天神川の河川敷を走るサイクリングは、鳥取県中部の倉吉市から湯梨浜町までを結ぶ倉吉東郷自転車道(総距離24.3km)で楽しめます。「天神川サイクリングロード」という名前の独立した公式施設は、調べた範囲では確認できませんでした。倉吉市の街なかから天神川の堤防沿いを北へ進み、日本海と東郷湖へ抜ける区間を、この名前で探している方が多いと整理できます。
高低差が少なく、旧国鉄倉吉線の廃線跡、赤瓦と白壁土蔵の街並み、小鴨川と天神川の河川敷、日本海沿いの長瀬公園、東郷湖畔までが一本につながっています。この記事では、コースの距離と見どころ、河川敷で立ち寄れる場所、終点の東郷湖周辺、周辺のサイクリングルートとの組み合わせ方、走る前の注意点をまとめました。情報は2026年10月2日時点で確認できた内容です。

天神川サイクリングロードの正体は倉吉東郷自転車道の一区間
天神川の河川敷を走るルートの実体は、倉吉東郷自転車道です。鳥取県の公式サイトや鳥取県観光連盟のサイクリング案内「とっとり自転車旅」が、このコースを紹介しています。
自転車道は、倉吉市の上小鴨地区から湯梨浜町の長和田地区までを結んでいます。この自転車道は、鳥取県道501号倉吉東郷自転車道線という県道としての路線名でも整理されています。名前に天神川は入っていませんが、コースの途中に天神川沿いを北上する区間があるため、「天神川サイクリングロード」で検索する人の探しているルートはここに重なります。
走行ログを公開しているサービスにも、倉吉白壁土蔵群から旧国鉄倉吉線の廃線跡を経て倉吉東郷自転車道を走るコースが載っています。実際に走った人の記録を地図で確認できるので、出発前の下見に使えます。
天神川は全長32kmの一級河川で、倉吉の町は二つの川の合流点に広がる
天神川とは、鳥取県東伯郡三朝町の津黒山(標高1,118m)を水源とする一級河川のことです。北へ流れ、倉吉市で小鴨川と合流し、北栄町と湯梨浜町の境界付近で日本海に注ぎます。幹川流路延長は32km、流域面積は490平方キロメートルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 水源 | 三朝町の津黒山(標高1,118m) |
| 合流する川 | 倉吉市で小鴨川と合流 |
| 河口 | 北栄町と湯梨浜町の境界付近で日本海へ |
| 幹川流路延長 | 32km |
| 流域面積 | 490平方キロメートル |
| 流域の市町 | 倉吉市、北栄町、湯梨浜町、三朝町 |
| 管理 | 国土交通省中国地方整備局の倉吉河川国道事務所 |
流域の約89%は山地で、水田や畑地などの農地は約8%です。流域のほとんどを山が占め、その次に田畑が広がる川だということです。
倉吉の市街地は、天神川と小鴨川の合流点の付近に広がっています。倉吉の町は二つの川が出会う場所を中心に発展してきた地形です。自転車道が小鴨川の河川敷から天神川沿いへ移っていく流れは、この地形をそのままなぞっています。
倉吉東郷自転車道は総距離24.3kmで高低差が少ない
倉吉東郷自転車道の総距離は24.3kmで、高低差が少なく、安全で快適に走れるコースです。鳥取県の案内は、起点を倉吉市石塚、終点を湯梨浜町長和田としています。南側の入口は、関金温泉に近い倉吉市上小鴨地区からのルートとしても紹介されています。終点の長和田は、東郷湖羽合臨海公園や中国庭園の燕趙園がある地区です。
南から北へ並ぶ6つの見どころ
コースは、南から北へ向かって風景が変わります。
| 順番 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 旧国鉄倉吉線の廃線跡 | 桜のトンネルが続く南端の区間 |
| 2 | 赤瓦・白壁土蔵群 | 重要伝統的建造物群保存地区。小鴨川の河川敷から近い |
| 3 | 小鴨川の河川敷 | 白壁土蔵群にほど近い区間 |
| 4 | 天神川沿い | 天神川の流れに沿って北上する区間 |
| 5 | 長瀬公園(はわい長瀬地区) | 日本海の海岸線に出る。青松が印象的 |
| 6 | 東郷湖畔 | 日帰り温泉や足湯がある風光明媚なエリア |
山あいの廃線跡から始まり、町なか、川沿い、海、湖と、24.3kmの間に走る場所の性格がはっきり変わります。海沿いだけ、川沿いだけを走るコースと違い、一本の道で四つの環境を通り抜けられるのがこのコースの持ち味です。
とはいえ、変化が多いぶん、どこで何を見るかは出発前に決めておいたほうが楽です。次の見出し以降で、場所ごとに寄り道の価値をまとめます。
河川敷を走る魅力は、自動車の通行から切り離されて走れること
河川敷を通る区間があるおかげで、倉吉東郷自転車道は自動車の流れから離れて走れます。自転車道という名前のとおり、自転車のための道として整備されているので、一般の車道を走るよりも安全で快適に走れると案内されています。
鳥取県の案内も、このコースを「走りやすく、風景の変化が楽しめる」道として紹介しています。高低差が少ないことと、車道から切り離されていることの二つが重なり、初めて走る人でも出発しやすい条件が整っています。
竹田橋周辺の河川敷は大凧あげ大会の会場にもなる
倉吉市の竹田橋の西詰には河川敷があります。天神川の竹田橋左岸河川敷(倉吉市東巌城町)は、大凧あげ大会などのイベント会場として使われてきました。
広い河川敷なので、普段はサイクリングや散策の場になり、イベントの日は地域の人が集まる場所に変わります。大会の開催日は河川敷に人が集まるため、通る日がイベントと重なっていないか、事前に市の案内で確認しておくと安心です。
湯梨浜町の桜づつみ公園は堤防沿いの桜と野鳥観察の場
湯梨浜町には、天神川の堤防沿いに桜づつみ公園があります。堤防沿いの桜を楽しめる場所で、地域の四季の風景スポットになっています。
倉吉河川国道事務所の天神川流域に関する資料には、この公園で野鳥観察会が開かれたことが載っています。三朝町の桜づつみ中ノ島公園でも、河川敷の草刈りなど、環境を守る活動が行われています。河川敷は、サイクリングだけでなく、野鳥観察や環境保全の活動の場としても使われています。走る側も、同じ場所を使う人がいることを頭に置いておくと、ゆとりを持って走れます。
毎年春の清掃活動が、河川敷の走りやすさを支えている
倉吉河川国道事務所は、天神川の清掃活動を毎年春に実施しています。活動場所として、竹田橋や天神橋の周辺の河川敷が挙げられています。
河川敷がきれいに保たれているのは、こうした地域ぐるみの清掃活動のおかげです。路面にごみが散らばっていない道を走れるのは、当たり前のようで、誰かが拾っているから成り立っています。走る側としては、持ち込んだごみは持ち帰るのが最低限の礼儀です。
白壁土蔵群の寄り道は、自転車道の途中で楽しめる
倉吉東郷自転車道の沿線にあたる倉吉市中心部の打吹玉川地区には、赤瓦と白壁土蔵群のレトロな街並みが残っています。重要伝統的建造物群保存地区に選ばれていて、赤い屋根瓦、白壁、黒い焼杉板で統一された景観が特徴です。江戸時代から大正時代にかけて建てられた商家と土蔵が、玉川沿いに並んでいます。
この地区は、室町時代に打吹城の城下町として栄えた場所です。江戸時代には陣屋を中心に武家屋敷が建てられ、「小京都」とも呼ばれます。保存地区の中央を流れる玉川沿いの散策が見どころで、明治41年築の第三国立銀行倉吉支店を再生した国の登録有形文化財の建物(協同組合倉吉大店会)があります。
季節ごとのイベントも開かれています。春は「打吹流し雛」、夏はかがり火とビン灯篭が土蔵群を照らす「光の回廊」、秋は和紙の行燈で照らす「山陰KAMIあかり」です。河川敷を走ったあとに町なかへ寄り、玉川沿いの散策を挟む流れが組みやすい立地です。
終点の東郷湖周辺は、足湯と温泉と中国庭園がそろう
自転車道の終点側にあたる湯梨浜町の東郷湖周辺には、走り終えた体を休める場所が集まっています。
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 東郷湖羽合臨海公園 | 公園内にサイクリングロードがあり、無料の足湯がある |
| はわい温泉・東郷温泉 | 東郷湖の南東岸に数軒の宿が点在。湖底から温泉が湧出する珍しい温泉地 |
| 中国庭園 燕趙園 | 鳥取県と中国河北省の友好のシンボルとして造られた。中国風の建物がある |
| 東郷湖の湖周 | 全日本ノルディックウォーク連盟公認コース第1号。12kmのサイクリングコースもある |
東郷湖羽合臨海公園の足湯は無料で、湖の景色を見ながら足を温められます。はわい温泉と東郷温泉は、全国でも珍しい、湖底から温泉が湧く温泉地です。温泉街の近くには中国風の建物があり、町を歩くと異国のような雰囲気が味わえます。毎年8月には、東郷湖ドラゴンカヌー大会も開かれています。
24.3kmを走り切ったあとに足湯が待っているコースは、サイクリングの終わり方としては悪くない構成です。ここは、鳥取県の案内も「日帰り温泉や足湯が楽しめる東郷湖畔」として紹介している場所です。
鳥取うみなみロードと山陰海岸ナショナルサイクルルートへのつなぎ方
倉吉東郷自転車道は、県内を東西に横断する鳥取うみなみロードと接続していて、一部の区間を共有しています。県中部への立ち寄り観光や、宿泊施設へ向かうルートとしても、鳥取県の案内は倉吉東郷自転車道を便利な道として紹介しています。
さらに広く走りたい場合は、山陰海岸ナショナルサイクルルートがあります。山陰海岸ユネスコ世界ジオパークの浦富海岸や鳥取砂丘、大山の自然、神話やマンガ・アニメなどの文化資源、各地の温泉地、海と山の食を結ぶルートで、総延長は152kmです。通過するのは、岩美町、鳥取市、湯梨浜町、北栄町、琴浦町、大山町、日吉津村、米子市、境港市です。
湯梨浜町と北栄町は、天神川の河口周辺にあたる地域でもあります。天神川沿いを北上して河口側へ出ると、このルートが通る町に入ります。倉吉東郷自転車道の24.3kmは、より長い旅の途中の一区間として組み込むこともできます。
北栄町と東郷湖には4kmから12kmの短いコースがある
24.3kmを走るほどの時間がない場合は、周辺の短いコースが選べます。
北栄町には、名探偵コナンオブジェコース(約4km)と、蜘ヶ家山見晴らしコース(約8km)があります。湯梨浜町には、東郷湖を一周する約12kmのコースがあり、「トゴイチ」の名前で親しまれています。
距離の目安を表にまとめます。
| コース | 場所 | 距離 |
|---|---|---|
| 倉吉東郷自転車道 | 倉吉市から湯梨浜町 | 24.3km |
| 東郷湖一周(トゴイチ) | 湯梨浜町 | 約12km |
| 蜘ヶ家山見晴らしコース | 北栄町 | 約8km |
| 名探偵コナンオブジェコース | 北栄町 | 約4km |
一日目に倉吉東郷自転車道、二日目に北栄町か東郷湖の短いコース、というように日を分けると、無理のない旅程になります。
倉吉から東郷湖までを一日で走る場合の立ち寄りの順番
南から北へ走る場合、立ち寄り先は自然に決まります。
最初は南端の旧国鉄倉吉線の廃線跡です。桜のトンネルが続く区間で、自転車道の入口にあたります。次に、小鴨川の河川敷を走って、赤瓦・白壁土蔵群に寄ります。保存地区は小鴨川の河川敷からほど近い位置にあるので、河川敷と町なかを行き来できます。玉川沿いを歩き、第三国立銀行倉吉支店を再生した建物を眺めたら、再び河川敷へ戻ります。
そこから天神川沿いを北上します。竹田橋や天神橋の周辺は、清掃活動の場所として挙げられている河川敷です。湯梨浜町に入ると桜づつみ公園があり、堤防沿いの景色を楽しめます。日本海の海岸線に出たところが長瀬公園で、青松が目印です。最後に東郷湖畔へ入り、羽合臨海公園の足湯で体を休めて終わります。
この流れは、鳥取県の案内が示している見どころの並び順そのままです。北から南へ走ることもできますが、終点に足湯があるという楽しみは、南から北へ走ったときに一番生きます。
天神川の河川敷を守っている人たちの活動
河川敷の走りやすさは、自然にできあがったものではありません。国土交通省の倉吉河川国道事務所は、天神川について、流域観察会や清掃活動を行っています。清掃活動は毎年春に開かれ、竹田橋や天神橋の周辺の河川敷が会場になっています。
湯梨浜町の天神川桜づつみ公園では野鳥観察会が開かれ、三朝町の桜づつみ中ノ島公園では草刈りなどの環境保全が行われています。流域の自治体と国の機関が、それぞれ河川敷に手を入れています。
サイクリングをする側は、この河川敷を借りて走っている立場です。ごみを持ち帰ること、歩行者を優先すること、行事の日は迂回すること。この3点を守るだけで、河川敷を使う人全体の居心地がよくなります。
倉吉市、湯梨浜町、北栄町のどこを走っているのか
倉吉東郷自転車道と周辺のコースは、三つの市町にまたがっています。走る場所と市町の対応を整理します。
| 市町 | 主な場所 |
|---|---|
| 倉吉市 | 旧国鉄倉吉線の廃線跡、赤瓦・白壁土蔵群、小鴨川と天神川の河川敷、竹田橋周辺 |
| 湯梨浜町 | 桜づつみ公園、長瀬公園、東郷湖周辺、羽合臨海公園、燕趙園 |
| 北栄町 | 天神川の河口周辺、名探偵コナンオブジェコース、蜘ヶ家山見晴らしコース |
| 三朝町 | 天神川の水源となる津黒山、桜づつみ中ノ島公園 |
天神川は、三朝町で生まれて倉吉市を通り、北栄町と湯梨浜町の境界付近で海に出る川です。自転車道は、その流れの下流側にあたる倉吉市から湯梨浜町までを走ります。川の始まりから終わりまでのうち、サイクリングで通れるのは下流側の部分です。
初心者は平坦な区間から始め、廃線跡のコースは上級者向け
旧国鉄倉吉線の廃線跡を目指すコースも紹介されています。倉吉市の廃線跡には、桜のトンネルや、赤瓦・白壁土蔵のレトロな街並みといった見どころがあります。
ただし、山間部を含む上級者向けのコースもあります。初心者は、倉吉東郷自転車道の平坦な区間から始めるのが無難です。倉吉東郷自転車道の南端は桜のトンネルが続く廃線跡ですが、全体としては高低差が少ないと案内されています。山のコースは、体力と経験に自信がついてから選んでください。
河川敷を走る前に知っておきたい注意点は増水と歩行者の2点
河川敷や堤防の道は、大雨や増水のあとに通れなくなることがあります。出発前に天気と河川の状況を確認してください。雨が降ったあとの河川敷には近づかない、と決めておくのが安全です。
もう1点は歩行者です。河川敷は散歩をする人も使います。歩行者を優先し、人とすれ違うときは速度を落としてください。ここは自転車専用の高速道路ではなく、地域の人が普段から歩いている場所です。
コースの最新の通行状況は、倉吉市や湯梨浜町、鳥取県の観光・サイクリング案内で確認できます。春の清掃活動やイベントの日は河川敷の使われ方が変わるので、事前に目を通しておくと安心です。
天神川の河川敷でのサイクリングについてよくある疑問
天神川サイクリングロードという名前の道は実在するのか、という疑問には、独立した公式施設としては確認できなかったと答えます。実際に走れるのは倉吉東郷自転車道で、天神川沿いを北上する区間がそれにあたります。
走る距離は、起点から終点までで24.3kmです。高低差が少ないため、一日で走り切りやすい距離です。南端の廃線跡で桜を見て、途中で白壁土蔵群に寄り、河川敷を北へ進み、日本海の長瀬公園を通って、東郷湖畔で足湯につかる、という順番がコースの自然な流れです。
河川敷で走れるのかという疑問には、小鴨川の河川敷と天神川沿いの区間があると答えます。ただし、増水時は通れなくなる場合があります。
桜の季節に走りたい場合は、南端の廃線跡の桜のトンネルと、湯梨浜町の桜づつみ公園の堤防沿いの桜が目当てになります。開花の時期は年によって変わるので、出発前に現地の案内を確認してください。
まとめ:天神川の河川敷から東郷湖へ、24.3kmで景色が入れ替わる
天神川の河川敷を走るなら、倉吉東郷自転車道が答えです。倉吉市の上小鴨地区から湯梨浜町の長和田地区まで、総距離は24.3km、高低差は少なめです。
廃線跡の桜のトンネル、赤瓦と白壁土蔵群、小鴨川と天神川の河川敷、日本海沿いの長瀬公園、東郷湖畔の足湯までが、一本の道でつながっています。物足りなければ、鳥取うみなみロードや山陰海岸ナショナルサイクルルートに足を延ばせます。短く走りたいときは、北栄町の4kmと8kmのコースや、東郷湖一周の12kmが選べます。
走る前に確認するのは、天気と河川の状況です。増水のあとは河川敷に入らず、歩行者を優先して走ってください。








