山形の庄内自転車道は最上川沿いを走る41キロのコース

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山形県の庄内地方には、最上川沿いから出羽三山の麓を経て、酒田市と鶴岡市を結ぶ庄内自転車道というサイクリングコースが整備されています。正式名称は一般県道立川鶴岡自転車道線で、総延長はおよそ41キロメートルです。日本三大急流のひとつに数えられる最上川の流れ、庄内平野に広がる田園風景、そして国宝に指定された羽黒山五重塔まで、一本の自転車道でまとめて味わえるのがこのコースの特徴です。清川地区から鶴岡までの代表的なモデルルートは30.6キロメートルで、最大標高差は310メートルほどとされています。ここでは、コースの詳細や見どころ、レンタサイクル情報、そして起点・終点となる酒田市と鶴岡市の観光やグルメまで、旅の計画に役立つ情報をまとめました。

目次

庄内自転車道は最上川沿いを結ぶ全長41キロのロングコース

庄内自転車道は、かつての立川町、現在は合併により庄内町の一部となった地域から鶴岡市までを結ぶ、総延長約41キロメートルの大規模自転車道です。山形県内には置賜自転車道(米沢県南公園自転車道)など複数の自転車道が整備されていますが、庄内自転車道は最上川の雄大な流れと出羽三山の霊山、城下町の歴史情緒を一度に味わえる点で他のコースと一線を画しています。

コースの中心を担うのは、最上川沿いの清川地区(旧立川町、現在の庄内町清川)から羽黒山方面を経由し、赤川沿いを通って鶴岡駅方面へ抜けるルートです。区間によって道の呼び名や整備状況は異なりますが、代表的なモデルルートとして紹介されているのは、清川駅付近から月山ビジターセンターや羽黒山五重塔方面を経て鶴岡へ至るコースです。距離はおよそ30.6キロメートル、最大標高差は310メートルほどとされており、全区間を走破するにはある程度の脚力と体力が求められます。区間を区切って部分的に楽しむこともできますので、体力や時間に応じてルートを組み立てられる自由度の高さも魅力のひとつでしょう。

清川から鶴岡までの区間は最大標高差310メートル

清川地区から鶴岡までのモデルルートには、羽黒山周辺のアップダウンが含まれます。最大標高差は310メートルで、平坦な道だけを走るコースではありません。距離が30.6キロメートルとロングライドの部類に入ることもあり、初めて挑戦する場合は電動アシスト自転車の利用や、休憩を挟みながらのペース配分を検討しておくと安心です。

最上川の急流は松尾芭蕉が「おくのほそ道」で句に詠んだ舞台

最上川は山形県内をほぼ南北に縦断し、日本三大急流のひとつに数えられる川です。江戸時代には舟運の大動脈として栄え、上流の米沢や山形の物資を庄内平野経由で酒田港まで運び、そこから北前船によって全国へと運ばれていきました。酒田の繁栄を支えた山居倉庫などの米倉群も、この舟運の歴史と深く結びついています。

俳人の松尾芭蕉は「おくのほそ道」の旅の途上でこの地を訪れ、梅雨の雨を集めて激しく流れ下る最上川の様子に感動し、「五月雨をあつめて早し最上川」という句を詠みました。もともと船着場での句会では「五月雨をあつめてすずし最上川」と詠んだものを、実際に川を舟で下った際の急流の迫力を受けて「すずし」を「はやし」に改めたと伝えられています。「おくのほそ道」には「水みなぎって、舟あやふし」とも記されており、最上川が古くから舟運の難所であると同時に、重要な交通路であったこともうかがえます。サイクリングでこの川沿いを走る際には、こうした文学的な背景を思い浮かべながら流れを眺めるのも一興でしょう。

清川地区は最上川舟運の要所として栄えた歴史を残す

庄内自転車道の起点付近にあたる清川地区は、最上川舟運の要所として栄えた場所で、清川関所や清川歴史公園、清河八郎記念館など、舟運と幕末史にゆかりのあるスポットが点在しています。清河八郎は幕末の志士として知られる人物で、清川の出身です。サイクリングの途中でこうした史跡に立ち寄れば、景観だけでなく庄内地方の歴史も体感できます。

庄内平野の田園風景は季節ごとに表情を変える

最上川沿いには広大な庄内平野の田園風景が広がり、季節ごとに表情を変えます。春は水を張った水田に空が映り込み、夏は青々とした稲が風にそよぎ、秋には黄金色の稲穂が一面に広がります。日本有数の米どころである庄内平野ならではの風景は、サイクリングでゆっくり走り抜けることでこそ味わえます。庄内町周辺では大型の風車群も見られ、平野を吹き抜ける「清川だし」と呼ばれる局地風を活かした風力発電施設が点在する光景も、このエリアならではです。

庄内平野は最上川が運ぶ肥沃な土壌と豊かな水に恵まれた穀倉地帯で、食味の良い米の産地として知られています。庄内町は人気品種の「つや姫」や「コシヒカリ」のルーツともいわれる名品種「亀ノ尾」の発祥の地でもあり、日本の稲作史においても重要な土地です。平野の北側には鳥海山、南には月山が望めるため、田植えの時期には水田に映り込む鳥海山の姿を眺めながら走れるのも、このエリアのサイクリングならではの楽しみです。

コース前半の見どころは国宝羽黒山五重塔とやまぶし温泉

庄内自転車道の前半区間には、いくつかの立ち寄りスポットがあります。ひとつは日帰り温泉施設の「やまぶし温泉ゆぽか」です。長距離を走った後に温泉で汗を流せるのは、ロングライドを計画するうえで大きな安心材料になります。

もうひとつの見どころが、出羽三山のひとつ「出羽神社」と、その境内にある国宝「羽黒山五重塔」です。出羽三山は月山・羽黒山・湯殿山の総称で、約1400年前に開山されたと伝わる山岳修験の道場として、古くから多くの参拝者や修験者を集めてきました。羽黒山五重塔は室町時代の建立とされ、東北地方に現存する塔の中では最古のものといわれています。平将門による創建との伝承を持ち、現在の塔は約600年前に再建されたもので、高さはおよそ29メートル、三間五層の杮葺素木造という素朴で力強い佇まいから、昭和41年(1966年)に国宝に指定されました。

羽黒山の参道には樹齢1000年の爺杉が立つ

羽黒山の表参道には2,446段の石段が続き、その両脇には樹齢350年から500年を超える老杉が立ち並んでいます。中でも参道の入り口付近にそびえる「爺杉」は樹齢1000年、幹回り10メートルにも及ぶ巨木で、国の天然記念物に指定されています。杉並木に囲まれた石段や、その先に現れる五重塔の佇まいは、サイクリングの道中にわざわざ自転車を降りてでも立ち寄る価値があります。

さらに、「玉川寺庭園」は禅寺の庭園として四季折々の美しさで知られ、特に紅葉の時期は多くの人が訪れます。羽黒地区出身の洋画家、今井繁三郎の作品を展示する「今井アートギャラリー」は、絵画鑑賞とあわせて食事を楽しめるスポットとして紹介されており、休憩場所としてもおすすめです。庄内自転車道は川沿いや平野を走り抜けるだけのコースではなく、歴史や宗教、芸術、温泉といった多様な立ち寄りスポットが点在しているのが特徴です。

レンタサイクルは庄内町や鶴岡市、酒田市の3エリアで利用可能

庄内地方でサイクリングを楽しむ際は、自分の自転車を持ち込む必要はありません。庄内町と鶴岡市のそれぞれに、観光レンタサイクルの拠点が用意されています。

エリア貸出場所料金営業期間
庄内町新産業創造館クラッセ無料4月1日から11月30日
庄内町清河八郎記念館無料4月1日から11月30日
庄内町清川歴史公園荘内藩清川関所有料4月1日から11月30日
鶴岡市鶴岡市観光案内所無料3月中旬から11月頃

積雪の多い庄内地方では冬場のサイクリングは基本的に想定されておらず、営業期間は必ず確認しておく必要があります。鶴岡駅から鶴岡公園、致道博物館周辺の城下町エリアは平坦で走りやすく、レンタサイクルでのんびり回るのに適しています。酒田市側でも、酒田市美術館、土門拳記念館、本間美術館の3館を自転車で巡るアートの街サイクリングコースが観光モデルコースとして紹介されており、写真や美術に関心がある人には特におすすめの楽しみ方です。

酒田市の見どころは山居倉庫と日和山公園

庄内自転車道を走る旅の起点、あるいは前後の観光地として外せないのが酒田市です。酒田は最上川舟運と北前船交易で栄えた港町で、今も随所にその歴史の面影が残っています。

代表的な観光スポットが「山居倉庫」です。1893年(明治26年)に建てられた米保管倉庫群で、庄内米の集散地として栄えた酒田の歴史を今に伝えています。NHKの連続テレビ小説「おしん」のロケ地としても知られ、樹齢150年を超えるケヤキ並木が倉庫群を彩る光景は、酒田を代表する景観のひとつです。

もうひとつの名所が「日和山公園」です。日本海に沈む夕陽の名所であり、桜の名所としても知られ、毎年4月中旬には「酒田日和山桜まつり」が開催されます。園内には日本最古級とされる木造六角灯台や方角石、実物の半分サイズで再現された千石船などが展示され、港町としての歴史を伝えています。全長1.2キロメートルの散歩道には29基の文学碑が建てられ、江戸時代から昭和にかけて酒田を訪れた文人たちの足跡をたどることもできます。園内の「小幡楼」には、和館の「ヒヨリベーカリー&カフェ」と洋館のカフェレストラン「日和亭」があり、サイクリングの休憩にちょうどよいスポットです。日本海を望むテラス席で潮風を感じれば、走ってきた疲れも和らぐはずです。

このほか、酒田市美術館、土門拳記念館、本間美術館といった文化施設も充実しています。土門拳記念館は写真家の土門拳の作品を専門に収蔵、展示する施設で、本間美術館は江戸時代から庄内地方随一の豪商として栄えた本間家の美術品や庭園を鑑賞できる施設です。酒田は海の幸にも恵まれており、日本海の新鮮な魚介を使った寿司や海鮮料理、庄内米を使った郷土料理も、サイクリング後の楽しみとしておすすめです。

鶴岡市の見どころは鶴岡公園と致道博物館

庄内自転車道のもう一方の拠点となるのが鶴岡市です。鶴岡は江戸時代を通じて庄内藩酒井家の城下町として栄えた歴史ある街で、今もその面影を色濃く残しています。

「鶴岡公園(鶴ケ岡城址公園)」は、およそ250年にわたり庄内藩主酒井家の居城であった鶴ヶ岡城の跡地に整備された公園です。堀や石垣、老杉が往時の面影を伝え、日本のさくら名所100選にも選ばれた桜の名所として知られています。春には多くの花見客で賑わい、堀端の桜並木を眺めながらゆっくり自転車を押して歩く光景も見られます。

公園の西側に位置する「致道博物館」は、単体の建物ではなく、庄内藩主酒井家の御用屋敷であった旧西田川郡役所(重要文化財)や、移築された伝統的な民家群などから構成される歴史的な博物館群です。城下町の歴史や庄内地方の暮らしを学べる貴重なスポットとして、多くの観光客が訪れます。

鶴岡市内の城下町エリアは、3月中旬から11月にかけて観光レンタサイクルを利用して巡ることができ、老舗の菓子店を巡るモデルコースなども紹介されています。鶴岡は城下町らしく、庄内藩の時代から続く老舗の和菓子店や漬物店なども点在しており、サイクリングの途中で買い求めた品を旅の土産にするのもよいでしょう。

グルメ面では、鶴岡はユネスコの「食文化創造都市」に認定されており、庄内の豊かな食材を活かした郷土料理が充実しています。春には鯛や地元産のタケノコ、夏には夏野菜や海の幸、秋には庄内米や秋野菜、冬には庄内風のいも煮や寒鱈汁と呼ばれる郷土料理など、四季を通じて多彩な味覚が楽しめます。サイクリングで体を動かした後に味わう庄内の郷土料理は、旅の満足度を大きく高めてくれます。

モデルコースは体力と興味に応じて3パターンから選べる

初めて庄内自転車道に挑戦する場合、走る距離や体力、興味の対象に応じていくつかのモデルコースが考えられます。歴史好きなら清川から羽黒山にかけての史跡や霊場を巡るルート、平野の風景を楽しみたいなら庄内平野を横断するルート、文化や芸術に触れたいなら酒田市街の美術館巡りルートというように、目的別にプランを組み立てられます。

ひとつは、庄内町の清川周辺を起点に、羽黒山と出羽神社方面を経由して鶴岡へ抜けるロングライドです。この区間はおよそ30.6キロメートル、最大標高差310メートルとされており、アップダウンも含まれるためある程度のサイクリング経験がある人向けのコースです。清河八郎記念館や清川関所、やまぶし温泉ゆぽか、出羽神社、玉川寺庭園、今井アートギャラリーといった見どころに立ち寄りながら、半日から一日かけて走るのがおすすめです。

もうひとつは、山形県の公式観光サイトでも紹介されている、JR古口駅を起点に最上川沿いを進み、庄内町の風車群を眺めながら羽黒山方面まで向かうルートです。最上川の雄大な流れを間近に感じながら走ることができ、日本三大急流ならではの迫力ある川の表情を楽しめます。

初心者や家族連れには、酒田市街のアートの街を巡るサイクリングコースや、鶴岡市の城下町エリアをレンタサイクルで巡るコースがおすすめです。いずれも平坦で走りやすく、美術館や史跡を巡りながら気軽にサイクリングを楽しめます。上級者であれば、酒田から鶴岡まで庄内自転車道をフルに使って一気に走破し、最上川、庄内平野、出羽三山、城下町という庄内地方の魅力を一日で凝縮して味わうロングライドに挑戦するのもよいでしょう。

サイクリングの注意点は清川だしと呼ばれる強風と冬季の営業休止

庄内地方は日本海側特有の気候で、冬季は積雪が多く、レンタサイクルの営業期間も4月から11月頃までとされています。サイクリングを計画する際は、この時期を踏まえて訪問シーズンを選ぶことが重要です。また、庄内平野は「清川だし」と呼ばれる強い局地風が吹くことで知られており、風車群が設置されているのもこの風を活かしたものです。風が強い日はサイクリングの体力消耗が大きくなるため、天候や風の状況を事前に確認しておくと安心です。

最上川沿いのルートや出羽三山方面には標高差のある区間も含まれるため、電動アシスト自転車の利用や、体力に応じた区間分割も検討するとよいでしょう。レンタサイクルを利用する場合は、各拠点の営業時間や返却場所の有無を事前に確認しておくことをおすすめします。片道利用が可能かどうかはレンタサイクル事業者によって異なるため、酒田から鶴岡へ、あるいはその逆方向へ移動する場合は、事前の問い合わせが安心です。

庄内地方は広域にわたるため、一日で酒田や鶴岡、最上川沿いのすべてを走破しようとすると、移動距離も走行時間もかなりの規模になります。あらかじめ立ち寄りたいスポットに優先順位をつけ、走行ペースや休憩時間を考慮したスケジュールを組んでおくと安心です。夏場は日照時間が長いとはいえ、日没後の走行は視認性が落ち危険が増すため、余裕を持って明るいうちに目的地へ到着できるよう計画しましょう。カーナビやサイクリング用のナビアプリを併用し、県道や河川沿いの道が途切れる箇所や、迂回が必要な区間を事前に把握しておくと、当日の走行がスムーズになります。

庄内自転車道は一般道と並走、共用する区間も含まれるため、車道を走る際には交通ルールを守り、ヘルメットの着用など安全対策をしっかり行うことが大切です。最上川沿いの区間は景観が美しい反面、見とれて安全確認がおろそかにならないよう注意しましょう。

秋開催のじろで庄内は210キロから45キロまで4コース

庄内地方でサイクリングの本場としての魅力を象徴するのが、毎年秋に開催される大規模サイクリングイベント「じろで庄内」です。このイベントは、広大な庄内平野と出羽山地、日本海が織りなす豊かな自然、そしてユネスコから食文化創造都市として認定された庄内の食文化にふれることをコンセプトに掲げており、全国から多くのサイクリストが参加します。

コース距離
ロングコース210キロメートル(午前6時スタート)
ミドルロングコース140キロメートル
ミドルコース75キロメートル
ショートコース45キロメートル(午前9時スタート)

いずれのコースも庄内平野の田園風景や日本海を望む海岸線、羽黒山や鳥海山の麓など、庄内地方ならではの雄大な景観を巡るルートです。開催時期は例年9月下旬頃で、前日に受付を行い、当日は距離の長いコースから順にスタートする形式が取られています。210キロメートルコースは早朝6時にスタートし長距離を走破する本格的なライドとなる一方、45キロメートルコースは午前9時スタートと、初心者や家族連れでも参加しやすい設定になっています。

こうした大規模イベントが定期的に開催されていること自体が、庄内地方がサイクリングを地域の観光資源として活用していることの表れです。庄内自転車道を含むこの地域一帯を走れば、イベント参加者でなくても同じような雄大な景観を味わえます。イベントの開催時期に合わせて旅行を計画し、大会の雰囲気を眺めながら自分のペースで庄内自転車道を走ってみるのもよいでしょう。

庄内地方の郷土料理はどんがら汁と酒田フレンチ

サイクリングの楽しみのひとつは、走った後に味わう地元グルメです。庄内地方、なかでも鶴岡市はユネスコから「食文化創造都市」に認定されており、豊かな食文化を今に伝える地域です。

冬の代表的な郷土料理が「どんがら汁(寒鱈汁)」です。庄内地域では1月中旬から2月にかけての家庭料理として親しまれているほか、旅館や料理店では冬の名物メニューとして提供されます。脂の乗った鱈をあらごと味噌仕立てで煮込んだこの料理は、体を芯から温めてくれる庄内地方ならではの味覚です。

庄内地方は日本海に面し、古くから北前船による交易で栄えたことから、京都をはじめとする上方の食文化の影響も色濃く残っています。葛を使ったあんかけ料理が数多く存在するのも、その名残のひとつとされています。米どころとしても知られ、庄内平野で育まれる庄内米を使った料理や、日本海の新鮮な魚介を使った料理など、四季を通じて多彩な味覚が楽しめます。

近年では、伝統的な郷土料理だけでなく、洋食文化との融合も庄内地方の食の特徴となっています。「酒田フレンチ」「鶴岡イタリアン」と呼ばれる、庄内産の食材を積極的に取り入れた洋食文化が地域に根付いており、店ごとに趣向を凝らした料理が楽しめます。サイクリングで庄内平野や最上川沿いを走った後、こうした地元食材を活かしたフレンチやイタリアンのレストランで食事を楽しむのも、庄内旅行ならではの醍醐味です。

アクセスは庄内空港とJR羽越本線の酒田駅と鶴岡駅が起点

庄内自転車道や酒田、鶴岡の観光を計画する際には、アクセス手段の確認も重要です。庄内地方への公共交通機関としては、庄内空港を利用した空路のほか、JR羽越本線を利用した鉄道でのアクセスが一般的です。酒田駅と鶴岡駅はいずれもJR羽越本線の主要駅で、庄内自転車道の起点、終点付近に位置しているため、輪行袋を利用して自分の自転車を持ち込む場合にも便利です。

自動車で訪れる場合は、日本海東北自動車道を利用することで庄内地方まで比較的スムーズにアクセスできます。庄内町の清川地区周辺や鶴岡市街地には駐車場も整備されているため、車で訪れてレンタサイクルを利用するプランも十分現実的です。庄内自転車道の一部区間は最上川沿いの土手道や県道と接続しているため、事前に地図アプリや観光サイトのルートマップを確認し、通行止めや工事箇所がないか確認しておくと安心です。

持ち物は防風ウィンドブレーカーとパンク修理キット

庄内地方は日本海側特有の気候で、季節や時間帯によって天候が大きく変わることがあります。サイクリングの際には、防風性と防水性のあるウィンドブレーカーを一枚持参しておくと安心です。特に最上川沿いや庄内平野は遮るものが少なく、強い風を受けやすいため、風対策は欠かせません。

夏場は日差しが強いため、日焼け対策や熱中症対策として、こまめな水分補給と休憩を心がけましょう。羽黒山方面などアップダウンのある区間を走る場合は、着替えやタオルを用意しておくと快適に過ごせます。秋から春にかけては朝晩の気温差が大きいため、脱ぎ着しやすいレイヤードスタイルの服装がおすすめです。

また、庄内自転車道の一部区間は一般道と共用しているため、ヘルメットの着用や反射材の携行など、基本的な安全装備も忘れずに準備しましょう。長距離を走る場合は、パンク修理キットや携帯工具、予備のチューブなども持参しておくと、万が一のトラブルにも対応しやすくなります。

季節の見頃は春の桜と秋の黄金色に色づく稲穂

庄内自転車道とその周辺エリアは、四季それぞれに異なる魅力を持っています。春は日和山公園や鶴岡公園の桜が見頃を迎え、庄内平野には田植え前の水田が空を映し出す景色が広がります。夏は青々とした稲穂が風にそよぐ庄内平野を駆け抜けながら、日本海の潮風を感じるサイクリングが楽しめます。

秋は庄内地方随一の収穫シーズンで、黄金色に色づいた稲穂が一面に広がる庄内平野の風景は見応えがあります。また、玉川寺庭園の紅葉や、じろで庄内をはじめとするサイクリングイベントが開催される時期でもあり、庄内地方のサイクリングシーズンのハイライトともいえる季節です。空気が澄む秋晴れの日には、平野の向こうに鳥海山や月山の稜線がくっきりと浮かび上がり、走りながら遠景を楽しめるのもこの時期ならではです。冬は積雪のためレンタサイクルの営業が休止となる期間ですが、どんがら汁をはじめとする庄内の冬の味覚を楽しみに、次のシーズンに向けてルートを計画するのもよいでしょう。雪解けとともに再びレンタサイクルの営業が始まる春先は、一年で最初にコースを走れる季節として、地元サイクリストが心待ちにしている時期でもあります。

庄内自転車道は最上川と出羽三山、城下町をつなぐ41キロの旅

庄内自転車道は、最上川の雄大な流れ、庄内平野の田園風景、出羽三山の霊場、そして酒田と鶴岡という二つの港町、城下町を結ぶ、山形県内でも屈指のサイクリングコースです。清川地区の史跡巡りから、羽黒山と出羽神社での参拝、玉川寺庭園やアートギャラリーでの一息、酒田の山居倉庫や日和山公園、鶴岡の鶴岡公園や致道博物館まで、走るほどに庄内地方の奥深い魅力に触れられます。

レンタサイクルも複数の拠点で用意されているため、自分の自転車を持ち込まなくても気軽に挑戦できます。初心者は酒田や鶴岡の市街地コースから、経験者は清川から鶴岡までのロングライドまで、体力やスケジュールに合わせてルートを選べる懐の深さも、このコースならではの良さといえるでしょう。松尾芭蕉が急流を詠んだ最上川、修験の歴史を今に伝える羽黒山と国宝五重塔、北前船交易で栄えた酒田の港町情緒、庄内藩の城下町として発展した鶴岡の歴史、そしてユネスコ食文化創造都市としても認められた豊かな食文化。庄内自転車道は、これらすべてを自分の足でつなぎ合わせられる、他にはないサイクリングルートです。庄内地方ならではの食文化や温泉も組み合わせながら、四季折々の表情を見せる庄内自転車道を走ってみてください。

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