積丹半島の海沿いをeバイクで走るサイクリングと神威岬の歩き方

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積丹半島では、国道229号が海沿いを通っています。自転車で神威岬を訪ねるときは、駐車場のあたりに自転車を置き、先端までの約770メートルを歩くのが基本です。eバイク(電動アシスト自転車)で海岸沿いを走るツアーとしては、近畿日本ツーリストが紹介する体験プログラムと、地元ガイドが案内する1泊2日の半島1周ツアーがあります。

積丹半島は、北海道の日本海側に突き出た半島です。海岸には断崖や奇岩が連なり、澄みきった青い海は「積丹ブルー」の名で親しまれています。神威岬は、この半島の北西に突き出た岬です。

目次

eバイクで海沿いを走るなら近畿日本ツーリストの体験か1泊2日の1周ツアー

近畿日本ツーリストのE-バイク体験は小雨でも実施

近畿日本ツーリストが紹介しているのは、積丹半島の海岸沿いをE-バイクで走る体験プログラムです。海岸沿いの景色を眺めながら、緑の濃い道を進むコースになっています。開催は基本的に小雨決行とされています。

1周ツアーは北海道知事認定のATガイドが案内

もう一方の積丹半島1周ツアーでは、北海道知事が認定した地元のアドベンチャートラベルガイドが案内役を務めます。使う自転車は一般的なロードバイクと違い、電動アシスト自転車です。

項目内容
日程1泊2日
参加人数最少4名、最大10名
実施時期春から秋
積丹でのe-bike体験9時45分から15時の予定
料金に含まれるものE-MTB一式、SUP用品、ナイトハイクで使うヘッドランプなど
料金に含まれないもの旅行保険

SUPの時間は、波の静かな湾の中でパドルの扱いを練習するところから始まります。練習のあとは、海岸国定公園の切り立った崖を見上げながら漕ぎ進みます。陸の道ではたどり着けない無人の海岸に上がり、焚き火台を囲んでお昼を食べる流れです。

夕方は特別な許可を得たうえで、積丹町のサンセットティーを味わいながら、日本海へ沈んでいく夕焼けを眺めます。ふだんは公開されていない灯台の内部の見学も、行程に含まれています。積丹半島では、カヤックで海を進むものや歴史をたどるものなど、同じような組み立ての1泊2日プランもあります。

SUPはボードに立ってパドルで進むハワイ発祥のスポーツ

SUP(スタンドアップパドルボード)とは、ボードの上に立ち、パドルを使って水面を進むウォータースポーツで、ハワイで生まれました。ボードの浮力が大きいので、初めての人でも楽しみやすいのが持ち味です。ボードの上では体幹を使うため、エクササイズとしての面もあるとされています。

ボードには、硬い素材でできたハードボードと、空気を入れて膨らませるインフレータブルボードの2種類があります。ハードボードはまっすぐ進みやすく、思いどおりに操りやすい作りです。インフレータブルボードのほうは、空気を抜けば小さくまとまるため、持ち運びも保管もしやすいのが利点です。

ATガイドは2023年度に北海道が始めた認定制度のガイド

アドベンチャートラベル(AT)とは、アクティビティと自然、文化体験という3つの要素から2つ以上を組み合わせて楽しむ旅のかたちを指します。北海道はATを観光の新しい柱のひとつに据え、2023年度にガイドの認定制度を始めました。この制度で認定を受けたのが、1周ツアーで案内役を務める「北海道知事認定のATガイド」です。

アドベンチャートラベル・ワールドサミットも、同じ2023年に北海道で開催されました。集まった業界関係者は約800名で、64の国と地域から訪れています。

eバイクのアシストは時速24キロメートルで止まる

電動アシスト自転車は、人がペダルをこぐ力にモーターの力を足して走る自転車です。モーターがどこまで手伝ってよいかは、道路交通法施行規則で決められています。

速度が時速10キロメートルに届かないうちは、モーターは人の力の最大2倍まで力を貸します。時速10キロメートルから24キロメートルに届くまでの範囲では、速くなるほど補助は少しずつ弱まります。時速24キロメートル以上になると、補助はなくなります。

ペダルをこがなければ進まない構造であることも、規則が求める条件です。こうした基準を満たした車両は、自転車(軽車両)として扱われます。反対に、ペダルを使わず電動の力だけで走れる車両は原動機付自転車にあたり、免許や保険などの条件を満たさなければ乗れません。買うときは、型式認定を受けた証であるTSマークが目安になります。

E-MTBは前後サスペンション型とハードテイル型で重さが違う

1周ツアーの装備に入っているE-MTBは、マウンテンバイクに電動アシストを組み合わせた自転車です。骨組みはマウンテンバイクと変わらず、地面からの衝撃をやわらげるサスペンションと、頑丈なフレームを持っています。電動アシスト自転車と同じく、ペダルをこいでいる間だけアシストが働きます。

フロントチェーンリングのそばにモーターを積むミッドドライブ方式を採用したモデルもあります。重心が低くなるぶん、走りが安定します。

サスペンションを前と後ろの両方に備えたフルサスペンション型は、荒れた道に強いものの車体が重くなります。後ろのサスペンションを省いたハードテイル型は軽く、整備もしやすいとされています。

スピードが出やすいうえに車体も重いので、乗るときはフルフェイスヘルメットとプロテクターを着けるよう勧められています。バッテリーは帰り道の分として、少なくとも2割ほど残しておくのが目安です。

神威岬は駐車場に自転車を停めて約770メートルを歩く

神威岬の先端へ向かう遊歩道は、歩いて進むための道です。自転車で先端まで乗り入れることは想定されていないため、駐車場の周りに自転車を停めて、そこから歩いて向かいます。

遊歩道には「チャレンカの小道」という名前がついています。駐車場から先端までは約770メートルで、上り下りを繰り返しながら20分から30分ほどで着きます。歩き始めて6分ほどで念仏トンネルのビューポイントに出て、その先からアップダウンがきつくなります。先端に立つと、積丹ブルーの海と神威岩を見渡せます。

遊歩道のゲートは8月から10月なら8時に開き17時30分に閉まる

遊歩道のゲートが開いている時間は、季節と天気で変わります。8月から10月の場合、ゲートは8時に開いて17時30分に閉まり、中へ入れるのは16時30分までです。入口ゲートと女人禁制の門は、雨や風の具合によって開け閉めの時間が変わることがあります。

冬と夜間は通行止めです。風の強い日も通れなくなる場合があり、強風で女人禁制の門が閉じられると、先端までは歩けません。出かける前に積丹観光協会の情報を確かめておくと安心です。

駐車料金はかからず、停められる台数は200台から300台ほどです。公園内の施設「カムイ番屋」では、売店が10時から16時、レストランが11時から15時に営業しています。

神威岬の女人禁制は1855年から1856年ごろに解かれた

神威岬の一帯は長いあいだ女性が立ち入れない場所でしたが、その禁制は幕末の安政2年から3年ごろ(1855年から1856年)に解かれました。この禁制は、岬の周りが船の航路として西蝦夷三険岬に数えられるほど危険な海で、遭難する船も多かったことから生まれたとされます。今の入口は誰でも通れますが、岬へ続く道には「女人禁制の門」がいまも残っています。

神威岩のチャレンカ伝説は義経北行伝説のひとつ

源義経とアイヌの娘チャレンカの悲しい恋の話が、神威岩には残っています。チャレンカは義経を慕い、その後を追ってこの地まで来て、海に身を投げました。身を投げたチャレンカの姿が、そのまま岩になったといいます。

女人禁制の由来として知られているのも、この伝説につながる話です。チャレンカの身体が神威岩になり、その近くへ女性を乗せた船が来ると必ずひっくり返ったことから、女人禁制の地になったと説明されています。

チャレンカの伝説は、義経北行伝説のひとつに数えられています。義経北行伝説とは、平泉で自害したとされる源義経が生き延びて津軽海峡を渡り、蝦夷地(北海道)に移り住んだという言い伝えを指します。言い伝えでは、義経は青森県外ヶ浜町の三厩を出て龍飛崎を経由し、蝦夷白神(現在の福島町)へ渡りました。そこから海岸づたいに北へ進んだ義経は、アイヌの人々の集落があった平取町に落ち着いて、アイヌから神として敬われたと語られています。

義経が蝦夷地へ渡ったという話が固まったのは、江戸時代です。1670年(寛文10年)に林羅山が『続本朝通鑑』の中で、義経は蝦夷島へ逃れたと書いたことが、話の裏づけのひとつとされています。平取町にある義経神社は、1799年に近藤重蔵らの手で義経の御神像が安置されたことに始まるとされます。近藤重蔵らは、蝦夷地の探検を命じられていた一行です。

ただし史実としては、義経は衣川館で最期を迎えたとされています。北行の話は、あくまで伝説です。

神威岬灯台は1892年8月25日に初点灯した北海道庁の最初の灯台

神威岬灯台に初めて明かりがともったのは、明治25年(1892年)8月25日のことです。北海道庁は明治21年から6年かけて20基の灯台を建てましたが、その中でいちばん先に完成したのがこの灯台でした。北海道の灯台の中では、5番目に古い歴史があります。

いま岬に立っているのは、昭和35年に建て替えられた2代目の灯台です。カムイ番屋で展示中の「第一等不動レンズ」は、かつて神威岬灯台で使われていたものです。現存するものは国内でこれひとつとされ、貴重なレンズとして扱われています。

島武意海岸と黄金岬でも積丹ブルーの海を見下ろせる

積丹ブルーを眺められる場所は、神威岬のほかにもあります。島武意海岸と黄金岬もそうした場所です。

島武意海岸は約30メートルのトンネルを抜けた先に海が開ける

島武意海岸は、長さ約30メートルの人工トンネルをくぐり抜けた瞬間、目の前がいきなりコバルトブルーの海になる景勝地です。トンネルを掘ったのは人の手で、ニシンを運び出すためだったと伝わっています。展望台から見下ろせば、海底の岩盤まで透けて見えるほど水がきれいです。

シララの小道という自然遊歩道を歩いていくと、女郎子岩が見えてきます。沖のほうを向いて立つ女性のような姿をした岩です。

島武意海岸は1996年発表の日本の渚百選に入った

島武意海岸は「日本の渚百選」のひとつです。日本の渚百選は、1996年(平成8年)に全国から100か所の渚を選んで発表したものです。観光地の順位づけとは目的が別で、21世紀に向けて身近な渚の環境を守り、その価値を見直すことを目的とした、海岸環境の保全の取り組みです。同じ年に選ばれた渚には、島牧村の江ノ島海岸、京都府の天橋立などがあります。

黄金岬は約410メートルのチャシナの小道で展望台へ

黄金岬も、海に向かって突き出た岬です。「チャシナの小道」という約410メートルの遊歩道を進んだ先に展望台があり、断崖絶壁を見渡せます。この小道の名は、かつてニシン漁の拠点の守りとなった砦の跡にちなんでいます。岬の近くには、水中展望船の乗り場もあります。

積丹の断崖と奇岩はニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部

海沿いを走りながら目に入る崖や奇岩は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に含まれる景色です。国定公園の範囲は北海道西部の日本海側に広がり、1市8町2村に及びます。昭和38年7月24日に指定され、広さは19,009ヘクタールです。

公園の区域は大きく2つに分かれています。ひとつは「ニセコ地区」で、ニセコ連峰を中心とした山の景観に、山地の湿原や火山性の湖沼、雷電海岸の海蝕崖が加わります。もうひとつの「積丹・小樽海岸地区」は、海蝕崖と奇岩、そして積丹岬や神威岬などで成り立っています。

北海道内の国定公園で、海中公園地区に指定されているのはここだけです。海中公園地区は、積丹半島や小樽海岸などに設けられています。

積丹がニシン漁でにぎわったのは明治から昭和初期

明治から昭和初期にかけて、積丹の一帯はニシン漁で栄えました。このころには、ニシン番屋がいくつも建てられています。番屋はヤン衆と呼ばれた漁の雇い人たちが暮らす家で、獲ったニシンの加工場も兼ねていました。春先の漁期になると、番屋に寝泊まりする人はヤン衆も合わせて100名を超えたそうです。

積丹の一帯には「鰊千石場所」という呼び名もあり、ニシンを山積みにした船が行き来したとされます。

積丹町美国にある「鰊伝習館ヤマシメ番屋」は、旧ヤマシメ福井邸を住民の有志がよみがえらせた施設です。館内には当時の暮らしぶりがわかる資料が並び、夏の期間だけ資料館カフェも開いています。

積丹ブルーがいちばん澄むのは7月下旬から8月上旬

神威岬で積丹ブルーを見るなら、ベストシーズンは6月下旬から8月下旬です。透明度のピークは、7月下旬から8月上旬にやってきます。

ただ、積丹半島は夏になると海水浴客でにぎわい、週末はとくに混み合います。人の少ない時期を選びたいなら、6月か9月以降に行く手があります。

ウニ丼を食べられるのは6月から8月ごろ

積丹ではウニ漁が例年6月に解禁され、ウニ丼を味わえる時期は6月から8月ごろまで続きます。産卵のおよそ2か月前にあたる7月のウニがいちばんおいしい、という話もあります。漁の期間や店で出す期間は、年ごとに違います。

走り終えたあとは海沿いの岬の湯しゃこたんへ

積丹町にある「岬の湯しゃこたん」は、海のそばに建つ温泉施設です。お湯に入れるのは12時から20時までで、受付は19時に締め切られます。食堂コーナーは12時から18時に開いています。

営業日や休館の期間は季節によって変わります。

国道229号は落石で通行止めになることがあり、トンネルでは前照灯と尾灯が重要

海沿いを通る国道229号では、落石のために通行止めになることがあります。東海岸では、1996年に豊浜トンネルが崩落する事故も起きました。出発の前には、通行止めや工事が入っていないかを国土交通省の道路情報などで確かめておくと安心です。

東海岸の国道229号は二車線の道路で、海岸沿いの区間はほとんどがトンネルです。トンネルの多いこの道では、自転車の前照灯と尾灯の装備が重要です。

冬は雪が踏み固められたり路面が凍ったりして、スリップ事故のおそれがあります。

車で積丹半島へ向かう人は、エリア内にガソリンスタンドが少ない点に気をつけ、給油の量を確かめておいてください。

まとめ

積丹半島では国道229号が海沿いを通り、神威岬では自転車を停めて約770メートルの遊歩道を歩きます。eバイクで走りたい人には、小雨決行の近畿日本ツーリストの体験プログラムと、ATガイドが案内する1泊2日の1周ツアーがあります。海がいちばん澄むのは7月下旬から8月上旬です。

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