熊本県の西部に位置する天草諸島は、美しい多島海の景観と豊かな自然、そして深い歴史文化が息づく地域です。潮風を感じながら島々を巡るサイクリングは、天草の魅力を余すところなく体験できる最高のアクティビティといえるでしょう。天草五橋を渡る爽快感、海沿いの道を走る心地よさ、山道からの絶景、そして島の暮らしに触れる喜び—天草のサイクリングコースには、サイクリストを魅了する要素がたくさん詰まっています。
初心者から上級者まで、さまざまなレベルに対応したコースが整備されており、電動アシスト付き自転車(e-bike)のレンタルも充実しているため、誰でも気軽に天草のサイクリングを楽しむことができます。また、コース沿いには世界文化遺産に登録された教会群や歴史的建造物、新鮮な海の幸を味わえるスポットも点在し、サイクリングの合間に天草の文化や食を堪能することもできます。
この記事では、天草のサイクリングコースの特徴や魅力、おすすめコース、必要な準備や注意点など、天草でサイクリングを楽しむために知っておきたい情報を詳しくご紹介します。天草の島々を自転車で巡る旅に出かける前に、ぜひ参考にしてみてください。

天草のサイクリングコースはどんな特徴がありますか?
天草のサイクリングコースの最大の特徴は、多様な景観と変化に富んだ地形にあります。約120もの島々で構成される天草は、海岸線や橋、山、港町、漁村など、さまざまな風景を一度に楽しめる稀有な地域です。
圧巻の橋と海の景観
天草のシンボルとも言える「天草五橋」は、サイクリストにとって特別な体験を提供します。本土と天草を結ぶ5つの橋を渡る爽快感は格別で、橋の上からは天草の島々と青い海のパノラマが広がります。特に松島(前島)周辺の景観は絶景で、高舞登山(たかぶとやま)展望所や千巌山(せんがんざん)展望所からは、天草の多島美を一望できます。
橋の下から見上げる景色も魅力的で、「あまくさ潮風サイクリング」のツアーでは、車窓からは見ることができない橋の下に潜り込めるようなコースを体験できます。潮の香りを感じながら、キラキラと光る水面とともに橋を眺める体験は、サイクリングならではの楽しみです。
変化に富んだ地形
天草のサイクリングコースは、平坦な海岸線から急な山道まで、多様な地形を含んでいます。上天草市の大矢野島と維和島を約50kmで一周する「大矢野ヒーリングルート」や、天草上島を一周する約83kmのコースなど、レベルに応じたコース選択が可能です。上級者向けには天草下島一周の約130〜150kmに及ぶロングコースもあり、アップダウンに富んだ道のりはトレーニングにも最適です。
「あまくさ潮風サイクリング」のハーフデイツアーでは、傾斜約35度の坂道を電動自転車で楽に登れる体験も提供されており、普通の自転車では難しい道のりも電動アシストの力を借りて気軽に楽しめます。
豊かな自然と歴史文化
天草のサイクリングコースは単に美しい景観を楽しむだけでなく、地域の暮らしや歴史文化に触れる機会も豊富です。コース沿いには、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である﨑津教会や大江天主堂などが点在しています。
また、季節ごとに咲き誇る花々や海の街ならではの造船所、真珠を作る工場など、島の暮らしを感じられるスポットも多く、サイクリングを通じて天草の自然と文化を総合的に体験できます。
交通状況と利便性
天草のサイクリングコースは、市街地へ向かう幹線道路以外は交通量が比較的少なく、安全に走行できる環境が整っています。ただし、天草五橋上は風が強いことがあり、交通量も多い区間があるため注意が必要です。
レンタサイクルの環境も充実しており、特に上天草市では台湾の自転車メーカー「DIZO」と共同制作した特別仕様車や、自転車レースにも対応する「シマノ105」を搭載した高品質なレンタサイクルが利用可能です。電動自転車(e-bike)もあり、初心者や体力に自信のない方でも気軽にサイクリングを楽しめます。
天草のサイクリングコースは、その多様性と美しさから、初心者からベテランまで、幅広いサイクリストを魅了します。海と山の景観、橋の爽快感、そして島の暮らしと歴史文化—これらすべてを自転車で巡ることができるのが、天草サイクリングの最大の魅力なのです。
初心者におすすめの天草サイクリングコースはどこですか?
天草は初心者から上級者まで楽しめる多様なサイクリングコースがありますが、サイクリング初心者や体力に自信のない方には、無理なく楽しめる以下のコースがおすすめです。
1. あまくさ潮風サイクリング「ハーフデイツアー」
特徴: 電動アシスト付き自転車(e-bike)を使用した、ガイド付きの少人数制プライベートツアーです。初心者でも安心して楽しめるよう設計されており、のんびりゆったりとした雰囲気で天草の自然を満喫できます。
走行距離: 約10km
所要時間: 3時間
難易度: 初心者向け(★☆☆)
おすすめポイント:
- 各回1組限定のプライベートツアーなので、自分のペースで進められる
- 電動アシスト付き自転車により、坂道も苦にならない
- 地元ガイドの案内で、天草の魅力スポットを効率よく巡れる
- 車窓からは見られない橋の下からの眺めや小さな砂浜など、隠れた絶景を体験できる
- ミオ・カミーノ天草を発着点とするため、ツアー後に天草のスイーツやお土産を楽しめる
予約方法: あまくさ潮風サイクリングの公式サイトからGoogleフォームで予約可能です。ツアー開始時間は午前9時〜、午後13時〜の2回設定があります。
2. 維和島(いわじま)一周コース
特徴: 天草五橋の4号橋と5号橋の間にある維和島を一周する、のどかなコースです。交通量が少なく、信号もほとんどないため、初心者でも安心して走行できます。
走行距離: 約15km
所要時間: 2〜3時間(休憩・観光含む)
難易度: 初心者向け(★☆☆)
おすすめポイント:
- 交通量が少なく、信号もほとんどないため、安全に走行できる
- 海沿いの平坦な道が中心で、一部短い坂があるものの比較的走りやすい
- 千束(せんぞく)蔵々窯や維和桜・花公園など、小さな観光スポットが点在
- 島内の静かなビーチでは、プライベート感のある休憩が楽しめる
注意点: 島内には飲食店が少ないため、大矢野島などで食事を済ませるか、飲み物や軽食を持参するとよいでしょう。自動販売機やコンビニも限られているため、事前に準備が必要です。
3. 松島(前島)周辺コース
特徴: 天草五橋の一つ、天門橋で結ばれた松島(前島)周辺を巡るコースです。天草五橋の壮大な景色と松島の自然を楽しめます。
走行距離: 約10〜15km
所要時間: 2〜3時間(休憩・観光含む)
難易度: 初心者〜中級者向け(★★☆)
おすすめポイント:
- 天草五橋の雄大な景観を楽しめる
- 高舞登山(たかぶとやま)展望所や千巌山(せんがんざん)展望所からの絶景(※展望所までは自転車を降りて歩く必要があります)
- ミオ・カミーノ天草を拠点に、観光施設や食事処が近くにある
- リゾラテラス天草など、おしゃれなカフェで休憩も可能
注意点: 橋の上は風が強いことがあり、交通量も比較的多いため、安全に注意して走行しましょう。初心者の場合は、特にガイド付きツアーの利用をおすすめします。
4. 電動自転車で楽しむ本渡地区散策コース
特徴: 天草の中心地である本渡地区を電動自転車でゆっくり巡るコースです。天草の歴史と文化を感じられるスポットが多く、観光と合わせて楽しめます。
走行距離: 約10km
所要時間: 3時間程度(観光含む)
難易度: 初心者向け(★☆☆)
おすすめポイント:
- 平坦な道が多く、電動自転車を利用すれば快適に走行できる
- 祗園橋(国の重要文化財)、キリシタン館、明徳寺など歴史スポットが集中
- 丸尾焼、kona kona cafeなど、ショッピングや休憩スポットも充実
- 本渡海水浴場では、海を眺めながらリラックスできる
レンタサイクル: 本渡バスセンター近くの宝島レンタカーなどで電動自転車をレンタル可能です(1日1,500円、半日800円)。
初心者におすすめのこれらのコースは、いずれも比較的短距離で、アップダウンが少なく走りやすいのが特徴です。特に「あまくさ潮風サイクリング」のガイド付きツアーは、電動自転車を利用して地元ガイドと一緒に巡るため、サイクリング初体験の方でも安心して天草の魅力を体験できるでしょう。無理のない距離と時間で、美しい景観と地域の文化を五感で感じられる天草のサイクリングは、初心者にこそおすすめのアクティビティです。
天草サイクリングで必要な装備や準備は何ですか?
天草でのサイクリングを快適かつ安全に楽しむためには、適切な装備と事前準備が欠かせません。初心者から経験者まで、天草サイクリングに臨む際に必要な装備と準備についてご紹介します。
基本的な服装と持ち物
動きやすい服装 天草の気候は温暖で、特に夏は暑くなりますが、風の強い橋の上や山間部では肌寒く感じることもあります。以下のポイントを参考に服装を選びましょう。
- 春夏秋の基本服装: 吸汗速乾性のある半袖Tシャツやサイクルジャージ、速乾性のあるショートパンツやサイクルパンツが適しています。
- 冬の服装: 防寒着、手袋、イヤーマフなどの防寒具が必要です。ウィンドブレーカーやフリースジャケットなど暖かい服装を準備しましょう。
- 雨具: 天候が変わりやすい天草では、コンパクトなレインウェアを持参すると安心です。
必携アイテム
- ヘルメット: 安全のため必ず着用しましょう。ツアーの場合は貸し出しもあります。
- サングラス: 日差しや虫、風から目を保護します。
- 日焼け止め: 特に海沿いのコースでは紫外線が強いため必須です。
- ショルダーバッグまたはリュック: 荷物を入れるための小さなバッグが便利です。サイクリング専用のバッグがあるとより快適です。
- 飲料水: 水分補給用のドリンクは十分に持参しましょう。天草内には自動販売機やコンビニが少ない区間もあります。
- 軽食・補給食: エネルギー補給用のバナナやエネルギーバー、チョコレートなどを持参すると良いでしょう。
- タオル: 汗を拭くための小さなタオルが便利です。
自転車に関する準備
レンタサイクルを利用する場合 天草にはいくつかのレンタサイクル店があり、シティバイクから電動自転車、高性能なロードバイクまで様々な自転車をレンタルできます。
- あまくさ潮風サイクリング: ガイド付きツアーで電動アシスト付き自転車(e-bike)を提供。
- 上天草市のレンタサイクル: 特別仕様の高性能自転車や電動自転車を提供。料金は通常自転車が1日1,200円、電動自転車が1日1,800円程度。
- 宝島レンタカー(本渡): 電動自転車のレンタルが可能(1日1,500円、半日800円)。
自分の自転車を持ち込む場合 長距離や上級者向けコースを走る場合は、自分の自転車を持ち込むことも可能です。その場合は、以下の準備が必要です。
- 自転車の整備: 出発前にブレーキ、変速機、タイヤの空気圧などをチェックしておきましょう。
- 輪行バッグ: JR三角線で「あまくさみすみ線」を利用する場合、輪行バッグが必要です。
- 修理用具: パンク修理キット、予備チューブ、携帯ポンプ、六角レンチセット、チェーンツールなど、基本的な修理道具を持参しましょう。
安全対策と保険
交通ルールの遵守
- 日本の交通ルールでは自転車は車道の左側を走ることが原則です。
- 歩行者優先を心がけ、歩道では徐行しましょう。
- 信号や一時停止の標識は必ず守りましょう。
保険への加入
- ツアーに参加する場合は、通常保険料がツアー料金に含まれています(あまくさ潮風サイクリングの場合、傷害保険と賠償責任保険が含まれています)。
- 個人で走行する場合は、事前に自転車保険や旅行保険に加入しておくことをおすすめします。
事前の情報収集
ルート計画
- 事前に走行するコースの距離や高低差、難易度を確認しておきましょう。
- 特に長距離コースの場合は、補給ポイントやトイレの場所もチェックしておくと安心です。
- GPSアプリやサイクルコンピューターがあると、ルート案内に便利です。
気象情報の確認
- 出発前に天気予報をチェックし、天候に合わせた装備を準備しましょう。
- 特に梅雨時期や台風シーズンは、急な天候変化に注意が必要です。
アクセス情報
- 天草へのアクセス方法(自家用車、バス、電車+フェリーなど)を事前に確認しておきましょう。
- 車で訪れる場合は、駐車場の場所や料金も調べておくと便利です。
天草でのサイクリングは、適切な準備と装備があれば、初心者から上級者まで安全に楽しめます。特に長距離コースや山間部を走行する場合は、十分な水分と補給食、修理用具を持参し、体調管理にも気を配りましょう。また、天草の豊かな自然や文化を五感で楽しむためにも、余裕を持ったスケジュールで臨むことをおすすめします。
天草サイクリングで立ち寄るべき絶景スポットはどこですか?
天草のサイクリングコースには、息を呑むような絶景スポットが数多く点在しています。海、山、橋、島々の風景に加え、歴史的な建造物や文化スポットまで、サイクリングの合間に立ち寄るべき天草の絶景スポットをご紹介します。
展望スポットと自然景観
1. 高舞登山(たかぶとやま)展望所
場所: 上天草市松島町 特徴: 天草上島の中央部に位置する小高い山からの展望は、天草五橋と点在する島々の多島海景観を一望できる絶景スポットです。自転車を降りて、展望所まで少し歩く必要がありますが、その価値は十分あります。
見どころ:
- 天草五橋と松島の島々のパノラマビュー
- 夕暮れ時には夕日に染まる島々が幻想的
- 晴れた日には九州本土まで見渡せる視界の広さ
2. 千巌山(せんがんざん)展望所
場所: 上天草市松島町 特徴: 「あまくさ潮風サイクリング」のツアーでも「メインディッシュ」と紹介される絶景スポットです。天草上島の西側に位置し、特に夕日の眺めが美しいことで知られています。
見どころ:
- 松島の風光明媚な島々を一望できる展望台
- 走ってきたコースを山頂から確認できる
- サンセットスポットとしても人気
3. 妙見浦
場所: 天草市天草町 特徴: 国の名勝天然記念物に指定されている景勝地で、象が水を飲んでいるように見える「象岩」をはじめ、奇岩が連なる独特の海岸線が特徴です。
見どころ:
- 変化に富んだ奇岩群と青い海のコントラスト
- 潮の満ち引きで表情を変える海岸線
- 写真撮影スポットとしても人気
4. 通詞島周辺
場所: 天草市五和町 特徴: 周囲約4kmの小さな島で、野生のイルカが見られることで知られています。島を一周するサイクリングは約15分程度で、心地よい海風を感じながら周囲の海を眺められます。
見どころ:
- 島周辺の海域には約200頭のミナミハンドウイルカが生息
- イルカウォッチングの拠点としても人気
- 青い海と緑の島のコントラストが美しい景観
歴史・文化スポット
5. 﨑津教会(さきつ天主堂)
場所: 天草市河浦町﨑津 特徴: 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産で、漁村に佇むゴシック様式の教会は、天草の歴史と信仰を感じさせる特別な場所です。
見どころ:
- 漁村の風景に溶け込むレンガ造りの教会建築
- 周辺には潜伏キリシタンの歴史を伝える史跡も点在
- 周辺の漁村風景と一体となった文化的景観
6. 大江天主堂
場所: 天草市天草町大江 特徴: 白亜の美しいロマネスク様式の教会で、丘の上から海を望む立地も印象的です。﨑津教会とは異なる雰囲気を持ち、両方を訪れて比較するのも興味深いでしょう。
見どころ:
- シンプルながらも荘厳な白い外観
- 丘の上から望む天草の海景
- 内部に残る祭壇や装飾
7. 祗園橋(ぎおんばし)
場所: 天草市本渡町 特徴: 石造桁橋では国内最大級の規模を誇り、国の重要文化財に指定されています。約30cmの角柱が5列9行45脚によって支えられた独特の構造が特徴です。
見どころ:
- 柱状の石を組み合わせた素朴な造り
- 水切りのための三角形の流線型の橋脚
- 島原・天草一揆の歴史を伝える歌碑
8. 富岡城跡
場所: 天草市 特徴: かつての天草・島原の乱の舞台となった城跡で、現在は公園として整備されています。展望台からは周囲の景色を一望でき、サイクリングの休憩ポイントとしても最適です。
見どころ:
- 天草の歴史を感じられる史跡
- 公園からの眺望
- 春には桜の名所としても人気
体験・グルメスポット
9. ミオ・カミーノ天草
場所: 上天草市松島町合津 特徴: 「あまくさ潮風サイクリング」の発着点でもある観光拠点施設で、スイーツやBBQ、お土産品など天草の魅力が集結しています。交通インフラ(定期船・バスの発着・レンタカー)、アクティビティ受付が集中する便利な施設です。
見どころ:
- 天草のお土産や特産品が揃うショップ
- カフェやレストランでの休憩
- シーカヤックやボルダリング施設も併設
10. リゾラテラス天草
場所: 上天草市松島町合津 特徴: おしゃれなカフェやショップが集まる複合施設で、海を眺めながらのんびりと休憩できるスポットです。サイクリングの合間の休憩や、終了後のリフレッシュに最適です。
見どころ:
- オーシャンビューのテラス席
- 地元食材を活かしたメニュー
- おしゃれな雑貨ショップ
天草でのサイクリングでは、これらの絶景スポットを巡りながら、島の自然と歴史、文化を五感で感じることができます。時間に余裕を持ったスケジュールで、各スポットでしっかりと景色を堪能し、写真撮影や休憩を楽しみましょう。特に展望所からの眺めは、サイクリングで走った道のりを俯瞰で確認できる喜びもあり、達成感を味わえます。季節や時間帯によって表情を変える天草の景色は、何度訪れても新しい発見があるでしょう。
天草サイクリングを楽しむ最適な時期や注意点は何ですか?
天草でのサイクリングをより安全に、より充実したものにするためには、適切な時期の選択と事前の注意点の把握が重要です。ここでは、天草サイクリングを最大限に楽しむための最適な時期や注意すべきポイントについてご紹介します。
最適な季節と気候
春(3月〜5月)
おすすめ度:★★★★☆
春の天草は穏やかな気候と美しい花々が特徴で、サイクリングに最適な季節の一つです。
メリット:
- 気温が15〜25℃前後と過ごしやすい
- 桜や菜の花など、季節の花々が楽しめる
- 一面の小麦畑が広がるスポットもあり、春ならではの風景が見られる
- ゴールデンウィーク前は比較的観光客も少なく、のんびりと走れる
注意点:
- 3月初旬はまだ肌寒いことがあるため、防寒対策が必要
- ゴールデンウィークは観光客が増えるため、混雑する場合も
- 春の天草は風が強い日もあるので、特に橋の上では注意が必要
秋(9月下旬〜11月)
おすすめ度:★★★★★
秋の天草は、夏の暑さが和らぎ、澄んだ青空と穏やかな気候でサイクリングに最も適した季節です。
メリット:
- 気温が20℃前後と快適で、湿度も低め
- 紅葉スポットでは美しい秋の景色が楽しめる
- 夏のハイシーズンを過ぎ、観光地も比較的空いている
- 台風シーズンが終わりに近づき、天候が安定してくる
注意点:
- 9月は台風が来る可能性があるため、事前の天気確認が必須
- 11月後半になると朝晩は冷え込むことがあるので、防寒対策も必要
冬(12月〜2月)
おすすめ度:★★★☆☆
冬の天草は比較的温暖ですが、風が強く肌寒い日もあります。ただし、晴れた日は空気が澄んで視界が良好です。
メリット:
- 観光客が少なく、静かな環境で走れる
- 晴れた日の空気の透明度は高く、絶景ポイントからの眺めが格別
- 冬の海の独特の表情を楽しめる
注意点:
- 平均気温は8〜12℃程度だが、風が強いと体感温度はさらに下がる
- 防寒対策(手袋、イヤーマフ、ウィンドブレーカー)が必須
- 日が短いため、ツーリングの計画は日没を考慮する必要がある
夏(6月〜9月上旬)
おすすめ度:★★☆☆☆
夏の天草は美しい海の景色が魅力ですが、高温多湿でサイクリングには厳しい条件となります。
メリット:
- 海水浴場や砂浜スポットを存分に楽しめる
- 早朝や夕方は比較的涼しく、短時間のライドなら快適
- 夏祭りなどのイベントも多く開催される
注意点:
- 真夏の日中は気温が30℃を超え、熱中症のリスクがある
- 紫外線が強いため、日焼け対策が必須
- 6月〜7月初旬は梅雨時期で雨が多い
- お盆時期は観光客で混雑する
重要な注意点とアドバイス
天候と自然環境に関する注意点
1. 風への対応 天草は海に囲まれているため、特に橋の上や海岸沿いのコースでは強風に注意が必要です。
- 天草五橋などの橋の上は特に風の影響を受けやすい
- 向かい風の場合はペースを抑え、無理をしない
- 横風の強い日は特に注意し、両手でハンドルをしっかり握る
2. 天候変化への備え 天草の天候は変わりやすく、特に梅雨時期や台風シーズンは注意が必要です。
- 出発前に必ず天気予報をチェックする
- 天候急変に備え、コンパクトなレインウェアを携帯する
- 雷雨の予報があるときは、無理にサイクリングを行わない
- ツアー参加の場合は、中止判断を主催者に委ねる
3. 熱中症対策 夏場や気温の高い日は、熱中症に注意が必要です。
- こまめな水分補給を心がける(少なくとも20〜30分ごと)
- 日陰での休憩を定期的に取る
- 帽子や日焼け止めで紫外線対策をする
- 体調不良を感じたら無理をせず、すぐに休憩する
交通安全と走行上の注意点
1. 交通ルールの遵守 天草でのサイクリングでも、基本的な交通ルールを守ることが重要です。
- 原則として車道の左側を走行
- 信号や一時停止の標識は必ず守る
- 急な下り坂ではスピードの出しすぎに注意
- 並走は避け、縦列で走行する
2. 交通量が多いエリアでの注意 天草五橋や主要道路など、交通量の多いエリアでは特に注意が必要です。
- 天草五橋上は観光バスやトラックなど大型車両も通行するので注意
- 市街地(本渡地区など)では歩行者や車の動きに注意
- ヘッドフォンやイヤホンの使用は避け、周囲の音を確認できるようにする
3. 道路状況の確認 特に山間部や海岸沿いの道では、路面状況に注意が必要です。
- 砂利道や未舗装の道では慎重に走行
- 雨の後は路面が滑りやすくなっているため注意
- カーブの多い山道では対向車に注意し、スピードを控える
装備と準備に関する注意点
1. 補給ポイントの確認 天草は島しょ部のため、特に長距離コースでは補給ポイントが限られます。
- コンビニや自販機の位置を事前に確認しておく
- 水分や補給食は多めに持参する
- 特に維和島や下島の一部エリアは補給ポイントが少ないので注意
2. 修理用具の携行 天草内には自転車専門店が少ないため、基本的な修理道具は携行しましょう。
- パンク修理キットと予備チューブは必須
- 携帯ポンプ、マルチツールなどの基本工具
- モバイルバッテリーや充電器(特に長距離コースの場合)
3. 体調管理 無理のないペース配分と体調管理が重要です。
- 体力に応じたコース選びをする
- こまめな休憩と水分補給を心がける
- 疲労を感じたら無理をせず、公共交通機関を利用するなど代替手段を検討する
地域特有の情報とアドバイス
1. 地元の人々への配慮 天草は地元の人々の生活の場でもあります。マナーを守り、互いに気持ちよく過ごせるようにしましょう。
- 漁港や作業場付近では邪魔にならないように注意
- 私有地への無断立ち入りは避ける
- 写真撮影の際も、地元の方々のプライバシーに配慮する
2. 地域のイベント情報 天草では様々なサイクリングイベントも開催されています。
- 「ナナメ上↗上天草。」関連のサイクリングイベント(上天草市公式サイトで情報確認)
- 「天草ツーデーマーチ」など、ウォーキングイベントに合わせたサイクリングも楽しめる
3. 緊急時の対応 万が一の事態に備え、緊急連絡先や医療機関の情報も把握しておきましょう。
- ツアー参加の場合は、ガイドの指示に従う
- 個人で走行する場合は、地元の警察署や病院の連絡先をメモしておく
- 携帯電話の電波が届かないエリアもあるため、事前に行程を家族や知人に伝えておく
天草でのサイクリングは、適切な時期選びと事前の準備、注意点の把握により、より安全で充実した体験となります。特に初めて訪れる方は、まずはガイド付きツアーや短距離コースから始め、天草の自然や文化に触れながら、徐々にチャレンジングなコースにも挑戦してみてはいかがでしょうか。四季折々の表情を見せる天草の島々を、自転車で巡る旅は、きっと忘れられない思い出となるでしょう。
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