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佐賀環状自転車道は、自転車と歩行者専用の県道で、管理しているのは佐賀県です。嘉瀬川の左岸には、この道の整備区間があります。
嘉瀬川の河川敷には、秋になると熱気球が集まります。佐賀インターナショナルバルーンフェスタが、ここを舞台に開かれるためです。
川には、城下町へ水を送るために約400年前に築かれた石井樋があり、その上流には竹林で洪水の勢いを弱めた尼寺林の面影も残ります。県内を自転車で走る人向けには、佐賀県のサイクルツーリズム情報サイトがモデルコースを紹介しており、佐賀駅の周りではシェアサイクルも借りられます。

佐賀環状自転車道は嘉瀬川左岸を通る自転車・歩行者専用の県道
佐賀環状自転車道の、県道としての路線名は「佐賀環状自転車道線」です。
嘉瀬町の古籠付近から荻野付近は2015年8月28日に供用開始
佐賀県は告示で、古籠付近から荻野付近までの区間を2015年(平成27年)8月28日から使えるようにすると定めました。場所はいずれも佐賀市嘉瀬町です。
これより前の2013年(平成25年)3月にも、県は同じ路線について告示を出しています。嘉瀬町付近の立野籠から一本松籠までについて道路の区域を変え、変更後の延長を224.5メートルとしました。
嘉瀬川は延長57キロメートルの一級河川で有明海に注ぐ
嘉瀬川の源は、佐賀市三瀬村にある標高912メートルの脊振山系です。そこから佐賀平野を貫いて、有明海に流れ込みます。上流部は脊振山をはじめとする険しい山々に囲まれ、中流から下流には平らな佐賀平野が広がっています。
途中、石井樋で多布施川が枝分かれし、下流では祗園川が合流します。流域は佐賀市、小城市、神埼市などにまたがり、約12万人から13万人がこの流域で暮らしています。
| 項目 | 嘉瀬川のデータ |
|---|---|
| 幹川流路延長 | 57キロメートル(109水系中86位) |
| 流域面積 | 368平方キロメートル(109水系中99位) |
嘉瀬川の河川利用は散策等が57%で最も多い
嘉瀬川の高水敷は広く、散策やスポーツの場として使われています。平成15年度の調査で河川利用の内訳を見ると、散策等が57%で最も多く、スポーツの26%が続きました。
河川敷は洪水のときに水が流れる高水敷のこと
一般に「河川敷」と呼ばれる場所は、川の用語では高水敷といいます。堤防や川岸と川底に囲まれた部分を河道と呼び、そのうちふだん水が流れている部分が低水路です。高水敷は低水路より一段高い敷地で、ふだんは運動場や公園に使われますが、大きな洪水が来ると水に浸かります。高水敷を持つ川は、複断面の川と呼ばれます。
厳密にいえば、河川敷という言葉は河川法で定める河川区域の中にある土地を指します。
河川敷にはゴルフ場や野球・サッカーのグラウンドがある
嘉瀬川の高水敷には、嘉瀬川リバーサイドゴルフ場のほか、野球場やサッカーのグラウンドがあります。
派川の多布施川も、市民がよく利用する川です。堤防沿いには桜並木の遊歩道があり、公園も整っています。
秋の河川敷では佐賀インターナショナルバルーンフェスタを開催(2026年は10月30日から11月3日)
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、嘉瀬川の河川敷を会場に毎年秋の5日間開かれる熱気球の大会です。例年120を超えるチームが参加し、来場者は延べ80万人以上にのぼります。アジア最大級の熱気球大会です。
| 項目 | 2026年大会の内容 |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年10月30日から11月3日 |
| 入場料 | 無料 |
| 電車 | JR長崎本線の臨時駅「バルーンさが」駅から徒歩すぐ |
| 車 | 長崎自動車道の佐賀大和ICを利用 |
| 駐車場 | 約4,000台分(有料) |
冬も同じ河川敷で熱気球レースが開かれる
秋の大会が終わったあとの冬にも、嘉瀬川の河川敷では「SAGAバルーンチャレンジシリーズ」という熱気球のレースがあります。メイン会場は、JRバルーンさが駅の北にある防災ステーションです。
佐賀バルーンミュージアムは大人500円で熱気球の仕組みを学べる
佐賀バルーンミュージアムは、佐賀市松原2丁目にあります。JR佐賀駅から歩くと約17分、市営バスなら約7分で、県庁前のバス停を降りてすぐの場所です。
館内では熱気球が飛ぶ仕組みや、これまでの歴史を展示で学べます。フライトシミュレーターやスーパーハイビジョンシアターもあり、カフェで休憩もできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入館料 | 大人500円、小・中・高校生200円 |
| 無料になる人 | 障害者手帳を持参した本人と介護者1名 |
| 開館時間 | 10時から17時(最終入館は16時30分) |
| 休館日 | 月曜(祝日なら翌日)、12月31日、1月1日 |
佐賀県内のサイクリングコースは「SAGA Cycling CLUB.」の4本のモデルコースから選べる
佐賀県で走るコースを探すなら「SAGA Cycling CLUB.」が使えます。佐賀県のサイクルツーリズム情報サイトです。2021年春に開設されたサイトで、コースがエリアごとに分かれています。観光地や温泉、サイクルラックがどこにあるかも地図で確かめられます。
嘉瀬川ダムを通る「空港から七山」は上級者向け
モデルコースは4本あり、そのうち3本は次のとおりです。
| モデルコース | 距離 | 獲得標高 | 主な経由地 |
|---|---|---|---|
| 吉野ヶ里から昇開橋 | 約24.6キロメートル | 48メートル | 吉野ヶ里歴史公園、城原川周辺、筑後川昇開橋 |
| 空港から七山 | 約72.3キロメートル | 817メートル | 佐賀空港、佐賀平野、古湯温泉、嘉瀬川ダム |
| 鹿島から有田 | 約51.1キロメートル | 688メートル | 武雄・有田方面 |
「空港から七山」は、高さ99メートルの嘉瀬川ダムを経由して玄界灘方面へ向かう山越えのコースで、上級者向けです。
徐福サイクルロードの場所は佐賀市諸富町
佐賀市諸富町の「徐福サイクルロード」は、旧国鉄佐賀線の線路跡を自転車道にしたものです。佐賀市内の自転車道ですが、嘉瀬川に沿って走る道ではありません。
佐賀駅からはシェアサイクル「Charichari」のポートを使える
自転車を持っていない人は、佐賀駅のまわりに点在する「Charichari(チャリチャリ)」というシェアサイクルのポートで借りられます。駅からの距離は、歩いた場合の所要時間で次のように案内されています。
| ポートの場所 | 佐賀駅から徒歩 |
|---|---|
| 唐人町まちかど広場 | 8分 |
| AMCCビジネスラウンジ(八幡小路周辺) | 15分 |
| 大隈重信記念館(水ヶ江) | 26分 |
| 南堀端駐車場(鬼丸町) | 29分 |
| 古賀公園 | 34分 |
料金や、その時点で借りられるかどうかは変わることがあります。乗る前に公式サイトかアプリで確かめてください。
石井樋は約400年前に成富兵庫茂安が築いた取水施設
石井樋は、嘉瀬川の水を佐賀の城下町へ引き込むための施設です。鍋島藩の成富兵庫茂安が約400年前に築きました。成富兵庫茂安が築造した施設の中では、日本最古の取水施設とされています。
城下町の暮らしや田畑、火事のときの消火、産業に使う水は、嘉瀬川から多布施川を通って届けられていました。送り先の多布施川は古い川で、その名前は鎌倉時代の文献にもすでに登場します。
工事は佐賀城が建ち、城下町の区画が整えられた後に始まりました。元和年間から寛永年間までの約12年をかけて造られたと伝わっています。
石井樋は砂を落としてから多布施川へ水を送る仕組み
石井樋では、まず大井手堰で嘉瀬川をせき止め、象の鼻と天狗の鼻のあいだに水を導きます。ここで流れを緩めて砂を沈め、水だけを多布施川へ送り出します。
洪水への備えもありました。堤防を二重に築き、そのあいだを遊水地にしています。1つ目の堤防を越えた水は、2つ目の堤防にたどり着くまでに勢いが弱まります。
1960年まで約350年使われ、2005年に復元
石井樋が使われたのは、1960年(昭和35年)に上流で川上頭首工が完成するまでです。その期間は約350年に及びました。2005年(平成17年)には、石井樋地区歴史的水辺整備事業によって元の姿に戻されました。
尼寺林は洪水の勢いを竹林で弱めた水害防備林
石井樋の上流には、尼寺林の面影が残っています。尼寺林は藩政時代に水害を防ぐ目的で設けられた嘉瀬川の竹林で、成富兵庫茂安による治水対策の一つといわれています。川岸の竹林だけでなく、その後ろの耕作地も含めてこう呼びます。
堤防を越えた洪水は、竹林を抜けるうちに勢いが落ち、砂や石がふるい落とされてから少しずつ広がっていきました。おかげで耕地は荒らされずに済みました。田畑に入った泥水は新しい土となり、土地を肥やす役目も果たしたそうです。
嘉瀬川は天井川で、1953年の豪雨では31,032戸が浸水
嘉瀬川は、山に降った雨が短い時間で佐賀平野に押し寄せる川です。そのため、昔から水を防ぐ工事と水を使う工事が繰り返されてきました。
天井川の堤防が切れると佐賀市街地まで被害が及ぶ
天井川とは、川底がまわりの土地より高くなった川のことです。土砂の多い川に堤防を築いて流れる場所を固定すると、堤防のあいだに土砂がたまって川底が上がります。堤防を高くする工事を繰り返すうちに、周囲の低地より川のほうが高くなります。
嘉瀬川もこの天井川です。周りの地面のほうが低いため、洪水であふれた水を川に戻しにくく、被害が大きくなります。堤防が決壊すれば、流域の市や町は佐賀市街地も含めて大きな被害を受けかねません。
大きな水害の例として、次の2つがあります。
| 時期 | 原因 | 被害 |
|---|---|---|
| 1949年(昭和24年)8月 | 台風 | 家屋の浸水25,552戸、決壊した堤防78か所 |
| 1953年(昭和28年)6月 | 豪雨 | 家屋の浸水31,032戸 |
2007年策定の河川整備計画を2024年2月に点検
九州地方整備局は2007年10月16日に「嘉瀬川水系河川整備計画」をつくりました。この先おおむね20年でどんな整備をするかを示した計画で、基本理念には「歴史情緒あふれる自然豊かな嘉瀬川」を掲げています。
2024年2月には、学識者が集まる懇談会がこの計画の中身を点検しました。判断の材料にしたのは、社会の状況の変化と整備の進み具合です。
川を管理する事務所も変わってきました。2016年4月、嘉瀬川と嘉瀬川ダム、佐賀導水路は、担当する事務所が筑後川河川事務所から武雄河川事務所に替わりました。2020年4月からは、嘉瀬川ダムと佐賀導水路を佐賀河川事務所が管理しています。
嘉瀬川ダムと佐賀導水路はどちらも洪水調節を目的に含む
嘉瀬川ダムと佐賀導水路は、どちらも洪水調節を目的の一つにしています。
嘉瀬川ダムは2012年完成の重力式コンクリートダム
上流にある嘉瀬川ダムは、2012年に完成した国土交通省のダムです。総貯水容量は7,100万トンです。使い道は洪水調節のほか、発電、都市用水、かんがい用水、河川の維持用水です。
形式は重力式コンクリートダムです。堤体の重さそのもので水の押す力を受け止める形のため、硬い岩盤が欠かせません。ダムの形式には重力式のほかにロックフィル式とアーチ式があり、地形や地質を見てどれにするかを決めます。
嘉瀬川ダムの洪水調節計画では、基本高水ピーク流量は毎秒2,200立方メートルです。調節流量は毎秒1,370立方メートルで、計画最大放流量は毎秒830立方メートルと定められています。
基本高水とは、治水の計画を立てるときの基準になる洪水です。ダムなどで洪水を調節しないまま、計画した規模の雨が川へそのまま流れ出たときの流量を指し、その最大値が基本高水ピーク流量です。ダムや遊水地が、このピーク流量から差し引く分を調節流量と呼びます。ピーク流量から調節流量を除いた残りが、河道に割り振る計画高水流量になります。
佐賀導水路は3つの川を約23キロメートルで結ぶ
佐賀導水路は、筑後川と城原川、嘉瀬川を管路と開水路でつないだ流況調整河川です。総延長は約23キロメートルで、水に余裕のある川から足りない川へ水を回し、それぞれの川の流れの状態を改善します。管理は国土交通省佐賀河川事務所です。
この導水路には4つの目的があります。洪水調節では、巨勢川調整池が佐賀の市街地の浸水被害を抑えます。内水排除では、導水路の途中にある8か所のポンプ施設を動かします。流水の正常な機能の維持として河川維持用水と河川水質浄化用水を流し、水道用水は佐賀西部地区の5市3町へ届けています。
工事の内容は、導水路の整備とポンプ場の建設、調整池の整備の3つです。
内水とは、堤防の内側にある下水道や水路の水のことです。反対に、堤防の外側を流れる川の水を外水といいます。雨が下水道や水路の排水能力を超えたり、川の水位が高くて水を流し込めなかったりすると、マンホールや排水路から雨水があふれます。これが内水氾濫です。川の水位が上がって堤防を越えたり、堤防が切れたりして川の水があふれるのは外水氾濫です。あふれた水を取り除くため、ポンプで川へ送り出す施設が内水排除施設です。
官人橋から嘉瀬川大堰までの中流部は水がきれいで竹林が点在
官人橋から嘉瀬川大堰までの中流部では、川が佐賀平野を流れます。河川敷が広い一方、ふだん水が流れる低水路は狭く、大堰によって水がたまった区間がほとんどを占めます。
河岸には、尼寺林を代表とする河畔林がところどころにあります。マダケやモウソウチク、メダケ、ヤナギ類が生え、動物にとって貴重なすみかです。
数の少ない瀬や淵にはアユやウグイ、タナゴ類が、水がたまった区間にはギンブナやカワムツなどがすんでいます。水質の基準地点である官人橋では、値が環境基準値を下回っており、嘉瀬川は水のきれいな河川とされています。
この区間を守る基本方針として、魚などのすみかが途切れずにつながるようにすることと、尼寺林や河畔林を残すことが挙げられています。
まとめ:佐賀環状自転車道は嘉瀬川左岸に区間があり、嘉瀬町の古籠付近から荻野付近は2015年に供用開始
佐賀環状自転車道は佐賀県が管理する自転車・歩行者専用の県道で、嘉瀬川の左岸に区間があります。佐賀市嘉瀬町の古籠付近から荻野付近までは、2015年8月28日に供用が始まりました。
嘉瀬川の河川利用は、散策等が57%で最も多くなっています。2026年10月30日から11月3日には、河川敷で佐賀インターナショナルバルーンフェスタが開かれます。川には約400年前に成富兵庫茂安が築いた石井樋があります。嘉瀬川は天井川で、1953年の豪雨では31,032戸が浸水しました。
県内をもっと走りたい人は「SAGA Cycling CLUB.」のモデルコースを、自転車がない人は佐賀駅周辺の「Charichari」のポートを使えます。








