から、秋の初めにかけてがサイクリングに適したシーズンです。初夏から夏にかけては、ワッカ原生花園の花々が見頃を迎える時期と重なり、キムアネップ岬の芝桜も春から初夏にかけて見頃となるため、花の景色とサイクリングを同時に楽しみたい場合はこの時期を狙うとよいでしょう。

真夏でも本州と比べて気温が低く、湿度も低いため、快適にロングライドを楽しめるのが北海道サイクリングの利点です。日中でも朝晩は冷え込むことがあるため、体温調節がしやすい服装で臨むことが望ましいでしょう。海沿いの区間は風が強くなりやすいため、風速や風向きの予報を事前に確認しておくことも快適な走行につながります。

道の駅サロマ湖とキムアネップ岬キャンプ場が拠点になる

サイクリングの拠点として便利なのが道の駅サロマ湖です。観光客やドライバーが自由に休憩できるスペースのほか、佐呂間町内の特産品やオホーツク沿岸の名産品を取りそろえた販売コーナーが設けられており、走行中の補給や休憩に活用できます。館内には宿泊施設の悠林館も併設されているほか、ふれあい牧場やふれあい農園も隣接しており、自転車を降りて羊や馬とふれあいながら過ごすこともできます。長距離を走るサイクリストにとっては、水分補給や休憩、荷物整理のための中間拠点として重宝するスポットです。

湖畔で自然を味わいたい場合には、キムアネップ岬キャンプ場も選択肢に入ります。例年6月1日から10月中旬にかけて開設されており、テントサイトのすぐ目の前にサロマ湖の湖面が広がるロケーションが魅力です。朝には湖面に映り込む朝日を、夜には星空を楽しめ、無料で利用できる点も旅の予算を抑えたいサイクリストにはありがたいポイントです。芝桜の名所としても知られるキムアネップ岬でキャンプをしながら、翌朝から一周サイクリングを再開するというプランも、北海道ならではのスケールの大きな楽しみ方です。

サロマ湖はホタテ養殖発祥の地

サロマ湖は、日本におけるホタテ養殖発祥の地としても知られています。汽水湖ならではの豊富な栄養分がホタテの生育に適した環境を作り出しており、現在もホタテのほか、カキ、北海シマエビなどの漁業が盛んに行われています。サイクリングの途中や後に、湖畔の飲食店で水揚げされたばかりの新鮮なホタテを味わえるのも、サロマ湖サイクリングならではの楽しみです。長距離を走った後のご褒美として、地元の海の幸を目当てに計画を立てるサイクリストも少なくありません。

サイクリング時の注意点は補給ポイントの少なさ

サロマ湖一周は距離が長く、コンビニエンスストアや飲食店が限られる区間も存在するため、水分と補給食は多めに携行することをおすすめします。特にオホーツク海側の砂州区間や、湖の外周を走る郊外区間では、店舗が少ない時間帯や区間があることを想定し、事前に休憩ポイントや給水スポットを調べておくと安心です。

天候面では、オホーツク海からの風の影響を受けやすいため、強風時には無理をせず、休憩を挟みながら走ることが望ましいでしょう。長距離を走ることになるため、日焼け対策や熱中症対策も忘れずに準備しておく必要があります。

北海道の郊外を走るサイクリングでは、野生動物への注意も欠かせません。北海道に生息するヒグマは本州のツキノワグマより体が大きく、遭遇すれば命にかかわることもあるため、走行前には出没情報を確認しておくことが基本の対策とされています。鹿は夜間から明け方にかけて活発に動く傾向があり、郊外の道路で見かけた場合は速度を落とし、鹿が道路の外へ確実に離れるまで見守ることが推奨されています。サロマ湖周辺のように郊外の道路が長く続くコースでは、こうした野生動物への備えも計画に含めておくと安心です。

一般的に、自転車で60キロメートルを超えるロングライドでは補給食の携行が推奨されており、100キロカロリー程度の補給食を20分おきに小分けで摂り、空腹を感じる前に補給する方法が効果的とされています。補給が不足すると、エネルギー切れや脱水がバテる大きな原因になるため、羊羹やまんじゅう、お団子、あんパンのようにコンビニで手に入りやすい甘いものを用意しておくと安心です。水分補給に関しては、ペットボトルよりも走りながら飲めるサイクルボトルのほうが、こまめな水分補給を忘れにくくなります。周囲90キロメートルというサロマ湖一周の距離を踏まえると、こうした補給の目安は特に意識しておきたいポイントです。

サロマ湖周辺の主なスポットと特徴を以下にまとめます。

スポット名特徴目安の所要時間・距離
ワッカ原生花園(龍宮街道)海と湖を同時に望む砂州のサイクリングロード東岸約5キロメートル
サロマ湖展望台(幌岩山)標高376メートルからサロマ湖全体を一望休憩立ち寄り向き
キムアネップ岬春から初夏に芝桜が見頃、無料キャンプ場が隣接立ち寄り・宿泊向き
道の駅サロマ湖特産品販売、宿泊施設の悠林館やふれあい牧場が隣接中間拠点向き

サロマ湖サイクリングは距離と景色を選んで楽しめる

サロマ湖のサイクリングコースは、周囲およそ90キロメートルの湖岸を一周する本格的なロングライドから、ワッカ原生花園の龍宮街道を走る手軽なレンタサイクル散策まで、体力やスケジュールに合わせて選べる幅の広さが魅力です。サロマ湖展望台からの景色、キムアネップ岬の芝桜、湖畔で味わうホタテなど、サイクリング以外の見どころも揃っています。

女満別空港からのアクセスも整っているため、道東旅行のプランに組み込みやすいのも利点です。雪解けから秋にかけてのシーズンに、自分の体力や好みに合わせたコースを選んで、北海道ならではの景色をペダルとともに味わってみてください。

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