茨城の牛久沼サイクリングコースは平坦で初心者にも安心

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茨城県南部に広がる牛久沼の周辺には、アップダウンがほとんどない平坦な道が続き、自転車に乗り始めたばかりの人でも安心して走れるサイクリングコースが複数整備されています。龍ケ崎市、牛久市、つくば市、取手市、つくばみらい市の5つの市にまたがるこの沼は、谷田川と西谷田川が小貝川の堆積作用でせき止められてできた湖沼で、周囲は約25.5キロメートルにおよびます。平均水深は約1メートルと浅く、ウナギやコイなどの魚が集まる富栄養湖として知られ、坂道の少なさを生かして半日から1日かけてゆっくり一周する初心者向けの楽しみ方が定着しています。本記事では、龍ケ崎市が案内する周遊ルートをはじめとした代表的な4つのコースと、沿道に点在する河童伝説ゆかりのスポットやうなぎの名店、アクセス方法や初心者が押さえておきたい注意点まで、まとめて紹介します。

目次

牛久沼サイクリングが平坦で初心者向きな理由は地形と距離感

牛久沼サイクリングが初心者に向いている理由は、沼を取り囲む道のほとんどに急な坂道がなく、体力に自信がない人でも無理なく走り切れる地形にあります。周囲約25キロメートルという距離は、日帰りでゆっくり一周するのにちょうどよい規模で、途中で休憩を挟みながら半日から1日かけて楽しむ計画を立てやすいのも魅力です。

沼を取り囲むように田園風景や里山、水辺の景色が広がり、都心から日帰り圏内にありながら自然を感じられる立地も見逃せません。水鳥観察を楽しみながらのんびり走れる区間が多く、記録を競うスポーツライドというより、景色を楽しみながら走るポタリングに向いた環境が整っています。龍ケ崎市を中心に沿道にはトイレや駐車場などの休憩施設が程よい間隔で設けられており、初めて長距離を走る人でも計画を立てやすい点が評価されています。

代表コースは4つ、距離とアップダウンの差で選べる

牛久沼周辺には、目的や体力レベルに応じて選べる4つの代表的なサイクリングルートがあります。距離やアップダウンの有無を比較すると、次のような違いがあります。

コース名距離起点路面状況特徴
牛久沼周遊ルート約20キロメートルJR龍ケ崎市駅西口一部未舗装区間あり観光スポットが多い定番ルート
小貝川と龍ケ崎の街並みルート約20キロメートル龍ケ崎市街地ほぼ舗装路河川敷中心で公式に初心者向けと案内
つくばみらい市ルート約25キロメートル牛久沼水辺公園一部にアップダウンあり桜並木が名物、中級者向けの案内
牛久市のカッパ探しコース約16キロメートル牛久市エリアほぼ舗装路距離が短く家族連れも走りやすい

牛久沼周遊ルートは龍ケ崎市駅発着で観光スポットを多く回れる

龍ケ崎市が公開している牛久沼周遊ルートは、牛久沼をぐるりと一周する延長約20キロメートルのコースです。JR龍ケ崎市駅西口からのアクセスルートが案内されており、初めて訪れる人でも迷いにくいようにルートマップが整備されています。一部に未舗装区間が含まれる点には注意が必要ですが、牛久沼水辺公園、きらくやまふれあいの丘、千勝神社、泊崎大師堂、レイクサイドつくば、牛久市観光アヤメ園、かっぱの小径など、多くの観光スポットが道沿いに点在しています。公衆トイレや駐車場も程よい間隔で整備されているため、初めての牛久沼一周に挑戦するコースとして選ばれています。

小貝川と龍ケ崎の街並みルートは河川敷中心の初心者向け設計

地域の観光情報サイト「牛久沼かっぱコンシェルジュ」が紹介するこのコースは、見晴らしのよい小貝川沿いを走りながら、龍ケ崎の歴史的な街並みや立ち寄りグルメスポットを楽しめるルートです。距離は約20キロメートルながらアップダウンが少なく、公式にも初心者向けと案内されています。景色の開けた河川敷を走れるため、初めてロードバイクやクロスバイクに乗る人の練習コースとしても選ばれています。

つくばみらい市ルートは桜並木が名物の中級者向けコース

牛久沼水辺公園を起点に、きらくやま公園やワープステーションへ続くワープロード、岡堰、小貝川を巡るこのルートは、桜の名所が多く点在しているのが特徴です。春には花見を楽しみながらのサイクリングができます。距離は約25キロメートルとやや長めで、多少のアップダウンも含まれるため、公式サイトでは自転車に慣れてきたら走ってほしいコースとして案内されています。牛久沼周遊ルートに慣れた人がステップアップする際の選択肢になります。

牛久市のカッパ探しコースは家族連れも走りやすい16キロ

牛久沼は「河童の芋銭」として知られる画家・小川芋銭が愛した土地でもあり、周辺には河童にまつわるスポットが点在しています。牛久市エリアを中心に河童ゆかりの地を巡る約16キロメートルのこのコースは、観光要素を楽しみながら走れる距離の短さが特徴です。サイクリング自体が初めての人や、子供と一緒に走りたい家族連れにも取り組みやすい規模感になっています。

これら4つのコースはいずれも牛久沼を中心としたエリアに位置しているため、体力や当日の時間に合わせて距離を調整しながら組み合わせることもできます。まずは短めのコースから試し、慣れてきたら周遊ルートやつくばみらい市ルートに挑戦するという段階的な楽しみ方も可能です。

沿道の見どころは小川芋銭ゆかりのスポットと河童伝説に集中している

牛久沼サイクリングの魅力は、走ること自体だけでなく、沿道に点在する観光スポットにもあります。中心となるのは、画家・小川芋銭ゆかりの史跡と、彼が描いた河童にまつわる伝説の地です。

小川芋銭は1868年に牛久藩士の子として江戸で生まれ、3歳のときに牛久へ移り住みました。明治から昭和にかけて活躍した画家であり俳人でもあり、身近で働く農民の暮らしを描くとともに、「河童百図」という画集を著すなど、河童を描くことに秀でた画家として知られています。彼が昭和12年に自らのアトリエ兼居宅として建てた「雲魚亭」は、昭和63年の生誕120年記念祭を機に遺族から牛久市に寄贈され、「小川芋銭記念館」として一般公開されるようになりました。館内には複製画や愛用品が展示されており、土日祝日には室内も見学できます。

雲魚亭のそばには、芋銭にちなんだ河童の碑も置かれています。牛久沼には古くから河童伝説が伝わっており、沼沿いの遊歩道が「牛久沼かっぱの小径」と名付けられているのもこの伝説にちなんだものです。代表的な言い伝えの一つに「河童松」の由来があります。畑を荒らしたり子供を溺れさせたりして住民を困らせていたいたずら好きの河童を、村人たちが沼のほとりの大きな松の木にしばりつけて懲らしめたところ、それ以降は悪さをやめただけでなく、葦刈りなど村人の手伝いをするようになったという話です。

沼の岸沿いには、由緒ある神社や見晴らしのよい史跡も点在しています。千勝神社は創建が西暦502年、武烈天皇の時代と伝わり、当時この地域を悩ませていた水害を鎮めるため、白鳥に乗った猿田彦大神が降臨して治水を助けたという由来が残っています。1964年に下妻市から泊崎、すなわち牛久沼のほとりへ遷座しました。御祭神の猿田彦大神は人生の様々な道を切り開く神様とされ、仕事や学業の壁にぶつかったときの参拝先としても親しまれています。

つくば市の最南端、牛久沼に突き出た半島状の泊崎地区は、水のある景色を存分に楽しめる場所です。先端に建つ泊崎大師堂は、伝承によれば大同年間(806年から810年)に空海がこの地を訪れ、千座護摩を修めた場所に建てられたとされています。高台から牛久沼を一望できる見晴らしのよさが魅力で、牛久沼越しに昇る初日の出を見ようと元旦には大勢の人が訪れます。周辺には空海にまつわる7つの伝説「弘法の七不思議」も伝わっており、歴史好きにとっても見応えのあるスポットです。

初夏には、牛久市観光アヤメ園も立ち寄りスポットとして人気を集めます。総面積約8,000平方メートルの敷地に約200品種、2万本のアヤメや花菖蒲、カキツバタが植えられており、アヤメは例年5月上旬頃から、花菖蒲は5月下旬から6月中旬にかけて見頃を迎えます。市営公園のため時間を気にせず見学でき、初夏の牛久沼サイクリングで立ち寄りたい場所の一つです。

牛久沼水辺公園は冬場の水鳥観察スポットとしても知られている

牛久沼はキジ、カワウ、カモ、白鳥などの水鳥が集う場所で、特に冬のサイクリングでは野鳥観察もあわせて楽しめます。牛久沼水辺公園には牛久沼を一望できる観察デッキが設けられており、走行中に立ち寄って水鳥をゆっくり眺められます。冬季にはユリカモメが大群で飛来し、市民が餌を投げるとフライングキャッチで採食する様子が見られることもあり、休憩時間に楽しめる名物の光景になっています。ほかにもカンムリカイツブリ、ジョウビタキ、ミサゴなど冬に観察が期待できる野鳥が多く、日本野鳥の会茨城県も牛久沼を観察スポットとして紹介しています。牛久沼水辺公園へは常磐線の龍ケ崎駅から徒歩10分から15分ほどでアクセスでき、電車で訪れて公園から自転車をスタートさせる計画も立てやすくなっています。冬の澄んだ空気の中、平坦なコースを走りながら水鳥観察を楽しめるのも、牛久沼サイクリングの持ち味です。

サイクリング途中のグルメはうなぎ街道のうな重が定番

牛久沼は「うな丼発祥の地」という説で知られ、江戸時代の伝承に由来するとされるこのエピソードは、平成に入って改めて注目を集め、地元では今も観光の目玉として語り継がれています。この伝承にちなみ、牛久沼湖畔の東側、国道6号線沿いは「うなぎ街道」と呼ばれ、桑名屋、伊勢屋、鶴舞家、山水閣といったうなぎの名店が軒を連ねています。牛久沼周遊ルートを走る途中でうなぎ街道に立ち寄り、名物のうな重で腹ごしらえをするのも人気の楽しみ方です。

牛久沼に突き出た半島状の泊崎地区、泊崎大師堂のすぐ脇には「岬食堂」という食堂があり、うな重のほかラーメンや焼きそばといった軽食メニューも提供されています。長距離を走る周遊ルートの中間地点付近で立ち寄りやすい休憩スポットとして重宝されています。牛久沼周辺には883店舗のグルメスポットがあるとされ、そば店やカフェなど、うなぎ以外にも多彩な飲食店が点在しています。サイクリング前後や休憩時間に地元グルメを味わうのも、牛久沼サイクリングの楽しみ方の一つです。

アクセスは龍ケ崎市駅から徒歩10分、レンタサイクルも利用できる

牛久沼への到着方法として、電車を使う場合はJR常磐線の龍ケ崎市駅が起点になります。牛久沼は龍ケ崎市駅から約1キロメートル、徒歩10分程度の距離にあり、駅からすぐにサイクリングを始められる利便性があります。牛久沼周遊ルートのルートマップでも、JR龍ケ崎市駅西口からのアクセスルートが案内されています。

車で訪れる場合は、牛久沼周辺やルート上の主要な観光スポット近くに駐車場が整備されています。マイカーで訪れて牛久沼周辺だけを走る、あるいは道中の一部区間だけをサイクリングするという楽しみ方もできます。

自転車を持参しない場合は、龍ケ崎市駅周辺にレンタサイクルを扱う店舗があり、牛久沼一周を楽しめます。茨城県のサイクリング情報サイト「サイクリングいばらき」では、県内各地のレンタサイクル情報がまとめられており、広域レンタサイクルではヘルメットの無料貸し出しも行われています。ヘルメットは子供用のほかM・Lサイズが用意されており、利根川サイクルステーションなど周辺エリアでも無料貸し出しの例があります。自転車を持っていない人や、旅行や出張のついでに立ち寄りたい人にとっても利用しやすい環境が整っています。

初心者が安全に走るための注意点は装備・路面・時間帯の3点

牛久沼周辺は平坦なコースが多く初心者向けとされていますが、気持ちよく安全に走るためには押さえておきたい点があります。

まず装備の面では、ヘルメットの着用が欠かせません。レンタサイクルを利用する場合は多くの施設で無料貸し出しが行われているため、積極的に活用しましょう。自分の自転車で訪れる場合も、転倒時の安全のためにヘルメットを着用することが推奨されます。季節に応じた服装選びも重要です。牛久沼周辺は水辺のため風が強く感じられる日もあり、春は桜、他の季節も水鳥や田園風景など四季折々の景色が楽しめる一方、気温や風の強さに応じた服装を選ぶ必要があります。

次に路面の面では、牛久沼周遊ルートの一部に未舗装区間が含まれる点に注意が必要です。細いタイヤのロードバイクよりも、ある程度太めのタイヤを装着したクロスバイクやグラベルバイク、マウンテンバイクのほうが走りやすい場面もあるため、事前にルートマップを確認し、自分の自転車に合ったコース取りを検討するとよいでしょう。

最後に時間帯とルールの面では、休憩ポイントの把握が計画づくりの鍵になります。牛久沼周遊ルート上には公衆トイレや駐車場などの休憩施設が程よい間隔で整備されていますが、事前にルートマップでおおよその位置を確認しておくと、こまめな休憩や水分補給の計画が立てやすくなります。特に夏場は熱中症対策として、こまめな休憩と水分補給を心がけることが重要です。また日没後は街灯が少ない区間もあるため、日中の明るい時間帯に走行を終えられるよう時間に余裕を持った計画を立てましょう。牛久沼周辺のコースには一般道と合流する区間もあるため、歩行者や他の自転車利用者、自動車との共存を意識し、信号や標識を守った運転を心がけてください。

地域主催の「うしくでゆるポタ!」は毎月開催の初心者向けイベント

牛久沼エリアでは、地域の観光情報サイト「牛久沼かっぱコンシェルジュ」が中心となり、スポーツバイク初級者向けの企画も開催されています。走って食べて自転車散歩を楽しむ「うしくでゆるポタ!」は、地元の自転車店・常南サイクルを中心に、毎月テーマを決めて景色を楽しんだり美味しいものを食べたりしながらのんびり走るサイクリングイベントです。走行距離は30キロメートル程度で、ツアーの途中には毎回シークレットスポットが用意されるなど、記録よりものんびりお散歩感覚を大切にした内容になっています。ガイドはいばらきサイクリングサポートライダーやいばらき観光マイスターの資格を持つスタッフが務め、体力に自信がない人でも安心して参加できるよう、電動アシストで楽に走れるE-バイクのレンタルも用意されています。一人で走るのが不安な初心者でも、参加者と一緒にゆっくりとしたペースで牛久沼周辺を楽しめます。地域主催のイベントに参加することで、コース取りのコツやおすすめの立ち寄りスポットなど、実際に走った人ならではの情報を得られるのも魅力です。初めて牛久沼サイクリングに挑戦する場合は、こうしたイベント情報も確認しておくとよいでしょう。なお毎年夏には牛久市最大級の祭りである「うしくかっぱ祭り」も開催されており、河童ゆかりの牛久沼エリアならではの賑わいを合わせて楽しめます。

りんりんロードとの組み合わせで茨城サイクリングを2日間楽しむ

茨城県南部には、牛久沼のほかにも霞ヶ浦を周回する「つくば霞ヶ浦りんりんロード」という全長約180キロメートルの大規模なサイクリングコースがあります。このりんりんロードは、旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦を周回する湖岸道路を組み合わせた日本屈指のサイクリングロードで、2019年にはナショナルサイクルルートに指定されました。景観の美しさに加えて平坦で走りやすいことでも知られており、周辺には複数のモデルルートが用意されています。牛久沼エリアとりんりんロードは茨城県南部という共通のエリアにあるため、旅行や連泊で茨城を訪れる場合は、初日に牛久沼周辺の平坦なコースで足慣らしをし、翌日により距離の長いりんりんロードに挑戦する組み合わせ方もおすすめです。

牛久沼は牛久市、龍ケ崎市、つくば市、取手市、つくばみらい市という5つの市にまたがっているため、それぞれの市が持つ観光資源を少しずつ組み合わせて走ることもできます。牛久市側では小川芋銭ゆかりのスポットや河童伝説の地を、つくばみらい市側では桜並木や小貝川沿いの景色を、龍ケ崎市側では歴史的な街並みやグルメスポットを楽しむというように、走るエリアによって異なる魅力に出会えるのも牛久沼サイクリングの奥深さです。

牛久沼サイクリングは龍ケ崎市駅発着の20キロコースから始めやすい

茨城県南部に広がる牛久沼は、周囲約25キロメートルというちょうどよい規模と、アップダウンの少ない平坦な地形により、サイクリング初心者にとって走りやすいエリアです。龍ケ崎市が案内する牛久沼周遊ルート(約20キロメートル)をはじめ、小貝川と龍ケ崎の街並みを楽しむ初心者向けルート、桜並木が美しいつくばみらい市ルート、河童ゆかりの地を巡る牛久市のコースなど、目的や体力に応じて選べる複数のルートが整備されています。

沿道には小川芋銭記念館「雲魚亭」や河童の碑、牛久沼水辺公園、きらくやまふれあいの丘、千勝神社、泊崎地区など、水辺の自然と歴史・文化を同時に楽しめる観光スポットが点在しており、走るだけでなく観光としても充実した時間を過ごせます。JR龍ケ崎市駅からのアクセスもよく、レンタサイクルやヘルメットの無料貸し出しを行っている施設もあるため、自分の自転車を持っていない人でも挑戦しやすい点も魅力です。

ヘルメットの着用、未舗装区間への注意、休憩ポイントの把握、季節に応じた服装選び、交通ルールの遵守といった基本的な点を押さえれば、初めてスポーツバイクに乗る人や自転車に乗り慣れていない人でも、安心して牛久沼サイクリングを楽しめます。地域主催のポタリングイベント「うしくでゆるポタ!」も活用しながら、水鳥が集う水辺の景色と、河童伝説や歴史ある街並みが織りなす牛久沼の魅力を、サイクリングで体感してみてください。

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