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群馬県みなかみ町では、E-BIKE(eバイク)に乗って、利根川の最上流部に並ぶ矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダムを巡れます。旅行会社のNTAが扱うレンタルプランなら、ガイドを付けずに自分たちのペースでダムを回れますし、谷川岳のふもとにある一ノ倉沢の大岩壁まで往復することもできます。みなかみ町で借りられるE-BIKEの料金は、半日が4800円、1日が7700円で、ヘルメット代も含まれています。
みなかみ町は群馬県の北部にある町で、町の土地のおよそ90パーセントを山林が占めています。地形は谷川岳の山麓から利根川の上流域まで変化に富んでいます。3つのダムは、東京都市圏の約8割、人数にすると約3000万人の暮らしに使われる水をためています。
E-BIKEは、スポーツ自転車にモーターの電動アシストを組み合わせた自転車を指す呼び名です。人がペダルを踏む力を、モーターが補助する仕組みです。

みなかみ町のE-BIKEレンタルは半日4800円、1日7700円
E-BIKEは半日か1日の単位で借ります。どちらの料金にも、ヘルメットの貸し出しが含まれます。
半日は午前か午後の枠、1日は午前9時から午後4時まで
半日プランで借りられるのは、午前9時から12時、または午後1時から4時の枠の中です。その範囲であれば、好きな時間を選べます。1日プランは午前9時に借りて午後4時に返す7時間の利用です。
2日以上続けて借りることもできます。連泊の場合は相談を受け付けています。
貸し出し用のSPECIALIZED VADO SL 4.0は最長130キロメートル走れる
貸し出し用に用意されている車種がSPECIALIZED VADO SL 4.0です。1回の充電で走れる距離は最長130キロメートルあり、町の観光名所や食事処をいくつも回る使い方に向いた1台です。
E-BIKEのアシストは時速24キロメートルで止まる
E-BIKEは、基準を満たしていれば、道路交通法では普通の自転車と同じ軽車両として扱われます。モーターが手助けする力の大きさ(アシスト比率)は、法令で上限が決まっています。
時速10キロメートルに届かないうちは、こぐ力1に対して最大2までモーターが補助します。時速10キロメートルを超えると、速度が上がるほど補助は少しずつ弱まり、時速24キロメートルでゼロになります。それより速く走っているあいだ、モーターは何も手伝いません。
スポーツタイプのE-BIKEには一軸型のドライブユニットを積んだものが多く、ペダルを速く回しても補助が続くように作られた車種もあります。基準を超えるように手を加えた車体で公道を走れば、道路交通法などの法令に違反します。
NTAのプラン(プランID 59169)はガイドなしで半日から2日まで
NTAが扱うプランはプランID 59169で、藤原ダムのほか、奈良俣ダムや矢木沢ダムまで足をのばせます。ガイドは同行しません。ルートは半日、1日、2日の3種類が用意され、プラン独自のロードマップも受け取れます。
E-BIKEで巡る3つのダムは堤高94.5〜158メートルの大型ダム
みなかみ町の利根川最上流部には、形式の異なる大型ダムが3つあります。主なデータを並べると、次のとおりです。
| ダム | 形式 | 堤高 |
|---|---|---|
| 矢木沢ダム | アーチ式コンクリートダム | 131メートル |
| 奈良俣ダム | ロックフィルダム | 158メートル |
| 藤原ダム | 重力式コンクリートダム | 94.5メートル |
藤原ダムと奈良俣ダムでは、令和4年度に完成した藤原・奈良俣再編ダム再生事業によって、奈良俣ダムが持っていた洪水調節容量のうち239万立方メートルが、利水容量として藤原ダムに振り替えられました。洪水調節とは、大雨で川が増水したときに、流れ込む水をダムでいったんため、下流へ出す水の量を抑えるはたらきのことです。
3つのダムの水は、利根川を通って首都圏へ流れていきます。利根川の始まりは、みなかみ町にある標高1831メートルの大水上山です。支流は800近くあり、流域の広さは日本一の約1万6840平方キロメートルです。東京とまわりの県で使う水のおよそ80パーセントを利根川がまかなっているため、「東京の水がめ」という呼び名も付きました。
矢木沢ダムは車道の行き止まりにある首都圏の水がめ
矢木沢ダムは、道路の終点に位置する多目的ダムです。湖の名前は奥利根湖で、最大で2億430万立方メートルの水をためられます(総貯水容量)。利根川総合開発の一環として昭和34年(1959年)に工事が始まり、昭和42年(1967年)に完成しました。
湖の底に沈んだ集落はほとんどなく、水没したのは東京電力の保養所1軒だけだったそうです。それだけ人の住む場所から離れた奥地に、このダムは築かれました。
ダムに併設された発電所は、東京電力が初めて手がけた揚水式の発電所です。上池には奥利根湖を、下池には須田貝ダムの洞元湖を使っています。須田貝ダムは、昭和30年(1955年)に利根川上流部で完成した発電専用のダムです。
揚水式発電とは、高い所の上池と低い所の下池のあいだで水を行き来させ、電気を水の形でためておく方式を指します。上池も下池も水量を調整する池で、発電所は2つの池の中間に置かれます。電気をあまり使わない夜間などに下池の水を上池へくみ上げ、使う量が増える時間帯に上池から下池へ落として発電します。下池にたまった水はまたくみ上げられ、何度でも使えます。この方式は、電力需要のピークに対応し、需要の波をならす役目を持っています。
ダム管理所の隣に建つのが、矢木沢ダム防災資料館(ネイチャービュー矢木沢)です。館内には資料が展示され、湖を見渡せるパノラマ展望台も備わっています。車なら関越自動車道の水上ICから約30分、電車ならJR上毛高原駅からタクシーで約1時間かかります。駐車場は無料で、37台分あります。
奈良俣ダムのならまた湖はダム湖百選に選定
奈良俣ダムは、みなかみ町を流れる楢俣川をせき止めて造られたダムです。ダム湖のならまた湖は、奥利根湖とあわせてダム湖百選に選ばれています。ダム湖百選を選んだのは財団法人ダム水源地環境整備センター(現在の一般財団法人水源地環境センター)で、選定の年は2005年です。
国土交通省が置く利根川ダム統合管理事務所は、ならまた湖を、奥利根の原生林や自然林が周りを囲み、至仏山や笠ヶ岳を眺められる湖として案内しています。
左岸に建つ防災館「ヒルトップ奈良俣」には、食事のとれるサービスセンターがあります。営業期間は4月下旬から11月下旬までです。サービスセンターの売店か奈良俣ダム管理所に立ち寄ると、ダムカードを受け取れます。
藤原ダムは利根川上流ダム群でいちばん早く竣工
利根川上流のダム群の中で、最初に完成したのが藤原ダムです。完成は昭和30年代前半で、堤頂長は230メートルあります。役割は、発電と洪水調節、流水の正常な機能の維持です。ダムの真下で発電しているのが藤原発電所で、最大出力は2万2200キロワットです。
貯水池は藤原湖と呼ばれます。ダムサイトには駐車場付きの自由見学場所があり、雪解けの季節になると放流を目の前で見られます。
春の点検放流「やぎならふじ」は堤体の中も見学できる
春には、矢木沢、奈良俣、藤原の3ダムがそろって点検放流を行い、この行事は「やぎならふじ」と呼ばれています。大量の水が放たれる様子を見物でき、2026年は5月16日と17日の2日間に予定が組まれていました。ふだんは立ち入れない堤体の中を見学する企画も用意されます。
点検放流は、放流設備に本当に水を通してみて、設備がきちんと動くかを調べる作業です。大水が出たときに設備をまちがいなく動かせるよう、出水期の前などに行います。ふだん使う常用放流設備も、洪水時の非常用放流設備も確認の対象です。
重力式とアーチ式とロックフィルは水圧の支え方が違う
ダムの形式は、建てる場所の地形や地質を見て選びます。
重力式コンクリートダムは、水の圧力を堤体の重さそのもので受け止めます。底を広くとるのでコンクリートを多く使いますが、日本でもっとも数の多い形式です。
アーチ式ダムは、上から見ると弓のように反った形をしています。水圧を両岸の岩盤へ逃がすため、堤体を薄くしてコンクリートを減らせる反面、両岸に硬い岩盤がないと造れません。
ロックフィルダムは、岩や土を積み上げて造ります。真ん中の水を通さない部分は粘土質の土で、その外側を岩で固めます。基礎の地盤が弱い場所でも建設できる形式です。
ダムカードは1人1枚の配布
ダムカードの配布は平成19年に始まりました。ダムのことを多くの人に知ってもらうのがねらいで、国土交通省か水資源機構の管理するダムで配られています。表にはダムの写真、裏には形式や貯水池の容量などの基本データが載っています。
もらえるのは、ダムを訪れた人1人につき1枚が原則です。都道府県や発電事業者の施設の中にも、カードを作っているところがあります。カードを受け取る場所がダム本体から遠い場合もあるので、事前の確認が必要です。
谷川岳の一ノ倉沢へはE-BIKEで国立公園の山麓を往復できる
一ノ倉沢の大岩壁が見える場所まで、E-BIKEなら自動車の入れない国立公園の山麓を通って往復できます。
谷川岳はオキノ耳が標高1977.7メートルの双耳峰
谷川岳は、群馬県と新潟県の県境にそびえる主峰です。頂上は2つあり、トマノ耳が標高1963メートル、オキノ耳が標高1977.7メートルです。ひとつの山に2つの頂が並んで見える山を双耳峰と呼び、谷川岳はこの双耳峰にあたります。
谷川岳は日本百名山に数えられています。日本百名山とは、1964年刊行の山岳随筆『日本百名山』で深田久弥が取り上げた100座の山のことです。選ぶ基準として深田は「品格・歴史・個性」を重んじ、高さは原則1500メートル以上としたとされます。
谷川岳は日本でも指折りの岩場として名高く、東側の斜面にあるマチガ沢や一ノ倉沢はロッククライミングの聖地です。一ノ倉沢で遭難が多いことが、谷川岳が「魔の山」と呼ばれてきた理由です。
一ノ倉沢の観賞コースは高低差が少なく家族連れでも歩ける
岩登りをしない人向けに、一ノ倉沢を眺める観賞コースがあります。林の中の旧道をたどる道で、登り下りが少なく、家族向けのコースです。
歩いて向かう場合、JR土合駅から一ノ倉沢出合までは約1時間40分かかります。バスなら関越交通バスの谷川岳ヨッホ行きに水上駅から乗り、約20分で着く終点から一ノ倉沢まで約1時間歩きます。車で来る人は、谷川岳ヨッホの有料駐車場に止められます。
危険地区への立ち入りは3月1日から11月30日まで登山届が必要
谷川岳遭難防止条例は、毎年3月1日から11月30日までの期間、危険地区に入る人に登山届(または登山計画書)を出すよう義務づけています。対象になるのは、マチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢、南面の岩場です。
谷川岳ロープウェイなら天神平まで約7分
谷川岳ロープウェイは、標高746メートルの谷川土合口駅と、標高1319メートルの谷川天神平駅を約7分で結んでいます。2022年からは星野リゾートが運営しています。天神平駅で天神峠リフトに乗り継ぐと、約7分で標高1502メートルの天神峠に着きます。
運行が始まるのは平日が8時、土日祝日が7時で、どちらも17時に終わります。
2026年の一ノ倉沢の紅葉は10月中旬から下旬が目安
谷川岳と天神平のあたりは、例年10月上旬から10月下旬に紅葉の見頃を迎えます。山頂の近くは、10月中旬ごろから色づきのピークに入ることが多いです。2026年の一ノ倉沢は10月中旬から10月下旬が見頃の目安です。群馬県内の紅葉スポットでは、谷川岳と天神平の人気が高いです。
サイクリングの拠点になる道の駅と谷川岳の入り口の土合駅
道の駅みなかみ水紀行館は諏訪峡探勝の起点にあたり、JR上越線の土合駅は谷川岳の登山口にあたる駅です。
道の駅みなかみ水紀行館には水族館と足湯がある
道の駅「みなかみ水紀行館」の所在地は、群馬県利根郡みなかみ町湯原で、清流公園と隣り合っています。売店と軽食コーナーのほか、淡水魚を展示する水族館の水産学習館、足湯、室内でクライミングができる設備がそろい、水上の観光情報センターも入っています。売店と観光案内は9時から17時まで営業しています。
土合駅は462段の階段を上る「日本一のモグラ駅」
土合駅は、群馬と新潟の県境に近いみなかみ町の無人駅で、下りホームは地下約70メートルの深さにあります。改札のある地上へ出るには、462段の階段を上らなければなりません。「日本一のモグラ駅」として知られる駅です。
土合駅に止まる列車の本数は限られています。ただ、夏などの時期には臨時列車として特急「谷川岳もぐら」や「谷川岳ループ」も止まります。駅舎の旧駅務室を作り替えたカフェが「駅茶mogura」で、駅からそのまま行けるグランピング施設として「DOAI VILLAGE」もあります。
町内18の温泉地でサイクリングのあとに休める
みなかみ町には18の温泉地が点在しています。E-BIKEで走ったあとに、温泉で体を休める日程を組みやすい町です。
ダム巡りで注意したいのは冬季の通行止めと山の自然
矢木沢ダムへの道は冬に通れなくなるうえ、熊や落石などへの備えも必要です。
矢木沢ダムへの道は例年5月上旬から11月下旬まで
奥利根の湖のほとりを走る道は、2本あります。群馬県道63号水上片品線の奥利根ゆけむり街道と、矢木沢ダムへ通じる矢木沢ダム管理用道路です。
矢木沢ダムのダムサイトへ行けるのは、例年5月上旬から11月下旬までに限られ、冬は通行止めになります。自転車で向かうなら、季節による制限に注意が必要です。
増水や強風、携帯電話の圏外にも備える
奥利根では、熊、落石、川の増水、強風に加え、携帯電話が圏外になることにも備えておく必要があります。
まとめ
みなかみ町で借りられるE-BIKEの料金は半日4800円、1日7700円で、車両のSPECIALIZED VADO SL 4.0は1回の充電で最長130キロメートル走れます。矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダムを巡るなら、NTAのプランID 59169でガイドなしの半日、1日、2日のルートを選べ、谷川岳の一ノ倉沢の大岩壁まで国立公園の山麓を往復することもできます。
3つのダムは、東京都市圏の約3000万人に水を届ける水がめです。矢木沢ダムへの道は例年5月上旬から11月下旬しか通れず、奥利根では熊や落石、圏外にも気を配る必要があります。2026年の一ノ倉沢の紅葉は10月中旬から10月下旬が目安で、走り終えたあとは町内に18ある温泉地で体を休められます。








