京都丹波サイクルルートは全5コース、入門編は27.4キロから

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京都丹波サイクルルートは、京都府が整備した亀岡市、南丹市、京丹波町を巡るサイクリングコースです。距離は入門編の27.4キロから、南丹市美山町のかやぶきの里まで到達する140キロの上級コースまで5段階で用意されています。発着点はJR亀岡駅に隣接するサンガスタジアムby KYOCERAで、電車で亀岡入りしてそのまま走り出せる立地です。この記事では5つのコースの距離や見どころ、亀岡と南丹と京丹波それぞれのエリアの観光スポット、レンタサイクルの利用方法、2025年秋に開催されたサイクリングイベントの内容まで、順にまとめます。

目次

京都丹波サイクルルートは亀岡発着の5コースで構成される

京都丹波サイクルルートは、サンガスタジアムby KYOCERAをメイン発着点、丹波自然運動公園をサブ発着点として、5つのコースで構成されています。距離は最短27.4キロから最長140キロまで幅があり、初めて自転車で観光する人から、経験豊富なロングライダーまで、それぞれの体力や時間に合わせてコースを選べる仕組みになっています。ルート設定には2004年アテネ五輪のロードレース日本代表として出場した田代恭崇氏が監修として関わっており、単に道をつなぐだけでなく、亀岡市、南丹市、京丹波町に点在する名所や見どころを効率よく結ぶコース取りがされています。

各コースには日本語版と英語版のルートマップが用意されていて、高画質データのダウンロードにも対応しています。走行環境の面でも、車道の路肩には自転車の進行方向を示す矢羽根型の路面標示や青色のブルーラインが引かれ、進行方向を示す案内標識や目的地までの距離を示すフットサインも設置されています。初めて訪れるサイクリストでも道に迷いにくいよう、京都府内の他のサイクリングルートとも連携しながら整備が進められてきました。

5コースの距離と難易度は表のとおり

京都丹波サイクルルートを構成する5つのコースを、距離と難易度別に整理すると次のようになります。

コース名距離獲得標高発着点難易度の目安
亀岡観光ショートコース27.4キロ268メートルサンガスタジアムby KYOCERA入門
八木日吉周遊サイクリング50キロ記載なしサンガスタジアムby KYOCERA初中級
京都丹波周遊ライド85キロ記載なしサンガスタジアムby KYOCERA中級
京都丹波縦断ライド110キロ記載なし丹波自然運動公園中上級
京都丹波一周ロングライド140キロ約2,000メートルサンガスタジアムby KYOCERAまたは丹波自然運動公園上級

最も距離が短い亀岡観光ショートコースは、所要時間の目安が2時間10分程度で、自転車に乗り慣れていない人やファミリー層でも挑戦しやすい設計です。反対に最長の京都丹波一周ロングライドは獲得標高が約2,000メートルにおよび、南丹市美山町まで足を延ばせる唯一のコースになっています。美山町は由良川沿いに江戸時代から続くかやぶき屋根の集落が残るエリアで、他の4コースでは訪れられません。140キロという距離を1日で走りきる必要はなく、複数日に分けて楽しむツーリングにも向いています。

発着点のサンガスタジアムby KYOCERAはJR亀岡駅から徒歩圏

サンガスタジアムby KYOCERA(京都府立京都スタジアム)は、JR亀岡駅の北口に隣接する球技専用スタジアムです。収容人数は約21,600人で、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどに利用されるほか、eスポーツ体験ゾーンやVR体験ゾーン、コアワーキングスペースも併設されています。駅から徒歩でアクセスできるため、電車で亀岡入りしてそのままサイクリングを始めるプランが立てやすくなっています。

もう一つの発着点である丹波自然運動公園は、長距離コースに挑戦するライダーの起点や終点として使われています。京都丹波縦断ライドや京都丹波一周ロングライドの一部は、こちらを発着点に設定できます。

亀岡エリアは丹波七福神めぐりと出雲大神宮が見どころ

亀岡市は京都丹波サイクルルートの玄関口にあたるエリアで、JR嵯峨野線を使えば京都駅から30分弱で到着します。市内を流れる桂川(大堰川、保津川とも呼ばれます)沿いには遊歩道が整備されていて、水辺の風景を楽しみながら走れます。保津川下りの乗船場もこのエリアにあるため、サイクリングの合間に舟下りを組み合わせる観光客もいます。

歴史面では、明智光秀が築いた亀山城の城下町としての歴史が残り、戦国時代の史跡や神社仏閣が点在しています。中でも丹波七福神めぐりは、神応寺(毘沙門天)、養仙寺(布袋尊)、蔵宝寺(大黒天)、金光寺(弁財天)、耕雲寺(恵比寿天)、極楽寺(寿老人)、東光寺(福禄寿)の七つの寺院を巡るコースで、全行程は約5キロ、徒歩でも1時間30分ほどで回れます。日本一早く巡れる七福神めぐりと紹介されることもあり、電動アシスト自転車を使って巡る観光客もいます。コース途中の七谷川沿いには桜並木の名所「和らぎの道」もあります。

丹波国一の宮である出雲大神宮も亀岡市内に鎮座しています。創建は和銅2年、つまり709年と伝えられ、延喜式内名神大社にも数えられる古社です。縁結びの神として知られる大国主命と、后神の三穂津姫命を祀っており、島根県の出雲大社に大国主命の御霊を分けたという伝承から「元出雲」とも呼ばれています。サイクリングルートから少し足を延ばして立ち寄る参拝客も少なくありません。走った後に汗を流せる日帰り温泉施設も複数あり、長距離ライドの締めくくりに利用されています。

南丹市美山町のかやぶきの里は重要伝統的建造物群保存地区

南丹市は京都丹波エリアの中央部から北部にかけて広がり、八木・日吉地区の里山風景から美山町の山あいの集落まで、多彩な景観が続きます。京都丹波サイクルルートマップは南丹市が中心となって公開しており、市の公式サイトから日本語版と英語版をダウンロードできます。

八木日吉周遊サイクリングコースの見どころの一つが日吉ダムです。平成10年、つまり1998年4月に完成した近畿地方でも最大規模のダムで、ダム湖の天若湖は甲子園球場の約70倍という湛水面積を持ちます。ダム内部を見学できる施設が併設されていて、これは日本で初めてつくられたダム内部見学施設とされています。

南丹市美山町は、京都丹波サイクルルートの中でも屈指の観光資源を持つエリアです。京都駅から車で約1時間半、距離にしておよそ60キロの場所にあり、京都市内から福井県小浜市方面へ続く周山街道を北上すると、谷あいにかやぶき屋根の集落が現れます。このかやぶきの里は、江戸時代から続く農村の景観を今に伝える集落で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

かやぶきの里の周辺には、築150年ほどのかやぶき民家を改装した美術館があり、絵画や陶芸、ガラス工芸、木工、染織など、さまざまなジャンルの作家による美術展が定期的に開かれています。郷土資料館では、かつて農作業に使われた古い農機具や当時の生活用具が常時展示されていて、里山の暮らしの歴史を学べます。由良川沿いにはハム工房や酒蔵も点在し、サイクリングの休憩を兼ねてご当地グルメを味わうこともできます。

自走で美山まで来るのが難しい場合は、道の駅「美山ふれあい広場」内の京都丹波高原国定公園ビジターセンターで電動アシスト自転車を借りられます。料金は4時間まで1台2,000円、保証金が1台1,000円です。電動アシスト自転車はペダルを踏む力の2倍から3倍程度のアシストが得られると言われており、起伏のある美山周辺の道でも体力の消耗を抑えながら走れます。現地でレンタサイクルを借りれば、かやぶきの里周辺を自分のペースで巡れます。

京丹波町の道の駅味夢の里は2015年7月18日にオープン

京丹波町は京都丹波サイクルルートの中でも北西寄りに位置するエリアで、京都縦貫自動車道と一般道の両方からアクセスできる道の駅「京丹波味夢の里」が観光の拠点になっています。この道の駅は平成27年、つまり2015年7月18日にグランドオープンしました。施設内には「京丹波マルシェ」という特産物販売コーナーがあり、丹波栗や丹波黒(黒豆)をはじめとする米や野菜、加工品が並びます。塩谷古墳を望む位置にはレストランやフードコートもあり、サイクリングの休憩スポットとして使いやすくなっています。

道の駅から車で約10分の距離には琴滝公園があります。高さ43メートルの一枚岩を流れ落ちる滝で、水の流れが13弦の琴の糸のように見えることから琴滝と名付けられたと伝えられています。夏は木々の緑、秋は紅葉に彩られ、四季を通じて散策できる遊歩道が整備されています。このほか塩谷古墳公園や丹波ワインハウス、旧質美小学校、質志鐘乳洞公園といった見どころも点在し、京丹波町観光協会がサイクリング情報や観光情報を発信しています。レンタサイクルの予約も観光協会を通じて受け付けています。

レンタサイクルは亀岡と美山と京丹波の3エリアで利用できる

京都丹波サイクルルートでは、走行中に立ち寄れる協力施設の登録が京都府によって進められています。これらの施設では、サイクルラックの設置や空気入れ、工具の貸し出し、トイレの利用など、サイクリストにとって心強いサービスが提供されています。コンビニエンスストアや道の駅、観光施設が協力施設として登録されていて、ルートマップ上にも位置が示されているため、休憩計画を立てやすくなっています。

レンタサイクルについては、亀岡市内で「スマート!かめまる観光レンタサイクル」というサービスがあり、JR亀岡駅の北口と南口、嵯峨野観光鉄道のトロッコ亀岡駅、JR千代川駅前の4カ所で借りたり返したりできます。異なる拠点で借りて返せる乗り捨て型の運用がされているため、片道のサイクリングプランを組みたい観光客にとって使い勝手がよくなっています。美山エリアでは前述の道の駅で電動アシスト自転車を借りられ、京丹波町でも観光協会を通じて予約できます。マイバイクを持ち込まなくても、京都丹波エリア全体で現地サイクリングを楽しめる体制が整いつつあります。

ツール・ド×京都丹波2025は9月1日から11月30日まで開催されました

京都丹波サイクルルートを活用した期間限定のサイクリングキャンペーン「ツール・ド×京都丹波2025」は、2025年9月1日(月曜日)から11月30日(日曜日)まで開催されました。参加費は無料で、誰でも参加できるイベントでした。

参加にはサイクリングアプリ「TraVelo」を使います。コースマップで進行方向を確認できるほか、ルート上の「ご当地スポット」にチェックインしたり、オリジナルのフォトフレームつきで記念写真を撮影したりできる機能が用意されていました。ゴール後にはアプリ上で完走証明ができ、完走した参加者には記念品が贈呈されました。走るだけでなく、アプリを使ったスタンプラリー的な要素やフォトスポット巡りが加わることで、初めて京都丹波を訪れるサイクリストでも迷わず楽しめるよう工夫されていました。

このキャンペーンは単発の企画ではなく、過去にも同様の「ツール・ド×京都丹波」が開催されており、京都府や南丹市、地域の観光関連団体が継続的に情報発信を続けています。秋の行楽シーズンにあわせて開催されることが多く、紅葉が色づく時期の京都丹波を自転車で楽しめる機会になってきました。次回以降の開催情報は、京都府や南丹市の公式サイトで確認できます。

京都の紅葉は例年11月上旬から見頃を迎え、11月中旬から下旬にピークとなることが多くなっています。盆地特有の地形で昼夜の寒暖差が大きくなることが、紅葉を鮮やかに色づかせる要因のひとつです。この時期の京都丹波は朝晩が冷え込みやすいため、脱ぎ着しやすい服装で走ると寒暖差に対応しやすくなります。紅葉シーズンのイベント開催時期に合わせてルートを走れば、山あいの色づきと里山の風景を自転車で一度に楽しめます。

京都丹波サイクルルートは京都府自転車活用推進計画の一環

京都丹波サイクルルートは、単独の観光企画ではなく、京都府自転車活用推進計画に基づく取り組みの一つに位置づけられています。この計画では「一人ひとりの目的に合わせて自転車を楽しく活用し、安心・安全、快適なサイクル環境を実現する」という基本理念が掲げられ、「つかう」「つくる」「まもる」の3つの視点から施策が進められてきました。

計画の中では、国内外の旅行者に向けた新たな体験型観光として、サイクリングと観光を組み合わせたサイクルツーリズムの推進が掲げられています。地域の魅力を掘り起こして発信することで、サイクリングを通じた地域活性化や交流を図る狙いがあり、京都丹波サイクルルートはその具体的な受け皿の一つになっています。行政だけでなく事業者や住民が連携しながら、ソフト面とハード面の両方からサイクル環境を整えていく方針で、ルートマップの多言語化や走行環境の整備、協力施設の登録といった取り組みも、この計画の延長線上にあります。

サイクルツーリズムは、訪れる旅行者だけでなく迎え入れる地域側にも効果をもたらします。サイクリストは移動の途中でコンビニエンスストアの補給食を買ったり、道の駅で地元の特産品を買い求めたりするため、地域の小売店や飲食店、宿泊施設の売上につながりやすくなります。受け入れ環境としては、十分な幅の路側帯や進行方向を示す標識、走りやすい路面といったハード面に加え、レンタサイクルやメンテナンスができる施設、わかりやすいコースマップ、休憩できるサイクルラックの設置なども重要です。京都丹波サイクルルートで進められている矢羽根やブルーライン、協力施設の登録といった取り組みは、こうした全国的なサイクルツーリズム振興の流れとも重なります。

自転車を軸にした観光振興の枠組みとしては、国土交通省が令和元年、つまり2019年9月9日に創設したナショナルサイクルルート制度もあります。これは自転車活用推進法に基づき、日本を代表するサイクリングルートを国内外にPRし、サイクルツーリズムを推進することを目的とした制度で、ルート設定や走行環境、受入環境、情報発信、取組体制という5つの観点から一定の水準を満たすルートが指定されます。第1次の指定では、つくば霞ヶ浦りんりんロード、ビワイチと呼ばれる琵琶湖一周ルート、しまなみ海道サイクリングロードの3ルートが選ばれました。京都丹波サイクルルートも、走行環境の整備や協力施設の登録、多言語マップの配布といった点で、こうした全国のサイクリングルート整備の考え方と共通する部分を持っています。

コース選びは亀岡の入門コースから段階的に距離を伸ばすのがおすすめ

京都丹波エリアは、京都市の中心部から見て北西方向に広がり、亀岡市、南丹市、京丹波町の3市町から構成されます。JR嵯峨野線を使えば、京都駅から亀岡駅まで快速で約20分、南丹市方面の日吉駅や園部駅までも1時間弱でアクセスできるため、電車と自転車を組み合わせたサイクルトレイン的な使い方がしやすい地域です。

地形の面では、桂川が亀岡盆地を流れ、南丹市を経て北へ向かうと由良川水系につながります。美山町周辺は由良川の上流域にあたり、山あいの谷を縫うように道が続くため、平坦な亀岡エリアに比べると起伏のある道が増えます。京都丹波一周ロングライドの獲得標高が約2,000メートルにおよぶのは、この北部の山岳地形を走り抜けるためです。逆に言えば、亀岡市内を中心に周回する27.4キロの入門コースは平坦基調で走りやすく、体力や経験に応じてコースを選び分けることが京都丹波サイクリングを楽しむ近道になります。

初めて京都丹波を訪れるなら、亀岡エリアの入門コースから走り始めるのがよいでしょう。桂川沿いの景観と戦国史跡、温泉を組み合わせた27.4キロのコースは、半日程度で無理なく回れます。慣れてきたら八木日吉周遊サイクリングの50キロ、京都丹波周遊ライドの85キロへと距離を伸ばし、最終的には美山のかやぶきの里まで足を延ばす140キロのロングライドに挑戦するという段階的な楽しみ方ができます。体力や時間に制約がある場合は、公共交通機関やレンタサイクルを組み合わせれば、長距離を自走しなくても京都丹波の魅力を味わえます。

京都丹波サイクルルートは、京都市内の定番観光地とは違う里山の風景や歴史、そしてサイクリングという能動的な過ごし方を組み合わせた京都観光の選択肢です。距離別に選べる5つのコースと、亀岡、南丹、京丹波それぞれの見どころを組み合わせれば、体力や興味に合わせた1日を作れます。

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