やまなみ街道サイクリングロード完全ガイド|尾道から松江187kmの魅力

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やまなみ街道サイクリングロードは、広島県尾道市から島根県松江市を結ぶ全長約187km、獲得標高約1,900mの本格的なサイクリングルートです。2015年3月22日に中国横断自動車道・尾道松江線(愛称:中国やまなみ街道)が全線開通したことを契機に整備され、瀬戸内海側から日本海側へと中国山地を縦断する壮大なコースとして、全国のサイクリストから高い注目を集めています。

このルートの最大の魅力は、温暖な瀬戸内の風景から雄大な中国山地、そして日本海側の松江まで、変化に富んだ景観を一度に楽しめる点にあります。沿線には10か所の道の駅が点在し、地元ならではのグルメを堪能しながら走行できます。さらに18の周遊コースが設定されているため、初心者から上級者まで自分の体力に合わせたサイクリングが可能となっています。この記事では、やまなみ街道サイクリングロードの詳細なルート情報から、各エリアの見どころ、イベント情報、安全対策まで、挑戦に必要なすべての情報をお届けします。

目次

やまなみ街道サイクリングロードとは

やまなみ街道サイクリングロードとは、尾道市の尾道駅を起点とし、松江市の松江しんじ湖温泉駅を終点とする中国山地縦断型のサイクリングコースです。全長は約187km(一部では192kmとも表記されます)で、獲得標高は約1,900mに達する中上級者向けのルートとなっています。

ルートは主に国道184号線から国道54号線を使用し、路面にはすでに松江までのマーキングが施されています。このマーキングのおかげで、地図を見なくても迷うことなく走行できる点が特徴です。尾道市街を抜けると基本的に山道となりますが、急斜度の坂は少なく、上り・下り・平坦と変化に富んだコース設計になっています。

2025年1月31日には「やまなみ街道サイクリングロード」の公式PRサイトがオープンしました。サイト上ではやまなみ街道サイクリングにまつわるすべての情報が取得でき、実際にe-Bikeで旅した動画も閲覧可能です。計画を立てる際には、この公式サイトを活用することでルートのイメージを事前につかむことができます。

ルートの特徴と難易度

やまなみ街道サイクリングロードは、尾道から松江へ向かう際に、瀬戸内海沿岸の温暖な気候から中国山地の山間部を経て、日本海側の松江へと続くルートです。途中、世羅町、三次市、庄原市、飯南町、雲南市などを経由し、地域ごとに異なる風景や文化を楽しむことができます。

コース上には10か所の道の駅があり、休憩や補給に活用できます。道の駅クロスロードみつぎ、道の駅世羅、道の駅ゆめランド布野、道の駅赤来高原、道の駅頓原、道の駅掛合の里、道の駅さくらの里きすき、道の駅湯の川、道の駅なぎさ公園などが沿線に点在しています。

難易度については、周遊コースごとに星の数で示されています。星1つは初級者向け、星2つは中級者向け、星3つは上級者向けという設定です。広島県側だけで10コース、島根県側でも複数のコースが用意されており、自分の体力や経験に合わせて選択できます。メインルートの187kmを一気に走破するのは中上級者向けとなりますが、周遊コースを活用すれば初心者でも楽しめる設計になっています。

尾道エリアからのスタート

尾道市は瀬戸内海に面し、古くから海運による物流の集散地として繁栄してきた歴史ある街です。「坂の街」「文学の街」「映画の街」「猫の街」として知られ、林芙美子や志賀直哉などの文人が居を構え、尾道を舞台とした作品を発表しました。映画では小津安二郎監督の「東京物語」が尾道で撮影され、大林宣彦監督の「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」は「尾道三部作」として有名です。

尾道駅をスタートし、まずは尾道市街を抜けていきます。尾道は2009年から9年連続で観光客数過去最高を記録し、2017年には観光客数が680万人を達成しました。その要因として、2015年の中国やまなみ街道の全線開通や、尾道水道の日本遺産認定、村上海賊・北前船などの日本遺産認定が挙げられています。

尾道市には多くの歴史的・文化的スポットがあります。西國寺では健脚祈願も行っており、サイクリングで尾道を巡る際は脚の健康を祈ることもできます。持光寺には花崗岩で作られた「延命門」があります。尾道市役所の新庁舎にある展望デッキは新しい観光スポットで、夜9時まで開放されており、尾道水道や千光寺など山側の景色も一望できます。

尾道にはサイクリスト向けの設備やサービスが充実した宿泊施設があります。「HOTEL CYCLE」は全国初、自転車を持ったままチェックインできるフロントを備え、部屋に自転車の持ち込みが可能で、サイクルハンガーのある客室や自転車のリペアスペースなどがあります。天然温泉尾道みなと館は、古民家をリノベーションした落ち着きのある客室で、天然ラジウム温泉に浸かりサイクリングの疲れをとることができます。

御調・世羅エリアの見どころ

尾道市街を抜けると、最初の道の駅「クロスロードみつぎ」に到着します。ここでは名物のカレーパンを楽しむことができます。サイクリングの序盤で立ち寄る休憩スポットとして最適です。

その後、世羅町へと入ります。世羅高原は花観光で有名なエリアであり、世羅高原農場では季節ごとに様々な花を楽しめます。春には75万本のチューリップが65,000平方メートルの広大な畑に咲き誇り、夏には60種類110万本のひまわりが丘一面に広がります。秋にはダリア祭りも開催されています。

道の駅世羅では名物の「しし汁」が提供されます。地元の食材を活かした温かい汁物は、サイクリングで冷えた体を温めてくれます。世羅高原の美しい風景を眺めながら、地元グルメを味わえる贅沢なひとときです。

三次エリアの観光とグルメ

三次市は中国地方の交通の要衝として発展してきた街です。広島三次ワイナリーでは、三次産のブドウを100%使用したワイン作りを行っており、ワインの製造工程の見学、ショップでの買い物、バーベキューガーデンやカフェでの食事を楽しめます。サイクリングの途中で立ち寄り、地元産ワインをお土産に購入するのもおすすめです。

尾関山公園は桜の名所として知られ、JR三次駅からアクセス可能です。中国やまなみ街道三次東JCT・ICから車で10分の場所にあり、公園内の桜や土手沿いの桜のトンネルが楽しめます。春にサイクリングを計画している方は、桜の開花時期に合わせて訪れることをおすすめします。

吉舎ふるさとプラザXa104では、尾道ラーメンが提供されます。サイクリング中の腹ごしらえに最適で、長距離走行のエネルギー補給として人気があります。

庄原エリアの自然と道の駅

庄原市には国営備北丘陵公園があります。中国地方で初めて開園された国営公園で、サイクリングセンターがあり自転車をレンタルできます。園内には全長6.7kmのサイクリングコースがあり、国兼池の湖畔の景色や新緑、遠くの山々の景色を見ながらサイクリングが楽しめます。林間アスレチックコースやディスクゴルフコースなどの施設も充実しています。

庄原上野公園は日本さくら名所100選に認定されています。江戸時代はじめに沼を改修して造られたといわれ、上野池を中心に600本ものソメイヨシノが植えられています。池の水面に映るボンボリの灯りと夜桜を楽しむことができ、夜桜は西日本一とも言われています。春のサイクリングでは、ぜひ立ち寄りたい名所です。

道の駅ゆめランド布野は、やまなみ街道サイクリングロード周遊コースの基点のひとつです。三次で生産された野菜の販売や、ふるさとバイキングなど三次の味を楽しむことができます。名物の野菜ジェラートは素材の味そのものが堪能でき、サイクリング中の疲れた体に甘さが染み渡ります。

島根県側のエリア紹介

飯南エリア

島根県に入ると、まず飯南町を通過します。道の駅赤来高原では、飯南町産こしひかりを使った手づくり塩むすびが提供されます。シンプルながらも、地元産の良質な米の美味しさを味わえる逸品です。

冬期には国道54号で断続的に降雪がある際、集中除雪を実施するため通行止め(予防的通行規制)になる場合があります。冬季にサイクリングを計画する際は、事前に道路状況を確認することが重要です。国土交通省中国地方整備局松江国道事務所のライブカメラなどで道路状況を確認してから出発することをおすすめします。

道の駅頓原では舞茸そばが名物となっています。地元で採れた舞茸をたっぷり使用した温かいそばは、サイクリングの疲れを癒してくれます。山間部の寒い時期には特にありがたい一品です。

雲南・奥出雲エリア

雲南市と奥出雲町は、豊かな自然と歴史・文化が残るエリアです。雲南市から奥出雲町をつなぐ「奥出雲・尾原ダムを巡るコース」は片道20.3kmで、JR木次駅内にある雲南市観光案内所で電動マウンテンバイクをレンタルできます。レンタル料金は2時間1,500円、4時間2,000円、6時間2,500円となっています。

奥出雲町サイクリングターミナルは研修や合宿などに利用できる公共宿泊施設で、レンタサイクルもあります。JR木次線とセットで奥出雲おろちループから各観光名所を巡りながら、のんびりと農村空間を楽しめます。レンタサイクル料金は午前9時から午後6時で大人車510円、子供車300円です。2時間を超える場合は1時間増すごとに大人車300円、子供車200円が加算されます。

道の駅掛合の里では、竹下本店の甘酒と吉原亀栄堂の饅頭が名物です。道の駅さくらの里きすきでは、木次乳業のヨーグルトが楽しめます。地元の名産品を味わいながら、休憩を取ることができます。

松江エリアでのゴール

ゴール地点の松江市は、宍道湖畔に広がる城下町です。松江しんじ湖温泉駅がゴール地点となっており、やまなみ街道サイクリングロードのマップでは尾道まで187kmと表示されています。

道の駅湯の川では杵つきもちパイが名物で、道の駅なぎさ公園ではしじみ汁が提供されています。宍道湖名物のしじみを使った温かい汁物は、長距離サイクリングを終えた体に染み渡ります。

松江城は国宝に指定された城で、松江市のシンボルです。サイクリングを終えた後の観光スポットとしておすすめです。宍道湖七珍は宍道湖を代表する味覚で、特にシジミや白魚などの新鮮な魚介類を味わえます。出雲そばは殻のついた蕎麦を使うため麺の色が濃いのが特徴で、ゴール後の食事にぴったりです。

松江しんじ湖温泉は地下1,250メートルから湧き出る温泉で、関節痛や筋肉痛に効能があります。駅前には無料の足湯施設があり、サイクリングで疲れた足を気軽に癒すことができます。玉造温泉は「日本最古の湯」の一つとされ、美肌効果が高いことで知られています。長距離を走破した後は、温泉でゆっくりと疲れを癒すのがおすすめです。

宍道湖一周サイクリング

やまなみ街道サイクリングロードを完走した後は、宍道湖一周サイクリングもおすすめです。宍道湖一周は周囲約45から47.1kmの比較的コンパクトなコースで、サイクリング初心者にも非常におすすめです。

宍道湖は日本で7番目に大きい汽水湖で、「日本の夕陽百選」にも選ばれた美しい夕日を眺めながら走る湖畔道路は、初心者から上級者まで幅広く楽しめます。コースの70%が一畑電車沿いにあり、遅くなったり急な大雨の際には電車に乗ることができます。「Rail & Cycle」サービスを利用すれば、どの駅からでも自転車を電車に持ち込むことが可能です。

やまなみ街道チャレンジライド

やまなみ街道チャレンジライドは、尾道市から松江市までを結ぶやまなみ街道192kmを走破するサイクリングイベントです。2025年は3月22日(土)に開催されました。

コース設定

参加者の体力や経験に応じて複数のコースが設定されています。メインとなる192kmロングコースは、尾道市をスタートし、世羅町、三次市を経て島根県に入り、松江市役所までを走破する本格的なルートです。上級者向けながら、制限時間は11時間30分と余裕を持った設定となっています。

スタート地点は「尾道」「世羅」「赤来高原」の3か所に設けられ、さらに「尾道」スタートと「赤来高原スタート」についてはハーフコースの設定もあり、初心者でも参加しやすくなっています。ソロだけでなく、チームリレーでつなぐサイクル駅伝カテゴリーも実施されています。

エイドステーション

10か所のエイドステーションで地域の逸品や道の駅の一押し商品が堪能できます。各エイドステーションでは地元ならではのオリジナルグルメが提供され、サイクリングの楽しみを倍増させてくれます。

必須装備と注意事項

走行中は常にライトの点灯が義務付けられ、コースの一部でトンネルを通過するため反射材・ライトの装着が必須です。パンク等のトラブルに対する修理はセルフリペアが原則で、工具、携帯ポンプ、予備チューブ等の携行が義務付けられています。雨の多い地域のため雨具は必ず用意し、携帯電話も非常用に必ず携行する必要があります。

当日は松江市役所から尾道駅まで戻ることのできる帰り道バスツアーも設定されているため、尾道スタートでロングコースにチャレンジした方も日帰りすることが可能です。

しまなみ海道との接続

やまなみ街道サイクリングロードは、尾道でしまなみ海道サイクリングロードと接続しています。しまなみ海道サイクリングロードは、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ日本初の海峡を横断する約70kmのサイクリングルートで、瀬戸内海の島々が織りなす絶景を楽しめるルートとして世界中のサイクリストから注目を集めています。

2014年にCNNがしまなみ海道を「世界7大サイクリングロード」のひとつに選び、国土交通省からナショナルサイクルルートにも指定されています。推奨コースには道路の端に青色のラインが引かれており、このブルーラインをたどっていけば地図を見なくても尾道から今治を移動することができます。

やまなみ街道としまなみ海道を組み合わせると、日本海側の松江から瀬戸内海の今治まで、約250km以上の縦断サイクリングが可能になります。さらに、鳥取県東浜から中海・宍道湖、やまなみ街道、瀬戸内しまなみ海道を経て愛媛県松山を結ぶ広域サイクリングルート(総延長約457km)も設定されています。

季節ごとの楽しみ方

春のサイクリング

春はやまなみ街道サイクリングの最適なシーズンの一つです。沿線には多くの桜の名所があり、南北に渡って走っているため、時期をずらして桜を楽しむことができます。

庄原上野公園は日本さくら名所100選に認定されており、600本のソメイヨシノが植えられています。夜桜は西日本一とも言われ、池の水面に映るボンボリの灯りと夜桜を楽しむことができます。尾関山公園(三次市)では、公園内の桜や土手沿いの桜のトンネルが楽しめます。世羅高原農場では4月から5月にかけてチューリップ祭りが開催され、75万本のチューリップが咲き誇ります。

夏のサイクリング

夏は世羅高原農場でひまわり祭りが開催されます。60種類110万本のひまわりが丘一面に広がり、ひまわり迷路やひまわりのつみとりも楽しめます。珍しいひまわりを集めた見本園や、赤いひまわり畑もあります。

ただし、夏のサイクリングは熱中症対策が重要です。こまめな水分補給と休憩を心がけ、早朝や夕方の涼しい時間帯を選んでサイクリングすることをおすすめします。

秋のサイクリング

秋は紅葉のシーズンです。中国山地を縦断するやまなみ街道では、野趣溢れる紅葉サイクリングを堪能できます。安芸高田市向原町の丸山公園では11月上旬から中旬にかけて紅葉が見頃を迎えます。世羅高原農場では9月から10月にダリア祭りが開催されます。

冬の注意点

冬は積雪に注意が必要です。特に国道54号沿いでは断続的に降雪があり、集中除雪のため通行止め(予防的通行規制)になる場合があります。冬季にサイクリングを計画する際は、事前に国土交通省中国地方整備局松江国道事務所のライブカメラなどで道路状況を確認することが重要です。

周辺の自然名所

やまなみ街道サイクリングロードの沿線やその周辺には、広島県を代表する自然名所が点在しています。サイクリングの前後に立ち寄ることで、より充実した旅となります。

帝釈峡

帝釈峡は中国山地に位置する広島県北東部の庄原市及び神石郡神石高原町にまたがる、全長18キロメートルの峡谷です。国の名勝に指定されており、比婆道後帝釈国定公園の主要景勝地として日本百景の一つに選ばれています。三段峡と共に広島県を代表する景勝地として知られています。

神竜湖湖上には遊覧船が就航し、帝釈川ダム付近まで遊覧できます。石灰岩台地が深く浸食されて形成されたカルスト地形が広がり、特に石灰岩が溶食されてできた天然橋「雄橋」(おんばし)は同峡谷最大のハイライトで、白雲洞などの鍾乳洞も見られます。

三段峡

三段峡は国の特別名勝に指定されている広島県安芸太田町にある峡谷で、西中国山地国定公園の中に位置します。山水画の世界を徒歩で楽しめる秘境といわれ、全長約16kmにも及びます。峡谷美だけでなく様々な植物や、遊歩道を歩いて行くと古木、巨木を見ることのできる日本唯一の峡谷です。

国の特別名勝(峡谷・渓谷の部)指定は三段峡、瀞峡、黒部峡谷、上高地、昇仙峡、奥入瀬渓流の6か所で、三段峡は関西以西では唯一指定されています。代表的なものは、三ツ滝、三段滝、黒淵、猿飛、二段滝で五大景観(壮観)と呼ばれます。三段峡では渡舟が楽しめ、黒淵渡舟は透き通った水の上を、迫力ある岩壁や鮮やかな緑を眺めながら進みます。

常清滝

常清滝は中生代白亜紀中期に噴出した流紋岩の崖にかかり、高さ126メートルで、日光の華厳の滝や熊野の那智の滝などの名瀑に匹敵する高さを誇ります。滝は3段に分かれており、上段を「荒波」、中段を「白糸」、下段を「玉水」と呼びます。紅葉の時期だけでなく一年を通じて自然の雄大さを体験でき、1960年に広島県の名勝に指定されました。

深入山

深入山は全体が草原に包まれた、なだらかで美しい山です。登山初心者の方には高低差も少なく心地よい森林散策が楽しめる「深入山セラピーロード」がおすすめです。山頂からはやまなみの大パノラマが楽しめます。

アクセスと交通手段

高速バスセット券

広島交通では「やまなみ街道サイクルきっぷ」を販売しています。ピースライナーとリードライナーで往復できるお得なきっぷで、自分の自転車をバスに持ち込み、やまなみ街道(世羅高原・御調)のサイクリングを楽しめます。

レンタサイクル

各地域でレンタサイクルが利用可能です。松江しんじ湖温泉周辺、雲南市観光案内所(JR木次駅内)、奥出雲町サイクリングターミナルなどで自転車をレンタルできます。自分の自転車を持参しなくても、現地でレンタルしてサイクリングを楽しむことが可能です。

サイクリングの安全対策

自転車安全利用五則

やまなみ街道サイクリングロードを安全に楽しむためには、交通ルールとマナーの遵守が欠かせません。警察庁が定めた「自転車安全利用五則」は、自転車に乗るときに守るべき特に重要なルールを5つにまとめたものです。

第一に、車道が原則で左側を通行することです。歩道は例外であり、歩行者を優先しなければなりません。第二に、交差点では信号と一時停止を守って安全確認を行うことです。第三に、夜間はライトを点灯することです。第四に、飲酒運転は禁止されていることです。第五に、ヘルメットを着用することです。

車道走行時のマナー

ロードバイクなどの自転車は軽車両であり、交通ルールを順守するのは当然のことです。さらにマナーを向上させなければ、他の人を事故に巻き込んでしまう危険性があります。車道走行時の主なマナーとして、スピードを出し過ぎないこと、他車と意思疎通を図ること、車間距離を空けること、追い抜く時に挨拶すること、車を先に行かせること、集団走行時は人数に注意することなどが挙げられます。

自転車保険について

自転車利用者のマナー違反等により、自転車が加害者となる交通事故によって死亡や重篤な後遺障害が生じ、中には9,000万円を超える損害賠償額を命令された事例もあります。万が一に備え、自転車保険に加入することが強く推奨されています。長距離サイクリングに挑戦する前に、保険への加入を確認しておくことが重要です。

初心者向けのトレーニングガイド

段階的な距離設定

やまなみ街道サイクリングロードの187kmという距離は、初心者にとっては非常に挑戦的な数字です。長距離サイクリングに挑戦するためには、まずは短い距離から始め、徐々に距離を伸ばしていくことが重要です。

最初は片道30分で行って戻ってこられる場所、距離にしておよそ10km先を目指すのがよいでしょう。最初のうちは交通量が多いところは避け、大きな公園や施設の周りなどで徐々に慣れていくのが賢明です。10kmから始め、20km、30kmと徐々に距離を伸ばしていくことで、体力と自信をつけることができます。

トレーニング方法

週3回のトレーニングとして、LSD(Long Slow Distance)トレーニングを週に1回、テンポ走を週に1回、筋力トレーニングを週に1回行うことで、持久力と筋力をバランスよく向上させることができます。

ウォーキングは基礎体力をつけるのに最適で、サイクリングの前に心肺機能を高めることが重要です。ストレッチはサイクリング前後に行うことで、筋肉をほぐし、怪我の予防に役立ちます。スクワットは下半身の筋力を強化し、ペダリング効率を高めるために重要です。プランクは体幹を鍛えるのに効果的で、サイクリング中の姿勢を安定させるのに役立ちます。

初心者向けコース選び

初心者の方のロングライドは、平地メインで交通量が少なく走りやすいコースを意識して選ぶのがおすすめです。サイクリングロード、河川敷、信号の少ない郊外、山のふもと、海沿いなどから、標高差を見ながらコースを設定していくのがよいでしょう。

やまなみ街道サイクリングロードには18の周遊コースが設定されており、初級者向けの星1つのコースから始めることで、徐々にスキルアップしていくことができます。

補給の重要性

長距離を走る際は、30分ごとに水分を補給することが推奨されます。特に夏場は、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が必要です。山や郊外を走る場合、エネルギーを補給したいタイミングでコンビニやスーパーがないケースもあります。エネルギーが切れるハンガーノック状態になると血糖値が低下し、体調が悪くなったりふらついたりします。補給食として羊羹がおすすめで、脂質がなく、安くて携帯性にも優れています。

実走に向けた準備

必要な装備

長距離サイクリングに必要な装備を準備することが重要です。ヘルメット、グローブ、サイクルウェア、レインウェアは必須です。パンク修理キット、携帯ポンプ、予備チューブ、工具も忘れずに携行してください。

ライトは前後両方必要で、トンネル通過時には常時点灯が求められます。反射材も装着しておくことで安全性が高まります。

補給と休憩のポイント

187kmという長距離を走るため、こまめな補給と休憩が重要です。10か所の道の駅を目安に休憩を取り、各エイドポイントで水分と食事を補給してください。特に中国山地の山間部では補給ポイントが限られるため、事前に補給食やドリンクを用意しておくことをおすすめします。

ペース配分

獲得標高1,900mは決して楽ではない数字です。特に前半で体力を使い果たさないよう、ペース配分に気をつける必要があります。序盤は抑え気味に走り、後半に余力を残しておくことが完走のコツです。

天候への備え

山間部は天候が変わりやすいため、レインウェアは必須です。また、標高が高くなると気温が下がるため、防寒着も用意しておくと安心です。

中国地方のサイクリング推進の取り組み

中国地方知事会では、平成29年1月からサイクリング部会を設置し、「中国地方及び四国地方を国内外から、何度も走りに行きたくなる魅力的なサイクリングエリアにする」ため、中国5県(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)、四国4県及び広域DMOが共同で取組を進めています。広島県では毎年5月を「自転車マナーアップ強化月間」に設定し、自転車利用者の交通安全の意識を高め、交通ルールの遵守と交通マナーの向上を進めています。

瀬戸内海から日本海へ、海と山の両方を楽しめるやまなみ街道サイクリングロード。四季折々の美しい風景、地元の温かいおもてなし、そして達成感あふれるゴールが、挑戦者を待っています。10か所の道の駅で地元グルメを堪能しながら、雄大な中国山地の自然を満喫してください。

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