豊かな自然と美しい島々が織りなす長崎県・五島列島は、サイクリストにとって格別の体験ができる場所です。潮風を感じながら爽快に走るサイクリングロード、歴史ある教会や遺産を巡る文化的なルート、息を呑むような絶景が広がる海岸線など、五島列島は自転車で巡るからこそ、その魅力を存分に味わうことができます。
大小様々な島々から成り立つ五島列島は、それぞれの島が独自の風景と文化を持ち、サイクリングを通じてそれらを間近に感じることができます。車では通り過ぎてしまうような小さな集落の風景や、地元の人々との温かい交流も、自転車だからこそ体験できる醍醐味です。
この記事では、初心者から上級者まで楽しめる五島列島のサイクリングコースを詳しく紹介し、旅の計画に役立つ情報をお届けします。美しい自然、豊かな歴史、そして忘れられない景色を求めて、五島列島でのサイクリング旅へ出かけましょう。
五島列島でサイクリングを楽しむ魅力とは？
五島列島でのサイクリングは、単なる観光とは一線を画す特別な体験を提供してくれます。その魅力は多岐にわたりますが、特に際立つのは以下の点です。
まず、豊かな自然環境と変化に富んだ景観が挙げられます。五島列島は、青く透き通った海、白い砂浜、緑豊かな山々など、多様な自然環境が凝縮された場所です。サイクリングしながら、潮風を感じる海岸線から、のどかな田園風景、そして山々の眺望まで、短い距離で多彩な景色を楽しむことができます。特に福江島の鬼岳周辺では、芝生に覆われた美しい流線形の山と、その山頂からの絶景が待っています。
次に、世界遺産や日本遺産など歴史的・文化的スポットへのアクセスの良さです。五島列島には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である堂崎教会や旧五輪教会堂、遣唐使ゆかりの地など、貴重な歴史的スポットが点在しています。サイクリングルートは、これらの文化遺産を効率よく巡れるように設計されており、歴史と文化に触れながらの旅が可能です。
また、島ならではの開放感と自由度の高さも魅力の一つです。五島列島は主要道路から離れると交通量が非常に少なく、サイクリストにとって快適な環境が広がっています。特に福江島のブルーライン（サイクリングロード）は、サイクリストのために整備された専用ルートで、安全かつ効率的に島を巡ることができます。
さらに、地元の人々との交流や食文化の体験も五島列島サイクリングの大きな魅力です。車では素通りしてしまうような小さな集落でも、自転車なら気軽に立ち寄ることができ、地元の人々との温かい触れ合いや、五島ならではの食文化を体験することができます。特に「GOTO-CHIハンティング」と呼ばれる体験では、サイクリングで五島の名産品を集め、最後にバーベキューを楽しむという、交流型のサイクリングイベントも開催されています。
そして、サイクリングのレベルや体力に合わせた多様なコース選択が可能な点も見逃せません。五島列島には、初心者向けの平坦なコースから、上級者向けの長距離・高低差のあるコースまで、様々なレベルに対応したルートが用意されています。電動アシスト付き自転車のレンタルも充実しているため、サイクリング初心者や体力に自信のない方でも、五島の美しい景色を楽しむことができます。
五島列島のサイクリングは、自然、歴史、文化、そして人との出会いを通じて、忘れられない島の旅を提供してくれます。潮風に吹かれながら、自分のペースで島の魅力を発見する旅に出かけてみませんか。
初心者におすすめの五島列島サイクリングコースは？
五島列島を初めて訪れる方や、サイクリング初心者の方でも安心して楽しめるコースが数多く用意されています。ここでは、特に初心者におすすめの代表的なコースをご紹介します。
堂崎教会コース（福江島）
コースの特徴: 福江港から北に延びるこのコースは、のどかな里山を抜け、奥浦湾沿いを爽快に駆け抜けるルートです。高低差が少なく、比較的平坦な道が続くため、サイクリング初心者でも無理なく楽しめます。コースの終点である堂崎教会は、国の重要文化財に指定されているレンガ造りの美しい教会で、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産でもあります。
距離と所要時間: 約26km（福江港から堂崎教会まで往復）、2〜3時間程度
見どころ:
- 堂崎教会: 100年以上の歴史を持つレンガ造りの教会。隠れキリシタンの歴史を今に伝える重要な場所です。
- 奥浦湾: 海岸線に沿って美しい景色が広がり、潮風を感じながらのサイクリングが楽しめます。
- 教会周辺のカフェ: 休憩にぴったりのカフェや軽食が楽しめるお店があります。
初心者向けポイント: 高低差が少なく、直進が続くルートで迷いにくいのが特徴です。海沿いの道は風の影響を受けやすいので、風向きには注意しましょう。レンタサイクルショップ「GOTOCHARI」などで電動アシスト付き自転車を借りれば、より快適に走ることができます。
鬼岳シンボルコース（福江島）
コースの特徴: 福江島のシンボルである鬼岳を巡る、比較的短距離のシンプルなコースです。鬼岳は山全体が芝生に覆われた美しい流線形の山で、頂上からは福江の市街地や広大な海原を一望できます。初心者でも気軽に五島の雄大な自然を満喫できるコースとなっています。
距離と所要時間: 約10〜15km（コース設定による）、1〜2時間程度
見どころ:
- 鬼岳: 福江島のシンボル。山頂からの眺めは圧巻で、天気が良ければ新上五島まで見渡せます。
- 鬼岳四季の里: 鬼岳の麓にある施設で、お土産購入や食事が可能です。
- 山本二三美術館: 「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」などのアニメーション美術監督として知られる山本二三氏の作品を展示しています。
初心者向けポイント: 鬼岳への上り坂はありますが、ルートは短く設定されているため、初心者でも無理なく挑戦できます。特に電動アシスト付き自転車を利用すれば、上り坂も楽に走れます。休憩スポットも多いので、自分のペースで進められるのも魅力です。
遣唐使ふるさと館コース（福江島）
コースの特徴: 遣唐使の歴史に触れることができる、文化的な要素が強いコースです。道の駅「遣唐使ふるさと館」を拠点に、辞本涯（じほんがい）や、ふぜん河など遣唐使ゆかりの地を巡ります。歴史好きの方にも、サイクリング初心者にもおすすめのコースです。
距離と所要時間: 約17km、2時間程度
見どころ:
- 道の駅 遣唐使ふるさと館: 遣唐使に関する資料が展示されており、五島の歴史を深く知ることができます。
- 辞本涯の碑: 「日本の果ての地」を意味する碑で、遣唐使たちが最後に日本を見た場所とされています。
- ふぜん河: 遣唐使船に飲料用水を供給していたと伝わる井戸。
- 五島列島酒造: 五島の原材料を使用した焼酎を製造している酒造で、立ち寄り見学が可能です。
初心者向けポイント: 比較的平坦なコースで、距離も手頃なため、初心者でも楽しめます。道の駅では自転車のレンタルも行っており、レンタカーと組み合わせれば部分的にサイクリングを楽しむこともできます。歴史スポットが多いので、各所での休憩を兼ねた観光が可能です。
奈留島（なるしま）のんびりコース
コースの特徴: 福江島からフェリーで約30分の奈留島は、世界遺産に登録されている「潜伏キリシタン」ゆかりの地です。島全体がこじんまりとしており、自転車でのんびり散策するのに最適。比較的平坦な道が多く、気軽にサイクリングを楽しめます。
距離と所要時間: 約16km（奈留島一周）、2時間程度
見どころ:
- 奈留教会: 奈留島の中心部に立つ美しい教会。
- 奈留島の集落: 昔ながらの日本の漁村の風景が残っています。
- 奈留島ふれあい交流館: 島の情報や観光案内、休憩スペースがあります。
初心者向けポイント: 島がコンパクトで道も整備されているため、初心者でも無理なく一周できます。奈留島にはレンタサイクルもあるので、福江島で借りた自転車を持ち込まなくても大丈夫です。事前にフェリーの時間を確認しておきましょう。
五島列島での初心者向けサイクリングは、島の美しい景色と豊かな文化を、自分のペースで楽しめるのが魅力です。特に電動アシスト付き自転車を利用すれば、アップダウンも楽に走れるので、サイクリング初心者の方も安心して挑戦できるでしょう。また、多くのコースには休憩スポットやカフェが点在しているので、のんびりと島時間を満喫できます。
五島列島のサイクリングで訪れるべき世界遺産・文化スポットは？
五島列島は自然の美しさだけでなく、歴史的・文化的にも非常に価値の高いスポットが点在しています。サイクリングルートには、これらの貴重な文化遺産が多く含まれており、島の歴史と文化を深く味わうことができます。ここでは、サイクリングで訪れるべき主要な世界遺産と文化スポットをご紹介します。
世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産
堂崎教会（福江島）
特徴: 国の重要文化財にも指定されている、美しいレンガ造りの教会です。1908年（明治41年）に完成し、100年以上の歴史を持つこの教会は、隠れキリシタンの歴史を今に伝える重要な場所です。奥浦湾を見下ろす高台に建っており、周囲の景観との調和も美しいです。
アクセス: 福江港から約13km、サイクリングで約45分〜1時間。「堂崎教会コース」で訪れることができます。
見学のポイント: 教会内部は時間制限や拝観料がある場合があります。マナーを守って見学しましょう。教会周辺からの眺望も素晴らしいので、風景を楽しむことをおすすめします。
旧五輪教会堂（久賀島）
特徴: 世界遺産の構成資産の一つで、久賀島の海沿いの静かな場所に立つ木造の美しい教会です。1881年（明治14年）に建てられた教会は、現在は使用されていませんが、その歴史的価値から保存され、内部も公開されています。
アクセス: 福江港から久賀島へはフェリーで約20分。久賀島到着後、レンタサイクルで教会まで約6km、30分程度で到着します。
見学のポイント: 久賀島は全域が国の重要文化的景観に選定されているため、教会だけでなく島全体の風景も楽しめます。事前に久賀島への船の時間を確認し、島内でのレンタサイクルの有無も確認しておくとよいでしょう。
頭ヶ島教会（新上五島町）
特徴: 新上五島町の頭ヶ島に位置する石造りの美しい教会です。1919年（大正8年）に完成し、島民たちが自ら運んだ島の石材で建てられました。周囲の自然環境と調和した美しい外観が特徴です。
アクセス: 新上五島町へは福江島から高速船やフェリーでアクセス。頭ヶ島教会へはサイクリングで訪れることができますが、アップダウンが多いため体力に自信のある方向けです。
見学のポイント: 教会内部の見学には事前予約が必要な場合があります。新上五島町は「坂が多い島」として知られているため、サイクリングには電動アシスト付き自転車がおすすめです。
日本遺産関連スポット
辞本涯（じほんがい）と遣唐使関連スポット（福江島）
特徴: 「日本の果ての地」を意味する辞本涯は、遣唐使たちが最後に日本を見た場所とされています。遣唐使ふるさと館には遣唐使に関する資料が展示されており、ふぜん河は遣唐使船に飲料用水を供給していたと伝わる井戸です。これらのスポットは日本遺産に認定されています。
アクセス: 福江港から「遣唐使に思いを馳せるコース」で訪れることができます。距離は約17.7km、所要時間は2時間程度です。
見学のポイント: 道の駅「遣唐使ふるさと館」では、遣唐使の歴史や五島の文化について学ぶことができます。また、周辺には三井楽長崎鼻灯台や白良ヶ浜万葉公園など、絶景スポットも点在しています。
明星院（福江島）
特徴: 弘法大師（空海）が訪れたとされる歴史あるお寺で、田んぼの中にひっそりと佇んでいます。本堂の天井には狩野派によって描かれた天井絵があり、文化的価値の高いスポットです。
アクセス: 福江市街地から「日本遺産 明星院と鬼岳を巡るコース」で訪れることができます。
見学のポイント: 静かな環境の中で歴史と文化に触れることができます。天井絵は一見の価値ありです。
その他の文化スポット
山本二三美術館（福江島）
特徴: 「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」など、数々の名作アニメーションの美術監督を務めた山本二三氏の作品を展示する美術館です。五島市出身の山本氏の作品には、故郷の自然や風景が反映されているとも言われています。
アクセス: 鬼岳周辺にあり、「鬼岳シンボルコース」で訪れることができます。
見学のポイント: 美術館では山本氏の原画や、五島の美しい風景画も鑑賞できます。アニメファンだけでなく、芸術や風景画に興味のある方にもおすすめです。
五島列島ジオパーク関連スポット（福江島）
特徴: 五島列島（下五島エリア）ジオパークには、火山活動によって形成された独特の地形や景観が広がっています。特に鐙瀬（あぶんぜ）溶岩海岸や神爪（カンメ）海岸などは、地球の歴史を感じられる貴重なスポットです。
アクセス: 「ジオパークコース」で訪れることができます。距離は約23.1km、所要時間は約100分です。
見学のポイント: 鐙瀬ビジターセンターでは、五島列島の成り立ちについて学ぶことができます。ジオパークの壮大さを感じるには、ある程度のサイクリング経験があると良いでしょう。
五島列島のサイクリングは、単に美しい景色を楽しむだけでなく、日本の歴史と文化を深く体験できる旅です。特に世界遺産の教会群は、キリスト教の伝来と迫害の歴史、そして信仰を守り抜いた人々の物語を今に伝えています。サイクリングのペースでゆっくりと巡ることで、その歴史と文化の奥深さを感じることができるでしょう。
五島列島サイクリングの準備と注意点は？
五島列島でのサイクリングを最大限に楽しむためには、適切な準備と現地の状況に関する知識が欠かせません。ここでは、旅の計画から実際のサイクリングまで、知っておくべき重要なポイントをご紹介します。
レンタサイクルと持込み自転車の選択
レンタサイクルの利用: 五島列島、特に福江島には複数のレンタサイクルショップがあり、初心者から上級者まで対応できる様々な自転車をレンタルできます。主な店舗は以下の通りです。
- GOTOCHARI: 福江港ターミナル近くにあり、クロスバイクや電動アシスト自転車が揃っています。
- Bike is life.GOTOBASE: より本格的なスポーツバイクを借りたい方におすすめです。
- 花笑みきくや: 岐宿エリアに位置し、菜の花畑など美しい景観の中でのサイクリングに便利です。
- 道の駅遣唐使ふるさと館: 三井楽エリアでのサイクリングの拠点となります。
- 奈留レンタカー: 奈留島でのサイクリングに利用できます。
電動アシスト自転車のメリット: 五島列島はアップダウンが多い地形のため、特に初心者や体力に自信のない方は電動アシスト付き自転車の利用を強くおすすめします。坂道も楽に登れるため、疲労を軽減しながら島の景観を楽しめます。
自転車の持込み: 愛車で五島列島を巡りたい方は、フェリーでの持込みが可能です。ただし、高速船（ジェットフォイル）には自転車を持ち込めないため、必ずフェリーを利用しましょう。また、フェリー会社によっては輪行袋（自転車を運ぶための専用バッグ）が必要な場合があるので、事前に確認することをおすすめします。
島間移動と交通手段
フェリーと高速船: 福江島は長崎港から高速船で約85分、フェリーで約2時間半でアクセスできます。五島列島内の島間移動にもフェリーや高速船が運行していますが、便数は限られているため、事前に時刻表を確認しておくことが重要です。特に久賀島や奈留島へのサイクリング計画を立てる際は、帰りの船の時間を考慮してスケジュールを組みましょう。
レンタカーとの併用: 広範囲を効率よく巡りたい場合は、レンタカーとサイクリングを組み合わせるのも一つの方法です。例えば、レンタカーで移動して、特定のエリアだけをサイクリングで巡るといった計画が可能です。特に高浜ビーチなど、福江港から遠いエリアへのアクセスに便利です。
天候と季節への対応
季節ごとの特徴:
- 春（3月〜5月）: 穏やかな気候で、菜の花など季節の花が咲く美しい季節です。サイクリングに最適な時期の一つですが、GW期間は混雑するため宿泊予約は早めに。
- 夏（6月〜8月）: 海水浴も楽しめる季節ですが、非常に暑くなることがあります。熱中症対策は必須です。
- 秋（9月〜11月）: 気候が穏やかで、コスモスなど秋の花も楽しめます。サイクリングに最適な季節です。
- 冬（12月〜2月）: 比較的温暖ですが、風が強い日もあります。防寒対策と風対策が必要です。
天候対策:
- 夏の暑さ対策: 日焼け止め、帽子、サングラス、十分な水分を携行しましょう。熱中症予防のため、こまめな休憩と水分補給を心がけてください。
- 風への対応: 海に囲まれた五島列島は風が強い日も多いです。特に海沿いのルートでは、風向きを考慮したコース選びが重要です。向かい風の場合は体力を消耗するので、往復コースでは行きか帰りのどちらかで向かい風になることを念頭に置いてください。
- 急な天候変化: 島の天気は変わりやすいので、雨具は必ず携行することをおすすめします。軽量のレインジャケットやポンチョがあると安心です。
安全対策と必携アイテム
安全対策:
- ヘルメット: 多くのレンタサイクル店では無料でヘルメットを貸し出しています。安全のため必ず着用しましょう。
- 反射材・ライト: 夕暮れ時や曇りの日は視認性が低下します。反射材や簡易ライトがあると安全です。
- 交通ルール: 五島列島は交通量が少ないですが、基本的な交通ルールを守り、安全走行を心がけてください。特に下り坂では速度の出しすぎに注意しましょう。
必携アイテム:
- パンク修理キット: 特に長距離コースではパンク修理キットや予備のチューブを携行すると安心です。
- 携帯ポンプ: タイヤの空気圧を適正に保つため、携帯ポンプがあると便利です。
- 携帯電話: 緊急時の連絡手段として必須です。ただし、島内では電波が弱い場所もあるので、事前に地図をダウンロードしておくとよいでしょう。
- 保険: レンタサイクル利用時には保険が含まれていることが多いですが、自転車持込みの場合は自転車保険に加入することをおすすめします。
食事と休憩スポット
補給食と水分: サイクリング中のエネルギー補給のため、軽食やエネルギーバーなどを携行すると良いでしょう。また、水分は予想以上に消費するため、十分な量を持参してください。コース上にはコンビニや商店が少ない場所もあるので、事前に補給ポイントを確認しておくことをおすすめします。
おすすめの休憩スポット:
- 道の駅: 「遣唐使ふるさと館」など、道の駅は休憩やトイレ、食事に便利です。
- カフェ: 各コース上には、サイクリストに人気のカフェが点在しています。
- ビーチ: 高浜ビーチや香珠子ビーチなど、美しいビーチでの休憩も五島ならではの楽しみです。
地元グルメ: サイクリングの合間に、五島の名物料理を楽しむのもおすすめです。特に「鬼鯖鮨」や「五島うどん」、新鮮な海産物は見逃せません。鬼岳近くの「鬼鯖鮨直営店」では、福江島のシンボル鬼岳にちなんで名付けられた鬼鯖を使った「鬼鯖鮨」を味わうことができます。
五島列島でのサイクリングは、適切な準備と計画があれば、初心者から上級者まで誰もが楽しめる素晴らしい体験になります。島の文化と自然を尊重し、安全第一で楽しい旅にしましょう。
五島列島の絶景を楽しめるおすすめサイクリングルートは？
五島列島には息をのむような絶景スポットが数多く存在し、サイクリングでしか味わえない景観ポイントも点在しています。ここでは、特に美しい景色や絶景を楽しめるおすすめのサイクリングルートをご紹介します。
高浜ビーチコース（福江島）
コースの特徴: 数々の映画のロケ地にもなった、「日本一美しい」と称される高浜ビーチを目指すコースです。透明度の高いエメラルドグリーンの海と白い砂浜が広がる絶景は、サイクリングの疲れを吹き飛ばしてくれます。福江港から高浜ビーチまでは距離がありますが、その分、多様な景観を楽しむことができます。
距離と難易度: 往復約60km（福江港から高浜ビーチまで往復）、中級者向け。福江港から高浜ビーチまでは、適度なアップダウンがあります。
絶景ポイント:
- 高浜ビーチ: 「日本一美しいビーチ」と称される五島を代表する絶景スポット。約1kmにわたって続く白い砂浜と、エメラルドグリーンの海のコントラストは圧巻です。
- 水ノ浦教会: 白い木造の美しい教会。映画のロケ地としても有名で、静かな佇まいが印象的です。
- 魚津ヶ崎公園: 高浜ビーチの近くにある公園で、朝ドラの舞台にもなりました。高台からビーチを見下ろす景色は格別です。
おすすめシーズン: 夏季（6月〜9月）は海水浴も楽しめますが、春や秋も穏やかな気候で快適なサイクリングが可能です。
アクセスとショートカット: 距離が長いため、体力に自信のない方は魚津ヶ崎までレンタカーで移動し、「花笑み きくや」でレンタサイクルを借りるショートカットコースがおすすめです。この方法なら、高浜ビーチ周辺のハイライトだけを効率よく巡ることができます。
鐙瀬溶岩海岸ジオパークコース（福江島）
コースの特徴: 五島列島（下五島エリア）ジオパークの壮大さを存分に感じられる本格的なサイクリングコースです。鬼岳や鐙瀬溶岩海岸など、火山活動によって形成された独特の地形や景色を間近で見ることができます。島の絶景と地球の歴史を同時に体感できる、知的好奇心も満たされるコースです。
距離と難易度: 約23.1km、獲得標高426m、中級者〜上級者向け。アップダウンがあり、ある程度の体力が必要です。
絶景ポイント:
- 鐙瀬溶岩海岸: 鬼岳が噴火した際に流れ出た溶岩が固まってできた海岸。荒々しくも美しい独特の地形が広がります。
- 神爪（カンメ）海岸: 通称「カンメ」と呼ばれ、知る人ぞ知るパワースポット。海中の地層の美しさやテーブルサンゴなど、海と陸の両方の絶景を楽しめます。
- 鬼岳からの眺望: 福江島のシンボル鬼岳からは、福江の市街地や広大な海原を一望できる絶景が広がります。
おすすめシーズン: 春と秋が特におすすめです。夏は暑さ対策を万全にして臨みましょう。
ポイント: このコースは五島市の公式サイクリングルートとして整備されており、ブルーラインが引かれているので迷いにくいのが特徴です。鐙瀬ビジターセンターでは、五島列島の成り立ちに関する展示を見学できるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
フラワーロード遣唐使コース（福江島）
コースの特徴: 島の北部に位置する岐宿（きしく）・三井楽エリアを巡るコースです。遣唐使ゆかりの地を訪れながら、季節ごとの花々で彩られた景観を楽しむことができます。春の菜の花、夏のひまわり、秋のコスモスなど、季節によって表情を変える花畑との美しいコントラストが魅力です。
距離と難易度: 約17.7km、初心者〜中級者向け。比較的平坦な道が多いですが、部分的にアップダウンがあります。
絶景ポイント:
- 季節の花畑: 岐宿エリアには、季節ごとに色とりどりの花畑が広がります。特に春の菜の花畑は、黄色い花と青い海のコントラストが美しく、絶好の撮影スポットです。
- 三井楽長崎鼻灯台: 三井楽半島の西にひっそりとたたずむ白い灯台。周囲の海とのコントラストが美しい隠れた絶景スポットです。
- 白良ヶ浜万葉公園: 南国ムード漂う公園で、遣唐使船をイメージした展望台からの眺めが素晴らしいです。
- 辞本涯からの眺望: 「日本の果ての地」と呼ばれる辞本涯からは、遥か彼方に広がる東シナ海を望むことができます。遣唐使たちの思いに想いを馳せながら、壮大な景色を楽しめます。
おすすめシーズン: 花の見頃によって異なりますが、3月〜4月（菜の花）、7月〜8月（ひまわり）、10月〜11月（コスモス）がそれぞれ見頃です。
アクセス: 岐宿エリアからのサイクリングなら、花畑の中にある「花笑み きくや」がレンタサイクルの拠点として便利です。軽食やドリンクも楽しめるので、サイクリング前後の休憩にも最適です。
新上五島絶景コース（中通島・若松島）
コースの特徴: リアス海岸の美しい景色と点在する教会群が魅力の新上五島町（中通島・若松島）を巡るコースです。坂が多いことで知られていますが、その分、登り切った時の絶景は格別です。青い海と緑の島々が織りなすコントラストは、サイクリストにとって忘れられない体験となるでしょう。
距離と難易度: コースによって異なりますが、中級者〜上級者向け。かなり坂が多く、体力に自信のある方向けです。
絶景ポイント:
- 頭ヶ島教会: 世界遺産にも登録されている石造りの美しい教会。周囲の海と調和した景観が美しいです。
- 青砂ヶ浦教会: 国の重要文化財に指定されているレンガ造りの美しい教会。建築美と周囲の景観が素晴らしいです。
- 高井旅海水浴場: 透明度の高い美しいビーチで、エメラルドグリーンの海と白い砂浜のコントラストが見事です。
- 若松瀬戸の絶景: 若松島と中通島の間の若松瀬戸は、複雑に入り組んだ海岸線が作り出す絶景が広がります。
おすすめシーズン: 春と秋が特におすすめです。風の影響を受けやすいエリアなので、風の穏やかな日を選ぶと良いでしょう。
ポイント: 新上五島町は「坂好きには祝福の島、坂嫌いには呪いの島」と言われるほど坂が多いため、電動アシスト付き自転車や、ロードバイクなどの軽量スポーツバイクの利用を強くおすすめします。また、坂の多さを逆手にとった「上五島アイランドヒルクライム」というイベントも年に1回開催されており、本格的なサイクリストにとっては挑戦しがいのあるコースです。
久賀島一周コース
コースの特徴: 馬蹄形をした久賀島は、全域が国の重要文化的景観に選定されている美しい景観の島です。定期船で福江島から約20分で渡ることができ、世界遺産の旧五輪教会堂をはじめ、島ならではの風景美を楽しみながらのサイクリングが可能です。
距離と難易度: 約26km（久賀島一周）、初心者〜中級者向け。島内にはアップダウンもありますが、無理なく楽しめる距離です。
絶景ポイント:
- 旧五輪教会堂: 世界遺産の構成資産の一つ。海沿いの静かな場所に立つ木造の美しい教会で、周囲の自然環境との調和が美しいです。
- 久賀島灯台: 島の北端に位置する灯台からは、五島列島の他の島々を望む絶景が広がります。
- 久賀島の集落と棚田: 島内には昔ながらの集落や棚田が残り、穏やかな島の風景を楽しめます。特に夕暮れ時の景色は、ノスタルジックで美しいです。
おすすめシーズン: 春と秋が特におすすめです。フェリーの運行状況に影響を受けやすいので、天候の安定した時期を選ぶと良いでしょう。
ポイント: 久賀島へのアクセスはフェリーのみで、便数も限られています。事前に船の時間を確認し、返し便の時間を考慮したサイクリング計画を立てることが重要です。島内のレンタサイクルは限られているため、福江島で借りたクロスバイクなどを持ち込む形になります。
五島列島のサイクリングルートは、どれも独自の魅力と絶景ポイントを持っており、自分の体力や興味に合わせて選ぶことができます。特に初めて訪れる方には、福江島の「鬼岳シンボルコース」や「堂崎教会コース」から始めて、徐々に範囲を広げていくのがおすすめです。また、繁忙期は宿泊施設が満室になりやすいので、特に夏季やGWなどは早めの予約をお勧めします。
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