宮ヶ瀬湖の湖畔を1周約10キロ、紅葉の11月にロードバイクで走る

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宮ヶ瀬湖の湖畔には、ロードバイクで1周約10キロメートルを回れる周回路があります。山あいの道なので上り下りはあるものの、坂の勾配は初心者でも挑める程度です。紅葉が見頃になるのは例年11月中旬から11月下旬で、この時期に走れば、サイクリングと紅葉狩りを1日で両方楽しめます。

宮ヶ瀬湖は人造湖で、湖面は神奈川県愛川町と清川村、相模原市緑区という3つの市町村にまたがっています。相模川水系の中津川に宮ヶ瀬ダムが築かれたことで生まれました。脚に自信のある人なら、秦野駅からヤビツ峠を登って宮ヶ瀬へ下る約50キロメートルの行程も組めます。走り終えた後は、遊覧船やインクラインも利用できます。

目次

宮ヶ瀬湖の湖畔を回る周回コースは1周約10キロ

宮ヶ瀬湖のまわりは、ずっと前からロードバイク乗りが集まる場所です。周回の距離は約10キロメートルで、平坦な道ばかりではありませんが、上り坂は初めての人でも越えられる勾配にとどまります。1周で物足りなければ、2周目、3周目と回数を増やせば十分な距離になります。

みやがせミーヤ館の駐車場から左回りに走る

周回ルートの一例として、体験施設のみやがせミーヤ館がある駐車場エリアから左回りに湖を巡る道順があります。走り出すと「やまびこ大橋」に差しかかり、橋を渡った先は、眼下に湖を見ながら岸沿いを進む区間が続きます。東岸は一気に駆け抜けられる快走路で、途中でダムサイトに寄り、見学の時間を組み込んだ周回にもできます。

湖の縁に沿う道は、上り下りとカーブが途切れず続くワインディングロードで、首都圏から走りに来る人にとっては定番のツーリング先です。

休憩所には自動販売機とベンチとトイレがある

コース沿いには休憩所がいくつもあり、自動販売機、ベンチ、トイレがそろっています。何周も回るつもりなら、水分や食べ物を補給したい頃合いに休憩所に寄るよう計画しておくと、無理なく走り続けられます。

行楽シーズンの週末は車と歩行者に気を配る

一般道を走る自転車は、車道の左端か路側帯を通るのが基本です。観光客が増える時期の週末は、車やバイクだけでなく歩いている人も多くなります。湖畔のカーブを曲がるときや橋を渡るときは、とくに周囲をよく見て走ってください。

ロードバイクの経験者はヤビツ峠を越える約50キロのルートへ

峠道を楽しみたい経験者の間でよく知られているのが、ヤビツ峠を越えて宮ヶ瀬まで下るルートです。出発は小田急線の秦野駅で、前半は峠に向かって登り続けます。中盤でヤビツ峠を越えると宮ヶ瀬まで下り、終盤は宮ヶ瀬から小田急線の本厚木駅までを走ります。全体で約50キロメートル、登りと下りの両方を1日で味わえる行程です。

前半の登りは、ヒルクライムと呼ばれる走り方にあたります。ヒルクライムとは、山や峠の上り坂をロードバイクで登ることです。上り坂に設定したコースでタイムを競うレースの名前としても使われますが、個人で峠に挑むときは順位を気にせず、自分の脚力に合ったペースで、ゆっくりでも頂上までたどり着くことを楽しむのが一般的です。登りに向いたロードバイクには、一般の自転車より車体が軽いという特徴があります。

表ヤビツは距離11.8キロで平均勾配5.9パーセント

秦野側から峠へ向かう登りは「表ヤビツ」と呼ばれます。名古木から峠までの距離は11.8キロメートル、標高差は670メートル、平均勾配は5.9パーセントです。登り始めは名古木交差点で、そこから県道70号秦野清川線をたどって峠を目指します。

補給の目安は、登り口の名古木交差点にあるコンビニ、坂の途中で休める菜の花台、峠のトイレです。

裏ヤビツの下りは出発前に通行できるか確かめる

峠を越えて宮ヶ瀬側へ下っていく区間が「裏ヤビツ」です。この下り坂は、宮ヶ瀬湖に着く手前の橋梁で工事があったため、通れなかった時期がありました。走る日に通行できるかどうか、道路がどうなっているかは、神奈川県と秦野市、清川村がそれぞれ出している公式情報で事前に確かめてください。

本厚木駅から宮ヶ瀬へ逆向きに走るなら、ヒルクライムへの備えが要ります。

湖畔の紅葉は11月中旬から下旬が見頃

宮ヶ瀬湖の周辺が色づくのは、例年11月中旬から11月下旬にかけてです。天気情報サイトの予想で、見頃の始まりが11月23日頃とされた年もありました。気温や天候しだいで時期は前後するので、出かける直前に最新の紅葉情報を見てから向かうのが確実です。紅葉の状況は、みやがせミーヤ館に問い合わせることもできます。

紅葉の絶景ポイントに数えられているのは、高取山の山頂と鳥居原園地のドウダンツツジ、それに宮ヶ瀬ダム本体のまわりです。湖畔エリアを巡るロードトレインに乗れば窓から、遊覧船に乗れば船の上から、湖面の向こうに色づいた山が見えます。

鳥居原園地のドウダンツツジは10月下旬から赤く染まる

湖の北西側にある鳥居原園地は、紅葉を撮りに来る人がよく足を運ぶ場所です。秋になるとドウダンツツジが鮮やかな赤に色づき、その奥に宮ヶ瀬湖の水面、さらに遠くに丹沢山系が重なります。手前に架かる赤い「虹の大橋」も、景色の中でよく映えます。

神奈川県は観光案内の中で、この園地の紅葉の見頃を10月下旬から11月初旬ごろとしています。ただ、色づく時期は年ごとにずれます。11月初旬に訪れて満開に出会えた人がいる一方で、12月上旬に行ったら遅すぎたという人もいました。

園内には、湖を見渡せる「岬の展望台」があります。湖畔エリアにつながる「虹の大橋」や「湖畔庭園」も近いので、自転車を降りて、歩いて景色を見て回れます。

鳥居原ふれあいの館は地元の農産物と組みひもの売り場がある

湖の北西側に建つ鳥居原ふれあいの館(相模原市緑区鳥屋1674)には、地元で採れた農産物と加工品の売り場があります。工芸品も扱っていて、津久井地域の特産品として組みひもが並びます。地元の食材で料理を出す食事処も入っています。営業日や最新の見頃は、宮ヶ瀬ダム周辺振興財団に問い合わせると分かります。

この館の駐車場は、バイクで来る人たちの集合場所としても有名です。利用できるのは9時から17時までです。

遊覧船は宮ヶ瀬とダムサイトと鳥居原を結ぶ

自転車を降りた後に船に乗れば、湖の上から色づいた山を見られます。遊覧船は、宮ヶ瀬(湖畔)とダムサイト、鳥居原の各エリアを行き来しています。宮ヶ瀬を発着して湖を30分で巡る遊覧コースもあります。船の上からの紅葉は、11月下旬から12月上旬を見頃に挙げる案内が多くあります。

区間・コース料金
宮ヶ瀬とダムサイトの間(往復)1000円
宮ヶ瀬とダムサイトの間(片道)大人600円、子どもはその半額
宮ヶ瀬発の30分コース大人1500円、子ども600円、幼児100円

運航は9時から16時までです。料金や運航の状況は変わる場合があり、問い合わせ先はみやがせミーヤ館です。

高取山の山頂は標高705メートル

高取山へは、宮ヶ瀬ダムのダムサイトから登れます。神奈川県の案内では、山頂の標高は705メートルです。登山口は宮ヶ瀬湖の岸にあり、歩き始めるとすぐ、急な階段の登りになります。山頂に立つ鉄塔は高さ13メートルで、頂上からは宮ヶ瀬湖と丹沢の山並みを見渡せます。

気をつけたいのは、「高取山」という名前の山がこの近くにいくつもあることです。ダムサイト側の高取山のほかに荻野高取山と半原高取山があり、それぞれ別の山で、登山口も標高も違います。

ダムの堤体の上では自転車を降りて押して歩く

宮ヶ瀬ダムの堤体の上、堤体の左右岸にある広場、ダムの下の広場では、自転車に乗って走ることが禁じられています。降りて手で押しながら通るのは問題ありません。

ダムと湖は公共物なので、散策やスポーツに誰でも使えます。同じ時間帯に大勢が集まる場所でもあるので、国土交通省の相模川水系広域ダム管理事務所が来訪者にマナーとルールを守るよう求めています。湖に転げ落ちる危険がある急斜面に入ることも禁止です。決まりを破っている人を見つけると、ダム管理事務所の関係者がその場ですぐにやめるよう声をかけます。

駐車場は約2000台で土日祝日は普通車500円

サイクリングの拠点にできる駐車場は湖の周辺に複数あり、公式の案内では約2000台分です。料金がかかるのは土日祝日とゴールデンウィーク、夏休みで、平日は無料です。料金は普通車500円、大型車1500円です。

主な駐車場台数
あいかわ公園 南駐車場451台
あいかわ公園 北駐車場206台
水の郷駐車場240台
小中沢駐車場344台

小中沢駐車場の普通車は、土曜、日曜、祝日と夏休みの期間に独自の料金体系をとっています。30分以内なら無料、2時間までは300円、2時間を超えると500円です。料金や運用は変わることがあるため、停める前に公式サイトで確かめてください。

電車なら本厚木駅北口からバスで約60分

公共交通で向かう場合は、小田急線の本厚木駅北口で神奈川中央交通(神奈中バス)に乗ります。行き先は「宮ヶ瀬」で、終点まで約60分かかります。車なら圏央道の相模原ICを降りて約30分です。

宮ヶ瀬ダムは堤高156メートルの重力式コンクリートダム

宮ヶ瀬ダムは、高さ156.0メートルの堤体を持つ重力式コンクリートダムで、東京近郊では最大のダムです。貯められる水の総量は関東地方で3番目に多く、上回るのは奥多摩湖(小河内ダム)と奥利根湖(矢木沢ダム)だけです。101.4平方キロメートルの集水面積を持ち、相模ダムと城山ダムとも連携しながら、相模川水系の水をまとめて運用しています。

ダムが担う役割は4つあり、洪水調節と流水の正常な機能の維持、発電、水道水の供給です。宮ヶ瀬ダムに貯まった水は、神奈川県内のいくつもの自治体に水道水として送られています。

重力式コンクリートダムとは、貯めた水が押す力を、堤体そのものの重さで受け止める型式のダムです。水の圧力を堤体の重みで基礎の岩盤へ逃がす仕組みで、断面は三角形に近い形をしています。左右や下の岩盤で水圧を支えるアーチ式とは、ここが違います。構造が単純で大きなダムを造りやすいため、日本ではこの型式がいちばん多く使われています。弱点は、コンクリートを大量に使い、工事に時間がかかることです。

「ダム湖百選」は、2005年に財団法人ダム水源地環境整備センター(いまの一般財団法人水源地環境センター)が全国のダム湖から65か所を選んだものです。宮ヶ瀬湖もその一つです。

観光放流は午前11時と午後2時の1日2回

観光放流は平成14年度に始まり、ダムの真下で今も続いています。巨大な堤体から水が一気に放たれる光景は迫力があり、地域を盛り上げる取り組みの一つにもなっています。

2026年は4月から11月までの期間に定期放流があり、曜日は水曜日と第2・第4金曜日、第2日曜日です。定期放流とは別にイベント放流もあり、12月から3月は定期放流が休みになります。この日程は、国土交通省が公表した2026年8月4日版の内容です。

放流の時刻は午前11時と午後2時で、1回あたり約6分間、毎秒30立方メートルの水が流れ出ます。イベント放流は、11月23日や12月9日などが予定に入っています。天候によっては中止になることがあります。定期放流のある水曜日や第2日曜日などを選べば、紅葉の時期に湖畔を走る日に放流の見物も組み込めます。

インクラインは最大傾斜35度の斜面を261メートル下る

ダムの堤体の頂上と、その下の川辺のあいだは、インクラインという斜行エレベーター形式のケーブルカーで行き来できます。もともとはダムの工事中、資材を運ぶトラックを上下に移すために造られた設備です。最大で35度傾いた急斜面を、頂上から261メートル下ります。1基に46人まで乗れ、車椅子を使う人と障害のある人は料金がかかりません。

観光の定番は、まずあいかわ公園で「愛ちゃん号」というロードトレインに乗り、ダムの真下まで行く回り方です。そこでインクラインに乗り換え、堤体の上へ上がります。

1969年の計画発表から2000年の竣工まで

相模川が一級河川になったのは1969年(昭和44年)4月です。同じ年の9月には建設省が宮ヶ瀬ダムの計画を発表し、ここからダムづくりが動き出しました。完成したのは2000年(平成12年)12月です。国土交通省は、住み慣れた故郷を離れた移転者、先祖から受け継いだ土地を差し出した地権者、関係する公共機関、工事に携わった人たちの協力でダムができあがったと説明しています。

清川村にある宮ヶ瀬湖水の郷交流館では、湖の底に沈む前の宮ヶ瀬地域で人々がどう暮らし、どんな産業を営んでいたのかを、歴史とあわせて伝えています。国土交通省が示す「宮ヶ瀬湖憲章」には、湖の意義と歴史を忘れずに次の世代へ伝えようという理念が掲げられています。

走った後に寄りたいみやがせミーヤ館とあいかわ公園

走り終えて食事をとるなら、湖畔の水の郷商店街が便利です。土産物店と食事処あわせて13軒が軒を連ねています。

みやがせミーヤ館と湖畔園地

みやがせミーヤ館に行けば、湖の周辺で開かれるイベントや観光の情報が一度に手に入ります。この館は、自然にふれたり人と交流したりする拠点にもなっています。館の1階にある「クラフトルーム」では、宮ヶ瀬の四季の自然を伝える展示を自由に見て回れます。館内の工房では、材料を買えばその場でクラフトづくりを体験できます。

湖畔園地は、2万平方メートルを超える広さのけやき広場が中心です。長さ315メートルの大つり橋、カヌーで遊べる親水池、バーベキューができるピクニック広場もそろっています。園地を利用できる時間は9時から17時までです。宮ヶ瀬湖畔エリアには、30メートルの高さまで水を噴き上げる大噴水「虹の妖精」もあります。

県立あいかわ公園は入園無料で約52ヘクタール

宮ヶ瀬ダムのすぐ下には、神奈川県立あいかわ公園が広がっています。面積は約52ヘクタールで、入園料はかかりません。所在地は愛甲郡愛川町半原5423です。

春は「花の斜面」に植えられた約40種、4万本のツツジが、3月末から5月初旬にかけて花を咲かせます。4月末からのゴールデンウィークに合わせて、「愛川つつじまつり」も開催されます。小さな子どもと一緒なら、大型遊具のある「冒険の森」や「ふわふわドーム」、水遊びのできる「じゃぶじゃぶ池」で過ごせます。「工芸工房村」では機織りと藍染めを体験でき、園内には愛川町郷土資料館もあります。

公園とダムを結ぶ「愛ちゃん号」は、SLの形をしたロードトレインで、走る日は限られています。

紅葉の後は高さ約30メートルのツリーが立つイルミネーション

紅葉の後の季節には、宮ヶ瀬湖畔でイルミネーションのイベント「宮ヶ瀬クリスマスみんなのつどい」が開かれます。2025年の開催期間は11月22日から12月25日までで、明かりがともるのは17時から22時まででした。会場の目印は、高さ約30メートルもあるジャンボクリスマスツリーです。会場を照らした電球は約70万球にのぼりました。

イベントの問い合わせ先は、宮ヶ瀬水の郷イベント実行委員会です。

宮ヶ瀬湖へ走りに行く前に確かめておきたいこと

宮ヶ瀬湖は、初心者なら1周約10キロメートルの湖畔コース、経験者ならヤビツ峠を絡めた約50キロメートルのルートを走れます。湖畔の紅葉の見頃は11月中旬から下旬で、高取山やダムの周辺が色づきます。駐車場の料金、ヤビツ峠側の道路の通行状況、その年の紅葉がどこまで進んでいるかは、家を出る前に公式の情報で確かめてください。

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