度会町と南伊勢町のサニーロードサイクリングコースは全3ルート

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三重県度会郡にある度会町と南伊勢町では、太平洋岸自転車道を軸にした「サニーロードサイクルルート」が整備されています。度会町コース、南伊勢町コース、玉城町コースの3ルートに加え、3町を通しで走る92kmのエキスパートコースがあり、レベルに応じて選べる構成です。宮川沿いの橋や風車、南伊勢町の海抜150mから望むリアス海岸、玉城町の宿場町の街並みまで、三重県南部の景観を一度に体感できるコースとして知られています。

目次

サニーロードサイクルルートは度会町・南伊勢町・玉城町の3コースとエキスパートコースで構成

サニーロードサイクルルートは、三重県度会郡の度会町と南伊勢町、隣接する玉城町の3町をつなぐ道路「サニーロード」を軸にしたサイクリングルートです。伊勢志摩観光コンベンション機構が運営する伊勢志摩観光ナビでも観光特集として取り上げられており、伊勢志摩エリアを代表するサイクリングコースのひとつになっています。

コースは度会町コース(約20km)、南伊勢町コース(約19km)、玉城町コース(約25km)の3つに分かれており、これとは別に3町を横断する全長約92km、高低差370mのエキスパートコースも用意されています。自転車に乗り慣れていない人でも走りきれる距離のコースから、峠越えを含む本格的なロングライドまで幅を持たせているのが、このルートの設計思想です。

地元自治体や観光協会もこのルートの発信に力を入れており、YouTubeでは度会町コースと南伊勢町コースそれぞれのダイジェスト映像が公開されています。走る前に映像でコースの雰囲気を確認できるのは、初めてこのエリアを訪れるサイクリストにとって心強い材料になるはずです。

太平洋岸自転車道は2021年5月31日に第2次ナショナルサイクルルートへ指定された

サニーロードサイクルルートの度会町コースと南伊勢町コースは、いずれも太平洋岸自転車道を主軸のひとつとして設計されています。太平洋岸自転車道は、千葉県銚子市を起点に茨城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県の太平洋岸を経て和歌山県和歌山市に至る、総延長1,487kmのロングディスタンス自転車道です。

このルートは2021年1月29日に候補ルートとして選定され、同年5月31日、自転車活用推進本部長を務める国土交通大臣によって第2次ナショナルサイクルルートに指定されました。ナショナルサイクルルートは、国内外から多くのサイクリストを惹きつける魅力を持つ日本を代表するサイクルルートとして国が認定する制度で、しまなみ海道サイクリングロードやビワイチ、つくば霞ヶ浦りんりんロードと並ぶ位置づけです。

三重県内における太平洋岸自転車道の延長は約300kmで、起終点は鳥羽市の鳥羽港から南牟婁郡紀宝町の新熊野大橋までとされています。掲げられているコンセプトは「FAST ONLYからFAST&SLOWへ」というもので、速さや効率を重視して通過されがちだった沿岸部を、時間をかけて楽しむ対象として提案し直す狙いがあります。度会町コースと南伊勢町コースを走ることは、この広域ルートの一部を実際に体感することでもあります。

三重県は「三重県自転車活用推進計画」を策定し、自転車を活用した地域の観光魅力づくり、サイクルスポーツの普及と自転車を活用した健康づくり、自転車を安全に安心して利用できるまちづくりという3つを目標に掲げています。当初の計画期間は令和2年度から令和5年度まででしたが、令和5年4月施行の道路交通法改正で自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化されたことなどをふまえ、計画の内容や目標項目が見直されました。サニーロードサイクルルートの整備発信も、こうした県全体でのサイクルツーリズム推進の流れの中に位置づけられています。度会町・南伊勢町でサニーロードを走る際は、この努力義務化を踏まえてヘルメットを着用しておくと安心です。

度会町コースは宮川沿い約20kmで橋と風車の景色が続く

度会町コースは全長約20kmの初級・中級者向けサイクルルートです。三重県度会郡度会町を通る太平洋岸自転車道を主軸としており、走りやすい距離感を保ちながら、度会町らしい自然景観をしっかり味わえる構成になっています。

このコースの見どころは、風車と宮川、周囲の山々が織りなす景色です。三重県南部を流れる一級河川の宮川は水質の良さで知られる清流で、コース上ではこの宮川に架かる複数の橋を渡ることになります。川面を渡る風を感じながら橋を越えていく区間は、度会町コースならではの体験といえるでしょう。

コース全体は平坦な区間と坂道の区間がバランスよく織り交ぜられており、初心者でも走りきりやすい一方、アップダウンによる走りごたえも用意されています。伊勢志摩観光ナビの公式ページでは約4MBのPDF形式でコースマップがダウンロードでき、事前にルートと高低差を確認したうえで走行計画を立てられます。

南伊勢町コースは19kmながら南島大橋や南海展望台など展望スポットが密集する

南伊勢町コースは全長約19kmの中級者向けサイクルルートです。三重県南伊勢町エリアを通る太平洋岸自転車道を主軸としており、伊勢志摩国立公園の最南端に位置する南伊勢町ならではの、山と海が織りなす景観を存分に味わえる構成になっています。

このコースの象徴的なスポットが、南島大橋から続く親子橋です。ここから見渡せる景色は、海と山が一体となった雄大なパノラマで、橋の上を走り抜けながら望む景観が、多くのサイクリストが南伊勢町コースを選ぶ理由のひとつになっています。

ルート上には中ノ磯展望台もあり、リアス海岸特有の海岸線を落ち着いた雰囲気で眺められます。夕暮れ時には美しい夕日を見られるスポットとしても知られているので、走る時間帯を選ぶことでより印象的な体験になります。

南海展望台と絶景ブランコは五ヶ所湾を望む360度パノラマスポット

南伊勢町には、海抜約150mに位置する南海展望台(南海展望公園)もあります。ここからは水平線と入り組んだ五ヶ所湾を含む360度の大パノラマが広がり、伊勢志摩国立公園ならではのリアス海岸を一望できます。条件がよければ富士山まで見渡せることがあるといい、夕暮れ時や星空観察の名所としても親しまれています。

南海展望台の近くには、2023年3月20日に完成した南海展望広場の絶景ブランコがあります。大自然の中に設置された大きなブランコで、眼下に広がる五ヶ所湾の景色を眺めながら空を飛んでいるような感覚を味わえるスポットとして人気を集めています。サイクリングの休憩がてら立ち寄り、記念写真を撮るサイクリストも少なくありません。

南伊勢町コースは、こうした複数の展望スポットを巡りながら、変化に富んだリアス海岸の景観を体感できるコースです。

南伊勢町は町域の約6割が伊勢志摩国立公園に指定されている地域で、町内には南海展望台や中ノ磯展望台を含めて7ヶ所の展望台があります。主要な産業は漁業で、漁獲量は三重県内でも上位に入り、まぐろや真鯛の養殖も盛んに行われています。特産品としてはみかんや牡蠣、あおさなどの海産物が知られており、コースの途中や周辺の直売所ではこうした地元の味覚に触れることもできます。真珠の加工・販売を行う店舗もあり、サイクリングの合間にお土産を探す楽しみもある町です。7ヶ所の展望台のうち見江島展望台は星空観察に適した場所として星空愛好家に知られており、日没後まで滞在する予定を組む際の候補地になります。

玉城町コースは25kmで田丸城と宿場町の街並みを走る

玉城町コースは全長約25km(資料によっては25.4km)の初級・中級者向けサイクルルートです。三重県玉城町を通る旧熊野古道を主軸としており、度会町コースや南伊勢町コースとは異なる、歴史と街並みを感じられる魅力を持っています。

コースは平坦な区間と緩やかな坂道が中心で、走行の合間に神社仏閣の景色を体感できるのが特徴です。田丸神社や幸神社、東外城田神社、千引神社など、由緒ある神社が点在しており、走りながら歴史散策も楽しめます。

玉城町は初瀬街道、熊野街道、伊勢本街道という複数の街道が分岐する交通の要所で、かつては伊勢参りの宿場町としてにぎわった土地です。コースの途中には当時の面影を残す宿場町の街並みが今も残っており、走りながら歴史的な風情を感じられるのが玉城町コースの魅力です。

スタート地点としておすすめされているのが田丸城です。天守跡からは田園風景を一望でき、春には桜、冬にはライトアップが行われるなど、四季折々の楽しみ方ができます。歴史に関心があるなら、走り出す前に立ち寄っておきたいスポットです。

エキスパートコースは92km・高低差370mで3町を1日で走破する

初級・中級者向けの3コースに加え、より走りごたえを求める人向けにエキスパートコースも用意されています。全長は約92km、高低差は370mにおよぶ、中級・上級者向けの本格的なロングライドコースです。

度会町・南伊勢町・玉城町の3エリアを組み合わせて長距離を走破するこのコースは、峠越えのアップダウンを含む走りごたえのある設定で、地元の海鮮グルメを楽しみながら三重県南部の自然を丸ごと味わえるルートとして紹介されています。度会町の宮川と橋、南伊勢町の海とリアス海岸、玉城町の歴史的な街並みという3町それぞれの魅力を1日で体感できる点が、このコースの特徴です。

コース選びの目安を整理すると、次の表のようになります。

コース名距離の目安レベル主な見どころ
度会町コース約20km初級・中級宮川に架かる橋、風車のある景観
南伊勢町コース約19km中級親子橋、南海展望台、絶景ブランコ
玉城町コース約25km初級・中級田丸城、神社仏閣、宿場町の街並み
エキスパートコース約92km(高低差370m)中級・上級3町を横断する峠越えのロングライド

短い距離で気軽に走りたい場合は度会町コースか玉城町コース、リアス海岸の展望を優先したい場合は南伊勢町コース、三重県南部の魅力をまとめて味わいたい場合はエキスパートコースという選び方ができます。

サニーロードサイクルフェスタ2024は2024年11月16日に3町を巡る67.9kmコースで開催された

サニーロードサイクルルートの魅力を広めるため、地元自治体がサイクリングイベント「サニーロードサイクルフェスタ」を主催しています。2024年に開催されたサニーロードサイクルフェスタ2024は、三重県の玉城町・度会町・南伊勢町の3町が連携して実施した、自然と景観を楽しむサイクルライドイベントでした。

開催日は2024年11月16日(土)で、9時00分から15時30分までの日程で行われました。参加費は3,000円で、傷害保険料が含まれるほか、参加記念品として玉城町・度会町・南伊勢町それぞれの特産品が付くという、地域色のある内容でした。

コースは67.9kmで、中級・上級者向けに設定されていました。スタート地点は度会町の宮リバー度会パークで、そこから南伊勢町の旧穂原小学校、玉城町の田丸駅を経由し、再び宮リバー度会パークにゴールするという、サニーロードでつながる3町を巡る周遊コースでした。定員は60名(先着順)、参加資格は高校生以上とされ、集合場所である宮リバー度会パーク(三重県度会郡度会町大野木1260)には駐車場が用意されていました。

このイベントは走行タイムや到着順位を競うレースではありません。道路交通法規を守ったうえで、サニーロードでつながる度会町・南伊勢町・玉城町の自然と景観を楽しむことを目的としたサイクリングイベントとして実施されました。次回開催の詳細については、各町の観光協会や公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

サニーロードサイクルルートのスタンプラリーは3町のスポットを巡る仕組み

サニーロードサイクルルートでは、コースを巡りながら楽しめるスタンプラリーも実施されています。観光三重の取材レポートでも紹介されており、ルート周辺に設置されたスタンプを集めることで、獲得数に応じて賞品への応募ができる仕組みです。

このスタンプラリーは、コースを走るだけでなく、各町の見どころとなるスポットに足を止めて立ち寄るきっかけにもなります。度会町、南伊勢町、玉城町それぞれのコース上に点在するスタンプポイントを巡ることで、結果的に各町の魅力的なスポットを深く知ることができます。しまなみ海道サイクリングロードやビワイチ、つくば霞ヶ浦りんりんロードといった全国のナショナルサイクルルートでも、アプリを活用したスタンプラリー企画が展開されており、サイクリングとスタンプラリーを組み合わせた企画は全国的に広がりを見せています。

実施期間や賞品の詳細は時期によって変わる可能性があるため、最新情報は観光三重や伊勢志摩観光ナビの公式サイト、あるいは度会町・南伊勢町の観光協会に問い合わせて確認するのが確実です。

宮リバー度会パークは度会町コースの拠点でレストハウスと直売所を併設する

度会町コースやサニーロードサイクルフェスタのスタート・ゴール地点にもなっている宮リバー度会パークは、清流・宮川の河畔に広がる公園施設です。芝生広場やパターゴルフ場、テニスコートといったスポーツ・レジャー施設に加え、ウォータースライダーや流水プールをはじめ6種類のプールやスライダーを備えたレジャープール「遊水プール・鏡」もあり、夏場には家族連れでにぎわいます。

サイクリストにとってうれしいのは、宮川を眺めながら軽食や料理を楽しめるレストハウスがある点です。走行の合間にひと休みしながら、清流のせせらぎを感じつつ食事ができます。町の特産物や採れたて野菜を販売する「バザールわたらい」も併設されており、地元の食材や名産品をお土産として買うこともできます。豊かな自然の中で身体を休められる施設として、度会町を訪れるサイクリストの拠点にふさわしい場所です。

レンタサイクルは伊勢市の電動アシスト車が起点になる

度会町・南伊勢町エリア単体でのレンタサイクル情報は限られていますが、隣接する伊勢市では電動アシスト付きのレンタサイクルサービスが利用できます。伊勢市観光協会が運営するレンタサイクルでは、電動アシスト付き自転車を4時間まで1,500円、4時間以上は2,000円で貸し出しています。伊勢神宮外宮の北御門前ポートでは、シェアサイクル「COGICOGI」の電動アシスト付き自転車も利用可能です。

サニーロードサイクルルートを走る際は、マイバイクを持ち込むサイクリストが中心になりますが、伊勢市方面からアクセスする場合は、こうした電動アシスト付きレンタサイクルを起点にして、太平洋岸自転車道経由で度会町・南伊勢町方面へ足を延ばすという楽しみ方もできます。度会町・南伊勢町エリアでのレンタサイクル貸出については、今後の整備状況次第で変わる可能性があるため、最新情報は各町の観光協会に確認しておくと安心です。

コース選びは体力とレベルに合わせて3ルートとエキスパートコースを使い分ける

サニーロードサイクルルートの魅力は、度会町・南伊勢町・玉城町という三重県南部の3町が、それぞれ異なる個性を持ちながらもサニーロードという1本の道でゆるやかにつながっている点にあります。度会町では宮川と橋、風車のある景観を、南伊勢町では海抜150mからのパノラマや親子橋、絶景ブランコといったリアス海岸の景観を、玉城町では神社仏閣と宿場町の歴史的な街並みを、自転車ならではのスピード感の中で味わえます。

自転車に乗り慣れていない人や家族でのんびり走りたい場合は、距離が短く平坦区間も多い度会町コースや玉城町コースが向いています。橋からの景色やリアス海岸の眺望をしっかり楽しみたい、ある程度走り慣れているという場合は南伊勢町コースが選択肢になります。三重県南部の自然と景観をまとめて堪能したい、走りごたえのあるロングライドを求めている場合は、峠越えを含むエキスパートコースが候補になるでしょう。

サニーロードサイクルフェスタのようなイベントに参加すれば、単独では気づきにくいルート上の見どころや、各町の特産品といった地域ならではの魅力にも触れられます。走行タイムを競わない形式のイベントは、初めてこのエリアを走る人にも参加しやすいものです。

太平洋岸自転車道というナショナルサイクルルートの一部を体感しながら、風車と宮川の景色、五ヶ所湾を望む展望スポット、伊勢参りの歴史を伝える街並みを、自分のペースで巡ることができます。三重県度会町・南伊勢町を訪れる際は、体力とレベルに合ったコースを選んで、海・山・川・歴史が織りなす伊勢志摩南部の景観を走ってみてください。

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