香川・琴平「新こんぴら五街道」のサイクリングコース全4選

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香川県琴平町を拠点に、琴平バスが「新・こんぴら五街道」というサイクリングルートを整備しています。江戸時代に多くの参詣客が歩いた金毘羅街道の道筋を自転車でたどれるように再構築したもので、日帰りの短距離コースから隣県をまたぐ1泊2日のロングライドまで、複数のコースが用意されています。コース監修を務めるのは、香川県出身でアトランタオリンピック自転車競技の日本代表だった真鍋和幸氏です。

金刀比羅宮、通称こんぴらさんは、古くから海上交通の守り神として信仰を集めてきた神社で、江戸時代には伊勢参りと並ぶ庶民の一大レジャーとして金毘羅参りが広まりました。参詣客が歩いた道の中でも特に利用が多かった高松街道、丸亀街道、多度津街道、阿波街道、伊予・土佐街道の五つは、金毘羅五街道と呼ばれています。この記事では、こうした歴史的背景から、新・こんぴら五街道サイクリングルートの各コースの詳細、アクセス方法、レンタサイクル情報、沿道で楽しめる観光スポットやグルメまでをまとめます。

目次

金刀比羅宮の御祭神は大物主神で崇徳天皇も合祀されている

金刀比羅宮の主たる御祭神は、大物主神(おおものぬしのかみ)です。航海の安全や豊漁祈願、五穀豊穣、商売繁盛、病気平癒などに御利益があるとされ、古くから全国の人々の信仰を集めてきました。平安時代に讃岐国へ流され、この地で崩御した崇徳天皇も、1165年に合祀されています。

「こんぴら」という呼び名は、ヒンドゥー教でガンジス川を神格化した「クンビーラ」に由来するとされ、海上交通や漁業の守り神としての性格を色濃く残しています。金刀比羅宮が鎮座する象頭山(ぞうずさん)は、古くから瀬戸内海航路の目印とされてきた山で、瀬戸内海を行き交う船乗りたちから篤く信仰されてきました。明治政府による神仏分離より前は「金毘羅大権現」と称する神仏習合の寺院としての性格も併せ持っており、この歴史的な経緯も金毘羅信仰が全国に広まった一因とされています。

内陸に位置する琴平でありながら、瀬戸内海の港町である丸亀や多度津からの参詣ルートが特に発展した背景には、海の安全を祈るために海を渡ってきた人々が、そのまま陸路を歩いて金刀比羅宮を目指したという歴史の流れがあります。この流れは、自転車でたどる五街道の道筋にもそのまま反映されています。

金毘羅街道は江戸時代に整備された五つの参詣道

金毘羅街道とは、日本各地と金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)を結ぶ参詣道として整備された街道の総称です。江戸時代、海上交通の守護神である金毘羅大権現への信仰が武士階級だけでなく一般民衆にも広く浸透すると、金毘羅参りは伊勢参りと並ぶ庶民の一大レジャー、そして信仰の対象として盛んになりました。

当時は交通手段が限られていたため、参詣客は徒歩や船で各地から金刀比羅宮を目指しました。その結果、四国内外の各方面から金刀比羅宮へと通じる複数のルートが、自然発生的に、あるいは藩の整備によって形成されていきました。中でも特に多くの参詣客に利用され、街道としての体裁が整えられていたのが次の五つのルートです。

丸亀街道は太助灯籠から高灯籠まで続く約12キロの道

瀬戸内海を船で渡ってきた参詣客が丸亀港に上陸し、そこから琴平まで歩いた道が丸亀街道です。五街道の中でも最も栄えたルートとされ、出発点である丸亀の「太助灯籠」から琴平の「高灯籠」までの約12キロ(150町)にわたって、多くの灯籠や丁石(一町ごとに距離を示す石標)、道標が建てられました。これらは道に迷う参詣客を導くための当時のインフラであり、現在も一部が現存し、歴史の証人として道端に佇んでいます。

多度津街道は港町多度津から琴平へ向かう道

丸亀街道と同様に、瀬戸内海を渡ってきた参詣客が多度津港に上陸し、そこから琴平へと向かったのが多度津街道です。多度津は古くから港町として栄え、金毘羅参りの玄関口の一つとして多くの旅人で賑わいました。

高松街道は歴代高松藩主も通った格式ある道

高松藩の城下町から金刀比羅宮へと通じるのが高松街道で、歴代の高松藩主が参詣の際に利用したことでも知られています。藩主や武士階級が通ったこともあり、格式のある街道として整備されていました。

阿波街道は猪ノ鼻峠を越える起伏に富んだ道

徳島県(阿波国)方面から、猪ノ鼻峠などの山越えを経て琴平へと至るのが阿波街道です。四国山地の峠道を越える必要があるため、他のルートに比べて起伏に富んだ道のりとなっています。

伊予・土佐街道は愛媛と高知から四国を横断する道

愛媛県(伊予国)や高知県(土佐国)方面から、四国を横断するようにして琴平を目指したのが伊予・土佐街道です。距離が長く、複数日をかけて歩く参詣客も多かったとされています。

これらの街道は、単なる移動路ではなく、沿道の宿場町や商店の発展、灯籠や丁石といった信仰にまつわる建造物の設置など、地域の文化や経済にも大きな影響を与えました。丸亀市などの自治体は、金毘羅街道の歴史的価値を公式サイトなどで紹介しており、地域の重要な文化遺産として位置づけています。

新・こんぴら五街道は琴平バスが運営し真鍋和幸氏が監修する

歴史的な金毘羅五街道の道筋やその精神を受け継ぎながら、現代のサイクリストのために新たに整備・再構築されたのが「新・こんぴら五街道」サイクリングルートです。運営主体は香川県琴平町を拠点とする琴平バスで、公式サイト(kotobus.com/cycling)で各コースのルートマップや情報が公開されています。

このプロジェクトの特徴は、単に古い街道をなぞるだけでなく、現代の交通事情や安全性を考慮しながら、複数の難易度・距離のコースを用意している点にあります。コース監修には、香川県出身でアトランタオリンピック自転車競技日本代表だった真鍋和幸氏が携わっており、走りやすさと安全性、観光資源としての魅力を両立させたルート設計がなされています。

ルートは大きく分けて、愛媛県と香川県を結ぶ伊予土佐街道ルート、徳島県から山越えで琴平へ至る阿波街道ルート、高松藩主も通った高松街道ルート、そして瀬戸内海からの参詣客を迎えた丸亀・多度津街道の流れを汲むコースで構成されています。交通量の少ない旧道や国道を組み合わせることで、歴史散策とサイクリングの両方を楽しめるように工夫されています。

コース別の距離と獲得標高を確認する

新・こんぴら五街道サイクリングルートには、現時点で4つのコースが公開されています。距離や獲得標高、想定される走行スタイルが異なるため、体力やレベルに合わせて選ぶことができます。

伊予土佐街道ルート(今治~高松)は全長150.5キロの1泊2日コース

コースの全長は約150.5キロ、獲得標高は約1016メートルです。愛媛県今治市を起点とし、交通量の比較的少ない国道32号線を活用しながら香川県高松までを結ぶ、1泊2日を要する本格的なロングライドコースです。しまなみ海道とのアクセスも良く、瀬戸内海の島々を渡るサイクリングと合わせて楽しむサイクリストも多いとされています。琴平の宿泊施設「コトリ コワーキング&ホステル琴平」に宿泊しながらこのコースを走破する体験記事も公開されており、旅の宿泊拠点として紹介されています。

このコースをモデルとした体験記によれば、1日目は今治側から走り始めておよそ118キロ、獲得標高534メートルを走行し、琴平周辺で宿泊します。2日目は残る約32キロ、獲得標高78メートルの区間を走って高松を目指すという行程です。初日にしっかり体力を使い切っても、2日目は比較的平坦で短い距離を余裕を持って観光しながらゴールできるように設計されている点が特徴です。宿泊拠点となる「コトリ コワーキング&ホステル琴平」は、金刀比羅宮の表参道に位置するコワーキングスペース併設のホステルで、リモートワーカーやサイクリストなど、長期滞在型の旅人にも利用しやすい施設として運営されています。長距離かつ獲得標高もあるため、ある程度のロードバイク経験がある中〜上級者向けのコースといえます。

阿波街道ルート(徳島~猪ノ鼻峠~琴平~多度津)は全長42.7キロ

コースの全長は約42.7キロ、獲得標高は約734メートルです。徳島県側から猪ノ鼻峠を越えて琴平に至り、さらに港町として栄えた多度津を目指すルートとなっています。峠越えがあるため獲得標高はやや高めですが、E-BIKE(電動アシスト自転車)をレンタルすれば坂道も無理なく走ることができるとされており、体力に自信がない人でも挑戦しやすいコース設計です。歴史ある阿波街道の山越えルートを、現代の技術で快適に楽しめるようになっている点が魅力です。

高松街道ルート中心の周遊コースは全長155.1キロ

コースの全長は約155.1キロ、獲得標高は約1143メートルです。旧道区間が多く、車の通りをあまり気にせずゆっくりと走りたい人に向いています。歴代高松藩主が参詣に利用した歴史ある高松街道の雰囲気を感じながら、寄り道をしつつのんびりとライドを楽しめるロングコースとして紹介されています。距離・獲得標高ともに大きいため、こちらも体力・経験のあるサイクリスト向けのコースです。

丸亀・多度津めぐり日帰りコースは全長33.1キロ

コースの全長は約33.1キロ、獲得標高は約206メートルです。琴平を起点に、丸亀、多度津といった港町をめぐる1日完結型のコースです。旧道がメインで道幅が狭い区間もあるため、小径車やE-BIKE、あるいはロードバイク初心者にもおすすめのコースとして紹介されています。獲得標高も比較的低く抑えられており、4つのコースの中では最も気軽に挑戦しやすい入門編といえるでしょう。歴史ある丸亀街道・多度津街道の雰囲気を短時間で味わいたい人に向いています。

初めて香川でサイクリングをする人は、まず獲得標高の低い丸亀・多度津めぐりコースのような日帰りコースから始め、慣れてきたら阿波街道ルートや高松街道ルートといった本格コースに挑戦するという楽しみ方もできそうです。

琴平へのアクセスは特急しまんとで高松駅から約35分

新・こんぴら五街道サイクリングルートの起点となる琴平エリアへのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、次のようなルートが一般的です。

まず、香川県の玄関口である高松駅からJR琴平駅へは、JR土讃線を利用します。特急「しまんと」を利用すれば約35分ほどでアクセスでき、比較的短時間で琴平エリアに到着できます。

空路を利用する場合は、高松空港から琴平方面へ向かう路線バスが運行されており、これに乗車することでJR琴平駅まで移動することが可能です。飛行機で香川入りしてそのままサイクリングを楽しみたい旅行者にとっても、アクセスしやすいルートが確保されています。

伊予土佐街道ルートのように愛媛県今治市を起点とするコースの場合は、しまなみ海道方面からのアクセスとなるため、JR今治駅や今治周辺のフェリーターミナルなどが起点として利用されることが多いようです。しまなみ海道サイクリングと組み合わせて、四国のサイクリングを縦断的に楽しむ旅程を組むサイクリストも見られます。

レンタサイクルは琴平町観光協会で1時間100円から利用できる

自身の自転車を持ち込まずに手軽にサイクリングを楽しみたい場合は、琴平エリアで展開されているレンタサイクルサービスを利用することができます。

琴平町観光協会が運営するレンタサイクルは、JR琴平駅から徒歩約10分の場所(香川県仲多度郡琴平町榎井869番地5)にあり、営業時間は10時から17時まで、年中無休で利用可能です。料金は普通自転車が1時間100円(1日最大500円)、電動アシスト自転車(E-BIKE)が1時間200円(1日最大1000円、デポジット1000円)と、手頃な価格設定になっています。日帰りで丸亀・多度津めぐりコースのような比較的短いコースを気軽に楽しみたい旅行者に向いているサービスといえるでしょう。

琴平町観光案内所でもレンタサイクルの貸し出しを行っており、こちらはJR琴平駅から徒歩約1分とさらにアクセスしやすい立地にあります。

一方、琴平の宿泊施設「コトリ コワーキング&ホステル琴平」では、宿泊者向けに割安な料金でクロスバイクやE-BIKEのレンタルを提供しています。宿泊者向けにはクロスバイクが1日1500円、E-BIKEが1日3000円(要事前予約)、一般利用者向けにはクロスバイクが1日3000円、E-BIKEが1日6000円という料金体系です。1泊2日を要する伊予土佐街道ルートのような本格的なロングライドに挑戦する場合は、こうした宿泊施設と一体になったレンタサイクルサービスを利用するのも一つの方法です。前日にしっかりと自転車の状態を確認し、翌朝から余裕を持ってスタートできるというメリットもあります。

金刀比羅宮の参道は本宮まで785段、奥社まで1368段

新・こんぴら五街道サイクリングルートの魅力の一つは、単なる運動としてのサイクリングにとどまらず、香川の歴史・文化・自然を沿道で味わえる点にあります。

すべてのコースの中心となるのが金刀比羅宮です。「こんぴらさん」の愛称で親しまれるこの神社は、本宮までの参道が785段、さらに奥社までは1368段という長い石段で知られています。サイクリングの前後に参拝の時間を組み込み、自分の足で石段を登ってみることで、江戸時代の参詣客がどれほどの思いでこの地を目指したのかを体感することができるでしょう。参道沿いには土産物店や飲食店が立ち並び、こんぴら参りの門前町らしい賑わいを見せています。

丸亀街道沿いには太助灯籠と丁石が今も残っている

丸亀街道・多度津街道沿いには、丸亀城をはじめとする丸亀の町並みや、港町としての歴史を今に伝える多度津の風景が広がります。丸亀街道沿いに現存する灯籠や丁石、道標といった史跡は、江戸時代の参詣客が実際に目にしたであろう景観の一部であり、サイクリングをしながら歴史散策を楽しむことができます。

丸亀街道の出発点である「太助灯籠」は、天保年間(1832~1838年)に江戸在住の人々が資金を出し合って建立したもので、最高額を寄進した江戸の商人「塩原太助」の名にちなんで名付けられました。現在も丸亀港の近くに残り、夜になると灯りが灯される現役の灯籠として大切に保存されています。ここから金刀比羅宮の高灯籠までの約12キロ、いわゆる「三里」の道のりには、かつて150丁(一丁は約109メートル)にわたって丁石が設置されており、参詣客はこれを目印にしながら歩いたとされています。丸亀街道のほぼ中間地点にある「与北の茶堂跡」には、街道中最大とされる石灯籠が残っており、サイクリングの途中で立ち寄れば当時の旅人が一息ついた場所に思いを馳せることができるでしょう。自転車であれば、こうした点在する史跡を効率よく巡ることができ、徒歩では味わえないスピード感で街道全体の歴史の連なりを体感できるのも自転車ならではの楽しみ方です。

丸亀街道・多度津街道の起点にほど近い丸亀市街には、「石垣の名城」として知られる丸亀城があります。標高約66メートルの亀山に築かれた平山城で、日本100名城にも選ばれており、麓から天守にかけて四段に重なる「扇の勾配」と呼ばれる石垣は、高さ60メートルにも及ぶ日本屈指の名城として名高い存在です。丸亀城周辺は平坦な地形のため、丸亀駅前のレンタサイクル(普通自転車200円、電動アシスト自転車500円程度)を使ってお堀の周りを気軽に一周することもでき、丸亀街道ルートを走るサイクリストにとって立ち寄りやすい観光スポットとなっています。春には約650本のソメイヨシノが咲き誇り、秋にはライトアップも行われるなど、四季を通じて楽しめるのも魅力です。

阿波街道の猪ノ鼻峠と伊予土佐街道の今治周辺は対照的な景観

阿波街道ルートで越える猪ノ鼻峠周辺は、四国山地特有の緑豊かな山岳風景が広がるエリアです。峠道ならではの起伏はありますが、その分眺望の良いスポットも多く、E-BIKEを活用すれば体力に自信がない人でも景色を楽しみながら走ることができます。

伊予土佐街道ルートの起点となる今治周辺は、瀬戸内海に浮かぶ島々を結ぶしまなみ海道の玄関口でもあります。国道32号線を使った比較的走りやすい区間が中心となっているため、瀬戸内の海岸線や田園風景を眺めながらのロングライドを楽しむことができます。同じ五街道でも、山を越える阿波街道と、海沿いを走る伊予土佐街道とでは景色の性格がかなり異なります。

金丸座は天保6年建立の日本最古の芝居小屋

琴平の門前町には、天保6年(1835年)に建てられた現存する日本最古の芝居小屋「旧金毘羅大芝居(金丸座)」があります。昭和45年に国の重要文化財に指定されており、舞台装置はすべて人力で動かす仕組みが今なお残されているなど、江戸時代の芝居文化をそのまま体感できる貴重な建造物です。

昭和60年からは「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が毎年春に開催されており、全国から歌舞伎ファンが訪れる四国路の風物詩としても知られています。2026年4月10日から26日にかけては、第三十九回四国こんぴら歌舞伎大芝居が開催されました。開催時期に金丸座周辺を訪れれば、サイクリングとあわせて本格的な歌舞伎観劇を楽しむこともできます。金刀比羅宮参拝やサイクリングの合間に立ち寄れば、江戸時代から続く金毘羅信仰と娯楽文化の両方を体感することができるでしょう。四国の政治・経済の中心として栄えた歴史を持つ町並みなど、琴平周辺には江戸時代から続く文化的な見どころが数多く点在しています。サイクリングの合間に立ち寄ることで、スポーツとしてのサイクリングを超えた、歴史と文化に触れる旅として楽しむことができるでしょう。

琴平は讃岐うどん屋発祥の地としても知られる

香川県といえば「うどん県」の愛称でも知られる讃岐うどんの本場です。中でも琴平町は「うどん屋発祥の地」とも言われており、サイクリングの合間に本場の讃岐うどんを味わうことも、この旅の楽しみの一つです。

JR琴平駅から徒歩数分の場所には、ぶっかけ天ぷらなどが人気の老舗うどん店があり、走り出す前の腹ごしらえや、ゴール後の一杯として立ち寄るサイクリストも多いようです。金刀比羅宮の参道の石段沿いには、うどん屋では珍しい「うどんすき」を提供する店もあり、参拝とあわせて香川ならではの食文化を味わうことができます。

実際にうどん作りを体験できる「うどん学校」も琴平に存在します。約60分ほどの体験プログラムでは、粉をこねるところから麺棒でのばし、茹でて実食するまでの一連の工程を学ぶことができ、雨天時のプログラムや休憩を兼ねたアクティビティとしてもおすすめです。長距離のロングライドで消費した体力を、香川名物の讃岐うどんで補給するというのも、こんぴら五街道サイクリングならではの醍醐味です。丸亀・多度津・高松といった各コース沿いの町にもそれぞれ地元で愛されるうどん店が点在しており、コースを変えるたびに違う店に立ち寄ってみるという楽しみ方もできます。

コースに応じてウェアとE-BIKEの活用を検討する

新・こんぴら五街道サイクリングルートは、日帰りの短距離コースから1泊2日の本格ロングライドまで幅広く用意されているため、走行するコースに応じた準備が必要です。

短距離の丸亀・多度津めぐりコースのようなルートであれば、動きやすい服装と歩きやすいシューズ、水分補給用の飲み物があれば十分に楽しむことができます。一方、獲得標高が1000メートルを超える伊予土佐街道ルートや高松街道ルートのような本格コースに挑戦する場合は、サイクリングウェアやヘルメット、グローブなどの装備を整えることが望ましいでしょう。峠道を含む阿波街道ルートでは、坂道での体力消耗を抑えるためにE-BIKEの活用を検討するのも有効な選択肢です。

香川県は瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて比較的温暖で降水量も少なく、サイクリングに適した気候とされています。ただし夏場は日差しが強く、熱中症対策として日焼け止めや帽子、こまめな水分補給が欠かせません。旧道区間を走るコースでは道幅が狭い箇所もあるため、対向車や歩行者への注意も必要です。1泊2日のロングライドを計画する場合は、宿泊施設の予約はもちろん、天候の急変にも備えて余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

走行コースと宿泊の有無を事前に決めておくと計画しやすい

「新・こんぴら五街道」サイクリングルートは、江戸時代に多くの参詣客で賑わった金毘羅街道の五つのルート、すなわち丸亀街道、多度津街道、高松街道、阿波街道、伊予・土佐街道の道筋や精神を受け継ぎながら、現代のサイクリストのために再構築された香川県琴平町発の観光コンテンツです。琴平バスが運営し、元オリンピック選手である真鍋和幸氏の監修のもと、初心者から上級者まで楽しめる複数のコースが整備されています。

日帰りで気軽に楽しめる丸亀・多度津めぐりコースから、隣県の徳島や愛媛を結ぶ本格的なロングライドコースまで、目的やレベルに応じた選択肢が用意されているのが魅力です。スポーツとしてのサイクリングにとどまらず、金刀比羅宮への参拝や、沿道に残る灯籠・丁石といった歴史的な史跡、瀬戸内海の風景や四国山地の峠道など、香川ならではの歴史と自然を味わえる旅として、多くのサイクリストや旅行者から注目を集めています。

海の安全を祈るために船で瀬戸内海を渡り、そこから徒歩で琴平を目指した江戸時代の人々の足跡を、現代のサイクリストは自転車という移動手段でたどることになります。丸亀港に残る太助灯籠から出発し、丁石を目印に丸亀城下を抜け、あるいは阿波街道の峠道を越え、はたまた伊予土佐街道をしまなみ海道方面から走破し、最終的には785段の石段を登って金刀比羅宮の御本宮にたどり着く。このプロセス全体が、香川県の地理・歴史・信仰・食文化を横断的に体験できる観光コンテンツとなっている点が、新・こんぴら五街道サイクリングルートの価値だといえるでしょう。

初めて香川を訪れる旅行者はもちろん、すでに何度も四国を旅したことがあるサイクリストにとっても、歴史の道を自転車でたどるという切り口は、これまでとは違った香川の魅力を発見するきっかけになるはずです。日帰りの丸亀・多度津めぐりコースから、1泊2日をかけて隣県をまたぐ伊予土佐街道ルートまで、体力やスケジュールに合わせて選べる懐の深さもこのルートの強みです。旅の計画を立てる際は、走りたいコースの距離と獲得標高、レンタサイクルの要否、宿泊の有無をあらかじめ整理したうえで、公式サイトの最新ルート情報も確認しながら準備を進めるとよいでしょう。

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