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柴山潟は、石川県加賀市の片山津温泉に面した周囲約7kmの湖です。ほとりにはサイクリングロードと湖畔公園が整っていて、自転車でぐるりと一周できます。出発点になるのは、湖岸に広がる片山津温泉の温泉街です。
空が晴れていれば、湖越しに白山の姿が見えます。水面の色は太陽の位置などにつれて一日のうちに何度も移り変わるそうで、「1日に7回、7色に湖水の色が変化する」という言い回しまであります。
柴山潟は、今江潟と木場潟とあわせて「加賀三湖」と呼ばれる湖のひとつです。三つとも海跡湖で、縄文海進のころに海の底だった土地が、湖のかたちで残りました。柴山潟は、加賀地方の暮らしと深いつながりをもってきた湖です。

柴山潟の周囲約7kmは干拓で約6割を失ったあとの大きさです
今の柴山潟は、干拓によって大きく縮んだあとの姿です。湖の北側を中心に、もとの広さのおよそ6割を失いました。
加賀三湖地区の干拓事業は、小松市と加賀市を範囲として、昭和27年から昭和44年(1952年から1969年)まで続きました。三湖のうち今江潟は、国営の干拓事業でほとんど姿を消し、農地になっています。一方、小松市の木場潟には干拓の手が入らず、三湖でただ一つ自然のままの湖面を保っています。
水の流れも、このとき手直しされました。干拓の前、柴山潟と木場潟の水は今江潟に集まり、梯川(かけはしがわ)を下って日本海へ出ていたそうです。事業ではこの排水のルートも整備されています。
片山津温泉は湖を埋め立てて源泉を掘った温泉街です
片山津温泉が湖にぴったり寄り添っているのは、源泉が柴山潟の湖底にあったためです。
開湯については、養老2年(718年)に湯が見つかったという言い伝えがあり、北陸のなかでも古い温泉に数えられます。ただ、江戸時代には湯が使われないままでした。明治9年になって湖畔を埋め立て、そこに温泉を掘り当てて、2軒の温泉宿が営業を始めたと伝わります。
JR加賀温泉駅から片山津温泉へは路線バスで10分から20分ほど
駅から温泉街へは、路線バスか車で向かいます。バスに乗っている時間は10分から20分ほどです。
| 交通手段 | 乗り降りの場所と目安 |
|---|---|
| 加賀温泉バス(片山津温泉行き) | JR加賀温泉駅から約20分。片山津温泉のバス停で降りると、すぐ湖のほとりに出られます |
| 北鉄加賀バス(温泉片山津線) | 総湯のバス停で下車します |
| 加賀周遊バス | 片山津温泉総湯に停留所があります |
| 車 | 総湯の駐車場に80台ぶんのスペースがあります |
自転車は片山津温泉の「沢サイクル」で借りられます
レンタサイクルは、片山津温泉の温泉街にあるサイクルショップ「沢サイクル」で手配できます。
加賀市内では、山代温泉にも自転車を貸す店があります。たとえば山代温泉のミズカミは、「山代西口」バス停から歩いて3分の店です。このバス停までは、加賀温泉バス(温泉山中線)でJR加賀温泉駅から約14分かかります。返却は借りたその日のうちで、営業時間が変わる日もあるので、事前に確認してください。
観光の相談先としては、片山津温泉観光協会が窓口になっています。
柴山潟の一周コースは浮御堂から左回りで、北岸にヨシやコウホネが群れています
国土交通省が水辺の紹介に載せている回り方は、浮御堂をスタートして湖岸を左回りに進むコースです。
このコースで北岸に差しかかると、ヨシ、コウホネ、ガガブタといった水生植物の群落が目に入ります。
湖畔の寄り道先は浮御堂と高さ70mの大噴水が中心です
湖畔には立ち寄れる場所がいくつもあり、浮御堂と大噴水は湖の上にあります。
浮御堂(うきうき弁天)へは浮桟橋を歩いて渡れます
浮御堂は、柴山潟の水面に建てられたお堂です。湯の元公園から浮桟橋が延びていて、歩いてお堂まで行けます。
お堂のもとになったのは、片山津に残る「龍神と娘」の言い伝えです。村の人々を苦しめていた大蛇が、娘の姿で現れた弁財天の琵琶の力で龍神に変わった、という筋書きで、お堂には弁財天と龍神がまつられています。完成したときに呼び名を公募すると、およそ1万人から案が寄せられ、「うきうき弁天」に決まりました。
柴山潟大噴水は1日13回、70mの水柱を上げます
大噴水は湖のほぼ中央に据えられ、高さ70mまで水を噴き上げます。日本でも指折りの大きさです。
噴き上がるのは1日に13回で、夜は20時、20時30分、21時、21時30分の4回です。浮御堂のちょうど後ろに位置しているので、夜はライトアップされたお堂と噴水が重なって見えます。季節や稼働の状況で時刻が変わる場合があります。
片山津温泉総湯は谷口吉生が設計したガラス張りの湯です
湖岸に建つ総湯は、ガラス張りの外観で、美術館と見間違えそうな建物です。設計は建築家の谷口吉生が手がけました。
湯船は、湖と一続きに見える「潟の湯」と、木々に囲まれた「森の湯」の二つです。男湯と女湯は日ごとに入れ替わります。営業は6時から21時30分まで(閉館は22時)で、点検などで臨時に休む日もあります。
総湯には「片山津温泉 まちカフェ」が入っていて、大きな窓の向こうに柴山潟が広がります。テラス席もあり、平日だけのプレートランチが用意されています。湖と温泉街を眺めながら、ひと休みできます。
愛染寺は高台から柴山潟を見渡せる寺、首洗池は湖岸の史跡です
高台に建つ愛染寺(お薬師さん)は、境内から柴山潟を見渡せる寺です。
首洗池は、平家の軍勢と木曽義仲の軍勢がぶつかったとされる篠原の古戦場にちなむ史跡です。湖岸の見どころの一つに数えられています。
中谷宇吉郎 雪の科学館は加賀市片山津出身の雪博士を伝える施設です
雪の科学館は、加賀市片山津に生まれた雪博士、中谷宇吉郎の仕事と人となりを伝える施設です。中谷宇吉郎は「雪は天から送られてきた手紙である」という言葉で知られています。
館内ではダイヤモンドダストやチンダル像の実験を体験でき、実験でつくる氷のペンダントもあります。建物を設計したのは建築家の磯崎新で、六角形の塔は雪の結晶をかたどっています。「グリーンランド氷河の原」と名づけられた中庭は、グリーンランドから運んできた氷河の石を敷きつめた空間です。そこへ、霧をつかった作品で名を知られる中谷芙二子の人工霧がわき上がります。
2024年1月の能登半島地震で建物が被害を受け、大がかりな修繕のために休館した時期がありました。
サイクリングに向く時間帯は早朝と夕暮れ時です
湖を走るなら、早朝か夕暮れ時がおすすめです。
夕方は、日本海へ沈む夕日が白山連峰を茜色に染めます。朝は、山並みの向こうから太陽が顔を出します。旅行会社のツアーにも、早朝に名物のサイクリングロードで柴山潟を一周する行程を組んだものがあります。
夕景を撮りたいなら、日の入りの位置は季節で大きくずれるので、出かける前に日の入りの時刻と方角を調べておくと安心です。
柴山潟ではカヤックとサップで湖の上にも出られます
自転車で岸を回り終えたら、今度は湖面へ漕ぎ出すこともできます。
体験の受付は、湖のほとりにある「かっぱ堂」です。運営しているのは「shibayama slow」という地元の店で、カヤックとサップ(SUP)の両方を楽しめます。
2026年には、大江戸温泉物語の3施設(ながやま、加賀まるや、矢田屋松濤園)が、柴山潟でのカヤックやサップの体験を組み込んだ宿泊プランを売り出しました。このプランに参加できるのは5歳以上で、昼のコースには片山津温泉総湯に無料で入れる券がつき、愛犬といっしょに乗れるのはカヤックだけでした。
夏の柴山潟では1日約200発の湖上花火が上がります
片山津温泉の夏の行事が「加賀温泉郷 納涼花火まつり in 片山津温泉」です。夜になると、柴山潟の水面の上に花火が開きます。人出は例年、期間を通して10万人ほどです。
2026年の予定では、会期は8月1日から30日まで、打ち上げは21時ごろから約10分間で、1日あたりおよそ200発でした。浮桟橋と浮御堂橋のあいだの区間に入るには300円の花火協賛金を払う決まりで、3歳未満の子どもと片山津温泉に泊まっている人は払わずに入れ、天気が荒れた日は中止とされていました。同じ年の8月16日には、灯篭流しも組まれていました。
柴山潟の水質は令和12年度にCOD3.0mg/L以下をめざしています
2025年5月の計画改定で加賀市が掲げた目標は、令和12年度までに湖沼A類型(COD3.0mg/L以下)を満たすことです。
加賀市は平成7年に、石川県から生活排水対策重点地域に指定されました。それ以来、家庭から出る排水への対策を軸に、柴山潟の水をきれいにする事業を進めています。
計画の基本方針の一つが「柴山潟の直接浄化」です。湖底にたまった泥をしゅんせつして、有機物や栄養塩が水に溶け出す量を抑えることと、水をきれいにする方法の研究がこの方針に含まれています。
柴山潟の一周は片山津温泉を起点にした約7kmの湖畔ルートです
柴山潟の一周は、片山津温泉の温泉街を起点に、湖畔のサイクリングロードで周囲約7kmを回るルートです。








