松原湖をサイクリングで巡る3コース、小海町の高原を10.2キロから

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松原湖を自転車で走るなら、長野県の佐久地域振興局が紹介している「松原湖高原 お手軽満喫コース」がいちばん手軽です。距離は10.2キロメートルで、初級に位置づけられています。松原湖は長野県南佐久郡小海町にある高原の湖で、標高は1100メートルから1270メートルほど。夏でも平地より涼しく、走りやすい場所です。

小海町には、この10.2キロメートルのコースのほかに、18.2キロメートルの「小海町ぐるっとコース」と、23.4キロメートルの「千曲川右岸コース」も用意されています。体力と使える時間に合わせて、3本の中から選べるわけですね。湖のまわりには遊歩道が整えられ、貸しボート店や民宿も点在しています。自転車で走ったあとに温泉に入り、ソースカツ丼を食べて帰る。そんな半日の過ごし方が、無理なく組める湖です。

この記事では、小海町を発着する3本のコースの違い、湖畔の遊歩道での自転車の扱い方、松原湖駅からのアクセス、立ち寄り先になる松原諏方神社と八峰の湯、季節ごとの楽しみ方、そして南の野辺山や清里へ足を延ばすときの考え方までを、走る人の目線でまとめました。紅葉の見頃は10月中旬から11月上旬です。秋に出かける予定がある人は、ちょうど計画を立てる時期に入っています。

目次

松原湖は八ヶ岳の北東のふもと、標高1200メートル前後にある湖

松原湖は、八ヶ岳の北東のふもとに広がる高原の湖です。標高はおよそ1200メートル前後で、湖畔の場所によって1100メートル台から1270メートルほどの高さがあります。どの地点でも、平地に比べてはっきり涼しい高さだと考えておけば十分です。

猪名湖と長湖と大月湖をまとめて松原湖と呼ぶ

松原湖は、一つの湖の名前として使われるだけでなく、猪名湖、長湖、大月湖という三つの湖の総称として語られることが多い名前です。猪名湖だけを指して松原湖と呼ぶこともあります。そして、これらの湖の周辺に広がる高原が松原湖高原です。

現地で「松原湖」という案内を見たとき、それが三つの湖全体を指すのか、猪名湖を指すのかで、思い描く範囲が少し変わります。自転車で巡るときは、地図で三つの湖の位置関係を一度見ておくと迷いにくくなります。

夏は涼しく、冬は湖面が全面結氷する

標高が高いぶん、夏は平地よりも涼しく、避暑地やキャンプ地としてにぎわいます。冬は湖面が全面結氷するほど冷え込みます。サイクリングに向くのは、雪や凍結のない春から秋。この時期の湖畔は、自転車にとって快適な場所です。

湖からは天狗岳や稲子岳を望めます。走りながら山の姿が見える湖は、それだけで出かける理由になりますね。

小海町の公式サイクリングコースは10.2キロメートルから23.4キロメートルの3本

長野県の佐久地域振興局は「佐久っとサイクルプロジェクト」として、佐久地域のサイクリング情報を発信しています。そのページに掲載されている小海町関連のコースは3本です。

コース名距離内容
松原湖高原 お手軽満喫コース10.2キロメートル(初級)松原湖周辺を走る初心者向けのコース
小海町ぐるっとコース18.2キロメートル高原から八ヶ岳と浅間山の景色を望むコース
千曲川右岸コース23.4キロメートル小海町発着で、小海町、南相木村、北相木村の3町村を巡るコース

選び方はわかりやすく、松原湖を中心に短く楽しむなら10.2キロメートル、景色を求めてもう少し走るなら18.2キロメートル、千曲川沿いの村まで足を延ばすなら23.4キロメートルです。

初めてなら10.2キロメートルのお手軽満喫コースから

初めて松原湖を走る人には、10.2キロメートルの「松原湖高原 お手軽満喫コース」を選んでほしいところです。名前のとおり初級のコースで、松原湖の周辺を回ります。

10キロメートル少々という距離は、サイクリングに慣れていない人や家族連れでも、休憩や景色を眺める時間を挟みながら走りきれる長さです。途中で湖畔に寄り道しても、温泉や食事に回す時間が残ります。走ることだけを目的にせず、湖での一日の一部として自転車を使うなら、このコースがちょうどいい距離感でしょう。

八ヶ岳と浅間山を望むなら18.2キロメートルの小海町ぐるっとコース

「小海町ぐるっとコース」は18.2キロメートル。高原から八ヶ岳と浅間山の景色を望めるコースとして紹介されています。

お手軽満喫コースの倍近い距離になるので、ふだんから自転車に乗っている人向けです。八ヶ岳周辺は全体に起伏があるため、距離の数字だけで判断せず、坂を上る時間も見込んで計画してください。

3町村を巡るなら23.4キロメートルの千曲川右岸コース

「千曲川右岸コース」は小海町を出発して小海町に戻る23.4キロメートルのコースで、小海町、南相木村、北相木村の3町村を巡ります。3本の中ではいちばん長く、松原湖の湖畔から離れて、千曲川沿いの村々の風景を楽しむコースです。

松原湖そのものを見たい人より、小海町の周辺を広く走ってみたい人に向いています。湖の観光と組み合わせるなら、別の日に分けたほうが落ち着いて楽しめます。

詳しいルートはRide with GPSで走る前に確認する

3本とも、詳しいルートは県のページからリンクされているRide with GPSというサイトで確認できます。Ride with GPSは、サイクリングのルートを地図上で見られるサービスです。

曲がる交差点や、どこで坂が始まるかは、文字の説明だけでは伝わりません。出発前にルートを開いて、湖や駅との位置関係をつかんでおくと、当日に地図を見る回数がぐっと減ります。

湖畔の遊歩道は1周1.9キロメートル、自転車は降りて押して歩く

松原湖の湖畔には、1周1.9キロメートルの遊歩道が整備されています。歩いて1周すると約45分が目安ですが、歩く速さや立ち寄る場所によって時間は変わります。

ここで押さえておきたいのは、遊歩道が歩行者のための道だという点です。自転車で走るときは、湖畔の道路や周辺の一般道を使います。歩行者の多い場所では、自転車を降りて押して歩くのが基本です。

押して歩く時間を計画に入れておく

遊歩道を自転車で一気に回る計画は立てないでください。湖畔を味わいたいなら、自転車を押しながら景色を眺める時間を最初から計画に入れておくと、気持ちに余裕が出ます。

松原湖の楽しみ方は、走る区間と歩く区間を分けることにあります。道路でコースを走り、湖畔では降りて歩く。この切り替えができると、歩いている人とも気持ちよく湖を共有できます。

松原湖駅から湖までは徒歩20分、自転車をどう運ぶかで計画が決まる

鉄道で向かう場合、最寄り駅はJR小海線の松原湖駅です。駅から湖までは徒歩20分ほど。小海駅からはバスでも湖へ向かえます。

自転車を使う旅では、自転車をどう運ぶかで計画が大きく変わります。方法は二つあります。

移動手段計画の立て方
車に自転車を載せて向かう湖畔の駐車場周辺を起点に、コースを走って戻ってくる計画が立てやすい
鉄道とバスを組み合わせる松原湖駅や小海駅を起点にして、徒歩やバスでの移動時間も含めて計画する

車で行くなら、湖畔の駐車場周辺から走り出して同じ場所に戻る形がいちばん組みやすいです。帰りの荷物をそのまま車に積めるので、温泉や食事にも寄りやすくなります。

鉄道を使うなら、駅から湖まで徒歩20分という距離を計画に入れてください。小海駅からのバスと組み合わせる方法もあります。帰りの列車やバスの時刻から逆算して、湖での時間を決めると慌てずにすみます。

立ち寄り先は松原諏方神社と八峰の湯の2か所を軸にする

湖畔をサイクリングするときの立ち寄り先は、歴史を感じる松原諏方神社と、汗を流せる八峰の湯の2か所を軸にすると組み立てやすくなります。

松原諏方神社の「野ざらしの鐘」は国の重要文化財

松原諏方神社上社は松原湖の東岸にあり、湖から遊歩道を歩いて約5分の場所です。創立は奈良時代から鎌倉時代の間、710年から1333年の間といわれる古い神社です。

境内の梵鐘は、武田信玄が寄贈したと伝えられています。信濃攻めの戦利品として得た鐘で、屋内に置くと火事が起きるという言い伝えがあったそうです。そのため長く屋外に置かれ、「野ざらしの鐘」と呼ばれるようになりました。いまは屋根の下に置かれています。

この梵鐘は国の重要文化財に指定されています。境内は自由に参拝でき、入場料はかかりません。自転車で湖畔まで来たら、少し歩いて立ち寄るのにちょうどいい距離です。

八峰の湯の入浴料は平日大人600円、土日祝日は大人700円

八ヶ岳のふもと、標高1270メートルの松原湖高原には、日帰り温泉施設「北八ヶ岳松原湖温泉 八峰の湯」があります。露天風呂、サウナ、岩盤浴などの設備がそろっています。

区分平日土日祝日など
大人600円700円
小人(4歳から小学生)200円300円

営業時間は午前10時から夜までで、奇数月にはメンテナンスのための休みがあります。サイクリングの日程を決めるときは、この休みの日に当たっていないかを先に確かめておくと安心です。料金や時間は変わることがあるので、出かける前に公式の案内を確認してください。

走り終えて汗をかいたまま帰るより、ここでひと息ついてから帰る流れにしておくと、一日の締めくくりに慌ただしさがありません。

走ったあとの食事は八峰の湯のソースカツ丼か町内の店へ

食事の候補でまず挙がるのは、八峰の湯に併設された食事処のソースカツ丼です。ソースカツ丼は小海町のソウルフードとして紹介されている料理で、長野県の観光モデルコースでも、松原湖を訪れたあとの立ち寄り先として八峰の湯が挙げられています。温泉と食事を1か所で済ませられるのは、自転車で動く日にはありがたい点です。

ソースカツ丼は、小海駅前など町内の複数の飲食店でも食べられます。鉄道で来た人は、駅前で食べてから帰るという選び方もできますね。

直売所マルシェの「まめカフェ」やパン店も選択肢に

小海町の直売所マルシェの中には「まめカフェ」があります。ハンバーグ定食(1200円・税込)を食べたという利用者の声があり、トマトソースとデミグラスソースの2種類を楽しめたそうです。町内には、ほかにもハンバーガーの店やパン店があります。

サイクリングの途中で軽く食べたいならパン店、しっかり食べたいならソースカツ丼やハンバーグ定食、という使い分けができます。営業時間や定休日は変わることがあるため、出かける前に各店の最新情報を見ておいてください。

SUPやカヤックの持ち込みは1日券1艇2000円、湖の上からも松原湖を楽しめる

松原湖では、SUPやカヤックなどの持ち込み利用を受け付けています。SUPは、ボードの上に立ってパドルでこぐ水上アクティビティのことです。

券の種類料金
1日券1艇2000円
シーズン券1艇6000円

利用には事前予約が必要で、利用時間は8時から17時です。午前中に自転車で湖畔を巡り、午後はSUPやカヤックで湖の上から景色を眺める、という一日も組めます。陸と水の両方から同じ湖を見られるのは、松原湖ならではの楽しみ方です。

道具を持ち込む必要があるので、車で来る人向けの組み合わせです。自転車とSUPの両方を積めるかどうか、出発前に確かめておきましょう。

自転車の季節は春から秋、紅葉の見頃は10月中旬から11月上旬

自転車で松原湖を訪れる季節は、雪や凍結のない春から秋が中心です。季節によって湖の表情が大きく変わるので、同じコースを走っても印象がまったく違います。

6月から8月は新緑と湖面に映る景色が楽しめる

6月から8月は、新緑と湖面に映る景色が魅力の時期です。SUPやボートが湖に浮かぶ夏の風景も見られます。ボートは4月から10月の間に楽しめます。

標高が1100メートルから1270メートルほどと高いため、夏も涼しく、サイクリングには快適な季節です。平地の暑さを避けて走りたい人には、いちばんおすすめできる時期といえます。

秋の紅葉は黄色が中心、大カエデは10月下旬に赤く色づく

松原湖高原の紅葉は黄色を中心に色づき、見頃は10月中旬から11月上旬です。湖畔の大カエデは10月下旬ごろに赤く色づきます。黄色の葉の中に赤いカエデが混じる時期は、湖畔を押して歩く時間をいつもより長めに取っておきたくなります。

10月に入った今の時期は、紅葉を目当てに計画を立てるのにちょうどいいタイミングです。黄色の紅葉を広く見たいなら10月中旬以降、大カエデの赤を見たいなら10月下旬を狙うとよいでしょう。

秋は朝晩の冷え込みが強まります。走っているあいだは体が温まっても、止まったとたんに冷えを感じることがあります。上着を一枚持っていくと安心です。

冬の松原湖はワカサギの穴釣りの湖になる

冬の松原湖は、全面結氷した湖面でのワカサギの穴釣りで知られています。サイクリングの季節ではありませんが、同じ湖畔が冬にはまったく別の顔を見せます。氷上での釣りの時期は、例年12月中旬から3月中旬ごろまでが目安です。

三つの湖の中では、浅くて狭い長湖が最も結氷しやすく、最も早く解禁されます。解禁直後の朝には、多くの釣り人が湖に集まります。

項目目安
道具一式のレンタル1500円から5000円程度
日釣り券500円(中学生以下は無料)

釣ったワカサギは、レンタル店で揚げてもらうこともできます。シーズンを通してヘラブナ釣りも楽しめます。夏に自転車で走った湖に、冬は釣りで戻ってくる。そんなふうに一年を通じて旅の計画を立てる人にとって、知っておきたい湖の顔です。解禁日や営業状況は年によって変わるので、松原湖観光案内所や小海町観光協会に事前に確認してください。

野辺山と清里まで延ばすなら電動アシスト自転車を選ぶ

松原湖から南に足を延ばすと、野辺山と清里のエリアがあります。このエリアまで走るなら、電動アシスト自転車を選んでおくと安心です。

野辺山駅の隣の観光案内所でレンタサイクルを借りられる

野辺山駅の隣にある観光案内所では、レンタサイクルを貸し出しています。周辺には牧場や乳製品工場、ソフトクリームの店などがあり、走りながら立ち寄れます。

野辺山駅は、JRの駅で最も標高が高い駅として知られています。隣の清里駅との間には、JR路線の最高地点、標高1375メートルを示す石碑があります。湖畔よりもさらに高い場所まで上ることになるので、坂への備えは欠かせません。

清里は八ヶ岳の中腹で坂が多い

山梨県側では、清里駅前から平沢地区や獅子岩を経て、野辺山電波天文台やJR最高地点を目指すコースが紹介されています。清里は八ヶ岳の中腹にあたり、坂が多い地域です。そのため、このエリアでは電動アシスト自転車が活躍します。

八ヶ岳の周辺は全体に起伏があります。松原湖の周辺を走るときも、脚力に自信がない場合は電動アシスト自転車の利用を考えておきましょう。坂で無理をして疲れきってしまうより、景色を楽しむ余裕を残して走るほうが満足度は高くなります。

八ヶ岳を一周するサイクリングコースは2023年度に開発が進められた

長野県の2023年度の事業では、八ヶ岳を一周するサイクリングコースの開発が進められました。将来的な大会の開催に向けて、関係団体の意見交換会も行われました。推奨ルートは、Ride with GPSに掲載する計画とされています。

小海町は八ヶ岳の北東側に位置しています。八ヶ岳をぐるりと回る広域のサイクリングの流れの中で、松原湖高原は途中に立ち寄れる湖という位置づけです。長い距離を走るサイクリストにとっても、湖畔でひと息つける場所になります。

初心者や家族連れが走る前に気になる疑問と答え

初めて松原湖を自転車で走る人から出てきそうな疑問に、順に答えていきます。

自転車に慣れていなくても走れるか、という疑問には、10.2キロメートルの「松原湖高原 お手軽満喫コース」なら走れる、と答えます。初級として紹介されているコースで、休憩や景色を見る時間を挟みながら進める距離です。家族連れでも無理なく楽しめます。

湖畔の遊歩道を自転車で走ってよいか、という疑問への答えは、走らずに押して歩く、です。遊歩道は歩行者のための道なので、自転車では湖畔の道路や周辺の一般道を使い、歩行者の多い場所では自転車を降ります。

いつ行くのがよいかと聞かれたら、涼しさを求めるなら6月から8月、紅葉を見たいなら10月中旬から11月上旬と答えます。冬は湖面が結氷し、自転車の季節ではなくなります。

坂がきついかどうかについては、八ヶ岳の周辺は全体に起伏があるため、脚力に自信がなければ電動アシスト自転車を検討してください、というのが答えです。特に野辺山や清里まで足を延ばすなら、電動アシストがあると安心です。

走ったあとにどこで休めるかという疑問には、八峰の湯を挙げます。露天風呂やサウナ、岩盤浴があり、併設の食事処ではソースカツ丼も食べられます。奇数月のメンテナンス休みだけは事前に確かめておいてください。

出かける前の確認先は小海町観光係と松原湖観光案内所

コースの正確な距離や走行ルート、現地の最新状況については、小海町観光係が窓口になっています。松原湖観光案内所や松原湖レンタルボート組合、小海町観光協会といった地元の窓口もあります。

道路の状況や施設の営業は、季節や年によって変わります。出発前に窓口や公式の案内で最新の状況を確かめ、Ride with GPSでルートを開いておく。この二つを済ませておけば、当日は景色を楽しむことに集中できます。

松原湖は10.2キロメートルのコースと温泉で半日を組める湖

松原湖を自転車で楽しむなら、まずは10.2キロメートルの「松原湖高原 お手軽満喫コース」から始めるのが確実です。物足りなければ、18.2キロメートルの小海町ぐるっとコースや、23.4キロメートルの千曲川右岸コースに挑戦できます。

湖畔の遊歩道1.9キロメートルは自転車を降りて歩き、遊歩道で約5分の松原諏方神社では国の重要文化財の野ざらしの鐘を見る。走り終えたら八峰の湯で汗を流し、ソースカツ丼を食べて帰る。標高1200メートル前後の涼しい高原で、こうした一日を無理なく組めるのが松原湖のよさです。

紅葉の見頃は10月中旬から11月上旬。秋の松原湖を走るなら、上着を一枚持って出かけてください。

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