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三重県の鳥羽市と志摩市を23.8kmでつなぐパールロードは無料で通れる県道で、ロードバイクなら海を見下ろしながら鳥羽展望台まで登れます。鳥羽駅から鳥羽展望台まで自転車で向かった旅行ブログの記録では、距離が35.2km、獲得標高が750m、走行時間は2時間20分でした。この道を含む太平洋岸自転車道は、2021年5月からナショナルサイクルルートの一つになっています。
冬なら入口の浦村町で牡蠣小屋に寄る楽しみもあります。一方で、路側帯の狭さや夏の補給、大雨のあとの通行規制など、走る前に押さえておきたい注意点もあります。

パールロードは2006年に全線が無料になった全長23.8kmの県道
パールロードの道路としての名前は、三重県道128号鳥羽阿児線です。鳥羽市浦村町から志摩市阿児町までをつなぐドライブウェイとして造られました。もともとは料金のかかる道路でしたが、一期区間が平成15年に、第二期区間が平成18年に無料となり、2006年以降は全線をお金を払わずに通れます。
JAFメイトの観光情報サイトでは、リアス海岸を眼下に見ながら気持ちよく走れる展望ロードとして取り上げています。ロードバイク乗りにも人気があり、見通しのいい区間が多いうえ、道沿いには展望台や飲食店が点在しています。
太平洋岸自転車道の一部として2021年5月からナショナルサイクルルートに
太平洋岸自転車道の起点は千葉県銚子市の銚子駅、終点は和歌山県和歌山市の加太港で、延長はおよそ1,487kmです。令和3年(2021年)5月にナショナルサイクルルートとなり、県道鳥羽阿児線もその道筋に組み込まれました。三重県内を通る部分は約300kmで、県内の起点が鳥羽市の鳥羽港、終点が南牟婁郡紀宝町の新熊野大橋です。
伊勢志摩地域では、鳥羽市や伊勢市、志摩市など8つの市町が手を組んでサイクリングの計画をまとめています。用意されたコースは2本あり、名所や旧跡を回る山ルートが約80km、海ルートが約120kmです。計画のコンセプトは「FAST ONLYからFAST&SLOWへ」で、ゴールデンルートを巡る旅にスローツーリズムという楽しみ方を持ち込もうとしています。
鳥羽駅から鳥羽展望台までは最も急な所で勾配14.6%
鳥羽駅から鳥羽展望台までの行程では、いちばん急な場所で勾配が14.6%に達しました。この記録の書き手は、途中で牡蠣の店に立ち寄っています。
パールロードの区間については、オートバイ向けの二輪誌が、道幅が広く路面の舗装もよい道だと評価しています。同誌が挙げる魅力は、極端な登り坂がなく中速から高速で曲がるカーブが続く線形と、山肌をなぞるように進みながら遠くの太平洋を眺め続けられる景色です。
休憩は路側帯ではなく展望駐車場や展望台で
注意したいのは、路側帯が狭いことです。道の端に何となく止まると危ないので、休むときは展望駐車場や展望台のように広さのある場所まで走ってから止まってください。
鳥羽駅へは近鉄のサイクルトレインで自転車ごと移動できる
鳥羽駅は近鉄とJRの駅です。近鉄では、対象の列車に自転車を分解も折りたたみもせず載せられるサイクルトレインを運行しているので、駅の改札を出たらそのまま走り出せます。
対象になる区間は平日と土休日で違います。平日は近鉄鳥羽線と志摩線のうち五十鈴川駅から賢島駅までで、土休日は近鉄山田線、鳥羽線、志摩線の松阪駅から賢島駅までに広がります。どの列車に乗れるのか、料金はいくらかといった細かな条件は、近鉄の公式サイトに掲載されています。
駅の近くには、走る前やゴール後に寄りやすい観光地が2つあります。ミキモト真珠島(鳥羽市鳥羽1-7-1)は駅から歩いて約5分です。国内最大級の室内型水族館である鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽3-3-6)も、駅から歩いて行ける場所にあります。
鳥羽展望台は海抜163m、太平洋と伊勢神宮の宮域林を一望できる
鳥羽展望台は海抜163mの高台に建っていて、太平洋と伊勢神宮の宮域林をどちらも見渡せます。足元にはリアス海岸が続き、晴れた日には遠くに富士山が見えることもあるそうです。
2022年12月のリニューアルを経て、展望台は「鳥羽展望台 海女のテラス」という名で新たにオープンしました。土産物店や、シーフードを味わえるレストランも敷地内に入っています。
海女のテラスの営業時間は9:30から16:30までで、ラストオーダーは16:00です。定休日は水曜で、季節を問わず営業しています。CUBE BOXとはねやすめについては、自転車で展望台まで来た旅行ブログに9:00から17:00という記載もあります。駐車場はおよそ250台分あり、無料で止められます。
海女のテラスの人気メニューは浦村かきのアヒージョサラダサンド
とばーがーに認定された「浦村かきのアヒージョサラダサンド」が、海女のテラスの人気メニューです。ほかに伊勢海老の身を詰めた「伊勢海老コロッケサンド」、鳥羽市産の海藻を使う「あおさフラッペ」、松阪牛で作ったフランクフルトも並んでいます。軽食は持ち帰りもできるので、展望スペースで海を眺めながら食べられます。
パールロードの見どころは白い麻生の浦大橋と赤い的矢湾大橋
鳥羽側から走り出して最初に渡るのが、麻生の浦(おうのうら)大橋です。真っ白なアーチ型の橋で、パールロードの入口にあたります。橋を渡りきると最初の展望地、白浜ビューポイント(展望台A)があり、菅島や神島など伊勢湾に浮かぶ島々が目に入ります。
志摩側に進むと、的矢湾に真っ赤な的矢湾大橋が架かっています。長さ237.6mのこの橋は、パールロードを象徴する存在です。2026年6月26日には、高欄に取り付けたLEDのイルミネーションが灯り始めました。パールロードのナショナルサイクルルート指定を受けて、三重県は橋のまわりの施設整備を進めてきました。
的矢湾大橋の北詰に展望台、南詰に自転車用の休憩所
橋の北詰の高台には、展望駐車公園の的矢湾展望台があります。駐車場があり、的矢湾を眺めながら休憩するのにちょうどいい場所です。展望駐車場としては、パールロード的矢パーキングも紹介されています。
反対の南詰に建つのが「的矢あんしんトイレ」です。ユニバーサルデザインに対応したトイレで、サイクリストに限らず誰でも立ち寄りやすいサイクルステーションとしての役目も持っています。所在地は志摩市磯部町三ケ所地内です。サイクルラックをはじめとする自転車用の設備もあります。
浦村かきの牡蠣小屋は冬に開く店が多い
浦村町は、パールロードの鳥羽側の入口です。浦村かきは、鳥羽市の生浦湾で育てられているマガキです。生浦湾にはエサが豊富にあり、養殖に向いた条件がそろっています。粒は小さめでも、うま味が詰まっていると評判です。
牡蠣小屋の多くは冬に営業します。2025年版の案内では、営業期間が2025年10月下旬から2026年3月下旬でした。食べ放題の店には、焼き牡蠣と蒸し牡蠣の2通りを味わえるところや、調味料を自由に持ち込めるところがあります。夏場も、焼き牡蠣や蒸し牡蠣、カキフライのように火を通した料理を出す店があります。日程や料金は変更されることがあるため、行く前にそれぞれの店へ問い合わせてください。
相差町は現役の海女が全国で最も多く暮らすまち
鳥羽市相差(おうさつ)町は、現役の海女さんが全国でいちばん多く暮らすまちとして紹介されています。国は平成29年3月、「鳥羽・志摩の海女漁の技術」を重要無形民俗文化財に指定しました。
相差町の神明神社の参道には、石神さんがまつられています。女性の願いを一つかなえてくれる神様として、海女さんたちが昔から大切にしてきた場所です。お参りは本殿から始めるのが決まりで、本殿の隣に立つ御神木のクスノキには手でふれられます。
海女小屋は、海女さんが仕事の拠点にしている小屋です。着替えの場所として使うほか、食事をとったり休んだりするのにも使われます。海女小屋の体験ができる施設には「海女小屋 はちまんかまど」(鳥羽市相差町819)と「海女小屋 相差かまど」があり、どちらも予約をしてから訪ねるのが基本です。
的矢湾も含む伊勢志摩国立公園はリアス海岸の景観が特徴
的矢湾も景観の一部に含まれる伊勢志摩国立公園は、昭和21年11月20日に、全国34の国立公園の中で13番目に指定されました。広さは陸域がおよそ55,544ha、海域がおよそ20,900haです。
自然の面では、英虞湾などの深い入り江と大小たくさんの島がこの公園の特徴で、的矢湾、五ヶ所湾、神島、答志島もその景色の一部です。人の暮らしの面では、真珠やカキの養殖、海女漁、伊勢神宮があり、自然と人の営みが溶け合っている点がこの公園のいちばんの特色になっています。公園内で最も高い山は朝熊山(555m)で、頂上からは岬と海と島をまとめて見渡せます。
リアス海岸は谷や川の跡に海水が入り込んでできた地形
リアス海岸とは、陸の谷や川の跡に海水が流れ込み、岬と入り江が交互に連なるようになった海岸を指します。志摩半島では、土地が長い時間をかけて沈んだり持ち上がったりを繰り返し、昔の谷や川筋が海に浸かってこの形になりました。最終氷期が終わったあと海面が上がり、いくつもの渓谷に海水が入ったことも、この地形ができた要因の一つとみられます。入り江と湾が何度も繰り返す海岸線のため、湾の奥には漁港や商港が開け、昔から漁業や港の仕事と深く結びついてきました。
周辺には伊勢志摩スカイラインと賢島〜国府白浜サイクリングコースもある
周辺の展望ロードとしては、伊勢志摩スカイラインがあります。朝熊山を越えて伊勢神宮の内宮と鳥羽をつなぐ道で、全線にわたって眺めがよく、カーブの多い山の道です。一宇田展望台が途中にあり、天気によっては富士山まで見えることもあります。
志摩側では、賢島から走り出す賢島〜国府白浜サイクリングコースを環境省が伊勢志摩国立公園の案内で紹介しています。同じ案内では、国府白浜までの区間が自転車専用道として整備されているとしています。
夏に走るなら塩分と糖分の両方を持っていく
夏のロングライドで気をつけたいのは、熱中症と、エネルギーが尽きて低血糖に陥るハンガーノックの2つです。汗をたくさんかいたあとに水だけを飲むと、血液中のナトリウムが薄まってしまいます。水分と一緒に塩分もとりましょう。塩分タブレットには、汗をかくと一緒に出ていきやすいミネラルが入っているため、走る前に用意しておくと安心です。
ハンガーノックはグリコーゲンを使い切ったときに起きる
ハンガーノックとは、長時間の運動で血糖が極端に下がり、体が思うように動かなくなる状態のことです。車でいえば走行中のガス欠にあたり、脳へ届くエネルギーも減るので、意識や考える力も鈍ります。
直接の原因は、すぐに使える糖質であるグリコーゲンが底をつくことです。グリコーゲンが底をついた体は脂肪に頼り始めます。ところが脂肪をエネルギーとして使えるようになるには時間が必要で、その間にパワーやペースががくっと下がるのです。
グリコーゲンは、ブドウ糖がいくつもつながった多糖類で、動物の肝臓や筋肉にたくさん蓄えられています。分解されるとブドウ糖になり、血糖量を保つ役目と、筋肉などのエネルギー源としての役目を果たします。筋肉のグリコーゲンは運動中のパワーを、肝臓のグリコーゲンは血糖値の安定を受け持っています。筋肉の分を使い切っても血液中の糖で埋め合わせられますが、肝臓の分が尽きた場合は筋肉側のグリコーゲンで穴埋めできず、体を動かす機能が落ちてしまいます。グリコーゲンの分解が進むのは、最大酸素摂取量の60〜80%という中強度から高強度の運動が90〜180分続いた場合とされます。
出発前の食事と走行中のこまめな補給で備える
備えの一つ目は、走り出す2〜3時間前に炭水化物を中心とした食事をとって、グリコーゲンをためておくことです。二つ目は、長く走る間に一度にまとめて食べず、少しずつ回数を分けて補給することです。糖を吸収できる量は1時間に約60gが上限になる、という解説もあります。
補給食はどれも一長一短です。ジェルは即効性に優れています。バーは登り坂の途中のように噛みにくい場面には向かず、暑い季節には溶けやすい製品もあります。走っていて体がおかしいと感じたら、飴、チョコ、ブドウ糖のように即効性のある糖分をただちに口に入れ、ペースを落として休みながら血糖が戻るのを待ってください。
自転車は車道が原則、2026年4月からは違反に青切符
自転車は車道を走るのが原則です。自転車道が設けられた道路では、自転車道以外の車道を横切るときや、道路の状況などからやむを得ないときを除いて、自転車道を通る決まりになっています。歩道を走るときは歩行者が優先で、車道に近い側を徐行します。
改正道路交通法が2023年4月に施行され、自転車に乗る人は全員、ヘルメット着用の努力義務を負うことになりました。自転車に同乗する子どもも対象です。交通反則通告制度、いわゆる青切符も、2026年4月1日から自転車の一定の違反に使われるようになりました。切符を切られるのは16歳以上です。
ヘルメットをかぶらないことそのものは努力義務の範囲なので、青切符は切られません。それでも、頭を守るためにかぶって走ってください。飲酒運転や妨害運転のように悪質な違反は、これまでどおり赤切符の対象です。
斜面の崩落で片側交互通行や通行止めになった例が複数ある
過去には、斜面の崩落による通行規制が何度もありました。2018年には堅子町で法面に変状が見つかり、片側交互通行にしたうえで災害復旧工事が行われました。相差町では2021年8月に法面が崩れて全面通行止めとなり、迂回路が案内されましたが、対策工事を終えた2022年4月に規制は終わっています。2022年の豪雨では鳥羽市国崎町で土砂が崩れ落ち、10月9日に全面通行止めが解かれて片側交互通行に切り替わりました。
三重県は、崩れた斜面の本格的な復旧を進めている区間について、崩落箇所の前後を片側交互通行にすると発表していました。雨の多い季節や大雨が降ったあとは、通行止めや片側交互通行に出くわすことを計算に入れて計画を立ててください。最新の状況は、走る前に三重県志摩建設事務所や県の道路情報で確認しておくと確実です。
鳥羽駅まではサイクルトレイン、鳥羽展望台の海女のテラスは水曜定休
鳥羽駅までは近鉄のサイクルトレインで自転車ごと移動でき、駅を出てすぐに走り始められます。ゴールの鳥羽展望台にある海女のテラスは、水曜が定休日です。








