那珂川サイクリングロードの魅力を茨城と栃木の河川敷から紹介

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那珂川サイクリングロードは、栃木県那須地域から茨城県水戸市・ひたちなか市までの河川敷に整備された自転車ルートの総称です。栃木県はとちぎ旅ネットで県北エリアのモデルルートを、茨城県はサイクリングいばらきで那珂川・久慈川沿いの複数プランを公式に案内しており、初心者向けの短距離コースから90kmを超えるロングライドまで幅広く揃っています。距離が短く平坦なコースもあれば、獲得標高700m超の本格ルートもあるため、体力や目的に応じた選び方が重要になります。この記事では、茨城県側と栃木県側、それぞれのコースの距離や難易度、レンタサイクルの拠点、河川敷を走るときに押さえておきたい注意点を、区間ごとに整理して紹介します。

目次

那珂川は那須岳から太平洋まで全長150kmを流れ景観が上流と下流で一変する

那珂川は栃木県那須町の那須岳周辺を水源とし、那須野が原、那珂川町、茨城県の常陸大宮市、那珂市、水戸市を経て、ひたちなか市と大洗町の境で太平洋に注ぎます。全長は約150kmあり、関東地方の一級河川の中でも流域面積が広い川のひとつです。上流部は山あいの渓谷が続き、中流部は田園風景が広がり、下流部は水戸市街地の合間を縫うように流れる穏やかな川面になるため、同じ那珂川沿いでも区間によって景観がまったく異なります。この変化に富んだ地形のおかげで、サイクリングコースも区間ごとに難易度や雰囲気が分かれ、初心者向けのファミリーコースから上級者向けのロングライドコースまで幅広く用意されています。河川敷には堤防上の管理用道路や遊歩道が整備されている区間が多く、自動車の往来が少ない環境で走行できる点も、この流域が走りやすいと言われる理由になっています。

茨城県のサイクリングいばらきは那珂川と久慈川を組み合わせた3コースを公開している

茨城県は公式ポータルサイト「サイクリングいばらき」で、那珂川・久慈川流域のライドプランを複数公開しています。難易度・距離・獲得標高が異なる3つのコースを比較すると、次のようになります。

コース名起終点距離獲得標高走行時間の目安難易度
那珂川・久慈川グルメライド那珂市約68km430m3時間40分4段階中4
那珂川・久慈川自然満喫ライド那珂市約26km129m1時間55分5段階中2
久慈・那珂川街道水戸市(JR水戸駅)約91km715m4時間10分5段階中5

那珂川・久慈川グルメライドは、なかLuckyFM公園(那珂総合公園)を起点に、約12.6km・35分で道の駅ひたちおおたへ、さらに約15km・40分でパティスリーヒカリノ木へ、約8.1km・22分で道の駅かつらへ、約21.4km・58分でドロップファームへ進み、そこから約11km・30分でなかLuckyFM公園に戻る周回ルートです。茨城県央・県北を流れる那珂川と久慈川の周辺を走りながら、市町村ごとの地元グルメを楽しめる構成になっています。スイーツ店や農産物直売所を経由するため、走ることそのものより道中の食を目的にするサイクリストにも選ばれています。

那珂川・久慈川自然満喫ライドは、距離が短く獲得標高も129mと低いため、初心者や家族連れでも無理なく走れます。那珂市は「日本さくら名所100選」に選ばれた桜の名所を持っており、このコースは春に那珂市内の桜スポットを巡ることを想定して設計されました。桜の開花時期に合わせて訪れると、河川敷から続く桜並木を眺めながら走れます。

久慈・那珂川街道は、JR水戸駅を起点・終点として茨城県を代表する二つの河川、久慈川と那珂川を一度に巡る91kmのロングライドです。距離と獲得標高がいずれも大きいため、日頃からある程度走り込んでいる経験者向けのコースになります。沿線にはさまざまなグルメスポットが点在しており、長距離を走りながら地域の食も楽しめる構成です。

このほか、久慈川沿いには日立市が整備する「久慈川サイクリングコース」もありますが、一部に迂回区間があるため、看板の案内に従って走行する必要があります。水戸市内では桜川や千波湖の周辺にもレンタサイクルの返却拠点が設けられており、那珂川サイクリングロードは水戸北スマートインターチェンジ付近を起点に、幅が広く見通しの良い道が続く区間として案内されています。河川敷沿いには少年サッカーの大会や野球場が置かれているエリアもあり、スポーツ施設と一体になった河川空間が広がっています。

道の駅かつらは城里町の那珂川沿いにあり無料駐車場300台とシャワーを備える

那珂川・久慈川グルメライドや久慈・那珂川街道の途中で立ち寄れる道の駅かつらは、城里町にある那珂川沿いの直売所で、御前山を望む立地にあります。近隣には茨城県立御前山自然公園や那珂川に架かる橋があり、直売所ではひたち秋そばなどの地元産品を購入できるほか、サイクルラックや休憩スペースといったサイクリスト向けの設備も整っています。無料駐車場は約300台分あり、シャワー施設も併設されているため、長距離ライドの途中拠点として利用しやすい場所です。道の駅かつらを起終点にするコースとしては、約35kmのロングコースと約19kmのショートコースが案内されており、那珂川沿いの道は比較的走りやすく、休憩や補給がしやすいルートとされています。

道の駅かつらに近い御前山周辺では、御前山ダム公園を会場に「御前山サイクリングフェスティバル」としてグルメライドなどのイベントが定期的に開かれており、那珂川流域のサイクリング文化を支える催しのひとつになっています。御前山青少年旅行村など、川沿いにはバーベキューを楽しめるスポットも点在しているため、サイクリングとアウトドアレジャーを組み合わせて過ごす人も多いエリアです。

栃木県のとちぎ旅ネットは県北6市町を結ぶ全長144kmのナス1を案内する

栃木県は「とちぎ旅ネット」で、県北エリア・県東エリアそれぞれのサイクルツーリズム情報を発信しています。那珂川が流れる県北エリアでは、那須連山や那珂川、田園風景など変化に富んだ景色を楽しめる、栃木県北地域6市町を通過する全長約144kmのモデルルート「ナス1(イチ)」が設定されています。このルートには、小さな子どもを連れた家族でも安心して走れる区間から、八方ヶ原ヒルクライムのような上級者向けの区間まで含まれており、体力や経験に応じてコースを選べる設計になっています。

那須地域には、ナス1以外にも複数のサイクリングコースがあります。「那須高原ファミリーコース」は初級レベルに位置づけられ、距離は約21.2km、所要時間の目安は約1時間24分です。坂道が少なく距離も短いため、初心者や家族連れの利用に向いています。「那須ロングライドコース」は上級者向けに設定されており、那須の自然を長距離にわたって楽しめる内容です。那須野が原公園ではレンタサイクルが提供されており、18インチから26インチまでの自転車が合計150台用意されているため、園内を気軽に走ることができます。

那須高原ロングライドは2011年から続き獲得標高594mの起伏をコースに含む

那珂川の源流域にあたる那須地域は、近年サイクリングの目的地としても注目され、那須連山を背景に初心者から上級者まで楽しめる多様なコースが高原一帯に整備されています。中でも2011年から続く「那須高原ロングライド」は、全国から参加者が集まる歴史あるサイクリングイベントで、那須地域の自然、文化、食を巡ることをコンセプトにしています。初級・中級者向けに設計されたコースは、長い上り坂が少なく概ね平坦な地形で構成されている一方、獲得標高は594mあります。前半は那須連山の眺めを楽しみ、中盤はゆるやかな下りが続き、後半は農地の中を緩やかにアップダウンしながら進む見晴らしの良い区間になっています。

旧西那須野駅と那須小川駅の間には、東野鉄道の廃線跡を利用した全長4.2kmの歩行者・自転車専用道路「ポッポ通り」が整備されており、鉄道をモチーフにしたデザインが施されています。かつての鉄道路線を活用したこの道は、那珂川流域の観光サイクリングルートのひとつとして、黒羽や大田原方面へ向かうサイクリストにも利用されています。西那須野観光協会も独自にサイクリング情報を発信しており、那須地域全体でサイクルツーリズムの受け入れ体制が年々強化されています。

那珂川町観光協会は電動アシスト自転車を用意し馬頭商店街を巡るコースを案内する

那珂川の中流域に位置する栃木県那珂川町では、那珂川町観光協会が電動アシスト自転車のレンタサイクル事業を展開しています。下野新聞デジタルの報道によれば、この取り組みは地元の馬頭高校生がモデルコースを考案するなど、地域を巻き込む形で始まりました。レンタサイクルは、那珂川町観光協会のほか、みのたまの湯、南平台温泉ホテル、いさみ館、まほろばの湯といった複数の拠点で借りることができ、車では出会えない里山の風景や田園の空気、那珂川の清流を自分のペースで体感できる点が魅力です。

道の駅ばとうに隣接する那珂川町観光協会では、レトロな雰囲気が残る馬頭商店街周辺を巡るレンタサイクルコースも案内されています。那珂川町は鮎釣りの名所としても知られ、夏には鮎釣りが風物詩として親しまれており、那珂川沿いの宿には鮎釣り目的の宿泊客が多く訪れます。清流と里山、そして商店街の歴史的な街並みを一度に楽しめることが、このエリアでサイクリングをする大きな理由になっています。

那珂川はアユと鮭が生息する川で那須観光やなは8月から10月末まで営業する

那珂川は関東地方でも有数のアユの生息河川であり、鮭が遡上する川としても知られています。国土交通省常陸河川国道事務所の資料でも那珂川の自然環境が紹介されており、流域全体で水質や生態系の保全が図られています。上流域の那須地域には「那須観光やな」があり、毎年8月から10月末までの期間限定でやなが設置され、跳ねる天然鮎を素手でつかまえる川遊び体験ができるほか、鮎料理を提供する食事処も併設されています。サイクリングの途中でこうした川遊びに立ち寄れば、走るだけでは味わえない那珂川の魅力に触れられます。

那珂湊おさかな市場と大洗町の河口は那珂川サイクリングロードの終着点になる

河口部に近い茨城県ひたちなか市の那珂湊地域は、那珂川河口付近に造られた大きな漁港を中心に発展した観光地です。港内各所で海釣りを楽しめるほか、地魚の海鮮丼や寿司を味わえる飲食店、鮮魚や干物を扱う店が立ち並ぶ「那珂湊おさかな市場」も人気を集めています。河口の対岸にあたる大洗町側にも那珂川河口があり、無料駐車場と遊歩道が整備された釣りスポットになっているほか、近隣には大洗水族館やキッズランドなど家族向けの観光施設も揃っています。那珂川サイクリングロードを河口まで走り切れば、那珂湊や大洗エリアの海の幸や観光スポットとあわせて一日を過ごせます。

ツール・ド・大那は2026年9月13日に大田原と那須地域の魅力を巡るコースで開催された

那珂川流域では、茨城県と栃木県の両方にまたがる広域イベントも開かれています。その代表例が「ツール・ド・大那」で、大田原市と那須地域の象徴を掲げ、走ることでその土地の魅力に出会うことをコンセプトにしたイベントです。2026年は9月13日に開催され、大田原・那珂川・那須・那須塩原の各エリアの自然、歴史、グルメを自転車で巡るコースが用意されました。こうした広域イベントは、県境を意識せずに那珂川流域全体をひとつのサイクリングエリアとして楽しむ機会になっています。

河川敷サイクリングロードは自動車が少ない一方で増水時の通行止めに注意が要る

那珂川流域の河川敷サイクリングロードに共通する特徴は、堤防上の管理道路や専用の遊歩道が整備されている区間が多いことです。こうした道は基本的に自動車の進入がないか、あっても交通量が少ないため、初心者や子ども連れでも比較的安心して走行できます。河川敷特有の開放的な景観も魅力で、上流部では那須連山を望む眺め、中流部では里山と清流が織りなす風景、下流部では水戸市街地の合間を縫うように流れる穏やかな川面と橋梁群を楽しめます。

一方で、河川敷の道路には注意すべき点もあります。増水時や大雨のあとには、河川敷の遊歩道や管理道路が冠水したり通行止めになったりすることがあるため、事前に自治体や河川管理者が発表する情報を確認しておく必要があります。那珂川流域では、令和元年10月の台風19号によって大きな被害が発生したことを受け、国と茨城県、水戸市、ひたちなか市などが連携して「那珂川緊急治水対策プロジェクト」を進めてきました。このプロジェクトでは、若宮地区、水府枝川地区、根本地区、中河内地区、渡里地区、下国井地区などでの河道掘削、勝田栄町地区、大野地区、吉沼地区、下江戸下圷地区、野口下伊勢畑地区などでの堤防整備、大場遊水地や下境地区の霞堤整備を進め、令和元年東日本台風規模の洪水に対して堤防からの越水を防ぐことを目指しています。堤防や河川敷の形状はこうした治水工事の進み具合によって年々変わる可能性があるため、サイクリングで訪れる際は最新の道路状況や通行可否を現地の案内板や自治体の発表で確認すると安全です。久慈川サイクリングコースのように区間ごとに迂回路が設定されている場所もあるため、看板や案内表示に従って走行してください。河川敷の道は舗装されていない砂利道や未舗装区間が混在することもあり、ロードバイクよりもグラベル対応のクロスバイクや電動アシスト自転車の方が走りやすい場面もあります。夕方以降は街灯が少ない区間もあるため、ライトの準備は欠かせません。

那珂川サイクリングロードの選び方は目的地・距離・体力の3点で決まる

那珂川流域でサイクリングコースを選ぶときは、自分の体力や経験、目的に応じて区間を選ぶことが重要です。桜の名所巡りが目的なら春の那珂川・久慈川自然満喫ライド、グルメを楽しみながら中距離を走りたいなら那珂川・久慈川グルメライド、本格的な走り込みをしたいなら久慈・那珂川街道や那須地域のナス1のロングルートが向いています。家族連れであれば、那珂川町のレンタサイクルや那須高原ファミリーコース、那須野が原公園のレンタサイクルのように、距離が短く安全性の高いコースを選ぶとよいでしょう。

鮎釣りや道の駅めぐり、温泉地訪問といった観光とサイクリングを組み合わせるのも、この流域ならではの楽しみ方です。道の駅ひたちおおた、道の駅かつら、道の駅ばとうなど、那珂川流域には複数の道の駅が点在しており、休憩や食事、地元産品の購入といった立ち寄りスポットとして活用できます。温泉地としては馬頭温泉郷が那珂川町にあり、サイクリングのあとに汗を流すことができます。

那珂川サイクリングロードについてよくある疑問

那珂川サイクリングロードはどこから走り始めればよいのか迷う人も多いはずです。初めて走るなら、距離が短く獲得標高も低い那珂川・久慈川自然満喫ライドや那須高原ファミリーコースから試すと、無理なく那珂川流域の雰囲気をつかめます。もう少し距離を伸ばしたい場合は、グルメスポットを結ぶ那珂川・久慈川グルメライドや、道の駅かつらを起終点にする約35kmのロングコースが選択肢になります。

レンタサイクルはどこで借りられるのかという疑問には、那珂川町観光協会、みのたまの湯、南平台温泉ホテル、いさみ館、まほろばの湯といった那珂川町内の拠点のほか、那須野が原公園、水戸市内の千波湖・桜川エリアが答えになります。電動アシスト自転車を扱う拠点もあるため、坂道が不安な人でも借りる場所を選べば負担を減らせます。

雨のあとに走っても大丈夫かという点については、増水後は河川敷の遊歩道や管理道路が冠水・通行止めになっていることがあるため、走る前に自治体や河川管理者の発表を確認したほうがよいでしょう。那珂川緊急治水対策プロジェクトによる工事が進んでいる区間では、堤防や河川敷の形状が変わっている場合もあるため、現地の案内板の指示に従うことが安全につながります。

まとめ:那珂川サイクリングロードは源流の那須から河口の大洗まで表情が変わる

那珂川サイクリングロードは、栃木県那須地域の山岳景観から、那珂川町の里山と清流、そして茨城県那珂市・水戸市周辺の穏やかな河川敷まで、上流から下流にかけて表情を変えながら続いています。茨城県のサイクリングいばらき、栃木県のとちぎ旅ネットがそれぞれ公式にライドプランを公開しており、初心者向けの短距離コースから90km近いロングライドまで、幅広いニーズに対応したコースが揃っています。レンタサイクルの拠点も那珂川町や那須野が原公園、水戸市内の千波湖・桜川エリアなど各地にあり、手ぶらで訪れても走り出せます。県境をまたいだツール・ド・大那のような広域イベントも開かれており、茨城県と栃木県がそれぞれの立場から那珂川流域のサイクリング観光を盛り上げています。走行の際は増水時の通行止めや未舗装区間、日没後の照明不足といった河川敷特有の注意点を踏まえたうえで、季節や目的に応じてコースを選んでみてください。

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