丹沢湖の湖畔一周は、神奈川県山北町の西丹沢で自転車に乗れる周回コースで、距離は約15.7km、標高差は約36mです。起伏が小さく、走る向きは反時計回りの一方向と決まっています。紅葉は例年11月上旬から11月下旬が見頃で、2026年10月5日の今は、色づき始めまであと1か月ほどの時期です。
丹沢湖は三保ダムの完成で生まれた人造湖で、日本のダム湖百選にも選ばれています。この記事では、丹沢湖の湖畔を自転車で一周するときの距離、所要時間、走る向き、紅葉の時期、レンタサイクル、アクセス、帰りに寄れる周辺スポットまでを順に書いていきます。距離の数字が情報源によって食い違う点も、隠さずに触れます。

丹沢湖は山北町の西丹沢にあるダム湖
丹沢湖は、神奈川県足柄上郡山北町にある人造湖です。酒匂川(さかわがわ)の上流、西丹沢に位置し、湖の所在地としては山北町世附(よづく)の名前が挙がっています。三保ダムが完成したことで湖面が現れました。
完成した年は、1978年(昭和53年)とする案内と、昭和54年(1979年)とする案内の両方があります。神奈川県の資料は昭和54年、観光情報は1978年という書き方で、どちらかを断定できないため、この記事では1970年代の後半に完成したダムとして扱います。
湖には3本の川が流れ込んでいます。西から世附川、北から中川、東から玄倉川(くろくらがわ)です。湖畔の橋には、玄倉川橋や世附大橋のように川の名前を含む名前の橋があり、地図を見ながら走るときの目印になります。
丹沢湖が受けている評価は3つあります。日本のダム湖百選、かながわの景勝50選、そして関東の富士見百景です。関東の富士見百景は、湖畔の千代の沢園地の展望地が選ばれたものです。ダムの湖としても、神奈川の景色としても、富士山の見える場所としても、それぞれ公的な選定を受けている湖です。
三保ダムの役目と、湖畔にある2つの施設
三保ダムは、酒匂川総合開発事業の基幹施設です。目的は洪水の調節、水道用水、発電の3つで、いわゆる多目的ダムにあたります。丹沢湖の水は、観光の景色のためだけにあるわけではありません。
神奈川県の資料に載っている数字は、総貯水容量が6,490万立方メートル、有効貯水容量が5,450万立方メートルです。洪水の調節と水道用水と発電をまとめて引き受けるだけの容量を、この湖は持っています。
自転車で走る人にとって面白いのは、湖畔に歴史を伝える施設が2つあることです。1つ目は三保の家で、湖底に沈んだ世附地区で昭和48年頃まで使われていた、江戸時代末期の民家を移して復元した建物です。昭和48年頃まで人が使っていた家ですから、湖ができる直前まで、この谷には暮らしがありました。2つ目は丹沢湖記念館で、縄文遺跡から出土した品物や、丹沢湖が誕生したいきさつを展示と解説で紹介しています。
縄文時代の出土品が展示されているなら、湖になる前のこの谷には、はるか昔から人が住んでいたことになります。三保の家の昭和48年頃までの暮らしと、縄文の出土品を並べて見ると、湖の底に沈んだ時間の長さがつかめます。
丹沢湖記念館は、後ほど書くレンタサイクルの貸し出し場所でもあります。自転車を借りて走り出す前に、湖の成り立ちを見ておけば、湖面を見る目が少し変わります。
湖畔一周は約15.7kmで標高差は約36m
周回路の距離は約15.7kmで、標高差は約36mです。これは周回ルートを紹介している情報の数字です。標高差が36mなら、景色を眺めながら走る人に向いたコースです。
ただし、距離には食い違いがあります。別の情報には、湖の周回は約10kmで、所要時間は約1.5時間という記述がありました。同じ丹沢湖を回る話なのに、約10kmと約15.7kmという2つの数字が並んでいます。この記事は、約15.7kmという数字を軸にしつつ、約10kmから15km台という幅がある点も書いておきます。出発前に自分が走りたい経路を地図で確認すると、帰り着く時間の読み違いを防げます。
所要時間は、一周でおよそ2時間という紹介があります。15.7kmを2時間で割ると、平均時速は約8kmです。10kmを1.5時間とする案内なら、平均時速は約6.7kmになります。どちらも、ゆっくりしたペースで、休憩や撮影の時間を含めた数字として読めます。紅葉の時期は、湖面や山の色を見て立ち止まる回数が増えますから、2時間という数字に余裕を足して予定を組むのが現実的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 周回距離 | 約15.7km(約10kmとする案内もあり) |
| 標高差 | 約36m |
| 所要時間の目安 | 約2時間(約1.5時間とする案内もあり) |
| 走る向き | 反時計回り |
| 路面の傾向 | 全体は平坦。後半に上り坂があるという感想あり |
| 途中の主な設備 | トンネル、複数の橋 |
反時計回りで走る理由は北側の一方通行
湖畔を走る向きは、反時計回りです。湖の北側に一方通行の区間があるためで、逆向きには進めません。ここは丹沢湖のサイクリングで、いちばん最初に押さえておきたいルールです。
経路の案内には、分岐の説明も出てきます。トンネルの手前で、玄倉方面に向かう県道710号へ左折し、湖の東側へ進むルートです。反時計回りで回る人は、この左折を曲がり損ねないようにします。
コースにはトンネルもあります。トンネルは、自転車の前後にライトを付けて通るのが無難です。車の接近にも気を配ってください。
サイクリングの感想には、全体は平坦で走りやすいけれど、後半に上り坂があるという声がありました。標高差36mという数字は小さく見えますが、坂は後半にあるので、前半で飛ばしすぎないのが、この坂を楽に迎えるコツです。
永歳橋は湖の中央で湖面を見渡せる展望地
湖の上には、複数の橋が架かっています。名前が出てくるのは、永歳橋(えいさいばし)、玄倉川橋、世附大橋(世附橋)の3つです。永歳橋は湖の中央付近に架かり、湖面を見渡せる展望地として知られています。自転車を止めて、少し歩いて眺めてください。
丹沢湖は、吊橋が3つあることでも知られる湖です。
湖面の色は、JAF Mate Onlineの周回ルート紹介で、エメラルド色と表現されています。そのエメラルド色の湖面と緑の山、青い空の対比に加えて、富士山を望めるルートとして書かれています。千代の沢園地は、関東の富士見百景に選ばれた展望地ですから、富士山を見たい人は、晴れた日にここで自転車を止めて、湖の方向を眺めてください。
紅葉は例年11月上旬から11月下旬が見頃
丹沢湖の紅葉は、例年11月上旬に色づき始め、11月上旬から11月下旬にかけて見頃になります。気象の条件で前後することがあり、毎年同じ日に染まるわけではありません。2026年10月5日の時点では、色づき始めまでおよそ1か月あります。
湖畔で紅葉する木は、モミジ、ケヤキ、クヌギ、ナラです。おすすめの展望ポイントは、千代の沢園地です。散策は24時間可能で、入場は無料です。
紅葉の時期に自転車で湖畔を走る楽しみ方は、足柄ローカルの記事にも出ています。2022年11月の記事で、題名は「紅葉進む丹沢湖で、気軽に楽しむ絶景サイクリング」です。気軽に、という言葉が題名に入っているとおり、標高差36mの周回路は、紅葉を見に来た人が自転車に乗る入口として扱いやすいコースです。
周回路を自転車で走れば、千代の沢園地の展望地に加えて、湖を一周する間に何度も違う角度から紅葉を眺められます。
西丹沢もみじ祭りは第59回が2025年11月15日
紅葉の時期の催しとして、西丹沢もみじ祭りがあります。2025年11月15日(土)に、第59回西丹沢もみじ祭りとして、しし鍋を振る舞う催しの開催が案内されていました。しし鍋は、イノシシの肉を使った鍋です。会場は丹沢湖周辺です。
2026年の第60回については、日程の情報を確認できていません。2026年の開催日や内容は、山北町観光協会や山北町商工観光課の案内で確認してください。自転車で行く日が催しと重なるなら、周回路の混み具合や駐車場の空き具合も、事前に調べておくと安心です。
しし鍋が振る舞われる催しは、色づき始めの11月上旬から見頃の11月下旬にかけての、紅葉の時期の中に置かれています。紅葉を見ながら湖畔を自転車で回り、その日の締めに温かい鍋を食べる日程を組めます。
レンタサイクルは丹沢湖記念館で1時間300円から
自転車を持っていなくても、丹沢湖記念館でレンタサイクルを借りて、湖畔を一周できます。料金は1時間300円からで、対象は小学4年生以上との案内があります。
借りる前に、料金や対象年齢、貸出の時間を山北町の公式サイトで確認してください。料金と対象年齢は変わることがあり、この記事では、案内にあった数字をそのまま紹介しています。
一周に約2時間かかるなら、時間貸しの料金は単純計算で2時間分です。300円を1時間分として2時間借りれば、600円になります。実際の金額は、窓口で確かめてください。
借りる場所が丹沢湖記念館ですから、貸出の前後に、湖の成り立ちを知る展示を見るのが、いちばん無駄のない動き方です。自転車で湖畔を回る前に館内を見て、湖の生い立ちを頭に入れておけば、途中で見かける三保の家や永歳橋の眺めが違って見えます。
周回路は自転車のほかに、ドライブ、ウォーキング、ジョギングでも使われている
丹沢湖の周回路を走る手段は、自転車だけではありません。JAF Mate Onlineは、この周回路を、エメラルド色の湖面と富士山が見えるドライブルートとして紹介しています。旅行の口コミサイトの4travelには、自転車で一周した旅行記があります。同じ道を車と自転車が使うわけですから、一方通行の区間とトンネルでは、自転車の側も車の流れを意識して走ります。
レンタサイクルの対象は、小学4年生以上です。標高差が約36mで、全体に平坦な周回路ですから、自転車に慣れてきた子どもと一緒に走る行程にも組み込みやすいコースです。ただし、後半に上り坂があるという感想は、子ども連れでも変わりません。ペースを落として走り、休憩は多めに入れてください。
酒匂川サイクリングロードから走る本格派のコース
丹沢湖までの道のりも含めて走りたい人には、酒匂川サイクリングロードを使うコースがあります。朝日新聞系のサイクリング紹介サイトに、「酒匂川サイクリングロードで行く丹沢湖サイクリング」という記事があります。
この場合は、湖畔の一周に加えて、湖までの行き帰りの距離と上りを考える必要があります。周回路だけで約15.7kmですから、そこへ往復分が足されます。体力と時間に余裕のある人向けのコースと考えてください。
坂道を避けたい初心者には、車で丹沢湖まで行って、湖畔の周回路だけを自転車で走る方法を、サイクリングの紹介記事が勧めています。周回路の標高差は約36mですから、車で湖まで上がってしまえば、あとは平坦な道を中心に走れます。自転車の経験が浅い人や、家族連れで走る人は、この方法が走りやすいです。
新松田駅から約50分、大井松田ICから約30分のアクセス
公共交通機関で行くなら、小田急線の新松田駅から、富士急湘南バスの西丹沢自然教室行きに乗ります。丹沢湖バス停までは約50分です。バスで行って湖畔でレンタサイクルを借りれば、自転車を運ばずに湖畔一周を楽しめます。
車で行くなら、東名高速道路の大井松田ICから約30分です。駐車場は無料で、台数は100台とする情報と80台とする情報があります。もみじ祭りの日や、色づきが進んだ週末は、早めの時間に着くのが無難です。
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| 電車とバス | 小田急線新松田駅から富士急湘南バス(西丹沢自然教室行き)で丹沢湖バス停まで約50分 |
| 車 | 東名高速道路の大井松田ICから約30分 |
| 駐車場 | 無料。台数は100台とも80台とも案内されている |
帰りに立ち寄れる道の駅山北と洒水の滝
湖畔一周のあとに足を延ばせる場所が、丹沢湖の周辺にいくつかあります。
道の駅山北は、西丹沢の玄関口にあります。地元でとれた野菜や特産品、手作りのパンを売っていて、川魚の料理も好評と紹介されています。自転車で走ったあとの食事や、お土産選びに向いた場所です。
洒水の滝(しゃすいのたき)は、名水百選と日本の滝百選に選ばれた名瀑です。酒匂川の支流の滝沢川から流れ落ちます。落差は、一の滝が約69m、二の滝が約16m、三の滝が約29mです。3つの滝を合わせると、約114mの落差があります。
中川温泉は、丹沢湖の北にある温泉地です。町立の温泉施設のぶなの湯と、旅館のあしがら荘があります。自転車で体を動かしたあとに、温泉で休む行程を組み込めます。
ユーシン渓谷は、玄倉ダムの水が透き通った青色をしていることから、ユーシンブルーと呼ばれる場所です。丹沢湖とは別の景色を見たい人が、足を延ばす候補になります。
電車とバスで来た場合の1日の組み方
ここまでに出てきた数字だけで、電車とバスで来る人の1日を組み立ててみます。小田急線の新松田駅から丹沢湖バス停まで、バスで約50分かかります。湖畔の一周は約2時間です。往復のバスで合計約100分、一周に約120分ですから、乗り物と走る時間だけで、3時間40分ほどになります。
ここに、湖畔でのレンタサイクルの手続き、永歳橋や千代の沢園地での休憩、丹沢湖記念館の見学、昼食を足します。バスの本数や貸出の受付時間は、この記事では確認できていません。出発前に山北町の公式サイトで調べ、帰りのバスに間に合う時刻を先に決めておくのが、いちばん失敗しにくい組み方です。
車で来る場合は、大井松田ICから約30分です。無料の駐車場に車を置いて、周回路だけを自転車で走ります。バスの時刻に縛られない代わりに、紅葉の週末は駐車場に早い時間から入る必要があります。
洒水の滝やユーシン渓谷、中川温泉まで足を延ばすなら、湖畔一周を午前に終わらせるのが現実的です。湖の北にある中川温泉のぶなの湯で汗を流すのは、自転車のあとの楽しみ方の1つで、道の駅山北で川魚料理を食べる行程も組めます。
初めて走る人の疑問に答えます
丹沢湖を自転車で一周するのに、どれくらい時間がかかるのか。一周でおよそ2時間という案内が目安です。約1.5時間とする記述もありますが、紅葉の時期は写真を撮る回数が増えますから、2時間以上で計画を立てておくと慌てません。
走る向きは決まっているのか。決まっています。反時計回りです。湖の北側に一方通行の区間があり、逆向きでは走れないためです。
自転車がなくても走れるのか。走れます。丹沢湖記念館でレンタサイクルを借りられます。料金は1時間300円からで、小学4年生以上が対象という案内があります。
坂道は大変か。全体は平坦で、標高差は約36mです。後半に上り坂があるという感想もあるので、前半は力を残して走るのがよいでしょう。坂が不安な人は、車で丹沢湖まで行き、周回路だけを走る方法が向いています。
距離は15.7kmと10kmのどちらなのか。周回ルートを紹介する情報は約15.7km、別の情報は約10kmと書いています。この記事は、約15.7kmを軸にして、約10kmから15km台の幅があるものとして案内しています。走る経路を決めたら、地図で距離を測ってください。
紅葉はいつ行けばよいのか。例年の見頃は11月上旬から11月下旬です。色づき始めは11月上旬で、気象によって前後します。出かける前に、山北町観光協会などの最新の案内を確認してください。
出発前に決めておく走る向きと時間と装備
湖畔一周で、最初に決めておくのは、走る向きと出発点です。反時計回りで走ること、トンネルの手前で県道710号へ左折して湖の東側に入ること、この2点は地図で確認してから出発します。
2つ目は、時間の組み方です。約2時間という案内を基準に、休憩と撮影の時間を足します。約10kmとする情報と約15.7kmとする情報があるので、自分の走る経路の距離は事前に確かめます。
3つ目は、装備です。トンネルがありますから、前後のライトがあると安心です。後半の上り坂に備えて、前半のペースは抑えめにします。
4つ目は、紅葉の時期の混雑です。駐車場は無料で台数は80台から100台とされています。紅葉の週末は、早めに着く計画にすれば、駐車場の空きを探す時間を短くできます。
丹沢湖の湖畔一周は、標高差36mという走りやすさと、エメラルド色の湖面、関東の富士見百景に選ばれた展望地、紅葉の見頃を、約2時間の行程にまとめた場所です。2026年の紅葉のシーズンに向けて、反時計回りというルールと、距離の数字の食い違いだけ、頭に入れて出かけてください。








