大井川に沿って整備された河川敷の自転車道は、静岡県島田市を中心に、起伏の少ない走りやすい道が長く続くサイクリングコースです。愛称は「リバティ」といい、焼津市から藤枝市、島田市にまたがる区間に、路面をカラー舗装した道が整備されています。世界一長い木造歩道橋として知られる蓬莱橋や、大井川鐵道のSL、家山の桜トンネルなど、沿線には季節ごとに楽しめる観光スポットも点在しています。この記事では、大井川自転車道と周辺のサイクリングコースの特徴、代表的なルート、レンタサイクルや駐車場の情報、走行時に気をつけたいポイントを、島田市エリアを中心にまとめます。

大井川河川敷の自転車道「リバティ」は22.2キロのうち17.9キロが完成済み
大井川の河川敷には、焼津市・藤枝市・島田市の3市にまたがる形で「リバティ」と呼ばれる道が整備されています。計画されている全区間は22.2キロメートルで、このうち第1期工事区間の17.9キロメートルはすでに完成しました。幅は約7メートルあり、路面にはカラー舗装が施されているため、ランナーとサイクリスト、散歩をする人が同じ道を無理なく共有できる造りになっています。
このコースの一番の特徴は、堤防沿いや河川敷内を走るために急な坂がほとんどないことです。体力にあまり自信のない人でも、子ども連れのファミリーでも、無理のないペースで走ることができます。もちろん距離を伸ばせばトレーニングにもなるので、本格的なロードバイク乗りが利用する姿もよく見られます。片側には大井川の流れ、反対側には牧之原台地の茶畑が広がり、空気が澄む冬場から早春にかけては富士山がくっきり見える日も多いので、写真を撮りながらゆっくり走るのにも向いています。
コース沿いには一定区間ごとに、トイレや四阿(あずまや)、水飲み場、ベンチをそろえた「ステーション」が配置されています。長距離を走るときの休憩ポイントとして使いやすく、河川敷コースを初めて走る人でも安心して計画を立てやすいでしょう。
普段はランニングコースとして使われる場面が多いものの、自転車の通行も可能な区間が多く、河川敷ならではの開放的な景色を眺めながら走れます。毎年10月下旬には「しまだ大井川マラソンinリバティ」が開催され、全国からランナーが集まります。このフルマラソンコースは、まず約3.7キロメートルの市街地コースからスタートし、旧東海道の宿場町の面影を残す「島田宿大井川川越遺跡」周辺を抜けてから、メインの河川敷区間「リバティ」に入っていく構成です。島田宿大井川川越遺跡は、江戸時代に川を渡る旅人を助けた「川越人足」の制度にまつわる史跡群で、当時の建物や町並みが復元・保存されています。サイクリングの途中で立ち寄れば、大井川と人の暮らしの関わりを感じ取れる場所です。
河口に近い焼津市・藤枝市側まで足を延ばすと、大井川河口野鳥園をはじめとする自然豊かなエリアに行き着きます。川と海が出会う景色や野鳥観察を楽しめるほか、河口から駿河湾沿いに焼津市方面へ進めば、駿河湾越しに富士山を望める全長約36.1キロメートルの「潮風さわやか海岸堤防コース」にもつながります。河川敷ライドと海岸線ライドを組み合わせれば、より長い距離のロングライドも計画できます。
島田発着の「RIDE Oigawa」は距離の異なる4コースがそろう
大井川流域では、大井川流域サイクルツーリズム推進協議会が中心となって「RIDE Oigawa(ライド大井川)」という広域サイクリングルートの整備とPRを進めています。島田市の公式ホームページでも紹介されており、河口から上流の南アルプスの麓まで、地域の自然や文化に触れながら走れる4つのコースが用意されています。
| コース名 | 距離 | エリアの特徴 |
|---|---|---|
| 川越ライド | 約18.6キロメートル | 島田市街地と金谷。蓬莱橋や牧之原台地の茶畑を巡る |
| 温泉ライド | 約58.8キロメートル | 川根町から川根本町。温泉地と大井川鐵道の沿線風景 |
| 秘境ライド | 約27.7キロメートル | 最上流部の奥泉。渓谷美と静かな集落風景 |
| 湖畔ライド | 約8.8キロメートル(井川湖渡船コース)/約22.8キロメートル(田代ロングコース) | 井川湖畔。エメラルドグリーンの湖面と山並み |
初めて大井川流域を走るなら、距離が短くアクセスもしやすい川越ライドから試すのがおすすめです。慣れてきたら温泉ライドや秘境ライド、さらに上流の湖畔ライドへと距離を伸ばしていく楽しみ方ができます。2024年2月には島田市観光課が「大井川流域Cycling MAP島田市エリア周遊Ver.」を発行しました。季節ごとのおすすめルートや道路状況を確認するのに役立ちます。
川越ライドは牧之原台地の茶畑を抜ける18.6キロ
川越ライドは島田市街地と金谷エリアを巡る約18.6キロメートルのコースです。距離が短く高低差も少ないため、サイクリング初心者や観光を兼ねたライドに向いています。このコースの周辺に広がるのが、島田市から牧之原市にかけての「牧之原台地」です。面積約5000ヘクタールにおよぶ、東洋一とも称される大茶園で、見渡す限り茶畑が広がる景観が魅力です。公共交通機関がほとんど通っていない台地なので、この一帯を効率よく回る手段としては自転車が向いています。江戸時代に武士たちが茶畑を切り拓いた開拓の歴史を感じながら走れるエリアでもあります。
上流の温泉ライドと秘境ライドはアップダウンを含む長距離コース
温泉ライドは川根町エリアから川根本町にかけて大井川に沿って伸びる約58.8キロメートルのコースで、温泉地や大井川鐵道の沿線風景を楽しめます。距離が長めのため、ある程度サイクリングに慣れた人向けといえます。秘境ライドは最上流部に近い奥泉エリアを巡る約27.7キロメートルのコースで、深い山々に囲まれた渓谷美と静けさの残る集落風景が魅力です。アップダウンも含まれるので、体力と装備に余裕を持って挑みたいコースです。
より上流の奥大井エリアまで足を延ばすなら、大井川鐵道の南アルプスあぷとラインを組み合わせる楽しみ方もあります。千頭駅から井川駅までの25.5キロメートルを結ぶこの路線は、国内で唯一アプト式機関車を使う鉄道として知られ、鉄道日本一ともいわれる急勾配を登り降りしながら奥大井の渓谷を進みます。途中の「奥大井湖上駅」は井川ダム湖に浮かぶように線路が敷かれた景観で人気が高く、あぷとライン観光の定番の途中下車スポットです。あぷとラインを部分的に利用して、接岨峡や寸又峡といった奥大井の秘境エリアを自転車で巡るサイクリストもいます。寸又峡にかかる大吊橋「夢の吊り橋」は、旅行口コミサイトで「死ぬまでに渡りたい世界の吊り橋10選」に選ばれたこともある名所で、秘境ライドや湖畔ライドと組み合わせて訪れる価値があります。
湖畔ライドは井川湖をフェリーで渡る8.8キロコースが選べる
湖畔ライドには2つのルートがあります。井川湖畔をフェリーで渡る「井川湖渡船コース」は約8.8キロメートル、田代エリアを巡る「田代ロングコース」は約22.8キロメートルです。エメラルドグリーンに輝く湖面と緑豊かな山々のコントラストが美しく、大井川流域の中でも特に秘境感の強いエリアを走れます。
世界一長い木造歩道橋「蓬莱橋」は全長897.4メートルで自転車も渡れる
蓬莱橋は大井川に架かる木造の橋で、全長897.4メートル、幅2.4メートルという規模を持ち、1997年にギネスブックで「世界一長い木造歩道橋」に認定されました。橋が架けられたのは明治12年(1879年)で、100年以上にわたって地域の生活と観光を支えてきました。
蓬莱橋は歩行者・自転車専用で、自動車は通行できません。日本に数少ない「賃取橋」のひとつで、橋のたもとにいる橋番に通行料を払って渡る仕組みです。歩いて渡ることはもちろん、自転車を押して、あるいはゆっくり乗って渡ることもできるので、サイクリングの途中に立ち寄るスポットとして人気があります。
橋の全長が897.4メートルであることにちなみ、橋のたもとには「897.4茶屋」があり、島田市特産のお茶を使ったメニューを味わえます。晴れた日には橋の上から富士山を望むことができ、富士山と大井川の流れ、木造の長い橋が重なる景色は撮影スポットとしても知られています。RIDE Oigawaの川越ライドにも組み込まれており、多くのサイクリストが目的地や休憩地点として利用しています。
大井川緑地公園は島田駅から徒歩12分でサイクリングの起点になる
島田市内を南北に流れる大井川の河川敷には「大井川緑地」という緑地エリアが広がっています。島田市の中心部を縦断するように細長く伸びており、陸上競技場やソフトボール場、サッカーグラウンドといったスポーツ施設が点在するほか、マラソンコース「リバティ」のスタート・ゴール地点としても使われています。
大井川緑地公園は島田駅から約1.0キロメートル、徒歩でおよそ12分の距離にあり、公共交通機関でもアクセスしやすい場所です。サイクリングの起点として使うだけでなく、休憩や軽い運動、ピクニックの場としても地域の人に親しまれています。ここを起点に大井川の左岸・右岸の堤防道路や河川敷内の道を組み合わせれば、初心者向けの短い周回コースから、上流や下流に延びる長距離のロングライドまで、自分の体力や目的に合わせて自由にルートを組み立てられます。
家山の桜トンネルは3月下旬から4月上旬が見頃
大井川をさらに上流にさかのぼると、島田市川根町エリアに入ります。大井川鐵道が並走する区間で、レトロなSL列車の走行風景を眺めながら走れる大井川流域ならではの魅力があります。
中でも人気が高いのが「家山の桜トンネル」です。大井川鐵道の家山駅と大和田駅のちょうど中間あたりにあり、道路の両脇に植えられた約280本のソメイヨシノが3月下旬から4月上旬にかけて一斉に咲き、長さ約1キロメートルの桜のトンネルをつくります。桜のシーズンにはSLやEL列車がこの桜トンネル付近と大和田駅付近であえてゆっくり走行し、車窓から桜並木をじっくり楽しめるように配慮されています。サイクリングと合わせて桜と列車の共演を見られる、大井川流域を代表する春の風物詩です。
このほか川根エリアには、家山緑地公園の桜並木や野守の池周辺のしだれ桜、樹齢300年を超える一本桜「牛代のみずめ桜」など、桜の名所が点在しています。桜トンネルへは新東名高速道路の島田金谷インターチェンジから国道473号を千頭方面へ約16キロメートル進んだ場所にあり、周辺には約200台収容の駐車場が整備されています。車でアクセスして自転車を積み込み、川根エリアからサイクリングを始めるという楽しみ方もできます。
川根エリアには島田市川根文化センター「チャリム21」があり、YAMAHA PAS CITY-Cの電動アシスト自転車を5台備えたレンタサイクルサービスを提供しています。貸出時間は9時から17時まで、月曜日は定休日です。上流エリアにはアップダウンのある区間も含まれるため、電動アシスト自転車を使えば、体力に自信のない人でも川根の自然を存分に楽しめます。
レンタサイクルは島田駅で1日500円、川根はチャリム21の電動アシスト
大井川流域のサイクリングへのアクセスは、JR東海道本線やJR大井川鐵道の島田駅・金谷駅、新東名高速道路の島田金谷インターチェンジが起点として使いやすいでしょう。
自転車を持たずに手ぶらで訪れたいなら、島田駅のレンタサイクルが便利です。島田駅北口の自転車等駐輪場では、利用時間は8時30分から17時まで(6月から9月は19時まで延長)、利用料金は1日500円でレンタサイクルを利用できます。前述のとおり川根エリアの「チャリム21」でも電動アシスト自転車を借りられるので、走るエリアに応じてレンタサイクルの拠点を選ぶとよいでしょう。島田市内にはHELLO CYCLINGのシェアサイクルステーションもあり、短時間・近距離の移動ならこちらを使う手もあります。
駐車場とKADODE OOIGAWAのサイクルピットで機材トラブルにも備えられる
駐車場は、大井川緑地公園の周辺や各観光スポットの近くにコインパーキングが点在しているほか、家山の桜トンネル付近には約200台収容の無料駐車場が整備されています。マイカーで訪れて自転車を積み込み、目的のエリアからサイクリングを始めるスタイルも大井川流域では一般的です。最新の駐車場情報やコース状況は、大井川流域サイクルツーリズム協議会の事務局を兼ねる島田市観光協会に問い合わせて確認できます。
サイクリストの受け入れ環境も年々整ってきていて、KADODE OOIGAWA内の観光案内所「おおいなび(TOURIST INFORMATION)」には、サイクリスト向けの休憩スポット「サイクルピット」が設けられています。チューブなどの補給パーツやメンテナンス用品の販売、空気入れや工具の貸し出しも行われているので、走行中にトラブルが起きたときも心強い存在です。ロングライドの拠点やゴール地点としてKADODE OOIGAWAを組み込んでおけば、万一のパンクや機材トラブルにも対応しやすくなります。
走行時は増水と向かい風、交通ルールへの配慮が欠かせない
大井川の河川敷や堤防道路は総じて走りやすい道が多いものの、いくつか気をつけたい点があります。河川敷は増水時に冠水するおそれのあるエリアなので、大雨や台風の後は道路状況が変わっていることがあります。事前に最新の気象情報や道路情報を確認し、無理のない範囲で走ることが大切です。
リバティのようなマラソンコースを兼ねた道では、ランナーや散歩をする人、他のサイクリストと同じ道を共有します。歩行者への配慮を忘れず、スピードの出しすぎに注意しながら、譲り合いを意識して走りたいところです。大会開催日には交通規制やコース上の混雑が予想されるため、事前にイベント情報を確認しておくと安心です。
蓬莱橋のような木造の橋を渡るときは、路面が濡れていると滑りやすくなるので、速度を落として慎重に通行しましょう。橋の通行には料金が必要になるため、小銭を用意しておくとスムーズです。
川根エリアなど上流に向かうコースでは、平坦な河川敷とは違ってアップダウンのある区間も含まれます。距離が長くなるコースも多いので、水分補給や休憩をこまめに取り、日焼け対策や防寒対策など季節に応じた準備をしておきたいところです。夏場は日差しを遮るものが少ない河川敷区間もあるため、熱中症対策として十分な水分と休憩ポイントの把握が欠かせません。
河川敷は視界を遮る建物が少ない分、風の影響を強く受けやすい地形でもあります。走行者のブログなどでも、河口方面や海に近い区間では向かい風が強く感じられるという体験談がよく見られます。風の強い日は往路と復路で体感の負荷が大きく変わることがあるので、風向きを踏まえてコース取りやペース配分を考えておくと、快適に走れます。
基本的な交通ルールを守ることも忘れてはいけません。道路交通法上、自転車は軽車両として扱われ、歩道と車道の区別がある道路では車道を通行するのが原則です。自転車道が設けられている区間では、やむを得ない場合を除いてその自転車道を通行する必要があります。歩道を通行する場合は、すぐに停止できる速度で車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げそうなときは一時停止しなければなりません。静岡県警察が呼びかける「自転車安全利用五則」にあるとおり、車道が原則で歩道は例外であること、交差点での信号遵守と一時停止・安全確認、夜間のライト点灯、飲酒運転の禁止、命を守るためのヘルメット着用は、大井川流域のサイクリングロードでも基本として守りたいポイントです。堤防道路や河川敷内の道は交通量こそ少ないものの、農作業車や歩行者、他のサイクリストとすれ違う場面もあるため、油断せず基本ルールを徹底しましょう。
KADODE OOIGAWAとプラザロコは休憩とグルメを兼ねた立ち寄りスポットになる
大井川流域のサイクリングを充実させてくれるのが、沿線に点在するグルメスポットや体験施設です。代表格が、島田市竹下にある体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA(かどでおおいがわ)」です。2020年11月にオープンしたこの施設は、敷地面積1万4459平方メートル、延床面積約5200平方メートルの敷地に、飲食・物販施設16店舗や体験施設、キッズパーク、観光案内所「おおいなび」などが集まる複合施設で、緑茶・農業・観光をテーマにした体験型フードパークとして地元でも人気です。
施設内の農産物直売所「マルシェ」は県下最大級の規模を誇り、地元でとれた野菜から鮮魚、精肉、静岡の地酒、定番の銘菓まで幅広い品ぞろえがあります。自分好みのお茶を選んで味わえる「緑茶B.I.Y.スタンド」や、製茶工場をイメージしたアトラクションで「蒸す」「揉む」「火入れ」といったお茶づくりの工程を体験できる「緑茶ツアーズ」など、静岡ならではのお茶文化を学べる仕掛けも充実しています。大井川鐵道の新金谷駅からも近く、サイクリングの休憩地点やゴール地点として立ち寄りやすい施設です。
新金谷駅の目の前には、SL急行券の販売窓口や売店、ミニ資料館「ロコミュージアム」を併設した複合施設「プラザロコ」があります。ロコミュージアムは昭和30~40年代の駅舎を再現した空間で、古いSL車両や客室を間近で見学できます。入館は無料で、営業時間は9時から17時までです。建築当時の面影を残す新金谷駅の駅舎自体も国の登録有形文化財に指定されており、KADODE OOIGAWAとあわせて立ち寄りたいスポットです。
新金谷駅周辺には、大井川鐵道のSLをイメージした「SLラテ」を提供するカフェもあり、レトロな鉄道の雰囲気とあわせて楽しめます。金谷駅周辺には和食や居酒屋、イタリアン・フレンチ、焼肉・ステーキ、中華、カフェ、スイーツなど多彩な飲食店がそろっています。上流の千頭駅前通りにある「cafeうえまる」では、地元で人気の大井川ダムカレーなど、ご当地グルメも味わえます。島田・大井川河口エリアにも数多くのカフェ・喫茶店が点在しており、サイクリングの途中でひと息つきながら、地域ごとに違うグルメを楽しめるのも大井川流域ライドの魅力です。
大井川鐵道のSLを輪行と組み合わせれば走る区間を柔軟に調整できる
大井川流域のサイクリングを特別なものにしているのが、大井川鐵道の存在です。金谷駅から千頭駅を結ぶ大井川本線では、現役のSL(蒸気機関車)が定期的に運行されていて、河川敷や堤防道路を走りながら、汽笛を鳴らして走るSLの姿を眺められる区間があります。鉄道と自転車、両方が好きな人にとっては、走りながら撮影スポットを巡るという楽しみ方も生まれます。
上流の千頭駅からは南アルプスあぷとラインを経由して井川方面へ至るルートもあり、大井川鐵道を輪行や部分的な区間利用と組み合わせれば、体力や時間に応じて走る区間を柔軟に調整できます。往路は電車で上流の千頭や川根方面まで移動し、復路は大井川に沿って河口方面まで下りながらサイクリングを楽しむといった、鉄道とサイクリングを組み合わせたロングライドの計画も立てやすくなります。
秋冬は富士山が見えやすく、春は桜とSLの共演が見られる
大井川流域のサイクリングは一年を通じて楽しめますが、季節ごとに違う魅力があります。春、特に3月下旬から4月上旬にかけては、家山の桜トンネルをはじめ、家山緑地公園の桜並木、野守の池周辺のしだれ桜、樹齢300年を超える一本桜「牛代のみずめ桜」など、大井川流域各地で桜が見頃を迎えます。この時期はSLのお花見列車も運行されるため、桜と鉄道、サイクリングを組み合わせた体験ができる季節です。
夏は日差しが強くなり、河川敷区間では日陰が少ない場所もあるので、熱中症対策としてこまめな水分補給と休憩が欠かせません。一方で川根エリアの渓谷沿いは木々の緑が濃く、比較的涼しさを感じられる区間もあるため、上流方面へのライドは夏場にも人気があります。
秋は空気が澄んで富士山が見えやすくなる季節で、河川敷から富士山を望むサイクリングが特に美しい時期とされています。10月下旬には「しまだ大井川マラソンinリバティ」も開催されるので、この時期に訪れる場合は開催日や交通規制の情報を事前に確認しておきましょう。
冬は空気が乾燥した晴天が続きやすく、遠くの山並みや富士山がくっきり見える日が多くなります。防寒対策をしっかりすれば、混雑の少ない静かな河川敷をゆったり走ることができる季節です。
静岡県島田市の大井川自転車道は初心者からロングライド派まで対応する
大井川流域、とりわけ島田市周辺のサイクリングコースは、河口付近の平坦な河川敷から、蓬莱橋のような歴史的な名所、川根エリアの渓谷美やSL、桜トンネルまで、変化に富んだ景観と観光資源を一度に楽しめる点が魅力です。「リバティ」の愛称で親しまれる河川敷コースは起伏の少ない走りやすさから初心者やファミリー層にもすすめられ、「RIDE Oigawa」として整備された4つのコースを組み合わせれば、日帰りの気軽なライドから本格的なロングライドまで、自分の体力や目的に応じた走り方ができます。
レンタサイクルやシェアサイクル、駐車場などのインフラも整いつつあり、公共交通機関や高速道路からのアクセスも比較的良いので、静岡県内はもちろん県外からサイクリング目的で訪れる場合も計画を立てやすいエリアです。四季折々の自然や富士山の眺め、大井川鐵道のレトロな列車、地域特産のお茶を味わえる茶屋など、走ること自体の心地よさに加えて、道中で立ち寄れる観光スポットの多さも大井川流域サイクリングの魅力といえます。これからサイクリングを始めたい人にも、経験を積んだサイクリストにも、静岡県島田市の大井川自転車道・河川敷コースは走ってみる価値のあるエリアです。








